魔女の宅急便 2キキと新しい魔法 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008508

作品紹介・あらすじ

宅急便やさんも2年目を迎え、コリコの街にもすっかりなじんだキキとジジ。でも大問題が持ち上がり、キキは魔女をやめようかと悩みます。人の願い、優しさ……キキは、再び新たな旅立ちを迎えます。

感想・レビュー・書評

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  • のんびりと二巻目。

    キキが自分の仕事を見つけたことの自負が出来る一巻から、何のために仕事をしているのか、魔女とは何なのかに、ふと立ち止まりを見せる。

    好きなこと、自信のあることでも、いつもいつも順調でいられるわけじゃないよね。
    子どもの時には、それが不安に思えたけれど、今はそういう時もあるんだと思って、うまくやり過ごそうと思えるようになった。

    コスモス柄のスカートを履く話がお気に入り。
    大人が入るようなレストランでゆりのアイスクリームを食べるキキの描写が、とんでもなく可愛いじゃないか。

    三巻に続く。

  • 『魔女の宅急便』てお仕事小説だったんだ。
    キキのひたむきさに心が洗われる。

    冷凍台風なんておそろしいものが近付いて来ても、
    「みんながよろこんでくれるとさ、湯たんぽより、ずっとあったかくなれる」
    と、寒い中凍えながら飛び続ける姿を見習いたい。

    決して順風満帆なわけではなく、悩んだり、落ち込んだりしているキキ。
    でもキキとジジを取り巻く世界は優しくて、2人が出会う人達の優しさとほんのちょっと困ったところも含めて愛おしいなと思う。
    私が見えてないだけで、私の周りも同じかもしれない。
    優しくてほんのちょっと困った人達に囲まれているのだとしたら、私もキキのように周りの人達に優しさを返さないといけない。
    ほんのちょっとどころではなく、困った人なんだから。

  • これまた小学生の頃に読んだきりだった2巻。
    あの頃より今読んだ方が面白かった気がする。

    それは私が大人になってキキの成長を見守れるほうの大人・・・というか、あぁ、キキも成長してるのね。

    と思う側になったってことなんだろうなぁ。

  • コリコの待ちに来て2年目のキキは、
    新しくコリキさんからくしゃみの薬を作る方法を
    教わることにしたり、心を込めて荷物を運ぶということの
    本質を見つめて悩んだり、恋にとまどったり。
    女の子が成長していく過程にきゅーっとなりつつ♡

    春のさかりのコリコの町は、やらかい緑に
    リンゴやアンズの花の香り、やさしい風の音に小鳥の声。

    大きなカバさん、森の窓、ぴんぴんのシャツ、
    ぴかぴか光った赤いりんご、おじいさんとお散歩とはてなし公園。
    いろんな人の荷物や想いを運びながら、キキもジジも
    それぞれに成長をして、少しずつお互いの旅立ちの時に
    向かっているのかなぁと少し寂しくなったり。

    ねこのめ、すずのめ、めめりぐさ。
    新しく"くすりぐさ通り"ができた3年目のキキの生活が楽しみ。

  • はじめて読んだのは10代。
    どういうときに読んだのかなんて覚えていないし、いくつの時かも覚えていない。覚えているのは、親に買ってもらったこと、それから絵が1巻とは違ったこと、そしてゆたんぽの話。

    なのに、読んでいると思い出す思い出す。
    そういえば、私は『ゆりのアイスクリーム』にとても興味があって(そら食いしん坊ですから)どんなものか想像を膨らませてはにやにやしていたのを思い出した。大人になった今でもつい想像してにやついてしまった。きっと、とても素敵で美味しいと思う。いいなぁ。
    そんな童心に帰る一方で、子供の時には胸に響かなかったものが重くのしかかったりもした。靴を捨てちゃった女の子に靴を届ける話や、お散歩を届ける話。特にお散歩の話は、昔読んだ時にも理解はしていたはずなのに、とても胸に響いた。『死』という言葉を使っていないんだな、と、今更気付く。あれはキキに帽子を届けるのでもお爺さんに散歩の話を届ける(未遂)のでもなく、お爺さんの友達のウミちゃんに優しさを届ける仕事だったんだろうなぁ。と、言葉にするととても陳腐なのがくやしい。

    キキも町に来て2年目。友達も増えて、町に受け入れられて、悩んだりうかれたりしながら毎日を頑張って過ごしている。
    でも、私、3巻目があんまり好きじゃなかったんだよなぁ、と今更ながら思い出してちょっと二ヶ月後が憂鬱。じゃあ読むなよって感じがしないでもないが、読まないのはもったいない!結局とても楽しみ。

    それにしても、文庫で揃えたら、単行本どうしよう。手放すのももったいない気がするなぁ…

  • コリコの町に来て2年目、キキ14歳のお話。キキが受ける宅急便の依頼も様々で、ほっこりする話もちょっとしんみりする話もある。特に帽子屋のおじいさんやコダマさんの話が好きだ。
    キキが自分の仕事の意味を考えたり、おしゃれしたがったり、思春期の女の子らしく成長していくのを見守る気持ちになる。ジジもキキと一緒に成長しているようで、それも微笑ましい。ジジが「いっしょに来ることでてつだってくれました」(p.298)っていうところとか、可愛いなあ、とほっこりする。

  • 最近落ち込むことが多かったので、心を温めてもらったような気持ちになった。とんぼさんの「あのおばあちゃんは自分の時間をもってるんだよ」という言葉も心に残った。

  • コリコの街に住んでしばらくのこと。キキは、魔女としてのアイデンティティの問題に直面します。

    落ち込むこともある中で、宅急便のお仕事で得た出会いのタネが芽を出し、友情が育まれたりと、素敵なエピソードもたくさん。
    散歩のお話では、思わず涙がポロっとしてしまいました。

    純粋でやさしい気持ちを思い出させてくれる、大好きな世界です。(July 12, 2020)

  • くしゃみの薬を作るときに
    必要な分だけできる、必要な土地がわかる
    そのためには心を育てる必要がある

    野生の勘?のような人間本来の感覚を大事にしたいと思った

  • シリーズ、2作目です。主人公のキキが里を離れてから少しずつ今まで気が付かなかった大切なことにゆっくりと、着実に気がついていく様子をほほえましく眺めることができました。事を素直に受け止めることはとても大切ですね。

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著者プロフィール

1935(昭和10)年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、出版社に勤務する。25歳の時からブラジルに2年間滞在し、その体験をもとにしたノンフィクション『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。著書に『ズボン船長さんの話』『小さなおばけ』シリーズ、『魔女の宅急便』『ぼくびょうきじゃないよ』『おだんごスープ』『ラストラン』など数多くの絵本・児童文学作品がある。産経児童出版文化賞大賞、路傍の石文学賞、旺文社児童文学賞、野間児童文学賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など受賞作品多数。

「2017年 『いろはにほほほ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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