栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック (角川文庫)

  • 角川書店 (2013年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041008270

作品紹介・あらすじ

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(アスキー・メディアワークス刊)のオフィシャルブック。店主・栞子さんが触れている世界を、ほんのり感じられます。巻末に、作家・三上延氏の書き下ろしエッセイ付。

感想・レビュー・書評

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  • ビブリア古書堂で登場した古今東西の名作。
    ビブリアを読んでいて読んでみたいなと思った名作の一部、全篇が収録された一冊。
    本編で各作品の場面を思い浮かべながら復習も兼ねて読んだ。
    普段読まないであろうジャンルも読むことができて良い読書経験になったけど、さすが名作さっぱり分からない難解のものもあった…

     『それから』 夏目漱石
    大輔がビブリア古書堂に関わるきっかけとなった本で大輔の祖母の秘密が隠されていた本。
    今更ながら大輔の祖母の秘密が『それから』のオマージュになっていたんだと気付いた。
    そういえば、『それから』ちゃんと読んだことなかったなぁ。

    『 ジュリアとバズーカ』  アンナ カヴァン
    麻薬中毒の女性の話で、それってドーピングじゃんと思いつつ孤独と不安で読むのが辛かった。

    『落穂拾い』 小山清
    太宰治の弟子で本編では「せどり屋」の志田の愛読書。ビブリアがきっかけで復刊になったという噂も。
    売れない小説家の話で何があったという訳でもなく日記のような内容。後半の古本屋の娘との話が良かった。素朴でじわーっと染み込んでいく感じ。

     クラクラ日記 坂口三千代
    坂口安吾の奥さんで坂口安吾とのなれそめが描かれたエッセイで安吾の人物像が良く分かる。お互いに想い合っていていい感じで読みやすくて明るい作風がよかった。
    盲腸の下りはちょっと笑えた。そんなに我慢しなくてもよかったんじゃないと。
    本編では「物語の鍵を握る本」で栞子さんの大切にしている本。
    因みにクラクラというのは三千代が開いた文壇バーの名前。フランス語で野雀のことでソバカスだらけで当たり前の少女のことをいうらしい。
    バーだけにお酒でくらくらか安吾にくらくらして付いた名前かと思ってしまった。
    ライスカレー100人前事件も気になるので全篇読んでみたくなった。

    『たんぽぽ娘』 ロバート ・F・ ヤング
    さすが名作といわれるだけあって、この作品が一番面白かった。
    未来から来たたんぽぽ色の髪をした少女の話。
    読みやすいし続きが気になってグイグイ読んでしまった。ラストもとても良かった。
    「おとといはウサギ、きのうはシカ、そして今日会ったのはあなた」このフレーズが読み終わったあと凄く純粋でいいなと思った。
    この本は是非とも手元に置いときたい。

    その他にも太宰治や宮沢賢治、続きが気になる本もたくさんあったけど、一部分だけというのもあって分かり難いのもあるので好みはかなり別れるかも。
    ビブリアも読み返したくなるし、たんぽぽ娘、クラクラ日記も読みたい!うーん積ん読がまたたまってしまう。

    • モジャモジャさん
      あぢまんさん 読んだことあるのですね。
      タイトルだけだとSFって感じしないですよね。
      気に入ったので文庫本だけど買ってしまいました。
      あぢま...
      あぢまんさん 読んだことあるのですね。
      タイトルだけだとSFって感じしないですよね。
      気に入ったので文庫本だけど買ってしまいました。
      あぢまんさんの感想読んでいていつも思うのですが、知識の広さにビックリです。
      2025/10/04
    • あぢまんがさん
      いや…w嬉しいですけれど僕の知識なんて今まで読んできた琴線に触れた本から来てるだけなんで
      むしろ2025年に筒井康隆を読んで純粋に楽しまれた...
      いや…w嬉しいですけれど僕の知識なんて今まで読んできた琴線に触れた本から来てるだけなんで
      むしろ2025年に筒井康隆を読んで純粋に楽しまれたモジャさんのような感想を読んで僕は感動します。実はこないだの蒲生邸も僕大好きで色々コメントしたかったんですがある程度書いたところで自分で読んで客観的に気持ち悪くてやめました笑
      人が読んだ本の感想もすごくいい小説なんですよね
      2025/10/04
    • モジャモジャさん
      あぢまんさんへ 
      そうなんですよね。
      他の人の感想文読むのって楽しいですよね。
      こういう視点もあるのかといろいろ勉強になるし。
      七瀬シリーズ...
      あぢまんさんへ 
      そうなんですよね。
      他の人の感想文読むのって楽しいですよね。
      こういう視点もあるのかといろいろ勉強になるし。
      七瀬シリーズ面白かったので筒井先生のも何冊か購入してしまいました。読むのが楽しみです。コメントありがとうございます。
      2025/10/04
  • ビブリア古書堂に出てくる本、ずっと探していたものがすでに10年前以上にこんな本が刊行されていたなんて!
    なんと灯台下暗し!?
    続編2もあるというではないか・・・

