ギリシャ棺の秘密 (角川文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • KADOKAWA (2013年6月21日発売)
4.03
  • (53)
  • (65)
  • (42)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 611
感想 : 48
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784041007952

作品紹介・あらすじ

急逝した盲目の老富豪の遺言状が消えた。捜査の甲斐なく一向に見つからず、大学を卒業したてのエラリーは棺を掘り返すことを主張する。だがそこから出たのは第二の死体で……。二転三転する事件の真相とは!

みんなの感想まとめ

論理的な謎解きが展開される中、若き探偵エラリー・クイーンの成長や人間関係が描かれる作品です。登場人物たちの魅力や意外な真犯人の存在に引き込まれつつ、エラリーの初期の姿や父親との関係性も楽しむことができ...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『Xの悲劇』『Yの悲劇』『厄災の町』と読んで、初めての『国名シリーズ』。

    すみません、残念だけど『国名シリーズ』は私には合わなかったみたいです(;O;)

    自分は登場人物に感情移入したり、その世界観に没入して登場人物と一緒に体験したりというのが好き。

    この作品ではそのどちらも自分には感じることができなくて、推理をして楽しむタイプでもないので、論理的な謎解きが続くのが冗長に感じてしまった。

    探偵エラリー・クイーンの若かりし頃やパパも知ることができて良かったし、犯人との頭脳戦だったり、意外な犯人というのは楽しかった。
    「読者への挑戦状」を受け取った時には、やっと私にも挑戦状が来た!と嬉しかった(*^^*)

    自分は『Yの悲劇』が1番好きだな。
    国名シリーズはどんな感じか雰囲気がわかったので読んでみて良かった。

    • Naotyさん
      ミステリマニアは、そこはやっぱりこだわりがあるんですね^^;
      そこ一緒にするな!って怒られそうですね
      (´ε` )

      ひまわりめろんさんが優...
      ミステリマニアは、そこはやっぱりこだわりがあるんですね^^;
      そこ一緒にするな!って怒られそうですね
      (´ε` )

      ひまわりめろんさんが優しいミステリファンで良かった(*´∀`*)
      2024/10/11
    • akikobbさん
      読むの早いですね!Naotyさんの感想への感想は、やっぱりそうか〜(笑)です(笑)
      国名シリーズは、作者が「次はどんな趣向で読者を驚かせてや...
      読むの早いですね!Naotyさんの感想への感想は、やっぱりそうか〜(笑)です(笑)
      国名シリーズは、作者が「次はどんな趣向で読者を驚かせてやろうか」と毎回がんばってる感じが、私にとっては(エラリーかっこいいの次の)見どころです。
      悲劇三部作もいつか読んでみます♪
      2024/10/11
    • Naotyさん
      akikobbさん☆彡

      コメントありがとうございます(*´ェ`*)

      『国名シリーズ』は分厚いので必死に読みました(^_^;)
      『ローマ帽...
      akikobbさん☆彡

      コメントありがとうございます(*´ェ`*)

      『国名シリーズ』は分厚いので必死に読みました(^_^;)
      『ローマ帽子の秘密』だったらもっと大変だったと思うので、教えていただいて良かったです。

      シリーズを通して読んでいくと、そういう楽しみ方もあるんですね!
      この作品でも本当に驚きました。

      もっと鍛錬してからまた続きはチャレンジしようと思います。
      いつかakikobbさんとエラリーのかっこよさについて盛り上がりたいです(*^^*)
      2024/10/12
  • 長かった‥。これまで読んだエラリーの前日譚というだけあって、若気の至り生意気ぶりと意外な真犯人を暴くための無茶が楽しかったけど、推理披露の時に私が一番不思議に思った最初のあの紛失事件の真相がスッキリしなかったような。疑問残し読了。

