あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 205
  • Amazon.co.jp ・本 (629ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008225

作品紹介・あらすじ

ある日おちかは、空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。人を恋いながら、人のそばでは生きられない<くろすけ>とは……。 宮部みゆきの江戸怪奇譚連作集「三島屋変調百物語」第2弾、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第二弾。

    訪れる人の不思議な話を聞くうちに徐々に心が溶け始めた おちか。
    どんな不思議話とおちかの心が絡んでくるのか、今作もじっくり黒白の間での語りに耳を傾けた。

    前作同様、人の心の奥深くに巣食う、負のものを描き出す世界。そしてそれ以上に人が誰かを想う気持ち、温かさがにじみ出ていた世界にほっこり。
    特に紫陽花屋敷の くろすけにはせつないながらも思いやりの温かさを感じた。
    おちかの心もまた少し動き出す予感。それをそっと見守る三島屋メンバーの温かさはもちろん、明るさもたまらない。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      2冊目読んだんだね。
      おちかさんもみんなも変わりないね。
      おちかさんとちょっといい感じの人も出てくるのか...
      こんにちは(^-^)/

      2冊目読んだんだね。
      おちかさんもみんなも変わりないね。
      おちかさんとちょっといい感じの人も出てくるのかな?
      2019/10/23
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪
      うん、一番シリーズの中で評判が良いときいて読んだよ♪
      可愛らしさとせつなさと温かさが良かったよーー♪♪
      三島...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪
      うん、一番シリーズの中で評判が良いときいて読んだよ♪
      可愛らしさとせつなさと温かさが良かったよーー♪♪
      三島屋メンバー、みんな元気だよ(笑)

      あ、おちかには一巻とはまた別の殿方が…♡
      そちらも気になる(* ॑ ॑* )ドキドキ ♡
      2019/10/23
  • ストリーテラー宮部みゆきのうまさを堪能しました。
    妖の旱やくろすけのなんて愛らしいこと。
    情がわくキャラクターの描き方の素晴らしさ。さらに新たな仲間たちがぞくぞく現れ、満足のいくシリーズ2作目でした。

  • 本のカバーの くろすけが
    可愛くってねぇ
    ふすまから ちょんぼり覗いてる愛らしさ
    塾の師匠、青野利一郎が
    いい味出して
    おちかちゃんと いい線いきそう
    塾のやんちゃ坊主たちも
    これからも出てきてくれるといいなぁ
    賑やかで楽しい怪異譚
    宮部先生お得意の
    生き生きした少年たちも
    活躍します

  • 感想を書いたのだが
    少しブフログの不具合?
    同じものが出てくる、単行本と文庫
    同じものがあるから。

  • シリーズ2作目は、「ちかの心のしこり」という縛りがほどけたことで(しこり自体はいまだに氷解していないけど)、1作目と比べて個々の話そのものに意識が向かうようだった。そして、怪異譚は人の感情を背後に隠していることに気づく。妬み、寂しさ、体裁、功名心…。変わり百物語のストーリーもこのシリーズのおもしろさだけど、そこに込められた感情にふれることも醍醐味だと思う。
    特に『あんじゅう』。くろすけや加登夫妻の心にふれ、切なくてたまらない。宮部みゆきさんは読者を切なくさせるのが上手だ。今回は、特に初音のくろすけを慈しむ気持ちにシンクロすることが多く、ただただ切なかった。くろすけ、なんて愛おしいんだろう。

  • 三島屋百物語。お旱さん、針千本、あんじゅう、吠える仏+α。お旱さんは可愛らしい話だが、底にあるのは人の信心の薄情さ。針千本は後味悪いが、ここでお勝さんが女中に仲間入り。あんじゅうは可愛らしく健気な一方で寂しい物語。くろすけは孤独だが、独りぼっちではない。新左衛門先生の言葉が温かい。吠える仏は人の業ってやつは…。青びょうたんな青野若先生が今後どう絡んでくるのかがお楽しみだ。行然坊も。

  • あやかし草子まで読み終わったので再読。

    やはり宮部さんの時代小説は人間味に溢れている。人の闇や温かさがそれぞれの作品に現れていて読み応えあり。

    何度読んでも心温まるので、少し疲れたときに読みたくなる時代小説です。

    くろすけの振る舞いに泣いてしまいました。

  •  三島屋主人の姪おちかが様々な人の不思議な物語を聞き集める三島屋シリーズ二作目。

     この本に出てくる暗獣(くろすけ)が可愛い、という前評判はずいぶん前から知っていて、そんなに可愛いものなのか? と懐疑的に、また少々くらいの可愛さじゃ認めないぞ、というひねくれた気持ちで読んだのですが、これは文句なしに可愛かったですね(笑)

