エジプト十字架の秘密 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2013年9月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784041007945

作品紹介・あらすじ

ウェスト・ヴァージニアの片田舎でT字型のエジプト十字架を模して道標に磔にされた首なし死体が発見される。全てが“T”ずくめの奇怪な連続殺人の真相とは!? スリリングな展開に一気読み必至の名作!

みんなの感想まとめ

スリリングな展開と緻密なミステリー構成が魅力の作品で、特に終盤の迫力ある追いかけっこは読者を引き込む要素となっています。エラリーの論理的な推理や、意外な小物から犯人を見抜く展開には驚かされること間違い...

感想・レビュー・書評

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  • 例によって順不同で読むクイーンの国名シリーズ。エラリーの論理の積み重ねや、ある小物から犯人決め手とする所は痺れた。だがあれは時空的に犯行可能?と思う点も‥。私の頭がついていってないのかも。他の国名シリーズも読んでいきたい。

  • エラリー・クイーン国名シリーズ五作目。今回は今までと色々違っていました。
    一作目の設定では「エラリー・クイーンは妻子と、引退したリチャード・クイーン警視と共にイタリアに移住している。友人の作家がエラリーを訪ねて、彼らがかつて解決した事件を発表する」と言った感じ。それがシリーズ化するようになり、引退も結婚も何気なくないことにしようとしていて、さらにエラリーが自分で小説として発表するみたい。
    いやー別に完全に隠居・結婚自体を無かったことにしなくても、そのうち年齢重ねたら隠居して妻子と穏やかに暮らしてくれて良いんですけどねー。

    作風も四作目までとちょっと違う。四作目までの舞台はリチャード警視の勤務先であるNYで、登場人物もNYの捜査関係者や市長たちなど、ちょっとずつお馴染になってきた人々。五作目では別の都市で起きた事件にエラリーが関わるのでアメリカのあっちこっちを移動する。さらに完全頭脳派だったエラリーが小屋に忍び込んだり愛車かっ飛ばしたり飛行機乗ったり活動的です。終盤は「まさか銃撃戦やらないよね!?」とちょっと心配してしまった(勝てないだろうから・笑)

    ===
    ウエスト・ヴァージニアの田舎町で死体が見つかった。それはT字路に設置されているT字型の道標に、首を切られTの字の形になった死体がくくりつけられるというもので、さらに近くの小屋のドアには「T」の血文字があるというTづくしだった。
    父リチャード・クイーンNY警視とともにヴァージニアに来ていたエラリー・クイーンは事件に興味を持つ。「T」とは、エジプト十字架やタウ十字架を表しているのではないか?
    ちょうど町には「太陽神ホルアクティ」を名乗る移動興行者が来ていて、彼と共にいた足の不自由な男に殺人の容疑がかかる。
    だが事件は解決せず、エラリーはNYに戻るしかなかった。
    半年後、ロングアイランドからエラリーに大学時代の古代史教授ヤードリーから手紙が来た。「こちらでも首を切り取られてTの形になった死体が、T形にくくりつけられる事件がおきた」という知らせだった。エラリーは早速ロングアイランドに向かい、捜査陣に加わるのだった。
    この時のエラリーの移動が、まずリチャード父さんが関係諸部署に「うちの、有名な自慢の息子が捜査に協力するからよろしく!」と連絡しまくり、そのためエラリーは「警察の特別許可を持ってるんだ!」と愛車をかっ飛ばしまくりという、あなた達代五作目にしてずいぶんやりたい放題になったわね・笑
    そしてリチャード父さんはほぼ出番はなく、代わりにヤードリー教授がエラリーの相棒のような感じに。この教授、見かけはエイブラハム・リンカーン大統領のような顎髭をはやした大柄で不細工な男で、古代史には細かく口うるさく、しかし終盤では犯人大捕物にかなり活動的でこれも読んでいて「頭脳派が動くと碌なことにならないんじゃない!?」と心配してしまった(^_^;)

    今回の死体はかなり血生臭い。首を切り取られてくくりつけですよ。
    事件の背景にはモンテネグロの「血の復讐」があると分かる。
    「血の復讐」についてはイスマイル・カダレ『砕かれた四月』
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/456004578X#comment
    で読んだのでは「誰かが殺されたら、殺された家族は、殺した男の家族を殺さなければいけない。こうして何世代にも渡ってお互いに殺し合う」というもの。
    この風習で、片方の家の最後の一人が、家族を殺された復讐に回っているのか!?というのが本書の根底にある。これを知ったエラリーが「文明社会の人々の話とは思えない」というが、少なくとも2016年ではあるみたいですよ…
     https://www.afpbb.com/articles/watchespress/3099282