    中でも、「クラクラ日記」は一時期、いろいろ探した記憶が蘇る。とはいえ、一部抜粋なのでやはり全文読んでみたい。
    この時代に自由奔放な彼女が、ビブリア母とリンクする。

    その他も絶版にちかいものも多く、春になったら本探しの古書店めぐり旅を密かに計画中。

  • 本編をきっかけに、なかなか手に取ることのない名作に出会えるのが面白い。

    「たんぽぽ娘」は本編で印象に残っていて、なるほど名作かなと感じた。50年も前に発行されたタイムマシンもの。美しい世界表現、余韻を残したエンディングで登場人物の心のうちを想像してみたり。

    宮沢賢治は、昔読んでもよく分からなかったが、改めて読んでみると、何かを理解するというより、その世界、美しい文、というところに興味を持った。

    太宰治、難解というのか、自己陶酔、自己愛が強いというか、他の作品もこんな感じ?こういう世界、難しい心の中を表現しているところにファンが多いのか?初めて触れてみたが、これだけでは分からず。

    「フローテ公園の殺人」「せどり男爵数奇譚」は、フルで読んでみたくなった。

    ほかに本編で印象に残っているのは、「時計じかけのオレンジ」、確か結末の異なる複数のバージョンがあったとか、読んでみよう。

  • たんぽぽ娘が気になっていたので読めてよかった。

  • 『ビブリア古書堂』シリーズに登場した「物語」がまとめられています。
    個人的には「タンポポ娘」が読みたくて購入しました。

    ラインナップは、それから、落穂拾い、クラクラ日記、春と修羅などなど。
    といっても、一部長編の作品は冒頭の抜粋にとどまっています。

    古いものも多く、大概は図書館に行けば手に入ると思いますので、
    興味があるものは、ちょっと探してみようかなぁ、、と。

    ちなみに、「タンポポ娘」はつい先日に復刻版が出ていました。
    内容は今で言うライトノベルな印象で、糖分補給にいい感じかな、とも。

  • 「ビブリア古書堂」シリーズに登場した古書を抜粋でまとめたもの。
    本編を読みながらこっちも読んだ方が楽しめると思う。

    どれも原文ママで掲載されているので、自分には昔の読み辛い言い回しがとてもしんどくて、頭に入ってこなかった…
    「たんぽぽ娘」は面白かったかな。

  •  外出自粛期間に安値で買った本。「ビブリア古書堂」に出てくる小説をまとめたもの。長編はさわりの部分だけなので、もやもやする人もいるかも。
     
    *「ジュリアとバズーカ」
     「しんどいなあ」と思ったし、最後に浄化されればいいなとお天気な事を考えたりもする。この後に「晩年」が来たら、私しんどかった。
    *「落穂拾い」
     そのまんまだ!と目からうろこ。なんだかいいなあって最後思った。
    *「せどり男爵数奇譚」
     わー気になって仕方がない!!!と思ったので、後日読むことにする。
    *「クラクラ日記」
     実はこれが一番の目当てで買った。ここに収録されているのは「闇市にて」のみになるけれど、安吾が優しすぎか!!!と思わず叫びたくなった。今まで坂口安吾の作品はいくつも読んできたけれど、苦しかったろうけれど、優しい姿は新鮮過ぎてよかった。これも全部読みたいので、引き続き探す。
    *「たんぽぽ娘」
     2度読んで震えた。間違えてたらどうしようという不安が一気に消えた瞬間が良すぎた……。2人のこの先も幸せでありますように。
    *「春と修羅」
     言葉と世界が独特すぎて、不思議な感。少々かみ砕くのに時間がかかった。
    *「晩年」
