道徳という名の少年 (角川文庫)

  • 角川書店 (2013年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784041007501

作品紹介・あらすじ

愛するその「手」に抱かれてわたしは天国を見る--エロスと魔法と音楽に溢れたファンタジック連作集。榎本正樹によるインタヴュー集大成「桜庭一樹クロニクル2006-2012」も同時収録!!

みんなの感想まとめ

多様なテーマが織り交ぜられた短篇集では、世代を超えた運命に翻弄される主人公たちの物語が描かれています。各話ごとに異なる視点から、エロスと退廃が交錯する世界観が展開され、特に美しさと朽ちていく様が印象的...

感想・レビュー・書評

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  • 短篇5話が連なってひとつの作品となっています。

    各話ごとに世代交代しながらも、血に刻まれているかのように運命に翻弄されてゆく主人公たち。

    短いお話なのに、長編シリーズのよう…

  • 前半が小説、後半が著者インタビュー。

    美しい女性が4人の美しい娘を産んだ後に町を出てやがて戻って来る。戦争が始まると女性は太り狂って朽ちていく。娘たちは娼婦となり、末っ子の娘は美しい弟と結婚する。歌い手の美少年は人気者となるが、その手に抱くのはプラスチック玩具。
    美しい人が朽ちたり欠陥を持っていたりして、エロさと退廃さの連鎖がいい。

    インタビューもまたいい。
    ラノベを原点として少女を描き続け、また故郷の鳥取を何度も小説の舞台とした背景などが語られていて、ファンには興味深い内容。

  • これきっとハードカバー時の装丁が可愛かったんでしょうね、文庫もそのデザインを踏襲していて中のレイアウトとか結構凝ってます。しかしページ数は少なく、短編連作形式の本編はイラスト等のぞけば70ページに満たず、1冊の半分以上は作者のインタビュー集。お徳といえばお徳。分けてほしいといえば分けてほしい。でもインタビューは他の作品についてのものも多くて、なかなか読みごたえがありました。

    本編のほうは、一見連作形式ですが、もとはバラバラの雑誌にバラバラのテーマで発表されたものだったそうで。美しくも不道徳な母親から生まれた父親の違う4人の姉妹と弟、その弟と末の姉の近親相姦から生まれた男の子につけられた名前が「道徳(ジャングリン)」。さらにその道徳の子供が・・・と1作ごとに家系図は発展。この不道徳な一族の最後の一人の死までが描かれます。

    個人的に面白かったのは「ジャングリン・パパの愛撫の手」。戦争で両腕を失った息子(道徳)をサポートするパパが、息子とその嫁との夜の営みもサポートしちゃうというとんでもない話ですが、その官能性や残酷さも含めて童話的テイストで淡々と物語が進むこともあり、本当はパパのほうを愛していた嫁の切なさ、自分の姉を愛してしまった過去をもつパパの切なさ、もろもろ桜庭一樹的テーマが集約されていたと思います。

  • インタビューが読みたくて借りたけど、桜庭さんも官能的なの書くんだ、そしてめちゃ好みで驚いた。
    インタビューに登場した作品、どれも読みたい

  • 大人のおとぎ話を読んでいるようでした。

  • 異形への切望。異端への憧憬。それをつなぐ糸が「道徳」というねじれ。5つの寓話、最果ての愛。
    後半は6年分のインタビュークロニクル。

  • 前半、道徳という名の少年
    後半、インタビュー集
    桜庭さんのお話が好きなので、インタビューも興味深く読めた。
    同じ作家の作風の変化が分かりやすく見えた。

  • インタビューも本編も素敵でした。僕の代わりに歌ってくれ、がとても好きです。

  • 『赤朽葉家の伝説』や、『青年のための読書クラブ』等、南米文学を思わせる作品が今までありましたが、これは、一際濃厚に南米の雰囲気を感じます。
    物語の舞台も、明言されてはいないものの、どうやら、南米そのもののようです。

    後半は、2006年から2012年にかけての、桜庭一樹さんへのインタヴューが掲載されています。
    どの作品についてのインタヴューも興味深かったのですが、「山にいる死者は善き死者で、海にいる死者はおそろしい死者」というイメージが、すごくよくわかりました。
    山陰のDNAなのかしら。

  • 読み返し作品。

    世間から不道徳と言われても、当事者たちが幸せならば良いのではないか。
    桜庭一樹の作品に通ずる(と自分が思っている)ものを感じた。

    不道徳な家族の中にジャングリン(道徳)が生まれるけど、その生い立ち自体が不道徳という皮肉さ。
    ジャングリンは名前を変えながら継承されていくけど、みんな不道徳。そしてぶくぶく太っていき、真珠を飲む。太ることと真珠を飲むことは、何を示唆しているのだろうか。

