霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008478

感想・レビュー・書評

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  • 綾辻先生の初期の作品の改訂版らしいが、初期でももうこれだけの作品を作られていたのか・・・・と圧倒された。

    まだ半分しか読んでいないが、引き込まれ方が半端ない。

    本格的ミステリも凄いのだが、文章の上手さにも圧巻!
    どんどん引き込まれていく。

    下巻に期待大!!

  • 久々の綾辻作品、しかもクローズドサークルで起こる連続殺人もの。

    期待値高いけど大丈夫?って思いながら上巻を読み終えました。

    霧越邸の設定自体はちょっと不自然な感がありますが、それは言わない事として、不自然な洋館だからこそ不思議な現象が起こる。

    そう考えればやはり我孫子武丸の「殺戮にいたる病」がいかに優れた作品かがよくわかりますね。
    (現時点では私が最も驚愕した一冊です)

    少し脱線しそうなので、本作に戻り、霧越邸自体が今後起こる殺人を予言しているかの如く物語は進んでいきます。

    残念ながら上巻のラスト近くで本作の探偵役となる槍中が示した「アリバイ・動機一覧表」から現時点では私には犯人を論理的に言い当てる事は出来ません。

    さて、ここに何が隠されているのやら。

    謎解きを楽しみにこのまま下巻を読み進めていきます。


    説明
    内容紹介
    『Another』の綾辻行人、もうひとつの代表作。〈完全改訂版〉刊行!

    信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々…。閉ざされた“吹雪の山荘”でやがて、美しき連続殺人劇の幕が上がる!
    内容(「BOOK」データベースより)
    1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の“完全改訂版”!!
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    綾辻/行人
    1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。92年には『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。本格ミステリを書き続ける一方で、ホラー小説にも意欲的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 出だし読み進まなかったけど、館のムードや古典の豊富な知識などがまたムードを引き立てる。豪邸、クローズド、謎の住人、探偵役、医師もいて、いかにもなミステリーで面白い。
    綾辻行人の館シリーズ設定は無いので、含みなく読める。

  • 吹雪で道に迷った「私」達がたどり着いた洋館には一筋縄ではいかない住人達、そんな外部から遮断された状況で見立て殺人が起こり…という設定だけならもう清々しいくらいベッタベタな吹雪の山荘モノ。館に散見される関係者との符合が示すものは何か。上巻いいとこで終わるなー

  • ちょっと文章がくどくて、もっとストーリーをテンポ良く進めてくれ!と思った。事件が起こってからは素晴らしい。

  • ーもう一人の中村青司に捧ぐー
    から始まるなんとも魅力的な!!と思い無事に読了。
    やはり脱出不可能な建物の中で起こる不可解な殺人という題材は面白い。犯人が誰なのか全く読めず、、、
    面白いのだけれどところどころ日本文学のうんちくが出てきて個人的には読むのが大変で読み飛ばしてしまいました。

  • 雪の中の山荘。ミステリーの王道。そこで行われた殺人。それは見立て殺人にも見える。こんなにもミステリファンをワクワクする要素が詰まっていて、下巻も早く読みたい限りである。

  • 劇団・暗色天幕の一行が突然の吹雪で遭難。命からがら辿り着いたのは謎の洋館・霧越邸だった。壮麗たる趣向を凝らした館内。そこに棲む謎多き家人、巻き起こる不可解な現象、そして…殺人の幕が静かに上がる。

    いわゆる吹雪の山荘というクローズドサークルに見立て殺人と王道ながら、その舞台である霧越邸の作り込みが凄まじい。館シリーズとは違うベクトルの深さ。数々のアンティーク、工芸品、文芸作品などの知識の密度は降り積もった雪のよう。どこまでが蘊蓄でどこからが伏線なのかはわからないけど、読んでて勉強になる。あと、そこまで粋を尽くした館だからこそ、そこに映し出される情念が単なる風景ではない迫力をもって襲ってくる。綾辻先生が作る「場」がやっぱり好きだなあとしみじみ思った。

    序文であるように、本格ミステリに怪奇幻想の世界観を繋ぐという試みも面白い。上巻では鍵にはなってきそうだけど、基本的にはミステリの形に落ち着いている様子。オカルト方面の知識もしっかり振る舞われ、それが北原白秋の詩や見立て殺人とも絡まり合って、味わいを複雑にしている。事件はまだまだこれから。この白銀の世界がどんな風に黒く染まっていくのか期待。

  • クローズド・サークルもの、かつ名前にこだわる設定や雰囲気は“十角館”を彷彿とさせる。白秋の「雨」の見立てが昭和っぽい。

  • 雪に閉ざされた館での連続殺人という手垢の付いたようなジャンルに挑んだ幻想的本格派ミステリー。
    工芸、美術、文学の勉強にもなる。
    伏線の張り方が巧み。

著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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