県庁おもてなし課 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 11237
レビュー : 956
  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007846

作品紹介・あらすじ

「県庁おもてなし課」は高知県の県庁に新たに設置された「おもてなし課」に配属された若い行政マンが街の活性化に向けて奮闘する様子を読みやすい筆致で描いたエンターテイメント作品です。行政の内幕を知ることもできる作品ですので、行政の仕事を知りたいという人が読んでも参考になります。若者が活躍する、前向きでさわやかな作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 25歳の県庁職員、掛水(かけみず)は
    地元出身の人気作家
    吉門(よしかど)に観光特使を依頼するが
    「おもてなし課」側の
    お役所仕事にダメ出しの嵐。

    悩む掛水だが吉門のアドバイスで
    有能な女性アルバイト、多紀(たき)や
    斬新なアイデアを唱えながら
    失意のうちに県庁を去った清遠(きよとお)をスタッフに迎え、
    保守的なお役所体質に新しい風を吹き込み、
    ふるさとに元気を取り戻すべく奮闘していく…


    あまりに売れすぎて
    最近はちょっと敬遠気味だった有川さんだったけど、
    いやぁ〜やっぱ面白いわ(笑)


    軽やかで読みやすい文章、

    嘘をホントに見せる為の
    圧倒的なディテールの確かさ、

    「ベタ甘」な恋愛ストーリーを織り込んだ作風と
    リアルな会話の妙。

    どんなテーマを扱おうと
    ブレることのない
    そのスタイルの鉄壁さはさすがです。


    それにしても
    重いテーマでも鮮やかにエンタメにしてしまう確かな技量と
    サービス精神には恐れ入るし、

    面白いものを創ることに
    とことん妥協しないその凛とした姿勢には
    ホント脱帽します。


    高知県まるごとレジャーランド化構想なんて
    意識を変えるだけで
    見慣れたものが売りになるんやって
    目から鱗だったし、

    掛水と多紀の馬路村への一泊二日のシュミレーション旅行なんか
    羨ましくてもう(笑)
    読んでてニヤケっぱなしでした。
    (気の強いヒロインがたまにもらす節度をわきまえた上での甘えた言葉が男にはどうにも健気に映るし、有川さんはそこの匙加減がホントに上手い)


    自分も北海道の富良野に行った時に
    迷子になり途方に暮れてたら
    大きなホテルの若い女性従業員さんが
    タクシーを手配してくれて
    無事に宿泊先のホテルまで帰れたことがあって
    その時に掛水の言う
    「おもてなしマインド」を感じたんですよね。

    美味しい食事や美しい景色も勿論だけど
    何年経っても心に残るのは
    もてなしてくれた人の笑顔や
    人に優しくしてもらった記憶です。

    高知を描いているけど、
    視点を変えるだけで
    まだまだ地方にも面白いものがあることを気付かせてくれたことが
    この本を読んだ一番の収穫なのかも。


    なお自分も高知出身。北海道へ浮気せず(笑)
    たまには帰ってみるかな〜♪

  • 高知県最高!!
    映画に間に合ってよかった。
    全く知識なく、映画に挑もうかと思ったけど、やっぱり見る前に読みたい衝動にかられ、果てしない予約人数を待ちきれずに買っちゃいました。
    でも、買ってよかった。これは手元に置いておきたい。

    最初は、どっぷり県庁に染まっててグタグタだった掛水君(読みながら錦戸君を想像して・・)
    高知県を発展させるため奮闘していく。
    作家の吉門にダメ出しされ、清遠に刺激され、感化され、どんどん成長していく姿が読んでて、頑張れ~!!と応援したくなる。

    マニュアル大好きなお役所には清遠みたいに、発想が豊富でバイタリティあふれた存在は、どうも敬遠したいのね・・。
    そういう人がいないと何も変わらないのに・・変わらないことに安心感を覚えてしまってはダメやわ。

    掛水君の周りには、掛水君の成長に刺激され、高知県を変えていこうと
    頑張っていく人たちがいて良かった。

    高知県って行ったことないけど、この本を読んで無性に高知に行きたくなった。
    映画ではきっと、高知県の素晴らしい自然とかが観れるんだろうな。
    錦戸くんと、高良君との絡みが楽しみ。
    堀北真希ちゃんも♫
    映画絶対見に行こう!(^^)!

