霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 425
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008485

作品紹介・あらすじ

外界から孤立した「霧越邸」で続発する第二、第三の殺人…。執拗な“見立て”の意味は? 真犯人は? 動機は? すべてを包み込む“館の意志”とは? 緻密な推理と思索の果てに、驚愕の真相が待ち受ける!

感想・レビュー・書評

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  • のめり込んで読んでしまった。。。
    ページを捲る手が止まらないと良く言うが、そんな感じの一冊。

    自分なりに推理をしながら読み進めていくわけだが、
    最初の殺人についてはある程度の予想はついたものの、
    その後はダメダメでした(^-^;

    カナリアにも全く気付けなかった私。

    上巻の巻頭に図面が添付されていた為
    いつもの館シリーズの気分で読んでしまったが、
    今回は隠し扉とかがあるわけでもなく(笑)
    それでもしっかり心掴まれてしまった。

    綾辻先生のは、何を読んでも本当に面白いなぁ~。

    でも館の偶然は、ちょっと偶然すぎるかなぁ?
    ってな気もした(^-^;

  • 雪山で閉ざされた荘厳な邸で起こる連続殺人。
    話が長いので伏線とか見落としてたが、犯人の動機というか性格はユニーク。

  • 上巻の表紙を捲ると、まず舞台となる館「霧越邸」の見取り図があります。
    湖に張り出した広大な館の見取り図を眺めるだけで、これからここで何が起こるのか期待で胸が高鳴るというもの。

    隅々まで豪華絢爛な館の描写は謎めいていてとても美しいです。
    吹雪で閉ざされた館で起こる連続殺人といういかにもな設定ですが、この館の神秘さがありきたりなストーリーにさせていません。

    館を訪れる人々の運命を暗示するかのように「動き出す」館、その意志に沿うように起こる事件。ファンタジーかSFかと読者を惑わせますが、非論理的な現象を論理的な解釈に取り入れて幻想的な雰囲気のまま本格ミステリとして終着していくのが見事。

    豪華な調度品が並び不思議なバランスで調和している霧越邸と同じように、非現実と現実が上手く調和された素晴らしい1冊でした。


    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・














    最初に間取り図を見た時に「これは館を使った壮大な物理トリックがあるに違いない」と勝手にワクワクしたのですが、意外に理詰めの堅実な展開で、良い意味で予想外でした。
    「館」をこういう風に使うのは新鮮。

    予言するかのような現象が堅実か?という話もありますが、これはもう一人の犯人である槍中が現象の中に何かを見出したということが重要であり、館の現象が事実かどうかは関係ないのでこのあたりも上手く出来ていると思います。

    4度の事件で、途中から槍中が便乗したことにより事件が重層的になっているところがおもしろいのですが、4度目の事件で介入し逆に槍中を惑わせたのが真の探偵役だったという事件の展開にはニヤリとします。

    第一の事件の死亡推定時刻のごまかしがあそこまで上手くいくかは疑問ですが、見立て殺人の理由には納得です。
    見立て殺人はちょっと無理があるんじゃ?という事が多いですが、その違和感が「雨」殺人事件→実は「童謡」殺人事件という真相に繋がっていくのもすごい。

    登場人物一覧に丁寧に本名まで書いてあるので何かあるのだろうとは思っていましたが、槍中の名前には気づきませんでした。
    作中内で名前が変わる、しかも霧越邸で変わることで槍中へも影響を与えるというのが憎い演出。
    吹雪に閉じ込められた幻想的な館が、槍中の心理的な動揺に説得力を持たせています。

    霧越邸の人々にとっては本当に迷惑な話だと思いました。

  • 訪れる者の未来を写すという霧越邸。
    幻想的な世界と永遠の美。

    生々しい生への執着を描く本格ミステリと
    浮世から乖離した死への憧れを描く幻想小説。
    矛盾する二つを併せ持った綾辻行人の創作する世界。
    彼の作風を決定づける一作。

  • 生への執着を描く本格ミステリと死への憧れを描く幻想小説の融合。混沌と調和。矛盾する二つの世界観を合わせた綾辻行人の幻想ミステリ。雪山の荘厳な館。来訪者の訪れとともに“動く”不思議な館。閉ざされた舘で起こる連続殺人事件。館が人を狂わせるのか…犯人の口から語られる動機は歪んでるし到底理解し難い。永遠の美へのこだわり?殺人を美化するなんてとんでもない。嫌悪感を覚える。館シリーズを読んでいても感じることだが、作者の作品は光というよりは闇に傾いている。光ではなく闇にこそ美しさを見出す、そんな描写が多い。全ての謎が明かされてすっきり爽快に終わるのではなく、最後に謎を残しつつ終わるのが良い。ミステリアスな館はそのまま霧を越えてまた彼方へと消えていくのか。偶然と捉えるか予言と捉えるかもその人次第。この幻想的な雰囲気に惑わされそうになる。

  • 事件やトリックは、ミステリーとしてはオーソドックスなものだと思う。しかし、犯人はなかなか狂っている・・とは言え、何かそのような犯行動機も理解できるなぁ。
    芸術的というか美しさを感じられるミステリー小説。

  • 館の描写が非常に細やかで、槍中さんじゃないですが、わたしもこのお屋敷に住みたい、と思いました。この作品は、殺人のトリックや叙述トリックのうまさに感激させられるタイプのものではなく、槍中や彰少年による理詰めの謎解きを見る小説なんだなと感じました。なんというか、「推理ってこうやるんだよ」と初心者に教えてくれるような本です。綾辻作品特有の叙述トリックによるどんでん返しを期待すると肩すかしを食らった気分になります。

  • 綾辻さん、
    館シリーズ以外読んだのははじめてかも。
    いわゆる新本格かと思いきや、幻想的な要素もありつつ。

    それをどう受け取るのかはそのひと次第。
    霧越邸での出来事の数々は、
    果たして本当に偶然だったのか。
    「霧越邸」だからこその雰囲気。


    謎を解くためのヒントは
    きちんと読者にすべて示されてるところもよかった。

    いやー
    面白かった!
    次は、長くて手を出さずにいた、暗黒館かな。

  • 動機が歪んでますね。ラストの展開は予想外なところもあって面白かった。謎の人物が例の役割を担って登場する仕掛けや展開に、こうくるかと感服しました。

  • トリックやガジェットはおもしろいのだが、初期館シリーズの鮮烈を期待したらちょっと違った。

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著者プロフィール

綾辻 行人(あやつじ ゆきと)
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部在学中、京大推理小説研究会に所属。研究会同期に、後に結婚する小野不由美がいる。1982年、同大学大学院教育学研究科に進学。1987年、大学院在学中に『十角館の殺人』で作家デビュー。講談社ノベルス編集部が「新本格ミステリー」と名付け、その肩書きが広まった。1992年大学院を卒業後、専業作家に。
1990年『霧越邸殺人事件』で「週刊文春ミステリーベスト10」1位。1992年『時計館の殺人』で日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2011年『Another』で「ミステリが読みたい!」1位。
主な代表作として、デビュー作『十角館の殺人』以来続刊されている、長編推理小説「館シリーズ」。

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