檸檬 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 1947
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008386

作品紹介・あらすじ

私は体調の悪いときに美しいものを見るという贅沢をしたくなる。香りや色に刺激され、丸善の書棚に檸檬一つを置き−−。現実に傷つき病魔と闘いながら、繊細な感受性を表した代表作など14編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 重松清の「エイジ」作中で表題作が引用されていて購入。心地よくて気を抜くとすぐ眠くなってしまう一冊。冬の蠅まで読了。表題作は檸檬を持つと元気になる気の病んだ人が丸善に行って檸檬を置いて、「檸檬爆発したらおもしろいなあ」と空想する話。全体的に病人の気の弱った雰囲気が伝わってきて、加えてきれいで詳しい情景描写がまた哀愁を出してるように感じた。「桜の樹の下」や「冬の蠅」の着目点も面白かった。

  • 「檸檬」
    常にそわそわふわふわした感じが普段のわたしと似ているなと思った。でもきっとこの人も側から見ると少し変わっているだけで、常軌を逸した訳ではないのだろうな、と。

    「城のある町にて」
    目の付け所が無邪気で少年のようだった。言葉選びもわたしと違うけどわたしと似ていた。すごい読みにくいのに読みやすい。同族嫌悪かな。本読んでてこんなに「どうしてこう書いてるの?」って思わないの初めてかも。梶井基次郎がどう思ってたか分からないけど似通ってる。わたしならこう思ってこう書くって考えやすい。

  • 先日まで三島由紀夫を読んでいたため、短っ!と驚いた。とにかく端的。内容も分かりやすい。

    今は教科書に載っているのかな?
    それを聞いて、教材として素敵だなと思った。
    解釈することでだんだん檸檬が生きてくる。

  • 「いったい私はあの檸檬が好きだ」

    この文でわたしは日本語がより好きになりました。
    最初この文における「いったい」の意味がわからずなんだこれは……と思っていたのですが、この場合、「一体いつからだろうか、わたしは昔から檸檬が好きだ」の短縮系であることに気づいた時にパッと日本語が好きになりました。
    考えれば考えるほど色んな解釈ができる、そんな文章だと思いました。とても短く読みやすいです。

  • この中の『檸檬』が一番好きです。
    「得体の知れない不吉な塊」
    この表現にとても救われました。私がずっと言葉にできず、求めあぐねていたものでした。
    その衝撃もさることながら、花火だとかビイドロだとかいった、主人公が心惹かれたものたちの描写は非常に鮮やかで美しい。頭の中がとても彩どりになります!檸檬で丸善を爆発させるという最後のシーン、高校の時現代文の授業で読んだときは意味わかんないなと思っていたけど、何度も読み返すうち、その全てを破壊したい衝動に駆られる気持ちに共感し、興奮を覚えるようになりました。暗唱できるようになりたいくらい大好きな作品です

  • 描写が的確で、感覚を刺激させられますね。
    檸檬の匂いを嗅いだときの体にスゥーっと入っていく刺激、スカッとする爽快感、そういうものが詰め込まれています。
    独特ですが面白い

  • 詩や散文の延長線上にあるような文章で、ひたすら表現が美しい短編集。
    濃かったり激しい波があるような物語はほとんどなくて、そうなると平坦になりがちなのに、表現だけで読ませるような感じ。
    そういうのを書くのはすごく難しいと思う。
    物語自体を波だらけにするのはそこまで難しくないけれど、何もないような物語を名作にするというのは。

    長らく肺結核を患い、31歳という若さで亡くなった著者なので、病を患った陰鬱な内容もけっこう多い。だけどその状態をシニカルな視点で見ているような感覚もある。
    その死後に認められ、稀有な作家だったと皆が口を揃えて言うようになった作家。
    ボードレールの詩に親しんでいた影響も随所に出ているらしい。
    映画の「小さな悪の華」を観た影響でボードレールの詩集を1冊持ってるんだけど、内容が暗く激しくてずっと読み続けることは出来なかった。ということを思い出しました。笑

    「Kの昇天」「桜の樹の下には」「冬の蠅」「ある崖上の感情」がとくに好き。

  • 「つまりはこの重さなんだな」。さらりとしていて透明感があって、ほんとうに混じりけのない、”梶井基次郎”の質量が無性に恋しくなるときがあります、きょうも、いまも。

  • 最後の、画本をめくって重ねて頂上に檸檬を置くシーン。普通なら店員に注意されるはずなのに、なぜされなかったのか。もしかしたら、彼は自分以外の周りの世界が見えていなかったのかもしれませんね。数ある果物から檸檬が選ばれたのは、どんよりした世界観に色味を持たせるためだったのかなと思います。

  • わかる人はあるある感がすごいだろうし、たぶんわからない人は生まれ変わらない限り今生理解できないんだろうな。

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著者プロフィール

1901年(明治34年)、大阪生まれ。志賀直哉の影響を受け、詩情豊かな小品を描いた。1925年、同人誌「青空」に、「檸檬」を発表。肺結核で1932年(昭和7年)に没。

「2013年 『檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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