     「道化の華」が収録されている。ちょうど同時進行で読んでいた「人間失格」を再読し終えた後に読んだ。ここが「人間失格」への始まりだと思う。津島修治の人生はこの作品の完成形を作り出すことを主目的としていたのかもしれないと思うと、あのタイミングで死んでしまったのは彼にとって良いことであったのだろう……。

  • やられた!よく確認せずにこの本を読んだのだが、完全収録されているのは、小山清の『落穂拾い』とロバート・F・ヤングの『たんぽぽ娘』のみ。他の作品は全て抜粋。残念!本の厚さからして当たり前と言えば当たり前なのだが。

    三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場した古今東西の名作集。

  • ほとんどの作品が抜粋の形をとっている中で、読みたくて仕方なかった「たんぽぽ娘」が全編収録されていて嬉しかった(o^^o)
    栞子さんのお母さんが旦那さんに贈った理由がわかる気します☆
    たんぽぽ娘が読めるだけでも買う価値あると思います!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「たんぽぽ娘が読めるだけでも」
      一番リーズナブルに読めるのが良いですね。「ビブリア古書堂」のお陰で一度に3冊も出る。河出書房新社の「奇想コレ...
      「たんぽぽ娘が読めるだけでも」
      一番リーズナブルに読めるのが良いですね。「ビブリア古書堂」のお陰で一度に3冊も出る。河出書房新社の「奇想コレクション」は改訳決定版らしい・・・そんな訳で3冊とも買いそうな勢いの猫でした。。。
      2013/05/31
  • 太宰や夏目あたりの作品よりも、読んだことのない作家の作品がとてもおもしろい。
    夏目漱石の「それから」は、全く本題に入らなかったところが残念。仕方ないが。
    流行りの作家ばかり読んでいるので、隠れた名作に出会えた喜びがあります。

    「せどり男爵数奇譚」は途中までで、これから本題に入ろうというところで終わってしまったので、おそらく買ってでも読んでしまうでしょう。「クラクラ日記」の男女関係のあり方は、とてもあっさりしつつも愛情を感じて、もっと読みたくなった。

    「落穂拾い」と「たんぽぽ娘」はとてもほっとする優しさと温かさがあった。どちらの作家さんも素敵な雰囲気をつくるので、今後本を求めたいです。

    ビブリア自体がかなり簡素な読みやすい文章だから、ビブリアは好きだけど本は読まない人には辛いみたい。
    気になった作品だけ拾い読みするだけでもかなりお得な一冊だと思う。なかなか読めない小説も収録されているし…。

    個人的には多様な文体が楽しめた。こんなに雑多な小説群は他にないかも。

  • ビブリアに出てきた作品の紹介。長いものは抄訳引用だが、三上氏が選んだ部分なので、作品の雰囲気はよく伝わる。そもそも「ビブリア」は、遅れてきた伯楽として、隠れた名作を発掘した。その結果、再評価されて、絶版が復刊されたものもある。部分引用は全文読みたくなる。「タンポポ娘」は全文あり。

  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」の中に出てきた名作のうち、12タイトルを紹介したものです。
    長編のものについては、抜粋掲載です。

    収録されているロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」がとても素敵でした。
    その他も改めて読むと読み応えがあり、再読したいと思った作品や作者も。
    そして何よりまた「ビブリア古書堂の事件手帖」をもう一度読み直したくなりました。

  • 「ビブリア古書堂セレクトブック」ということで…。
    『ビブリア』の中に出てくる小説で
    比較的入手しにくそうなのを
    抜粋してくれてるみたいですね。

