魔女の宅急便 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007914

作品紹介・あらすじ

ひとり立ちするために初めての街にやってきた13歳の魔女キキが、新しい街で始めた商売宅急便屋さん。相棒の黒猫ジジと喜び哀しみをともにしながら街の人たちに受け入れられるようになるまでの1年を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 母である正真正銘の魔女のコキリと
    父である民俗学者で
    普通の人間のオキノの間に生まれた
    もうすぐ13歳になる一人娘のキキ。

    キキは満月の夜、
    独り立ちという魔女の風習に倣い
    相棒の黒猫のジジと赤いラジオと共に自分の家を離れ
    魔女のいない町を探して
    ほうきで飛び立っていく…


    うん、やっぱいいわ〜魔女宅!

    ジブリ映画の中では
    「耳をすませば」「天空の城ラピュタ」に次いで好きな作品だったけど、
    改めて原作を読んで
    心惹かれました。


    好きな場面を挙げると
    コリコという大きな町に降り立ち
    作り笑顔で町行く人たちに
    自己紹介するところと、
    (魔女を見たこともない町の人々の冷たい視線…)

    ジジが無くしたぬいぐるみの代わりに
    鳥かごに入って
    ぬいぐるみのフリをするところ、
    (笑えます)

    そして、
    キキがジジのために編んだ青い腹巻きに大喜びして
    ぐるぐるまわりを始めるジジのシーンには
    誰もが胸キュン必至でしょう(笑)
    (ジジは嬉しいと同じ場所をぐるぐるまわり始めるのです笑)


    それにしても
    キキを居候させてくれる
    「グーチョキパン屋」の
    肝っ玉母さんのおソノさんが
    ホンマいいキャラしてます。


    おソノさんの好意で
    魔女の宅急便屋を開業するキキ。

    海で子供を助けたり
    絵を運んだり
    ビスケットを届けたり
    秘密の贈り物を頼まれたり
    少しずつ町の人々との信用を築いていくキキ。

    そして
    魔女を研究する
    とんぼ少年への淡い恋心。


    特に疾走感溢れる
    走る急行列車の中から
    楽器をとって来る依頼には
    手に汗握ったなぁ(笑)
    (実は映画「スピード」がパクったのは
    魔女宅だったりして〜笑)


    魔女が人間を
    人間が魔女を
    お互いがお互いを分かり合おうとする姿を描いた物語は
    大人にもハッとした気づきをくれるし、

    キキという少女の自分探しの物語は
    知識を頭に入れるだけでは
    人間は絶対に変わらない。

    人が変われるのは
    立って何かをした時だけだということを
    西へ東へ奔走するキキの姿を借りて
    教えられたような気がします。

    いまさらながら
    今後文庫で全6巻刊行予定とのことなので
    いやぁ〜続きが楽しみ♪

  • 魔女のひとり立ちに必要なもの。
    ほうきと、相棒の黒猫。赤いラジオ。
    それから、笑い顔。

    満月の夜。それは魔女のひとり立ちのとき。
    不安やさびしさを打ち消すように、さよならと大きな声でさけぶキキ。
    それでも。
    いざ飛びたてば、海が見たくて、
    高い時計台のそびえ立つ大きな町に住みたくなって。
    期待のほうがちょっぴり勝ってしまった十三歳の旅立ちのとき。

    知らない町で、ふりかかる困難や辛いできごと。
    でも、温かい心に励まされ、感謝され、優しさに触れながら、あなたは成長していく。

    コリコの町。
    それはいつしか、あなたの帰る町。
    待っていてくれる人がいる、あなたの町。
    帰る場所ができたすばらしさに、あなたは気づく。

    決して、背が伸びただけの一年じゃなかったね。

    周りの人びとと関わりあいながら、成長していく少女の物語。

  • ジブリ映画の原作。
    魔女になること、ひとり立ち先の町、仕事。すべて自分で選択し決定し実行していく13歳のキキを、見守る思いで読み進めた。
    人との出会いっていいなって素直に思えた。

  • 13歳のキキとジジがひとり立ちして1年目のお話。
    新しい環境に期待もいっぱい、不安もいっぱいの日々。
    キキとジジがあんまり可愛くてにこにこしてしまう。
    顔がゆるみっぱなしです。

    キキが始めた魔女の宅急便の仕事のお礼は、少しのおすそ分け。
    お互いに得意なことをして、助け合って暮らしていく。
    そこには勝ち負けはない。
    ついつい他の人と自分を比べてしまうし、あれもこれもほしい!なんて思ってしまう時もある。
    でも、キキの言葉には、そんな欲はつまらないと気付かせてくれる力があった。
    もう一度初心に帰ろう。
    気付かせてくれたキキに感謝。

