モルフェウスの領域 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1276
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008300

作品紹介・あらすじ

日比野涼子は未来医学探究センターで、「コールドスリープ」技術により眠りにつく少年の生命維持を担当している。少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する……。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の海堂作品は、やっぱり面白かった。

    今回は、「医療」というよりは、むしろ倫理的な一面、法律の矛盾との真っ向勝負とか、そんな印象。
    この小説の鍵となっている、涼子とモルフェウスの最大の敵であり、壁である「凍眠八則」を論じた本人の、ステルスシンイチロウ、曽根崎教授の一文。

    「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」

    を核として進むこの物語は、終始涼子のモルフェウスへの無償の愛が包み込み、女性の母性の強さを感じる。

    ひとりの女性として、感じるものがあったようにも思うし、共感するところもあった。
    なによりも、予想がつくけどつかない展開に緩やかだけど穏やかじゃないスリルを感じて、気が抜けない、海堂ワールドがこの作品にもあって、とても楽しめた。
    全ての作品が繋がっているから、登場人物に馴染みがあったりして、楽しいような疲れるような。
    でもやっぱり惹かれてしまう海堂ワールド。
    続編「アクアマリンの神殿」も、他の作品も楽しみだ。

  • バチスタシリーズ外伝。
    いや、正式にはナイチンゲールの沈黙外伝なのか。
    でも、ここまでくるとSFの世界ですね。
    ハインライン的な。
    こういう新領域医療に関するこの国の対応の悪さっていうのを指摘する、という本筋は分かるのだけど、今までのものと比べて圧倒的にリアリティに欠けているのではないかと。

    ナイチンゲール同様、少年に肩入れするおねいさんが活躍するのは、作者がおねいさん好き、なんですかね。

    いや、私こういうキャスティング好きなのでよいのですけど。

  • 小学生の頃にナイチンゲールの沈黙を読んでいたので、
    この本を書店で見つけた時「おぉ!あのアツシくん…!」
    と、感動の再会を果たした気分になって即購入。
    バチスタのような医療物とはちょっと違う。
    倫理的なお話。

  • チーム・バチスタで有名になった著者。この本は、良くも悪くも「小説っぽい」感じがした。
    人工冬眠はさすがに現実的ではないだろうと思うのだけど、行政の医薬品認可や官僚の思考については割とリアリティを持って書かれていると思う。ただ、そうであるならばその辺にもっとボリューム持たせても良かったかなとは感じた。もちろん、面白く読んだのだけど。
    この人のすごいところは医者と物書きの二足の草鞋を履くこともそうだが、小説は常に一定のレベルを保ち続けていることではないか。とりあえずどれを読んでも面白く読めるというのは、すごいことだと思うなあ。

  • 人工凍結の技術、技術革新を骨抜きにする官僚、人工凍結で眠る者と見守る者。医学と科学の領域はさっぱり分からないが、きっと現実的な話に違いないと思ってしまう。

  •  先に、アクアマリンの神殿読んじゃったので、ラストがどうなるかを知ったうえで読むことになった。

     新技術には法改正が伴う。
     そして、たいてい立法行政は法改正には消極的だ。
     それは、医療であれ、IT産業であれ、どこも同じなのだろう。
     本作からは、進まない法改正に対する筆者の苛立ちを代弁している。

     未来の治療法に期待をし、五年間の眠りについた9歳の少年アツシを見守る仕事は、孤独を愛する涼子にとっては苦にならなかった。
     五年後には、涼子はアツシと分かれることになる。
     しかし、彼女にとっては、覚醒後のアツシが直面することになる問題を不安視していた。
     「覚醒後は凍眠前の記憶を引き継ぐか、記憶をなくして別人格として生きるか」
     それを9歳の少年に背負わせるのは酷だと感じていた。

     そして五年後、アツシは覚醒する。
     五年の間に自らの周りの環境も変わってしまったことに心を塞ぐときもあった。
     しかし、彼は自分を守ってくれていた女性の覚悟を知ることになる。

  • 桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。

  • 今はまだありえない話だけど、面白く読めた。

    これも他の作品とのリンクを楽しめる。

  • 西野って清川(吾郎のほう)にちょっと似てる。けど、吾郎(島津先生と紛らわしい)のほうがかなりマシ。
    理恵と涼子も似てる。でも、理恵のほうがマシ。花房もそうなんだけど、本人にそのつもりはないという言動があるものの、犠牲を武器に呪縛するのは美しくない。
    そんな中、ミサトさんとシンジみたいなコンビにはホッとしたよ。
    あと、スカーレット来た!

  • 2018/1/22 楽天ブックスより届く。

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著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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