    • akikobbさん
      お疲れ様でした笑。
      これの女性キャラが、上品(この人の場合おすまし系という感じ?)で賢げで活動的という、今後たくさん出てくるクイーンの好みの...
      お疲れ様でした笑。
      これの女性キャラが、上品(この人の場合おすまし系という感じ?)で賢げで活動的という、今後たくさん出てくるクイーンの好みのヒロイン像の第一号だなって私は思ってます。
      2025/10/26
    • 111108さん
      なるほど、クイーン好みのヒロイン像第一号なんですね!この女性キャラ・ジョーンは、ちょっとわかりづらい性格でしたけど(ツンデレ?)かなり美人で...
      なるほど、クイーン好みのヒロイン像第一号なんですね!この女性キャラ・ジョーンは、ちょっとわかりづらい性格でしたけど(ツンデレ?)かなり美人であることが繰り返し描かれていましたね。これが後々『ダブル・ダブル』のリーマへと繋がっていくのか‥すでにベースができてる感ですね♪
      それと本書のクイーンは引用がやたら多くてピーター卿を思い出しました笑
      2025/10/26
  • 国名シリーズ4作目ですが、内容は遡ってエラリー・クイーンの若い頃の物語。
    どうやら読者からのお便りだとか書評だとかで、エラリーの秘密主義というか最後に思わせ振りに謎解きをすることを指摘されたのかな。本書ではエラリーは大学を出たばかりのころで、やっと父クイーン警部や警察、検事たちから実力を認められたくらいのころです。そして本書ではある失敗をして「だからエラリーは最後の最後の確証が持てるまで推理披露をしないことにしたんですよ」という理由付けになっています。

    題名に関係する内容。
     ギリシャ⇒最初の死者がギリシャ系美術商。
     棺⇒そのギリシャ人の棺から大変なものが見つかった。

    ギリシャ系美術商ゲオルグ・ハルキスが亡くなった。自然死として葬儀が行われた。しかし顧問弁護士は、金庫にしまっていた最新の遺言状が紛失していることに気がつき警察を呼ぶ。
    クイーン警部とともにやってきたのが、まだ大学を出て日も浅いエラリー・クイーン。いくつかの事件を解決して、そろそろ警察や検事からも「捜査に参加してもいいよ」と認められたころ。この後の話になりますが、なんか警察の身分証明書みたいなものを出して見せます。エラリーが堂々と捜査に同行し、NY市もそれを認めている状況も分かります。

    さて、エラリーは「紛失したハルキス死の遺言状は、彼の棺に入れられたに違いない」ことを関係者に伝え、埋葬されたハルキス氏の棺が掘り起こされる。
    するともう一人の死体が入れられていたではないか!

    新たに見つかった死体は、美術強盗、詐欺、恐喝などを行うグリムジョーという男だった。そしてハルキス氏がなくなる直前に密かに館に訪ねてきていたらしい。
    背景にはどうやらレオナルド・ダ・ヴィンチの紛失した絵画が絡んでいるらしい!?

    事件は、ハルキス氏の遺産の行方、殺人事件捜査、レオナルド・ダ・ヴィンチ名画の行方探し、そしてエラリーと屋敷の秘書ジョーン・ブレットの関係が気になる?
    まあ読者としてはこの段階でエラリーが女性と結ばれることは無いと分かってるんですけどね。

    そして前半で若きエラリー痛恨の失態。
    殺人についての推理を披露したのですが、すぐにそれを否定する証言が出てきてしまった!これによりエラリーは自分の力を過信していたことを恥じて「今後は確証が持てるまで自分の推理を人に言わない」と決めたのでした。

    そして最後の謎解き、これも小説としてけっこう凝ってました。


    わたしの犯人当ては…いやー、エラリー・クイーン(作者の方)にすっかり騙されたわーーー(^。^;) もしわたしが「読者への挑戦」で考えた犯人を(トリックは分からない)作者にお聞かせしたら「よくぞ引っかかってくれた!」と喜ばれたことだろう、こうなったら笑うしかないです笑・笑




    …でも謎解きされてもいくつか疑問が…遺言状は、いつ、盗まれたんだっけ?(-_-;)

  • p200〜300
    EQが推理を披露するが、し終えたその時、ティーカップの数は2客でしたわ!動転して記憶が飛んでましたが、後から思い出したんです!本当です!と、新情報が入ってきて、それだと話が違ってくるじゃないかと悪態をつくEQ笑
    若きEQはこのことを恥じ、このことがきっかけで例え途中で犯人に目星をつけても、確実に説明できるほどの材料が集まるまでは推理を披露しないと誓った。