    そんなこんなで最後は、ヤードリー教授、エラリーの頭脳派が、金(後払い)と権力(警察のもの)に物を言わせて、暴走運転に飛行機チャーターしてアメリカ中を犯人を追いかける!最後にたどり着いたのはシカゴ。そこにはリチャード父さんも駆けつけていた。こうしてオールスターキャストで犯人を逮捕し、異常殺人の裏にあった真相も暴く。残った問題は、アメリカ横断の費用は誰が負担するんだ?ここはエラリーが「じゃあ僕がこの事件を本に書くので出版料で払いましょう」で解決解決☆

    • ひまわりめろんさん
      『ハックルベリー・フィンの冒険』にもそんなエピソードありましたね〜
      『ハックルベリー・フィンの冒険』にもそんなエピソードありましたね〜
      2026/03/30
  • 犯人が好みだった!!!
    こうゆう異常者好き!!!
    前作のギリシャ棺はそこそこ面白かったものの、それ以前の国名作品は正直そこまで面白みを感じなかったのだが、この本は読んでよかった!!
    終盤は怒涛のEQ長距離追いかけっこで笑った。

    これはまた読みたい。

  • 内容は面白いんだろうけど、どうしてもエラリーのキャラについていけない。

    断っておくが、物語としてはとても面白い。ミステリー構成は魅力に富んでいて、さらにラストの活劇ばりの描写が本を手放せなくする。
    だから余計にキャラが邪魔する。

    喋りたがりで、独善的で、理屈ばかり自慢したがる。なのに、大切な事は曖昧にしていてちっとも事件は解決しそうにない。
    他人から指摘されると皮肉を交えて言い返す。
    そのくせ結構間違えていて、気づいた時はさも大ごとに自らが発見したようなことを口走る。
    周りをずいぶん混乱させているだけのような……これはわざと?
    原因が「読者への挑戦」にあるのだろう、だからそのかたちは好きになれない。

    久しぶりに毒を吐いたが、あくまで個人的な意見です。

  • ヴァージニアの田舎町で発見された首を切られ磔にされた死体。見つかった場所、磔にされたその状態など、すべてが「T」を指していた。その半年後、今度は小さな海沿いの町で同じく首を切り落とされトーテムポストに磔にされた死体が見つかる。同一犯による犯行と見て、エラリーと警察は捜査を進めることに……。
    クイーンの国名シリーズは所謂パズラーの代表格で、論理的な推理から関係者の中に潜む犯人を突き止めていくフーダニットが基本スタイル。そのためどうしても複雑かつややもすれば冗長な推理に置いてけぼりをくらうことも少なくない。好みが分かれるところなのでドルリー・レーンシリーズの方が好きという読者も少なからずいると思う(私も)が、この作品について言えばストーリー性のはっきりした作品なのでかなり読みやすい。中盤で犯人は明確になり、クロサックという復讐者の襲撃からターゲットを守りつつ、いかにしてクロサックの居場所をつきとめるかという構成になっている。その点、他作品と比較してサスペンス色が強い。また、第一の殺人が行われた町から次の海辺の町、そしてその湾の沖合にある裸体主義者たちが住まう島と、次々にステージが移り変わっていくので飽きがこないのもいいところ。
    首なし死体といえば自然と出てくる疑念が「それは本当にその人物なのか」という点。時代的にも犠牲者を特定する手段が限られているからこそ、当然その点は重要になってくる。まさにこの作品ではそこが肝になっている。予想されるとおり、復讐者であるクロサックは関係者の中に身を潜めているので、最終的には論理的な推理によるフーダニットが展開されることになる。
    ただ、裸体主義者のポール・ローメインら魅力的なキャラクターが最終的には置き去りにされてしまったのが少しもったいない。それでも個人的には国名シリーズの中で一番好きな作品。
    ちなみに本作では残念ながらクイーン警視はお留守番だが、その不在を補って余りあるエラリーの恩師ヤードリー教授が登場する。おそらく多くの読者が「なぜリンカーン大統領が装丁に描かれているんだ?」と疑問に思うはず。というのも、ヤードリー教授はかのエイブラハム・リンカーンにそっくりとのこと。ヤードリーを指して何度も「不細工」と表現しているので、欧米人からするとリンカーンは不細工なのだろうか。
    恩師をずぶ濡れにしながらプールではしゃぐエラリーが可愛いのと、トマス・ヴェリーと同じくフィジカルにものを言わすヴォーン警視が面白い。