    栞子さんの読書傾向が私と違うので(笑)
    自分じゃ絶対に手を出しそうにない
    知らなかった作家さんもありました。
    そういうのも読めるのが
    アンソロジーのいいところです。

    収録作の中では坂口三千代の
    『クラクラ日記』が面白かった。
    物書きの近親者の日記、好きだわ~。
    あと『たんぽぽ娘』の全文!
    久しぶりに再読できてうれしかった。

  • なかなか有り難い本だった。
    ビブリアに出てくる本は興味を惹かれるものの、入手が難しいものが多い。

    ほとんどが一部抜粋という形で収録されているが、どんな物語なのか雰囲気を掴むには申し分ない。

    個人的に良いなぁ〜と思ったのは、
    『落穂拾い』
    『せどり男爵数奇譚』
    『クラクラ日記』
    『たんぽぽ娘』

    『落穂拾い』の著者、小山清は太宰治を敬愛していたようだが、作風に太宰っぽさは感じられない。太宰よりも清らかで健康的で、読んでいてほっこりする。著者の他の作品も読んでみたい。

    『せどり男爵数奇譚』には、古書狂いのキャラクターが登場する。彼は何者!?と気になるところで話が終わっているので、続きを読んでみようと思う。

    『クラクラ日記』は、著者が夫である坂口安吾からとても愛されたことが伝わってくるエッセイだ。全然自慢気な感じとか、のろけた感じではなく、むしろどことなく客観的に観察して語っている。夫が奇人なだけに、興味深いものがある。こちらも読んでみようと思う。

    『たんぽぽ娘』はエンターテイメントとして普通に面白かった。とてもロマンチックな素敵な物語だ。恋愛ものは好きではないが、短編だし、古典だし、SFだしで、さらさらと読めて、ほっこりできた。

  • 正直、読むのを中断してしまった。
    読み慣れない作者の作品はなかなか読み進めない。
    ただ、「クラクラ日記」は読んでみたいと思った。

  • 本編のシリーズを読んでないのに買ってみた
    教科書みたいで楽しい
    世の中にはいろんな物語があるんだなぁとワクワクする

  • ふたり物語の続きが読みたい。
    宮沢賢治の永訣の朝が良かった。

  • 太宰治の処女短編集「晩年」に収録の「道化の華」を本書で初読みした。今風に言えばメタ小説とも取れる構成は、太宰の本音らしきものが随所に表れてくるが、そこの幾つもにも共感を得たのには我ながら驚いた。入水しないようにしなければ。

    さておき。ビブリア古書堂シリーズで目にした本が出てきて、物語での役割を思い出しながら読むととても物語が深化する。特に「落穂拾い」と、再読になる「たんぽぽ娘」が読めたのは嬉しい。「せどり男爵数奇譚」は抜粋だったのできちんと読みたい。

    そしてこれら、近代文学作品の文章の素晴らしさに驚嘆する。

  • 最近、昔の作品というものが気になっていましたので、入門として良さそうだなと思い購入。面白かったです。中には自分に合わない作品もありましたが、ほとんどは読みやすかったです。お気に入りは「落穂拾い」と「タンポポ娘」ですかね。
    (2013/07/13)

  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズに登場した作品の中から、12作品が収録されています。

    現在でも出版されているものも、もう手に入れることが難しいものも一度に読むことが出来るのがこの本の良いところ。
    一部分抜粋で掲載されている作品が多いですが、それぞれの作品が持つ雰囲気は十分に味わうことが出来ます。

    今まで、あまり自分から進んで読んで来なかったジャンルも、一度読んでみると続きが気になり、今度は全編通して読んでみようかなと思えた作品がいくつかありました。
    それぞれの作品のストーリーを分かった上で、もう一度ビブリアシリーズを読み返すと、また違った印象を持つかもしれません。

    最近発売された新しい本ばかりついつい手に取ってしまいがちですが、たまにはゆっくりじっくりと、国内・海外の名作を読んでみるのも良いものです。

    図書館スタッフ(東生駒):ルブリル

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    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/777642

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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