    上記がこの巻の1つ目の醍醐味であろう。
    その後、p380辺り〜美人の女秘書に告白して撃沈した男・アランと、当の美人秘書・ジョーン。
    その告白から振られるまでのやりとりを偶然、聞き耳を立てて全て聞いていたEQ笑
    EQに気づかず怒りに震えながら出ていくアラン。
    部屋を訪ねるEQ。
    調子を整えてから迎えるジョーン。
    そして、複雑な心情の女性相手に紳士的にたち振る舞って好感を得るEQ。
    ジョーンは実は美術館の密偵としてこの屋敷にやってきており、秘書として働く傍ら、屋敷のどこかに盗まれたダヴィンチの絵がないか探していた。
    そしてハルキスも亡くなり、絵もなかなか見当たらないし、美術館側は絵が盗まれたことは公には秘密にしており、この騒動に巻き込まれるのは避けたいのもあったりでジョーンは撤退しようとしていた。
    それには及びませんよ、あなたの協力があれば見つけられるかもとEQ。
    え!本当ですの!?あなたにこの身を委ねますわ司令官!
    いやいや、あなたのような美女にそんな台詞を言われるのは危険ですよ副官!
    と、密約を交わしてワクワクしているジョーンがおもしろ可愛いし、共にノリノリであるEQもおもしろ可愛い。

    その後、標準型でないタイプライターや、ダヴィンチの絵は実は2枚であることが鍵となり、まだ二転する。その犯人も、シリーズ1巻や2巻と比較してもメイン寄りの人物であるし、きっちり始末はつけられたし、
    父に散々な罵りにあいながら、肩に銃弾を受けながら、なぜハルキスを殺したのか、絵が重要だったのか、真相解明。

    冒頭の、棺桶を開けたら見知らぬ腐敗した死体が!という状況も面白かったが、中盤はEQの失態、後半は秘書との密約とダヴィンチの絵の蘊蓄で、全p587の長編だがそこまで飽きがこなかった。

  • 国名シリーズの中で、時系列としては最も古い事件を描いた“エピソード1”的な作品。エラリーはじめレギュラー陣のちょっと若い姿が描かれるところが、ファンとしてはなんとも嬉しい。しかも、大学卒業後間もない年頃のエラリーをとらえて作者(エラリー自身という設定ですが)のいうことには、「その顔は美形の誉れ高く――――」。
    …ついにいただきました、「美形」!(自分で言ってる!エラリーったら笑)
    私、正直これを確かめたくて国名シリーズの再読をはじめたようなものなので、もうこの登場シーンだけで満足して本を閉じて目も閉じてあとはその余韻だけで生きていける…と謎の高揚感に包まれた冒頭。

    その後、若きエラリーの赤っ恥失敗エピソードや、これまでの美女キャラとは一線を画す存在感を放つヒロインの活躍や、後年あれほど息子自慢の父親になるとはまだ本人も知るよしもないパパ・クイーンが息子の身勝手な捜査スタイルに苛立つ姿など、ミステリーと関係のない見所を楽しみつつも、半分ほど読み進むまではあまりエンジンかからず、他の本を合間に読むなどする。

    しかし後半戦~終盤にかけては、畳み掛けるような「多重推理」は圧巻、真犯人がわかって絶句、悔しがって読み返し、充実の解説も堪能、人々のネタバレ感想を検索・・・の徹夜コース。これだからやめられない。

    さて、次作『エジプト十字架の秘密』はもう先に読んでしまったから、国名シリーズのなかでも傑作と名高い『ギリシャ』『エジプト』の二つはこれでクリアしてしまった。世の評価を鵜呑みにするなら、このあとはいまいちが続くのかなあという面白くない予測もできてしまうが、(ほぼ)出版順に読み進めることで、「前作と変わらない魅力」「前作と変えてくる魅力」の両方で作者が工夫している様子がわかって面白い。飽きるまでもうちょっと続けよう。

    • 淳水堂さん
      akikobbさん

      エラリー美貌なら、表紙の絵は正しいですね!(^O^)

      わたしも最初よりも後半にどんどんおもしろくなっていきま...
      akikobbさん

      エラリー美貌なら、表紙の絵は正しいですね!(^O^)

      わたしも最初よりも後半にどんどんおもしろくなっていきました。しかし前半集中していなかったせいか、真犯人言われて一瞬「誰!?」状態。
      もちろん「誰」かは分かりますが、犯人が「タイプライター使えるところにいた」ことを全く覚えていなかったなど、いたのに見えていなかったっていうか(^_^;)
      なおわたしが予測した犯人は、逮捕された犯人(事前に申し合わせて協力してくれた人)でした、作者に引っ掛けられたーー(^O^)←ここまで引っ掛けられたら楽しく笑うしかない。