  • エラリー・クイーンのいわゆる“国名シリーズ”の第5作、1932年刊行。角川文庫2013年出版の、越前敏弥・佐藤桂による新訳版。
    国名シリーズは、2010年代に二つの出版社から異なる翻訳家による新訳版が出ていてどっちを読むか迷ってしまう(贅沢な悩み!)のだが、越前敏弥さんがエラリー・クイーンについて語るオンラインイベントのアーカイブ動画など見てしまってとても楽しかったので、基本路線はこっちでいく所存。
    以下備忘メモ。
    ・ハリウッド映画みたい。猟奇的な殺人現場、裸体主義者たち、カルト宗教、複雑なトリック、派手な追跡劇。
    ・エラリーの愛車はデューセンバーグ。画像検索して、ああこういうやつかと。これまた映える。
    ・好きなシーン。
    ①プールではしゃぐエラリー。
    ②捜査が進まず、弱音を吐くエラリー。
    ③とある人でなしを懲らしめにぶん殴りにいくヴォーン警視。
    ④大詰め、父と再会してはしゃぐエラリー。
    ・解説も楽しい。人気が出て思ったよりエラリーの活躍期間が長くなったため、初期作品で語られた設定に無理が出てきてじわじわ設定変更していることとか。デューセンバーグがどんな良い味出してるかとか。

    • 淳水堂さん
      こんにちは!
      引退・結婚・友人の作家による発表設定が無かったことになりましたね(^。^;)
      今回は血生臭いし、エラリーはかなり動くしと事...
      こんにちは!
      引退・結婚・友人の作家による発表設定が無かったことになりましたね(^。^;)
      今回は血生臭いし、エラリーはかなり動くしと事件の雰囲気も変わってました。終盤のヤードリー教授とエラリーがあまりに活動的で「あなたたち無理しないで、明日筋肉痛になるよ」とか思いながら読みました・笑
      2026/03/29
    • akikobbさん
      淳水堂さん、こんにちは♪
      筋肉痛(笑)
      このあたりからは、エンタメ度あげてきたな〜って感じですよね。引退、結婚、悠々自適の生活もどこへやらで...
      淳水堂さん、こんにちは♪
      筋肉痛(笑)
      このあたりからは、エンタメ度あげてきたな〜って感じですよね。引退、結婚、悠々自適の生活もどこへやらですね。
      2026/03/29
  • 首を切断され、十字架のように磔にされた遺体。ギリシャを「穏」とするなら、エジプトは「激」の要素が濃い作品。なんと豪華な舞台装置・・・。謎めいた宗教団体に、異様な状態の遺体、姿なき復讐者。たまらんですなぁ。何回か読んでおりなかなかに派手めな作品にも関わらず、不思議と飽きず展開の一つ一つに感心しながら読んでしまいます。目まぐるしい捕り物帳の末、意外な犯人が示されまして、なんと気の利いたラストシーン。いや、もう大好き(笑)そして、デューセンバーグで法定速度外でぶっ飛ばすエラリーのかっこよさ(≧∇≦)惚れる。

  • 古い作品だから……などと油断していると足元を掬われます。そこはやはりクイーン。一筋縄で行くわけがありませんでした。
    第一の殺人において、ミステリを読んできた読者なら思い浮かぶ疑惑を、とある一幕を差し込むことで、巧みに誤導している部分がすばらしい。
    やがて第二、第三の事件がおきても事件は混迷を極めるばかり。
    ここでもキーポイントとなってくるのはやはり頭の無い「T」に準えられた死体。
    そして、スリリングなエアーチェイス(?)の末、解決編が訪れます。
    そこで明かされる真相は、今までミステリを読んできたのに、なぜ気付けなかったのかと自分を殴りたくなるようなものでした。しかし、振り返ってみるとそれを隠すために、沢山の目眩ましを用意し、構造を複雑なものにしていることに気付きました。
    ここら辺が、傑作と現代まで伝えられている由縁なのかなと。
    越前氏の訳も読みやすくオススメです。