    • nobo0803さん
      円軌道の外さん

      おぉ!!高知出身なんですね!
      この本を読んで私の中で高知が魅力いっぱいなとこになりましたよ♫
      しかも、魚、お酒が美味しいと...
      円軌道の外さん

      おぉ!!高知出身なんですね!
      この本を読んで私の中で高知が魅力いっぱいなとこになりましたよ♫
      しかも、魚、お酒が美味しいときたら、ますます高知に行きたくなりました(#^^#)
      2013/05/16
    • HNGSKさん
      私もこの作品、大好きです。高知に行って、「おもてなし課」のセット展示も見ちゃいました。
      でも、映画はまだ観ていない(汗)私も、映画、観たい!...
      私もこの作品、大好きです。高知に行って、「おもてなし課」のセット展示も見ちゃいました。
      でも、映画はまだ観ていない(汗)私も、映画、観たい!!
      2013/07/08
    • nobo0803さん
      ayakooさん

      こんにちは♫
      すごい!!高知にいってセットみてきたのですね、うらやましい~
      原作ものの映画って、「え~っ!!本と違う~」...
      ayakooさん

      こんにちは♫
      すごい!!高知にいってセットみてきたのですね、うらやましい~
      原作ものの映画って、「え~っ!!本と違う~」と思うことが多いのですが、この作品は原作そのものって感じで良かったですよ♫
      この作品大好きで、セットまで見に行かれたayakooさんにもぜひ見てほしいです(#^^#)
      2013/07/09
  • 実に面白い企画のもとに小説化された話でした。高知県出身の有川さん、実際に観光特使を引き受けてから、自分が故郷を盛り上げるために小説にした方が宣伝になると判断されたとか。それにしても行政のこと、観光業のことを調べつくしたうえでの、民間目線の鋭いこと。有川さんはこの物語に出てくる吉門さんそのものだったんですね!全国の地方の悩める行政に対する大きな指針になっているように思います。

    ストーリーも実によく構成されており、二組のカップルの少々じれったい恋物語と、行政の中で縦割りの壁を突破できず、ことなかれ主義にもがく主人公を中心とした「県庁おもてなし課」の様子が丁寧に描かれており、非常に読みごたえがありました。

    確かに行政の杓子定規な対応というのは万国共通、どこでもよく言われていることではありますが、自分はサラリーマンであるため、一般の企業・会社でも内容や規模は違えど、前例のないことをする・組織の壁を突破するのはやはり難しいことであると思っています。事実私自身、結構他部門の人間でもバシバシ批判し、物議を醸しだしたりしています。フランス人であろうがアメリカ人であろうがインド人であろうが、グイグイ交渉すると、最初は相手に強い反発をうけ、強烈にやり込められたりしました。ですが、その道まだ道半ばではありますが、継続しているうちに、、少しずつ私の思いは伝わってきているように思います。このように考えると、「県庁おもてなし課」はどこに勤めている人間にも変換して当てはまるのではないでしょうか。お客様/利用者の目線にたって考える、とても大事なことだと思います。

    有川浩さんの故郷への思い、通じたんじゃないでしょうか。高知県とても魅力的です。とても行ってみたくなりました!

  • 近ごろお気に入り度花丸急上昇中(昭和かっ苦笑)の有川浩の…多分代表作の一つ。たしか映画化されてたような。。。
    という記憶を便りに、あらすじも読まずに作家買い。

    【読間】5分の2時点。
    なんと面白いのだろう!もう、一秒たりとも目が離せない。
    (いや、仕事始まるから中断せざるを得ないけど、心情として)
    序盤部の、ややステレオタイプに過ぎるきらいもある程の
    “ザ・公務員”な描写やら「県庁ルール」なる造語にニンマリさせられつつ、、、

