戦都の陰陽師 迷宮城編 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007136

作品紹介・あらすじ

破魔の霊剣・速秋津比売の剣を奪還した、陰陽師の土御門光子と、疾風ら7人の伊賀忍びたち。だがその剣は妖術師・果心居士の施した蠱物におかされており、それを運ぶ光子の力をどんどん奪っていく。果心居士に操られた"虫憑き"の妖忍や、松永久秀の軍勢、魔性の天狗らの襲撃を撃退しながら、光子は果心居士を討つため信貴山城へと向かう。だが霊剣に最後まで纏わりついた、とてつもなく邪悪な蠱物が、ついにその正体を現した-。

感想・レビュー・書評

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  • 戦都の陰陽師シリーズ最終作。本シリーズに期待しているのは陰陽師&忍者vs妖怪という特殊バトルだったのに、案に相違して味気ないものが続いていたが、本作は前作の完全な続きから始まるためか状況は逼迫しており、なかなかに読み応えある展開が続き最終作としては満足した。そもそも、この装丁にこの設定と聞けばもっとエンタメな感じを期待していたのが間違いで、読み終わってみると織田信長が台頭する前の混沌とした奈良、松永久秀という男の史実をうまく絡めて、柳生父子、葦姫、果心居士などの人物の配置も良く考えられている。シリーズ全体としても光子の足跡に史実や意外な人物を関連させたりと実は凝っているのだが、これが玄人好みとしか言いようがない出来で、この装丁だと本来のターゲットを捉えられないし、ライトな感じを期待する読者からは失望されるような気がして二重に残念だった。本来の意味での陰陽師(大げさな術は使わない)や忍者(山田風太郎とは違う)を読みたい、そして、戦国時代の風俗を知りたいという人には諸手を上げて推薦しよう。

  • 3月20日読了

  • 山場になるはずの城内戦が思ったより盛り上がらなかった印象。いろんな意味で最後は神頼みになってしまって、果心居士にもっと気味の悪い不敵さを見せつけてほしかった~!
    この巻も窮地から紙一重で脱していく蘭の健闘が読んでいて楽しい。
    主役は陰陽師とわかってはいるが、伊賀七忍の活躍もっともっとと期待してしまうシリーズ。

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著者プロフィール

1978年群馬県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。映画、テレビ番組の制作に携わった後、第十七回日本ホラー小説大賞の最終候補作となった原稿を改稿した『忍びの森』でデビュー。2015年『妖草師』シリーズが徳間文庫大賞を受賞。さらに同シリーズで「この時代小説がすごい2016」“文庫書き下ろし部門”第一位に。2022年『阿修羅草紙』で第24回大藪春彦賞を受賞。『吉野太平記』『忍びの森』「源平妖乱」シリーズなど、著書多数。

「2023年 『謀聖 尼子経久伝 雷雲の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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