モルフェウスの領域 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1228
レビュー : 97
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008300

作品紹介・あらすじ

日比野涼子は未来医学探究センターで、「コールドスリープ」技術により眠りにつく少年の生命維持を担当している。少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する……。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の海堂作品は、やっぱり面白かった。

    今回は、「医療」というよりは、むしろ倫理的な一面、法律の矛盾との真っ向勝負とか、そんな印象。
    この小説の鍵となっている、涼子とモルフェウスの最大の敵であり、壁である「凍眠八則」を論じた本人の、ステルスシンイチロウ、曽根崎教授の一文。

    「スリーパーをひとりぼっちにしてはならない」

    を核として進むこの物語は、終始涼子のモルフェウスへの無償の愛が包み込み、女性の母性の強さを感じる。

    ひとりの女性として、感じるものがあったようにも思うし、共感するところもあった。
    なによりも、予想がつくけどつかない展開に緩やかだけど穏やかじゃないスリルを感じて、気が抜けない、海堂ワールドがこの作品にもあって、とても楽しめた。
    全ての作品が繋がっているから、登場人物に馴染みがあったりして、楽しいような疲れるような。
    でもやっぱり惹かれてしまう海堂ワールド。
    続編「アクアマリンの神殿」も、他の作品も楽しみだ。

  • バチスタシリーズ外伝。
    いや、正式にはナイチンゲールの沈黙外伝なのか。
    でも、ここまでくるとSFの世界ですね。
    ハインライン的な。
    こういう新領域医療に関するこの国の対応の悪さっていうのを指摘する、という本筋は分かるのだけど、今までのものと比べて圧倒的にリアリティに欠けているのではないかと。

    ナイチンゲール同様、少年に肩入れするおねいさんが活躍するのは、作者がおねいさん好き、なんですかね。

    いや、私こういうキャスティング好きなのでよいのですけど。

  •  先に、アクアマリンの神殿読んじゃったので、ラストがどうなるかを知ったうえで読むことになった。

     新技術には法改正が伴う。
     そして、たいてい立法行政は法改正には消極的だ。
     それは、医療であれ、IT産業であれ、どこも同じなのだろう。
     本作からは、進まない法改正に対する筆者の苛立ちを代弁している。

     未来の治療法に期待をし、五年間の眠りについた9歳の少年アツシを見守る仕事は、孤独を愛する涼子にとっては苦にならなかった。
     五年後には、涼子はアツシと分かれることになる。
     しかし、彼女にとっては、覚醒後のアツシが直面することになる問題を不安視していた。
     「覚醒後は凍眠前の記憶を引き継ぐか、記憶をなくして別人格として生きるか」
     それを9歳の少年に背負わせるのは酷だと感じていた。

     そして五年後、アツシは覚醒する。
     五年の間に自らの周りの環境も変わってしまったことに心を塞ぐときもあった。
     しかし、彼は自分を守ってくれていた女性の覚悟を知ることになる。

  • 桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。

  • 今はまだありえない話だけど、面白く読めた。

    これも他の作品とのリンクを楽しめる。

  • 西野って清川(吾郎のほう)にちょっと似てる。けど、吾郎(島津先生と紛らわしい)のほうがかなりマシ。
    理恵と涼子も似てる。でも、理恵のほうがマシ。花房もそうなんだけど、本人にそのつもりはないという言動があるものの、犠牲を武器に呪縛するのは美しくない。
    そんな中、ミサトさんとシンジみたいなコンビにはホッとしたよ。
    あと、スカーレット来た!

  • 2018/1/22 楽天ブックスより届く。

  • 近未来の医療行為であるコールドスリープを軸に、厚労省の官僚たちの嫌味な部分を炙り出す著者の筆致に久しぶりに触れた。モルフェウスに惹かれていく涼子を何だか冷静に観察する自分がいた。東城大学医学部の懐かしい面々も出てきて楽しい。解説が「東海道でしょう」の杉江松恋氏だったのも、偶然にしては出来過ぎな感じがする。ちゃんと書評をしているんだな(笑)

  • おお、曾根崎先生!彼は『ジーン・ワルツ』に出て来た彼ではないか!他にも田口先生やら猫田看護師やら、ほかの作品を読んでいるとわかる人たちがたくさん。
    コールドスリープの話。これは、要は「他の作品との関連で年代が合わなくなった辻褄合わせ」で書かれたそうだけど、なんというか官僚の後頭部を金属バットで殴りまくりたくなる。
    涼子とアツシ、西野の今後も楽しみだ。

  • 意味分からねー!難しい日本語が多すぎて、頭に入らない…しかし、語彙力に長けてるねー。海堂さん好きだけど、これは苦手な方に入るかな。

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著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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