    特使名刺に対して作家から強烈なダメ出しを喰らった辺りから、一気に物語へ引き込まれた。


    【読了】
    文句無しの面白さ。

    焦れったい恋模様も含め、
    だいぶ頑張ってきたけどそれでも変え切れない
    「お役所仕事」の哀しい現実も物語にリアリティーを残してくれていた。

    清遠さんが、格好よすぎる。

    吉門の、血の繋がらない父親への敬愛に、爽やかに感動させられた。




    ★5つ、10ポイント。
    2020.02.26.新。

    ※何度も詰られても尻尾を振ってついてくる仔犬のような掛水の可愛さとか、
    悪舌に隠された故郷への愛情と「ダメダメ公務員集団」に向ける吉門の期待とか、、、

    ニンマリ要素もたっぷりで♪


    ※物語も佳境に入って、ページを捲るのももどかしいくらいに作品世界に没入させられている真っ最中にも関わらず「馬路村」の描写に心惹かれ過ぎて…読書を中断してまでネットで「馬路村」を検索してしまった(苦笑)。

    …するとトップで出てきた記事が、有川さんファンの方のblog…作品が好きすぎて“聖地”馬路村を実際に訪れたのだとか(驚)。しかも、作品に描かれたまんまの“馬路村”がそこにあったとか(驚)。

    ・・・自分もいつか行ってみたいな、馬路村。

    ※映画版も観てみたいな。DVDの紹介サイトによると、掛水のキャラ造形がやや原作と違うみたいだけど、それでも!

    相方と娘に本書を読ませて、その後で映画版を観て……高知旅行を提案・・なんてことも考えてみたり(笑)。








    ※余談・・・作家先生が不器用にも想い人への告白の勇気を振り絞るまでの流れを読んで、自分もなんだか、相方との恋愛時代のあれこれを思い出した。家族孝行しよう~と思えた一時。

  •  「おもてなし」、先日の東京五輪招致プレゼンでも話題になったフレーズですが、高知県では実際に「おもてなし課」として、県庁の行政サービスに組み入れています。その「課」を題材に、糖分たっぷりの小説としてまとめたのがこちら。

     物語の主人公は、「おもてなし課」に新しく配属された県庁職員(掛水史貴)と契約社員(明神多紀)の二人の若者、それぞれに悩みや葛藤と、そして喜びをぶつけ合い、分かち合いながら成長して歩んでいきます、とここまでならそんなに珍しくはないのですが、、

     興味深かったのは、高知県の観光ビジネスを軸にして、首都圏と地域の格差から、県庁と民間の意識の差、利用者の目線からのサービスなど、ビジネス書としても非常に読み応えのある素材をテンコ盛りとしている点。

     観光とは「光を観せる」ということ、それではその“光”が意味するところは何になるのでしょうか。

     さまざまな試行錯誤の果てで、彼らがいきついたのは「おもてなしの“こころ(マインド)”」、それは観光に来る人たちに“楽しんでもらえる”ように、そしてそれを高いレベルで共有していこうという心意気。

     文中でもしばしば取り上げられる、いわゆる「お役所体質」は、実際に著者有川さんの体験をネタにされています(ちなみに「パンダ誘致計画」は全くのフィクションとのことデス)。民間意識を持てとは「サービス利用者」の目線を忘れるなとのこと、、わたしも民間企業にいる身ですが、サービサーの一人として考えさせられる内容でした。

     一流のビジネス書でもあると、思います。実際にいくつかの地方自治体で研修テキストとして活用されているとのことで、サービス業に携わるのであれば手にとって損はなかったなと、、7年後にも想いを馳せながら感じています。

     なお、物語のイメージカラーは青、高知の空と海、そしてもう一つの秘められた“青”が彩なしています。主人公の二人だけではなく、カウンターパートとも言うべきもうひと組の男女(吉門喬介&清遠佐和)、彼らが綴りはじめた物語は、なんとも有川さんらしい甘さたっぷりで、ニヤニヤしながら読んでしまいました(こちらはあまりビジネスとは関係ないです)。

     “よい小説は時代を映す鏡であり、そして人々にその時代を共有させる力がある”とは『子どもの教養の育て方』での佐藤さんの言葉ですが、あらためて「おもてなし」、いい言葉だなぁ、と実感しました。そして、サービス事業者として考えていかねばならない視点もあらためて。