      わたしは真面目な本の合間に国名シリーズ入れていくことにしました。
      結構読みづらい本を読みながら「次にはエラリーが待っている!」とモチベーション高めてます。(それでも読むのが「読書が趣味」ってことで笑)
      2025/12/10
    • akikobbさん
      コメントありがとうございます。
      「真面目な本の合間に」w→いいと思います!エラリーいい仕事してる〜
      私は「誰?」とはなりませんでしたが「まさ...
      コメントありがとうございます。
      「真面目な本の合間に」w→いいと思います!エラリーいい仕事してる〜
      私は「誰?」とはなりませんでしたが「まさか!盲点だった⋯」とはまんまと思ってしまって、読んだあとになってしまえば、除外できる理由なんてなかったのに悔しい⋯と思いました。
      2025/12/11
  • 犯人はペッパー地方検事。グリムショーと共謀し殺害、ハルキスの死を利用し、スローンを自殺に見せかけ、ノックスを犯人に仕立て上げた。

    犯行現場に敢えて偽の手がかりを残し、エラリーを欺きハルキス犯人説を仕立て上げた。スローンを自殺にみせかけグリムショー殺しの犯人に仕立てた。

    タイプライターを用いて脅迫文を作成。
    2枚目(仮)の本物の絵を手に入れようとするがエラリーの智略にかかって射殺体される。

    と言う大まかな筋書きでした。

    、、、のですが推理小説としては良く出来ていてもエンタメとしては僕には合いませんでした。何と言うか、推理披露パートが冗長で(これは親切心とか論理の鮮やかさとも言える)、推理小説の定石とかフェアプレイなのだけど、"言われてみればそうですね"と言う位の感想で空中戦を見ている読後感でした。

    多くの新本格作家が心酔しているエラリー・クイーンの代表作(レーン4部作と双璧)。なのですが、ちょっと肩透かしでした。

    僕に本格ミステリは肌に合わないのかもしれません。

    唯一の救いは翻訳が本当に読み易いと言う事です。スラスラ現代小説の感覚でなんとか通読に耐えたのは訳者の力と思います。

  • 時系列的には前3作よりも前。大学を卒業したばかりで、本格的な捜査をまだ手掛けていない若き日のエラリー。そのため、父親を含む関係者は彼の目の付け所や推理に批判的。格好つけて推理を披露するも、まんまと犯人の仕掛けた罠に嵌ってしまう。その失敗のために、確信するまで自論を披露しないというスタンスが形成されることになる。物語は盲目の富豪の死だが、実はその前から始まっている。狡猾な犯人によって仕掛けられた罠によりエラリーたちは大いに翻弄される。論理的な推理から可能性を一つずつ潰していくスタイルが気持ちいい。私はそこまで頭が回らないので探偵が推理するのを傍観するだけだが、読者への挑戦を受けて立つ人にとってはより一層楽しめる作品だと思う。
    エラリーが父親やサンプソン検事らからの信頼を勝ち取り、犯罪捜査における信条を固めたという部分だけでも読み応えのある作品。

  • 表紙につられ、角川文庫で集めてしまいそうです。

  • 国名シリーズ4作目、表紙はキューを肩に持つエラリー▲急逝した盲目の老富豪の遺言状が消えた。大学を卒業したてのエラリーは棺を掘り返すことを主張する▼巧みな後出しと多重のミスリードにより、エラリーに「ひとり毒入りチョコレート」を強いる。演繹法や帰納法を駆使するも若さゆえの空回り、冷や汗かきまくり、トラウマ必至で可哀そう。フーダニットとして完成度は高いかもしれないが、エラリーの論理展開がくどく冗長と思える箇所もあり、読者によって好みはわかれるかも。ヤラレタ感が目茶苦茶ツヨイが、終盤の追い込みは圧巻(1932年)

  • 犯人の名前を読んだときのドキドキとこれまでのシーンが頭に次々と浮かんでくる瞬間がミステリの一番楽しいところで、今回も本当に本当に面白かった。
    著者のミステリ作家としてのプロ意識というか、読者を楽しませる仕掛けが本当に素晴らしくて敬服する。詳しい感想はまたあとで書く。

  • この作品の最大の見どころは、エラリーが推理をするが、常に読者やエラリーの予想を超える出来事が起こるということ。そしてエラリーの間違った推理もそれだけで1作品作れるのではと思えるくらいの面白さと説得力があるということ。犯人の衝撃も凄まじい。
    ただ犯人がエラリーに間違った推理をするよう仕向けるというより、扉が開いていたか否かのように、偶然の要素によりエラリーが間違った推理をするというのが、少し残念。

  • 26/1/10

  • やはり国名シリーズはいいな〜(笑)新訳になって読みやすくなったし(笑)まだ大学を出たばかりで警視にもヴェリーにま信頼されてない中での捜査ですが事件の捜査会議に紛れ込めてるんだからかなり特別扱いはされてますね(笑)前半から中盤にかけてはかなり良かったけど後半少し失速してしまった気がしないでもないですね。論理も少し強引な部分がある気もしたし。それでもヤッパリ好きですけどね(笑)

