- KADOKAWA (2013年2月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041007129
作品紹介・あらすじ
島に一本しかない紫焔樹。森の奥の聖域に入ることを許されたユナは、かつて〈果樹の巫女〉と呼ばれた少女だった……呪術的な南洋の島の世界を、自由な語りで高らかに飛翔する、新たな神話的物語の誕生!
みんなの感想まとめ
南国の島を舞台にしたこの短編集は、夢と現実が交錯する神秘的な物語が織りなされています。各話は、伝説や民話、怪談を通じて、絶望からの再生や復活をテーマに描かれ、読者を異界へと誘います。特に、主人公のタカ...
感想・レビュー・書評
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南国の島で繰り広げられる世にも奇妙な話が7つ収録されておりましたが、いずれも話にのめり込む事が出来ず、よく分からないまま終わってしまった感じがありました。
わたしはカタカナの名前を覚えるのが苦手なので、タカシとユナ以外あまり把握できていなかったせいもありますが…。
ユナは120年も生きているみたいですが、一体何歳まで生きられるのでしょうか?
わたしも死ぬまでにやりたい事や、読み切れない本がいっぱいあると思うので、あの白い果実を食べて長生きしたいです( ˘• ₃ • )ズルイ
そう言えばこの本を読んで初めて知ったのですが、カニって人肉を食べるんですね(゚ω゚)
そしてタコはカニを食べるのも初めて知りました。
カニは食べられそうになったらハサミで抵抗しないのかな…?タコの足ってハサミで切れそうだけど意外と切れないもんなのかな…?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆4.0
ゆるくつながる七編が収録されている。
語り口は淡々としているが、そこには確かに叙情が滲む。
南国の架空の島、トロンバス島が主に舞台となっているが、いつの間にか現実との境界を越えてあちらへ行ってしまいそうになる気持ちを体験した。
「南の子供が夜いくところ」
一家心中による死を迎えようとしていた一家が、訪れたバスの露店で出会ったのは、120年生きている呪術師の女性ユナだった。
息子のタカシはユナに連れられていったトロンバス島で生活しながら、別々の島で働いているという両親を待っている…
自分の知らぬところで自分のことが決められ、目まぐるしく振り回されたタカシが、本当の意味でトロンバス島に馴染んだのはきっとこの夜なんだろう。
「紫焰樹の島」
ユナが子供の頃住んでいた島には紫焰樹と呼ばれる樹があった。
その場所は聖域となり、つけた果実は村でも大事にされ一年に一度の祭りの時のみ食すこととされていた。
聖域にたどり着けるのは果樹の巫女だけ。
ユナはある時紫焰樹に偶然たどり着き、巫女に選ばれたのだと知る…
じゃれ合うユナとトイトイ様がとってもキュート。
"古き良き"という表現が似合いそうな島は、その存在自体がファンタジーそのものだ。
紫の焔のように見える紫焰樹の花を心底見てみたいと思った。
「十字路のピンクの廟」
トロンバス島のティアムという街で見かけた十字路にあるピンクの廟。
中には木彫りのご神体があり、通りすがりの女の子が投げキスをしている。
街の風習かと思いきや、知らない人もいる。
聞き込みしてみると、小学校の先生が建てたと言う。
何故そんなものを建てたのだろうか…
な、なんておちゃめなヤツなんだ!と思ってしまった。
絶対むっつりだぜ、あいつ。
そんな一面も持っているけれど、本当は怖いヤツなんだろうな。
「雲の眠る海」
島の祭りが盛大に行われた翌日、ペライアは大国を後ろ盾にした付近の島から攻め落とされた。
伝説にある島の一族の力を借りれば攻め返すことも不可能ではない。
自らの家族の安否もわからぬまま、シシマデウは〈大海蛇の一族〉を探すため海に漕ぎ出した…
明確に言葉にできないけど、とんでもなく切ない気持ちを心に刻み込んでいった一編。
それは何故か泣き出してしまいたくなるような、もしかしたら傷なのかもしれない。
「蛸漁師」
崖の下に若い男が死んでいる、そう警官へ告げた蛸漁師をしている男は「ヤニューって知っているか?」と聞いた。
その男が蛸漁師になった理由、そしてその崖にいた理由が少しずつ語られ明らかになってゆく。
何故彼は警官にそんな話をするのか。
そのことにさえ、とても大きな理由があるのだ…
ちょっとミステリっぽさもあって、スリリングで好き。
"俺だけが知ってる蛸の秘密"が、すごい究極の悪趣味よね。
爺さんの愉悦って感じ。
「まどろみのティユルさん」
目覚めた時、何かに埋まっていた。
動けずに長い眠りの中にいたが、飲まず食わずでも平気だった。
名前はティユル。
思い出してみれば海賊をしていた過去が浮かぶ。
その頃出会った人、奪ったもの、奪った命、与えたもの。
海賊をやめた後のこと。
このまどろみの先には何が…
一番好きな一編かも。
読んでいるうちにティユルさんが雲上の人に思えてくる。
ゆるやかな永遠の平穏にいてほしい。
「夜の果樹園」
ケイタは息子のタカシに会いに行くためにバスに乗った。
間違ったバスだとは知らずに。
たどり着いたのは町中に蔦が絡まる奇妙な町。
そこに住むのはフルーツ頭の奴らだった。
バスの停留所に戻ってもバスは一向に来ない。
そこで赤ひげと名乗る一人の小鬼と出会う…
この連作の中では最もホラーっぽい。
流されて流されてここまで来たか。
思えば最初からタカシの父親はそんな感じだったね。
もうきっとタカシの方がしっかりしてるぞ!