  • 単行本で集めてました。
    1巻を買ったときはまだ子供だったのに。
    気付いたら、自分の働いたお金で続きを買っていました。

    文庫化にあたって、一番心配だったのは挿絵のことで。
    私は林さんの絵が一番好きで、でも佐竹さんのファンでもあるのでどっちかがいいなと思っていたんですが、違いました。
    ちょっと『いまふう』というか。少し苦手なタイプの絵でしたが、綺麗だし、何より挿画のジジが可愛いのでとりあえず全然許容範囲でした。

    ジブリ映画のような盛り上がりはないですが、映画と同じようにキキは頑張って、映画よりもゆったりと毎日がすぎてゆく感じです。
    つい映画と比べてしまいますが、それはなんか違うかもしれません。かといって、別ものというわけでもない気がします。
    一人の女の子が、親元を離れ別の町に来て、悩んだり喜んだり困ったりしながら一歩ずつ進んでいくのは変わらないので。

    実は久しぶりに読みましたが、やっぱり好きだなぁと思いました。
    働く女の子とか、知らない町に一人でやってきて仕事を始める女の子とか、それを支える老若男女とか同世代の男の子との淡い恋とか、そういうの大好物なんですが。そういえば、これが原点かもしれない。と、ふと思いました。

    ちなみに、他のそういう作品の代表格は『エリーのアトリエ』と『アニーのアトリエ』です。あと竹本泉さんの魔女話にもそういうのあったな…
    魔女に弱い。今も昔も。

  • 映画は何度も見ているけれど、原作はずっと前に一度読んだような…くらいのうろ覚えで再読(初読もあり得る)。
    冒頭でいきなりグッと来たのは、魔女になる、というのは魔女の子どもだからそうなるに決まっているのではなくて、10歳になったら自分で選ぶ、という設定。
    その一文を入れるのがさすが角野さん。
    しかも書かれたのはずいぶん前だというのに…さすが…!
    どの話も好き!

  • 角野栄子さんの絵本もジブリの魔女宅も大好きなのに、
    まだ読んだことがなかった原作。

    ちょうど読もうと思っていたところに文庫版で発売されると
    知ったけど、挿絵も捨てがたいし…と悩みつつ…。
    でも、発表された装画を見るとあまりにステキで文庫版を買うことに♡

    魔女と言っても、すべての魔法がみんな使えるわけじゃなく
    少しずつ消えていく魔法があったり、古くからの魔女と同じく
    キキも黒いお洋服を着ているけど、とんがり帽子や長いマントは
    今では着なくなっていたり、魔法の世界もただただファンタジーではなく
    時間の流れも生活もリアルな感じで存在しているところも新鮮。

    映画と同じく、おおらかで優しくてあったかい空気を持った
    おソノさんとグーチョキパン屋さん。
    時に挫けそうになりながら、なかなか受け入れてもらえない現実を
    ジジと一緒にがんばるキキの姿を応援したり励まされたり。

    配達の後にみんなから受け取るささやかなお礼もステキ!
    すみれさんの焼いた星くずビスケット食べたいなぁ~♡

    小さな恋のヒミツを運んだり、町のみんなにお正月や春の音を
    運んだり。配達するものもいろんな人のいろんな想いが込められていて
    1つ1つのエピソードにわくわくしたりにっこりしたり。

    かわいいとんぼさんとの恋の進展は次の巻では
    いっぱい出てくるのかな?楽しみっ♡

    帰る場所が入れ替わる瞬間。
    その先の景色をもう知っている大人、これから見る子どもたち。
    それぞれの目線でうれしさも喜びも切なさも感じることができる
    大切な想いがたくさん詰まったステキなお話。
    ここからの恋も成長もとっても楽しみ!

    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡九月猫さん

      九月猫さん、こんにちはー♡

      城天ではワタシはライヴはしてないんですけど
      野外ホールのほうにBAKU関連でよく...
      [♥óܫò]∠♡九月猫さん

      九月猫さん、こんにちはー♡

      城天ではワタシはライヴはしてないんですけど
      野外ホールのほうにBAKU関連でよく行ってましたー[*Ü*]
      SOくん、KURUちゃん人気すごかったですよねー。
      ワタシは珍しい加藤くん…でした[笑]
      BAKUのメンバーにも、なんで加藤なの~?って
      よく聞かれました[笑]なんでって![笑]

      餃子大王!!!!!!!!!!
      ワタシも大好きでしたーーー。
      たしか厚生年金のライヴがNHKで放送されて
      録画して繰り返し見てましたーっっっ♡

      ♪君のぉ笑顔に会いたい~
      君には笑顔で会いたい~♪

      森さんの一生懸命な歌い方がかわいくて大好きでしたー♡
      餃子大王の話をしてもみんなにぽかーんとされてばっかり
      だったので[笑]すっごくうれしいですーーー♡
      確かに演奏は下手でしたよねー[笑]
      でも音を楽しむ。ほんとに体言するかのような
      楽しくて優しい音楽がステキですよね~。
      あんな先生だったら学校も楽しいですよねー♪
      2013/05/28
    • 円軌道の外さん

      おはよーございます!
      いつも沢山のお気に入りポチありがとうございます(^O^)

      あまりにステキなレビューを読んでいたら
      いろん...

