キング・オブ・クール (角川文庫)

制作 : 東江 一紀 
  • 角川書店
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  • レビュー :11
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007969

作品紹介・あらすじ

舞台は南カリフォルニア。大麻の種子を持ち込んだ軍人のチョンは平和主義者のベンを相棒に大麻供給グループを作り上げ、麻薬密売組織との大勝負に挑む。2人は腐敗警官との取引に生き残りを賭けるが!?

感想・レビュー・書評

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  • カリフォルニアのヤクの歴史。カネと抗争。
    シナリオは緻密に練られ、スピーディな場面転換にユーモアたっぷりのセリフ。

    もう最高のウィンズロウの世界。

    ついつい、犬の力を再読してしまった。

  • 「野蛮なやつら」の前日譚。ベンとチョン、そしてOの若き日が、さらにその親の世代の物語が語られる。その二つの物語が、からみあい、うねり、もつれ、結末へとなだれ込んでいくところは圧巻だ。詩的な文体は変わらず。しかし、構造が複雑なだけに、内容が読み取りにくいのが欠点で、途中まで何がなにやら分からなかった。フランキー・マシーンなど、作者の他の作品の登場人物が出てくるのにはニヤッとした。

  •  映画版『野蛮なやつら』をまだ見ていない。ラップミュージックで刻んだ詩のような小説原作がとても印象的かつ唯一無比のウィンズロウ節であまりの個性にぶっ飛びそうになっただけに、それの映画版を観るのがどうやら怖いらしい。言葉で刻まれたテンポ良いクライム小説を映画版で見るべきなのかどうか迷っているらしい。美しくも残酷極まりない血と硝煙の物語を叙情味たっぷりに描いた傑作小説が映像化されることによってどのくらい変容されてしまうものなのかを検証するのが耐え難い。それほどにぼくは『野蛮なやつら』という作品に魅せられたのだ。

     しかしそろそろ気を取り直して映画鑑賞にかかるべきときなのかもしれない。この『キング・オブ・クール』を読んでそう感じつつある自分に気づく。なんとこの新作は『野蛮なやつら』の前日譚である。そればかりかピカレスク・チームのそれぞれの一世代前の物語でもある。ベトナムに突っ込んでゆくアメリカ、ケネディが射殺される前からのUSを生きたヒッピーたちの時代が、お馴染みのベンとチョンとOのトリオの生きる21世紀の物語と並行して語られる。

     もちろん並行して疾走する2本のレールを走る重機関車たちは、ある地点、ある時代で交錯する。過激な衝突シーンは、このピカレスク・ロマンのさなかでどう語られるのか? 燃え上がるのか? はじけ飛ぶのか? とても皮肉で残酷で、それでいながら夢を食べて社会をのしてゆこうとする若者たちの知略と度胸が試されるたった一度のデス・ゲームだけが待っているそれはドラマティックな発火点なのだ。

     そうか、こうして彼らは『野蛮なやつら』の正編に突入してゆくのか。それにしても三人の人生にこれほどの二つのスリル・ストーリーが用意されていたとは! しかもフランキー・マシーンやボビー・Zなど別作品の主役たちがゲスト出演までしてくれるのだ。なんという充実、なんという読者サービス!

     ここでポイントを記しておきたい。このストーリーの執筆を作者にせびったのは、『野蛮なやつら』の映画製作者チームだったそうだ。是非、書いて欲しいとの声に応えたのがウィンズロウ。応えるにしてもこれほどの充実した成果を見せてくれるとは、まさに鬼才の名に恥じない当代の作家ならではのこと。そしてこの作家を乗せてしまえる映画作家たちに感謝の気持ちを抱いたからこそ、そうか、そういう奴らが作った映画であるのなら、『野蛮なやつら』を是非、恐れることなく見ることにしようかな、と少しずつ思いつつある次第。

     それにしても、三人のトリオの印象的なこと。さらに彼らの親たちの強烈なこと。狂気と知性と悪徳と強烈な愛と。若さとそれを爆発させるとき、生き残った者のその後の人生と、業と宿運。ドラマに欠かせない要素がぎっしり火薬庫のように詰まった物語だ。海辺の熱した砂浜の上で、テキーラを傾けながら読むべき本なのであろう。ぼくはと言えば、冬の寒さに震える一日を使って、こいつにのめり込み、彼我の距離をたっぷりと感じさせられたのだったけれども。

  • 『犬の力 野蛮なやつら風味にウィンズロウ・ワールドを添えて』
    身悶えしながら読んだ!
    独特な文体が纏う疾走感に一気読み。
    やっぱり東江ウィンズロウは最高!一生ついて行きます!
    今回はファンサービスのために書いたんじゃね?って作りで、ウィンズロウファンには堪らないことになってます。

  • 「野蛮なやつら」の続編だが。。。

  • ドン・ウインズロウの新作。いつものアメリカ西海岸西海岸ラグーナ・ビーチを舞台に、ベン、チョン、Oの3人の若きマリファナ供給グループが主人公。そう、「野蛮なやつら」の前夜譚にあたる設定なのですが、ボビーZやフランキーマシーンなど、彼の他の作品の登場人物が登場するというオマケ付き。相変わらずキレのいい文体とクールな台詞回し、有無を言わせぬ残酷さ。あっという間にページが進みます。映画化が決定ということで楽しみが増えました。

  • 「野蛮なやつら」の主役三人と親世代の物語が交錯するトリッキーな物語構造。独特の詩みたいなリズムを持った饒舌体、息もつかせぬスリリングな展開、リーダビリティのよさは相変わらず。過去作品の主役2人もちらりとカメオ出演。ドン・ウィンズロウ読者にはうれしいサービスだ。

  • ハズレ

  • オモシロイ!
    確かに面白くて一気読みだったのだが、ちょっと大盤振る舞いすぎてなんだか・・・げっぷ・・・という感じも残る。

    これまでの作品が一つの大きな世界のための、個々の布石だったとすれば、それはそれで楽しみなのだけれど。

  • 豪華客演。
    「野蛮なやつら」よりは面白い、てか読み易い。

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