続きが読みたいような、でもここで終わっていてほしいような、自分の中でも面白い位置に残る作品集だった。
あわよくば、恒川さんの他の作品で少しリンクとかしてくれたら嬉しい。
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神秘や怪異がすぐ隣に「ただ、ある」ような。足元を少し掘れば残酷な歴史がすぐそこに現れるような。
夢と現実がゆるやかに溶け合うような島の、連作短編集。 -
傑作『夜市』から続いてきた異郷を舞台にした作品群から一転。伝説、民話、神話、怪談という民族心理に根付いた寓話を一つの舞台で語られる短編集として構成、展開しようとした恒川光太郎の意欲作。
絶望の淵からの再生と復活をテーマに7つの話が語られてゆく。表題の『南の子供が夜いくところ』は、この短編集のプロローグ的な話であり、主人公のタカシ少年と大呪術師ユナが南洋に浮かぶトロンバス島との関わり合いと、この島にまつわる奇談で読者を現代、過去、異界へ縦横無尽に駆け巡る異世界へと誘う構成と飽きることなく一気に読ませる「技」は見事。日本人の深層心理にある「南国望郷論」に基づくユートピア「トロンバス」。大自然の不思議は神々へ畏怖と優しさとして人の中に息づく。恒川が魅せた新たな「異世界」。
作中、トロンバス島の住人の中に「ON:オン」からやって来たとされる人物は前作『雷の季節の終わりに』の舞台となった「穏:おん」からか?ちょっとしたファンサービスが嬉しい。-
そうだ、文庫本化されていたのですね。買わなくちゃ♪ 竜が最後に帰る場所も早く文庫化しないかな~と思ったら、おぉ、13日発売!マエストロさん、...そうだ、文庫本化されていたのですね。買わなくちゃ♪ 竜が最後に帰る場所も早く文庫化しないかな~と思ったら、おぉ、13日発売!マエストロさん、サンキューです(*^-゚)b2013/09/05
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南洋が舞台の連作短編集。様々な時空を行き来しつつ、それを120歳の若者・ユナの存在がひとつに繋ぐ。植物化した海賊や果物頭の住人など、唯一無二の世界観が堪らん。民話や神話の誕生に立ち会うような読み心地。恒川先生はいつも読者を遠くへ連れていってくれる。
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作者特有の、現実と異世界との境界が曖昧な、異界が現実と混ざっているような雰囲気が好きな私にとっては満足極まりの作品だった。
あと、タカシ可愛い。 -
文章は軽妙で読みやすくスルスル読めていく。悪霊やら不思議な存在が関わる話したちはなかなかに楽しい。短編集なものの、島々の今や過去を舞台にした話なので歴史やよく出てくる不思議なキャラの背景がわかり先に進むほど、不思議な世界に入り込める。
続きがあるならもっと読みたいところだ -
一家心中の運命から救われた少年が、彼を救った魔女(?)に連れられて南の島で暮らし始める……。こう聞かされても、今時の読者はそこまで甘いだけに話を想像することはないだろうが、それでも大方の予想を超えて、血なまぐさく、暴力に満ちた連作集。全体の雰囲気から少しズレているような「十字路のピンクの廟」や、スーパーナチュラルな出来事が起きない「蛸漁師」なんかが好み。
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「南の子供が夜いくところ」南の島々を舞台にした7つの話。リアルで御伽噺で不思議な世界観、雰囲気。太陽の匂い、湿った夜の匂い、果物の熟れた甘い匂いがしてくるような錯覚。スッキリとはしないかもしれないけど、夢と現と過去と現実をたゆたう楽しさだった。
「蛸猟師」「夜の果樹園」が不気味で何か良かった。「夜の果樹園」は映像で見たいけど、なかなかにグロテスク。変に記憶に残ってしまいそうだけど、この話が不気味で奇妙で私は好きだったな。
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3冊目の恒川光太郎作品に選んだ一冊。
今回もとっても素敵だった…!