      おはよーございます!
      いつも沢山のお気に入りポチありがとうございます(^O^)

      あまりにステキなレビューを読んでいたら
      いろんなことを思い出してしまいました。

      自分も初めて原作を読んで
      今更ですがハマった口です(^_^;)


      自分の将来について決断しなければならない
      初めての時期って
      自分は何を思い
      何をしてたんやろう。

      キキと同じ13歳の頃は
      自分の人生を変えてくれた
      まだ親友にも
      音楽にも出会っていなくて、

      寿司屋で働きながらプロのボクサーになると
      学校の授業で
      初めて自分の夢を作文に書いた頃やったんかな(笑)


      ジブリの「魔女宅」や「耳をすませば」を観ると、
      自分がその頃には
      二度と戻れない
      大人だということを実感して
      ちょっと切なくもなるんやけど、

      あの頃の純粋な気持ちを忘れないために、
      また新たにリスタートするために、
      夜中にDVD引っ張り出しては
      また何度目かの
      ギアを入れ直してます♪


      これからまた
      続きが楽しみですよね(^_^)v


      2013/05/29
    • 山本 あやさん
      [♥óܫò]∠♡円軌道の外さん

      円軌道の外さん、こんにちはー[*Ü*]

      読みたい読みたいと思いつつも、なかなか欲しい本だらけで
      買うのが...
      [♥óܫò]∠♡円軌道の外さん

      円軌道の外さん、こんにちはー[*Ü*]

      読みたい読みたいと思いつつも、なかなか欲しい本だらけで
      買うのが後回しになってしまったりしてきっかけが
      なかなか掴めないー[´ロ`]屮って時に、文庫化とか
      そういう小さなきっかけって後押しされるようで
      うれしいですよねー♡

      さすがジブリで作られるだけあって、トトロみたいに
      何度読んでもまた新しい発見やその時の自分によって
      違う感情や感想が生まれてきそうな奥深い本ですよね[*Ü*]

      「耳をすませば」!!!
      一番大好きな作品です♡
      熱くて切なくて、今となっては手が届かない部分もあって
      まぶしいぐらいの光が詰まった作品ですよね。

      そんな大人たちのココロを押し付けることなく
      そうだよねって隣で寄り添ってくれるような流れてくる
      久石さんの音もほんとに偉大ですよね♡

      最終巻まですごく発売されていくのが楽しみだけど
      なんだかもう既に終わってほしくない切なさです[笑]
      2013/05/30
  • 本棚に入っていた紙箱入り六巻揃を開封!

    これからシリーズ読み進めていこうと思います。
    私は実写版を観ていないので、ジブリ版のイメージが強いのですが……。

    ジブリ版の魔女宅は、大雨に打たれたり、烏に襲われたり、ジジが話さなくなったり、お届けものに感謝されなかったりと、割と試練の面が強く残っていて、小さい時は寂しく思っていたのでした。

    なので、恐る恐る読みはじめたのですが。
    非常に明るい!今のところ!(笑)
    そして、女の子ミミのラブレターを読んで、飛ばしちゃうくだりは、ベタだけど好きでした。

    キキにしか出来ない「仕事」を、自分が楽しみながら関わろうとする姿勢に、大人の自分は刺さるところもありますが……。

    この小説を紹介してくれたある女の子の言葉が残っていて、これから読み進めるのが楽しみです。

  • つらいことに直面するたび、私はこの本を読み返す。
    少女のキキが親元を離れ立ち向かっていく社会。決して楽しいことばかりじゃない。失敗したり、褒められたりしながら、キキは生きていく。
    読むと必ず、心がやわらかくなり、そして自分も頑張ろうと思う。

  • 映画は何度か見てそっちが好きだったと言うのと、本がメインのホテルのサービスでこの本をマッチングしてもらったので、読んでみた。
    キキたちに起こることは映画とは違う。ドラマティックというよりは「確かにこういうこと、人生であるよね」みたいな良いこと悪いこと、イベントやハプニングに出会って、ひとり立ちしたキキは成長する。等身大で、映画も好きだけど、こっちも好き。

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著者プロフィール

1935(昭和10)年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、出版社に勤務する。25歳の時からブラジルに2年間滞在し、その体験をもとにしたノンフィクション『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。著書に『ズボン船長さんの話』『小さなおばけ』シリーズ、『魔女の宅急便』『ぼくびょうきじゃないよ』『おだんごスープ』『ラストラン』など数多くの絵本・児童文学作品がある。産経児童出版文化賞大賞、路傍の石文学賞、旺文社児童文学賞、野間児童文学賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など受賞作品多数。

「2017年 『いろはにほほほ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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