ギリシャ棺の秘密 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007952

作品紹介・あらすじ

急逝した盲目の老富豪の遺言状が消えた。捜査の甲斐なく一向に見つからず、大学を卒業したてのエラリーは棺を掘り返すことを主張する。だがそこから出たのは第二の死体で……。二転三転する事件の真相とは!

感想・レビュー・書評

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  • 国名シリーズの中で、時系列としては最も古い事件を描いた“エピソード1”的な作品。エラリーはじめレギュラー陣のちょっと若い姿が描かれるところが、ファンとしてはなんとも嬉しい。しかも、大学卒業後間もない年頃のエラリーをとらえて作者(エラリー自身という設定ですが)のいうことには、「その顔は美形の誉れ高く――――」。
    …ついにいただきました、「美形」!(自分で言ってる!エラリーったら笑)
    私、正直これを確かめたくて国名シリーズの再読をはじめたようなものなので、もうこの登場シーンだけで満足して本を閉じて目も閉じてあとはその余韻だけで生きていける…と謎の高揚感に包まれた冒頭。

    その後、若きエラリーの赤っ恥失敗エピソードや、これまでの美女キャラとは一線を画す存在感を放つヒロインの活躍や、後年あれほど息子自慢の父親になるとはまだ本人も知るよしもないパパ・クイーンが息子の身勝手な捜査スタイルに苛立つ姿など、ミステリーと関係のない見所を楽しみつつも、半分ほど読み進むまではあまりエンジンかからず、他の本を合間に読むなどする。

    しかし後半戦~終盤にかけては、畳み掛けるような「多重推理」は圧巻、真犯人がわかって絶句、悔しがって読み返し、充実の解説も堪能、人々のネタバレ感想を検索・・・の徹夜コース。これだからやめられない。

    さて、次作『エジプト十字架の秘密』はもう先に読んでしまったから、国名シリーズのなかでも傑作と名高い『ギリシャ』『エジプト』の二つはこれでクリアしてしまった。世の評価を鵜呑みにするなら、このあとはいまいちが続くのかなあという面白くない予測もできてしまうが、(ほぼ)出版順に読み進めることで、「前作と変わらない魅力」「前作と変えてくる魅力」の両方で作者が工夫している様子がわかって面白い。飽きるまでもうちょっと続けよう。

  • 表紙につられ、角川文庫で集めてしまいそうです。

  • 個人的ミステリオールタイムベスト5には確実に入る作品。複雑で怪しげな謎、何度も覆される推理、生意気な名探偵、台詞回し、キャラクター描写、犯人との対決、全てが最高。

  • このパズルは複雑すぎるなぁ。
    論理の糸がこんがらがって、全然ついていけない。
    当然、犯人は全く分からない。まったく歯が立たないってのもある意味清々しいよね。

  • 国名シリーズ4作目にして探偵エラリー・クイーンのエピソードゼロというべき最初に彼が関わった事件。
    最初の事件なので、父や警察をイラつかせたり、ミスをしてしまう青い部分が出ている。そのミスがある事で、ストーリーがやや冗長になっているね。また、タイプライターに関しての話は現代では解りづらい点もある。しかし、翻訳が良く何とか付いていけた。
    犯人は意外な人物なので、読み終わった後に巻頭に戻り、彼がどのぐらい関わっていたか?軽く確認してみたら、これがまた面白い。ふむふむ。

  • 犯人、全く見抜けず。

  • 若き日のエラリー・クイーンの推理。いくつもくつがえされる真実。ジョーンのヒロインぶり。全てにおいて最高傑作。

  •  中学生のころ、創元推理文庫版を開いて、その分厚さ、登場人物の多さに「これを読み通せるのか?」と恐れおののいた。
     馬齢を加えた今、角川の新訳で読む。
     最初に指摘された犯人でも十分ミステリとして成立するのに、物語は二転三転、読者は七転八倒。いわゆる後期クイーン的問題が本作から始まったのもうなずける。
     タイプライターを手掛かりに指摘された犯人は圏内だが、最後に指摘された真犯人は圏外だった。今回も完敗。
     いつもながら充実した解説を楽しむ。改悪された映画版に、原作者の二人はどういう感想を覚えたのだろう。

  • 二転三転四転!予想外の犯人だった!
    若かりし頃のエラリーは、自惚れやでナルシストでイラっとするわー。
    長かったし、込み入ってるので、犯人がわかったところでもう一度読み返したい。

  • 2021/05/08読了

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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