まるで古くから語り継がれてきたおとぎ話を、大切にひっそりと読み聞かせてもらっているみたい。
とある南の島に来た東洋人の少年タカシと、彼を見守る不思議な女性のユナ。彼らを軸にして時代も空間もあっという間に飛び越えては縦横無尽につないでいってしまう、作者の筆はもうお見事。
その筆致の軽やかさに心底うっとりとしてきた頃に、まるで夢が引いていくかのようにあっけなく、けれども美しく物語たちは幕を下ろしていく…
まさに夢見心地な1冊だった。ファンタジー好きにはもちろん、いろんな小ネタが仕込まれてる連作とか、時代を超えて全部が緩やかに繫がっている系の仕掛けが好きなタイプにはぜったいにオススメできる。 -
時代や国を超えて、人々が繋がるところが好き。思いもよらない展開にぐんぐん惹き込まれました。何となくハロウィンの読書におすすめしたい本です。
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ホラーというほど怖くも無く、やはり恒川さんらしい幻想譚。
同じ島が舞台で登場人物も共通なので、明らかに連作短編なのですが、各編で世界観が異なります。勿論ミスなどでは無く意図したものでしょう。
旅をして様々な世界観の土地を訪れる物語はよくありますが、この本の場合は多少の時代差はあれ同じ島内の話なので戸惑ってしまいました。というか、そこに引っかかってしまい、恒川さんの奇想、南の島が舞台なのにどこかヒンヤリとして薄暗くノスタルジックで切ない恒川ワールドを十分に楽しめなかったような気がします。
ちょっと残念。 -
南の島を舞台にした不思議な連作短編。それぞれ主人公は違うけれど、呪術師ユナと日本人の少年タカシでゆるくつながっている。
魔法なのか、呪術なのか、はたまた夢か幻か。南の島の明るいイメージと一見似つかわしくない幻想的な世界が広がる。
どれも恒川さんらしい美しい文章で綴られているけれど、幼い日のユナを描いた「紫焔樹の島」と植物のように半分地中に埋まっている元海賊の男が過去を回想する「まどろみのティユルさん」が特に好み。 -
一家心中しようとしていた家族
その息子タカシが一人の女性に
助けられ、連れて行かれた島
#トロンバス島 で
繰り広げられる短編7作品
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それぞれ違う人物からの
違う時代違う視点の
話だけど、どこかで繋がっている
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小さな島の
長い旅の終わりを飾る
”夜の果樹園”は
読んでいて、ハッ!とする
そうか。私は瓜畑を渡るのを
やめてしまったのかもしれないと。
少しウルっと来るくらい
心に刺さるものがありました。
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有り得ないような
有り得るような
そのキワどいラインで
進む話は
妙に現実的で
説得力がある
やっぱり恒川光太郎 さん
好きっす。 -
『夜市』に続いて、恒川光太郎連読み2作目。
南海に浮かぶ、架空の島、トロンパス島の物語。
自然信仰と、日本的八百万の神や鬼の類いが上手くブレンドされた、「ファンタジーの皮を被った悪夢」が展開されてゆく、連作短編集。
個人的にはオチは想定内だったが、「まどろみのティユルさん」が一番好き。
恒川先生、この流れ(トロンパス島シリーズ?)で、まだ書けるような気がする(ユナの話はまだまだありそうだし、ソノバ辺りの視点からのエピソードも面白そう)、期待しているのは、自分だけだろうか…? -
恒川光太郎の作品の中では、あまり目立っていない気がするが、かなり良作だと思う。大きな仕掛けのない地味なお話が多い印象だけど、逆にそこがよかったのかも。お気に入りは「まどろみのティユルさん」です。
著者プロフィール
恒川光太郎の作品