  • 国名シリーズ第5弾。
    前作の『ギリシャ棺の秘密』が静なら本作は動!面白かったです。
    小学生の頃に児童向けに翻訳された本作を読んだ覚えがありますが、トーテムポストに磔にされた死体があったことしか記憶に残ってなかったので、全く犯人が分かりませんでした。
    今回はニューヨークを離れての事件捜査のため父クイーン警視は少しだけの登場(クイーン警視の部下は全く登場なし)。その代わりに、ヴォーン警視とアイシャム地方検事がエラリー、ヤードリー教授とともに事件捜査を行います。
    終盤の犯人を追いかける行程は車、飛行機を使っていつ追いつけるか、はらはらでした。

  • ヨードチンキの推理元ネタが読めて満足。
    ピートじいさんにはすっかり騙された!

  • エラリークイーンの国名シリーズ、5作目。
    角川文庫版、勝手にエラリーイケメン表紙シリーズと名づけてます。
    クイーンのミステリはまだほんの数作しか読んでないけど、パズルみたいに端正だなぁと思います。特別な知識は要しない本当に些細な引っ掛かりからパタパタとピースがはまって行くのが快感でした。後半のスピード感溢れる犯人大追跡は地理が分かってたらもっと楽しめたかも。
    犯人については途中までは疑ってた人物だったけど、まんまと作者の術中にはまって欺かれた。惜しい。やっぱり犯人当てのあるミステリって楽しい。
    困ったときは金で解決エラリー坊ちゃま最高です。

  • ホームであるニューヨークを離れ、広大なアメリカをデューセンバーグを颯爽と乗りこなす若きクイーン。それだけでも絵になるのに、首のない死体が十字架に・・・そして散りばめられる『T』の文字・・・
    なんて脳内映像に訴えかける内容なのでしょう。
    古典とはいえエラリークイーンはやっぱり素晴らしい!の一言に尽きますね。

  • エラリー・クイーン初読み!エラリーのキャラがなかなか掴みづらかったんだけど、お父さんが登場して推理を見守るシーンには残虐な事件だというのにほっこりしてしまった。

    トゥヴァル兄弟の身の上話、めちゃ親身になって読んじゃって「あんたも大変だったんだねえ…」と同情してたらエラリーも検事も信じてなくて笑った。そ、そんな…私の立場は……
    それにしても同じ人間にいくつかの名前があって人物整理が大変だった。偽名を使ってるやつが多すぎるよ!!!!どいつもこいつも!!!!!

    『最初の死体が誰だったのか』の謎解き、「ああ〜〜〜そゆこと!?」って声が出てしまった。私たちは最初から幽霊を追いかけていたのか…
    犯人の動機は犯人の口から聞きたかったのでそこがパパからの説明だったのは残念〜!

  • 長いのでこれ読み切れるか?と思ったけど2日で読めた!
    Amazonレビューで「動機よりトリック」って書いてあったけど、確かにそうだなぁ。
    動機よりもトリックがすごい!
    どうせ意外なこの人やあの人が犯人なんでしょ?と思っていたら、まさかの予想の上をいってた。
    面白いなぁー。
    肝心なヨードチンキのところは流し読みしていたので、ラベル貼りされてるのもあったっていう文章をスルーしてしまっていた。悔しいー。
    しかしとんでもなくサイコパスな犯人!想像しただけでエグい。

  • 初めてのエラリー・クイーンでした。
    シンプルな猟奇殺人が、絡み合う謎によって
    知恵の輪になっていくのを論理的に
    解いていくエラリー・クイーン。そして、
    登場人物たちもどこかおもしろくまた機会があれば
    読みたいミステリ作品でした。

  • 『エジプト十字架の秘密』(1932)とは、エラリー・クイーンの<国名シリーズ>第5弾であ~る☆
     シリーズ最高傑作✧ との称賛を見かける人気作。私も独断でクイーン全著作のベスト5を作るとしたら、挙げたい作品です。同シリーズに興味を惹かれながらも、全作読む余裕がないなら『エジプト十字架』へGo★

     クイーン警視の息子エラリーが関心を示したのは、片田舎で起きた凄惨な事件。T字路でT字型の標識にT字型の●リ●ケ死体が見つかったのです。現場にはご丁寧にTの血文字も残された、こだわりの殺人★
     時を経て異なる町でも同様の殺しが続き、その周辺では怪しげなカルト信者らが騒がしい……

     恩師に当たる教授から声をかけられてエラリー君が解明する、奇々怪々な<Tの悲劇>の真実とはーー!?

