檸檬 (角川文庫)

著者 : 梶井基次郎
  • 角川書店 (2013年6月21日発売)
3.65
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  • レビュー :44
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008386

作品紹介

私は体調の悪いときに美しいものを見るという贅沢をしたくなる。香りや色に刺激され、丸善の書棚に檸檬一つを置き−−。現実に傷つき病魔と闘いながら、繊細な感受性を表した代表作など14編を収録。

檸檬 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 詩や散文の延長線上にあるような文章で、ひたすら表現が美しい短編集。
    濃かったり激しい波があるような物語はほとんどなくて、そうなると平坦になりがちなのに、表現だけで読ませるような感じ。
    そういうのを書くのはすごく難しいと思う。
    物語自体を波だらけにするのはそこまで難しくないけれど、何もないような物語を名作にするというのは。

    長らく肺結核を患い、31歳という若さで亡くなった著者なので、病を患った陰鬱な内容もけっこう多い。だけどその状態をシニカルな視点で見ているような感覚もある。
    その死後に認められ、稀有な作家だったと皆が口を揃えて言うようになった作家。
    ボードレールの詩に親しんでいた影響も随所に出ているらしい。
    映画の「小さな悪の華」を観た影響でボードレールの詩集を1冊持ってるんだけど、内容が暗く激しくてずっと読み続けることは出来なかった。ということを思い出しました。笑

    「Kの昇天」「桜の樹の下には」「冬の蠅」「ある崖上の感情」がとくに好き。

  • 病んで歪んだ世界。そこに突き刺さる孤独と、瀬戸際の美しさ。そして、彼岸に踏み入れた片足――。

    病んでいる人のみが見ることのできる世界、自分の中にある普通は他人に見せないような薄暗い感情を形にしたらこんな作品になるのかと思う。「冬の日」「冬の蠅」が特に良かった。気づけば梶井ワールドにはまって全作品を読みたくなった。

  • 痛烈な描写。それは現に檸檬を見て、匂いを嗅いでいるかのよう。そして思わず顔をしかめずにはいられないくらいの、吐かれた痰の色。それらは病に侵され、憂鬱が満ちた生活を送った作者だからこそ見えた世界であり、出来た描写だと思うのです。そんな作者の生活がリアルに写された、短篇集が詰まった本でした。この本、「桜の木の下には屍体が埋まっている!」の一文の原作を知りたくて購入しました。この短篇も痛烈な描写と、人間心理が描かれている印象深いものでした。どの短篇も言葉遣いが難しく、ページ数の割には個人的に読了に時間が掛かってしまいましたが、じっくりとものの描写や人間心理を感じながら読める1冊だと思います。

  • 2018/1 7冊目(通算7冊目)。手に取ったきっかけは、角川文庫の夏の対象文庫になったのを見て。有名になりかけたころから病気だったためか、主人公が肺病という設定の短編が多い。印象に残ったのは「檸檬」「のんきな患者」「瀬山の話」。「檸檬」は短いながらも文章が写実的でとても印象に残る。「瀬山の話」は、作者自身がネタなのかなと思う。読んでいて一番興味を引いた。全体的に情景描写が綺麗な印象を受けた。感想はこんなところです。

  • 出逢えて嬉しい一冊。

    桜の木下には死体が埋まっている。。。
    なんと幻想的で甘美な文章なのだろう。
    梶井基次郎の写真も見たけれど、
    人を外見で判断しちゃいけないけど、
    その見目ゆえの繊細な文章なのだと思う。

  • 梶井基次郎の短編集
    大体の主人公は病気を患い(主に肺病)
    病鬱を抱えている
    その鬱屈を時に散文の様に
    時に物語に織混ぜて書く

    リズムとユーモアと哀惜が入り混じる独特な短編集
    生のきらめきや喜びより患う苦しみに多くの行を割くが、生へのあからさまな執着心は描かない
    死への恐怖も
    いつもの景色の昼と夜
    路地裏、溪間など風景描写や生活に病気と共存する煩わしさ、悲しみを書く

    陰鬱なはずの言葉なのにそうとは感じないのがとても不思議で魅力なんだろう
    感傷を誘うかと言うとそうではない
    読みやすいかと言われると散文的でストーリーがない部分が多く読みにくい
    それでも、ページを繰ってしまう

    そういう妙な魅力を持つ本
    夭折が惜しまれる
    もっと多くの著作を読みたかった

  • 凄く短いのね。檸檬って。

  • 京都の山善に行った記念に購入。梶井基次郎を読むのは初めてだったが、文章も難解でなく、とても読みやすかった。京都の町歩きの空いた時間にぜひ

  • 花火を星水母と喩えるうつくしさ

  • なんとなく暗い店内やカラダも心もちょっと病んでどんよりした作者とキリッと綺麗な黄色の檸檬の情景が浮かんできます。
    学生の頃この本を読んで丸善に憧れました。

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