  • ページの半分弱を占める連作短編は背徳感たっぷりで私好み。淫乱な美女から生まれた4人の娘と1人の息子、近親相関、腕を失った息子と腕だけになった父親、両性有具のスター。桜庭さんの地に足が着いていない、グロテスクな絵本のような世界を堪能できました。残りの半分以上のページは桜庭さんへの今までの作品に対するインタビュー集。2作品ほど未読の作品のネタバレをくらいました。正直、このインタビューはいらなかったというか、長すぎて疲れました。タイトルにインタビュー集と書いてほしい。連作短編はおすすめです。

  • 似てる作風の作家がいるかどうかとチャットGPTくんに尋ねてみたところ、小川洋子氏や梨木香歩氏に混じって桜庭一樹氏の名前が

    そういや読んだことないなと薄くて読みやすそうなのを1冊

    笑ってしまった
    確かにモチーフの扱い方や構成の方向がよくにてる

  • 一家系の官能的で甘美な愛の物語集 心に残る作品です

    戦地へ赴くジャンの物語「ぼくの代わりに歌ってくれ」がとてつもなく好きです
    桜庭一樹クロニクル(インタビュー集)も必読

  • 前半は小説、後半はインタビューです。小説は戯曲のような内容でした。世代が変わりながら短い話が続いています。
    全体を通して、作者に「道徳とは」を問いかけられているのかもしれない。
    父のない子を産むこと、血の繋がった姉弟で結婚すること、夫の父と3人で愛を共有すること、殺すように歌うこと、自分の作品を世に示すことなく死ぬこと。桜庭一樹の思う不道徳てんこ盛り、なのかな。
    わかりやすいストーリーを楽しみたい方にはオススメしないです。

  • 本の前半分が小説で、後ろ半分がインタビューという構成で、小説部分の短さに驚きました。
    「道徳という名の少年」はいくつもの時代にまたがる昔話のようで面白かったです。代々の一族は美しいかんばせを持っていても、晩年凄く太るのも興味深いです。道徳には打ち勝てずとも、楔は打ち込めた気がします。
    インタビューも面白かったです。既読の作品も、未読の作品もわくわくしました。「私の男」の構成は『ペパーミントキャンディー』なんだ、ソル・ギョング観ねば。
    桜庭さん、小説もかなり読まれると思っていましたが、映画やドラマもかなりご覧になられてて範囲が広いな…すてき。未読の作品を読みたくなりました。

  • 再読。前半は表題の連作短編集。後半はインタビュー集。不思議な短編を不思議なまま読むもよし。不思議なままだと納得がいかなければ、最後の榎本正樹氏の解説を読むとよい。深い分析に圧倒される。そのインタビュー集は、桜庭さんの思考や作品が生まれた経緯などが率直に語られている。時系列で読んでいくと作品同士の関わりがわかって面白い。

  • 美女が産んだ4人の姉妹と弟。4人は娼婦となり、一人は弟と…。世代を越えて繋がる負の連鎖。難しすぎた…。

  • 大人のための童話・お伽話のような芸術作品。装丁も素敵。
    「道徳という名の少年」だけど、その生い立ちや背景は、道徳とかけ離れた、醜く美しい背徳の世界。

    言葉は少ないのに、的確にテンポよく丁寧に綴られていく。
    非現実的でありながらも、異世界に夢のように違和感なくすっと入り込んでいく感じ。
    そう、これこそが小さな子どもが純粋に絵本に求めるような読書の世界だったことを思い出した。
    久々の桜庭一樹ワールドに短時間だけど、どっぷり浸かってしまった。

    生い立ちの設定であったり、名前の付け方であったり、時代や世界観、言葉ひとつひとつの選び方も、独特でとても真似できない。

    ストーリーに「タブー」「エロス」「残酷さ」「呪いのような血筋」をふんだんに取り入れながらも、拒絶を感じさせずに、しっとりした甘美な愛情や切なさだけをもたらす。

  • 暗黒童話のような短編集。
    親から子へと不道徳な一面が引き継がれてゆく一族の物語。

    後半は、これまでの作品に関するインタヴューが掲載されている。

  • 2017/05/30
    移動中

    短編の連作、珍しい気がする。で、後半は解説やインタビューがまとまっている。閑話休題といった感じ。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば・かずき):1971年鳥取県出身、小説家。1999年、「夜空に、満天の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞し、翌年デビュー。『GOSICK』シリーズが注目され、さらに04年発表の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。07年に『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞を、翌08年に『私の男』で第138回直木賞を受賞。おもな著書に『少女を埋める』『紅だ!』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』など、またエッセイ集に〈桜庭一樹読書日記〉シリーズや『東京ディストピア日記』などがある。

「2025年 『読まれる覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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