  • 長かった…。

    日をまたいで読んだからか前半の話の内容忘れかけてきた。
    犯人は意外や意外で、でも読み返したら納得の状況証拠。
    でもダラダラ長くて、デミーの色盲の流れとかいる?と思ってしまった。
    結局遺言状を棺に隠したのは誰なんだっけ。。

    タイプライターの仕組みが分からなかったからイマイチ想像できなかった。
    あとそんなに話題になった絵画を、盗めたとしてもマークされてるからそんな簡単にお金に換えれる?と思った。
    最後も、そんなに大事な絵画を雑に扱って良いのかいってツッコミ入れたくなった。

  • 2025年4月読了。

     国名シリーズの中でも最高傑作の呼び声が高い今作。エラリー・クイーンがまだ大学を出たての頃に起きた凶悪殺人事件が描かれる。舞台は盲目の富豪で美術蒐集家のハルキスの屋敷で起きる。消えた遺言状、棺に詰め込まれたもう一つの死体、盗まれたダヴィンチの絵画、偽装された手がかりと、今作も謎が盛りだくさんだ。
     今作の魅力は名探偵と犯人の頭脳戦による攻防にある。今回の犯人は一筋縄ではいかず、探偵の推理に先回りして偽の手がかりを残すという大胆な行動をとるのだ。このせいでエラリーは敗北といっていいような失態を演じてしまう。これを機にエラリーが、すべての手がかりを吟味して一つの正解に辿り着くまで手の内を明かさないという決意をする場面が印象深い。いつも自信満々なエラリーが推理を外して悔しがるシーンは新鮮だった。
     このように、今作で提示される手がかりは本物とは限らない。そこが推理をより複雑にしているポイントだ。このことから後期クイーン的問題というミステリーにおける命題が生まれるきっかけにもなっている。後世で大きな議論を呼ぶ契機となった名作にひたすら「してやられた」気分になった。

  • 国名シリーズ第4弾。
    ギリシャ系の美術商ハルキス氏が病死し、遺言状が紛失したことから事件が始まる。
    大学を卒業して間もない若きエラリーも事件捜査に加わるが、犯人の誘導により誤った推理をしてしまい、赤っ恥をかく。この体験から以後、エラリーは証拠が揃うまで犯人を明かさない慎重さを身につける。

    本編を読む前に登場人物リストを見てあれ?と思った人物が犯人でした(『ローマ帽子〜』、『フランス白粉〜』、『オランダ靴〜』で見なかった人だなぁ、と不審に思っただけで、論理的に推理したわけではありません)。

    最高傑作と言われるだけあって、面白かったです。

    原作の章題の頭文字をつなげると「THE GREEK COFFIN MYSTERY BY ELLERY QUEEN」となっていて、凝ってます。

  • 長かったが読み終わった。基本的にはハルキスというギリシア人の画商が死に、遺言書が消える。埋葬された棺桶をあけてみると、もう一人の死体がある。事件は殺人になり、4回の推理がなされる(多重推理もの)。探偵に匹敵する頭脳をもつ犯人(=作者)が意図的にミスリードする手がかりを残したらどうなるのかという問題になる。ただ、最後まで動機がわからないし、なにか知的遊戯?の感じがして、あまり胸を打つものはない。

    1. エラリーが若いころの話で失敗もするし、父に叱られたりする。
    2. 秘書のジョーンがヒロインとして出てくる。
    3. 『Xの悲劇』と同年(1932年)
    4. 警備会社があり、通報システムがすでにあった。(金持ちの家では)

  • 第一の推理が終わった時、まだ本の半分くらいだったので、「え?」となりましたが、そうかそういう話だったんですね。

  • 国名シリーズのなかで、オランダ、ギリシャ、エジプトを一番に推す人が多いと聞いていましたが、私はこちらのギリシャよりはオランダの方が興奮しました。エジプトは未読です。
    こちらの方は・・・うーん、なんか、だらだらのびのびしてる印象でキレがないです。前文でインタビュワー(?)が自ら指摘していることですがね。
    エラリィが苦悩するのを見たい人にはお勧めです。

  • 個人的ミステリオールタイムベスト5には確実に入る作品。複雑で怪しげな謎、何度も覆される推理、生意気な名探偵、台詞回し、キャラクター描写、犯人との対決、全てが最高。

全42件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×