     数作分の謎をこの一作に注ぎ込んだような、アイディア満載の贅沢さ。特にメインの謎解きには、ガツン! と頭がヤられるような、衝撃的な魅力(危ない人か)がありました。

     ただし、うっすら覚えが……。子どもの頃に読んだ漫画で、一度ならずこのトリックを見たと思うのですよ。思わず拝借したくなるほど、本作のメイントリックは人を惹きつけるのでしょうね★
     責める気になれません。許されるなら、私もトリックだけ頂いて推理小説を書いてみたいな(ダメです!)。そのくらい特異な磁力を放っているわけです。

     そもそも、構成や着想、トリックまで、後世の推理作家に影響が大きいのがこの作家です。真似されまくりなのです。しかし、大体1930年代の活躍につき、本家本元クイーンの書き方に、古さを感じる場合があるかもしれません。
     がその点、『エジプト十字架』は初めから大全開★ エラリーの愛車は州を超えて長距離を駆け、●●機まで飛び、勢いづいてる感がすごいです。
     人物リストもグッと短く、もったいぶるより次へ進もうとするエネルギーとスピード、スリル、エンタメ性を堪能✧

  • 絶対的名探偵の登場する、古典的ミステリが読みたかった。
    有名なクイーンの作品を子どもの頃に読んだという人は多いかもしれない。しかし実のところ、ホームズやクリスティ、横溝正史等は夢中になっていたが、どういうわけか私はクイーンは読んでいなかった。
    これまでに国名シリーズの「ローマ帽子」「ギリシャ棺」は既読。3作目になる。解説によると、国名シリーズの中では、「ギリシャ」と並び評価の高いものということだった。確かに面白い。これも解説の受け売りになってしまうが、トリックの大胆さ、ロジックの鮮やかさを両立させることに成功している。また、陸・海・空と場面に動きがあり、いわゆるクローズドサークル的ではなく、名探偵自ら縦横に、果敢に行動していく様も躍動感があって良い。
    ただ、以前にもどこかで書いたが、大胆なトリックVS緻密なロジックということであれば、私は個人的に後者が好みで、あっと驚くよりも解決に導く道筋の明快さ、鮮やかさでなるほどすとんと腑に落ちたい。
    その意味で最終局面のわずかなほころびから論理的に犯人を指名する本作のエラリーの推理もやはりかっこいい。そしてトリックは・・驚きはしたが、トリックが大仰になると、犯人がそこまでするかな?とも思ってしまうのだった。
    他にロジックでかっこよかったのは、「月光ゲーム」の江神さんだろうか。理系の方とか、もっと頭の良い人なら、もしかして推理小説の矛盾を突くことができるかもしれないが、ここでいうロジックというのは、あくまでフィクションとしてのものだと私は思う。
    そして自分の考える理想の名探偵像を再確認したいという目論見は見事に達成された。勝手なことを言うが、探偵小説は、やっぱりある程度約束事というか一定の枠組みの中で成立してほしい。クローズドサークルや見立て殺人など、実際には起こり得ないとか、そういうことを言っても始まらない。事件があって、かっこいい名探偵がいて、必ず解決してくれる。私は正直なところそういう様式美のようなものだと思っていて、細かいあらや「他の正解」を探して回るのは趣味じゃない。
    そのうち大好きな名探偵リストを書きたいと思った。青山剛昌先生にほとんど挙げられているだろうが・・

  • 推理小説の最高峰。さすがエラリー・クイーン、地味で長いが、論理の積み重ねで衝撃の真実に辿り着く。この本格さと衝撃を超える作品はこの先ないのではと思うほど。

  • 国名シリーズの中でも好きな好きな作品(笑)今までの国名シリーズに比べると事件が大掛かりになってるし首なし張り付けとか殺害方法も凄いな(笑)やはり何よりもヨードチンキの論理が良い(笑) はじめて読んだときはかなり衝撃受けた(笑)しかし残念なのはレギュラー陣の活躍がない事と 表紙に相変わらず慣れない事(笑)

  • 本作は、重厚な論理展開によって謎解きが進み、推理小説の醍醐味が感じられる。。そのせいもあってか、読書ペースがなかなか上がらない。細かいところまで、かなり論理的説明を加えているのも、その原因か?

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

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