     なにはともあれ、ただ無性に、純粋に“高知”を訪れたくなった、そんな一冊です。

    • だいさん
      おもてなしって、昔からある言葉なんですかねぇ?いい言葉だと思いますが。
      おもてなしって、昔からある言葉なんですかねぇ?いい言葉だと思いますが。
      2013/11/20
    • ohsuiさん
      だいさん
      結構昔から聞きますよね、日本らしい言葉だと思います。
      だいさん
      結構昔から聞きますよね、日本らしい言葉だと思います。
      2014/01/13
  • 県庁おもてなし課 有川浩さん

    1.購読動機
    レインツリーの国、阪急電車、植物図鑑などをはじめ読了してきました。
    ひとつひとつの小説で違いがあり、有川さんを好きになりました。
    そこで、ツイッターの読書つながりで手にとりましたのが『県庁おもてなし課』です。

    2.物語
    有川さんご出身の高知が舞台です。
    職員とアルバイトの2名がおもてなし課で高知をPRする奮闘物語です。

    観光大使を募る。
    いまではどの県でもある大使。
    このなかの1人の大使との出会いで物語は回転をはじめます。

    3.地方と物語
    すべての都道府県に産地ならではの文化、食事、風土があります。
    それが地元では当たり前でも、県外のひとには、新鮮であると教えてくれます。
    そう、視点を主観から客観にすることの大切さです。

    4.物語とビジネス
    物語にこんな下りがあります。
    「お客様は、ただだから観光パンフレットを持ち帰るわけではない。
    必要だから、ほしいと思えば手に取る。
    その視点をもって作成する必要がある。」

    これは、ビジネスにおきえれば、自社の視点のみならず、相手、お金を払う側の視点が原点ということ。

    小説。
    くつろぎとそしてビジネスの視点と。
    楽しくかつ充実なひとときです。

    #読書好きな人とつながりたい。



  • 前半・中盤の、これからどう進んでいくのか高まるワクワク感は、素晴らしかった。
    ページをすすめる手も止まらなかった!

    後半は終始、登場人物たちの恋愛模様が描かれており、中盤までの勢いの失速が、少し残念だった。


    高知の魅力がひしひしと伝わったので、実際に足を運んでみたくなった!

  • これはぜひ県庁に勤めている方々に読んでほしい!

    行政における縛りの多さに四苦八苦しながらも、主人公たちが成長していく気持ちのいいストーリー。

    これ読んで高知に行きたくなった私はまんまと有川浩さんの策略にハマっている 笑

  • お役所のお話だから堅苦しいのかなって思ったけど全くそんなことはなく。500ページ近くあったけどすごく読みやすかった。

    吉門さんと連絡取り始めた頃のおもてなし課の反応や態度にはイライラもしたけど、物語が進むにつれてみんながみんな成長してて素敵だった。

    必ずしも「便利」が良いわけじゃなくて、時には「不便」も旅の醍醐味になるんだって目から鱗だった。


    おまけ程度かと思ってた恋愛要素もたっぷり入っててすっごく楽しい。

    個人的に一番好きだったのは吉門さんと掛水くんの関係の変化。
    最初は特使である吉門さんにずっと下手下手に出てたけど、言葉が砕けてきたり強気になったり、吉門さんが甘えられる頼れる掛水くんになったり、こういう関係性いいなって思った。
    きっとお互い信頼しきってるんだろうな。
    この2人にはずっと、お互い切磋琢磨しながら深い友情を築いていってほしい。

  • 高知の実際にある課を舞台にした物語ということで、面白かったです。有川さんは、「図書館戦争」や「空飛ぶ広報室」など意外なところから攻めてくる作品が多くあり、次作はどんな物語が発売されるか楽しみな作家の一人です。

    高知をPRするだけでなく、役所と民間の感覚の違いなども織り混ぜながら、ちょっとしたビジネス書としても楽しめることができました。

    いつもの恋愛要素ありで、文章が読みやすく、エンタメ性があって、最後まで飽きさせませんでした。いつか、高知へ行ってみたいなと思わせてくれました。

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著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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