     よく幽霊より生きている人間の方が怖い、と言われますが、今回の百物語の話はまさにその典型です。一話目『逃げ水』は日照りの神様に憑りつかれてしまった少年の話ですが、この神様もまた可愛い(笑)
     神様と少年の交流だとか、いじらしい様子は読んでいて和みます。

     三話目の『暗獣』も冒頭に書いてしまっていますが可愛いです。彼と屋敷に住む夫妻の交流はなんともほほえましく、それでいて切ない。くろすけの話が出てくるまでの振りが長く、なぜこの話がくろすけの話につながるのかな、と思いながら読んでいたのですが、その辺も抜かりなし。くろすけの優しさが二重に伝わってくる話のつなげ方になっていました。

     それに反しての人の怖さを描いた作品もやはりいいです。特に四話目の『吼える仏』は旅の僧が旅の途中でたどり着いた村の話をするものなのですが、終盤の村の人々が取り込まれていく姿や人の恨みの凄まじさに慄然としました。

     さらにこの巻からレギュラー化しそうな登場人物たちが続々登場し、彼らの掛け合い、日常の様子は読んでいてにぎやかで楽しく、また三島屋シリーズが続いていくにつれて彼らがどう成長していくかも楽しみになってきました。またおちか自身も過去の事件のことを完全に吹っ切れたわけでもなく、彼女が過去とどう向き合い、未来へ向かっていくのかも今後のシリーズで注目ポイントになっていきそうです。

     三島屋の百物語もこれで9話が終了。第三弾には6編が収録されているらしいので、3巻で計15話。このペースだと百話になるには全20巻……。このシリーズとは長い付き合いになりそうです(笑)

     余談で最近の宮部作品を読んで思うことを。
     自分が言うのもおこがましいですが、最近の宮部作品はもはや文章が巧い、とかいうレベルを超えているように感じてきました。円熟した職人の文章というか、格が違うというか…。
     その分読みごたえはさらっとしたものじゃなくて、がっつりと読ませるものになっていると思うのですが、でも不思議と読んでいて疲れる、という感覚はなくて、こういう読み応えってなんだろうな、と考えているうちに、初めて文豪の作品を読んだ時の感覚に似ているように思えてきました。

     五十年後、百年後にはたぶん現代で文豪たちと称されている人たちと並んで、宮部さんの名前が並んでいるんだろうな、と思います。こういう作家さんの作品をリアルタイムで読めるって運がいいなあ、としみじみ思います。

  • あんじゅう…「じゅう」というには、可愛すぎる

    今回も、濃密で闇深いお話が聞けました
    いくつになっても、考え方は変えられる。たまたま、前日に見た映画も、偏屈頑固じいさんが、だんだんほぐれて、考え方が変わったこともあり、本当にしみじみとお話を聞きました

    だんだんキャラも増えてきて、にぎやかで楽しい雰囲気になってきた
    百話まで続くのかな。続いてほしい。

  • 「とりわけ深い理由もなく、私が師匠に尋ねたのです。先生はどういうきっかけで手習所を始められたのですか、と」
    その返答のために、加登新左衛門は〈くろすけ〉のことを語った。
    ー昔、儂は人嫌いでな。偏屈で孤独を好み、ひたすら学問に打ち込もうとすることを、胸の奥で誇っておった。この世には愚か者ばかりが多い。儂は己の貴重な時をさき、愚か者が泳ぐ俗世という池につかる気はない、と。
    とんでもない思い上がりであった。
    「世間に交じり、良きにつけ悪しきにつけ人の情に触れなくては、何の学問ぞ、何の知識ぞ。くろすけはそれを教えてくれた。人を恋ながら人のそばでは生きることのできぬあの奇矯な命が、儂の傲慢を諌めてくれたのだよ」
    だから加登新左衛門は、子どもたちに交じって暮らす晩年を選んだのだ。
    人は変わる。いくつになっても変わることができる。おちかは強く、心に思った。(502p)

    いわゆる長屋怪談小説第二弾である。とはいっても、ほとんど怖くはない。人の心が1番怖い、という基本点は守りながらも、かなり人情味あふれる小説である。ましてや、くろすけ(暗獣)は「切なく可愛い」生き物だ。

    基本設定はほとんど「となりのトトロ」の真っ黒クロスケの親玉版みたいである。むしろ、あの暗闇を好み家に巣食う「不思議な生き物」の正体を突き詰めようとしてこの物語が出来たようにさえ思う。

    そういう意味では、第四話の「吼える仏」は「指輪物語」のゴクリを江戸時代に蘇らせようとしているかのように思えた。しかも、ゴクリが指輪を存分に使えばどうなるか、ということまで描いてしまった。

    宮部みゆきはホラーも好きなのだが、ファンタジーも好きなのだ。今回はかなりその色が濃かった。

    2013年6月28日読了

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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