封鬼花伝 暁に咲く燐の絵師 (角川ビーンズ文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008683

作品紹介・あらすじ

「ならばわたしは、自らの命を賭しておまえの腕と知恵を試す、姫絵師」絶世の美貌を持つ第一皇子・刀火から、国を滅ぼす「絵」を封じるように密命を受けた千樹。貴族が大嫌いで相性最悪の二人だったが――!?

感想・レビュー・書評

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  • 一連の中華ファンタジーや王朝ファンタジーの作者の中で、三川みりの人物描写の自然さや筋の滑らかさ、文章全体の上手さは群を抜いているんじゃないかな。
    滅んだ国から逃げてきた姉妹、その姉は妹の千樹を捨てていく。絵師の彩遊に拾われた千樹は絵師として育つが、第1皇子の刀火から、封印が解かれた鬼が住む絵を再び封印せよと命じられる。鬼を封じなければ、刀火は魔王となって国を滅ぼしてしまうのだ。これには、千樹の幼い時の秘密も隠されていた。
    当然、封印されることになるのだが、それに至る過程の描き方が上手い。次巻も期待できる。

  • 日本の平安時代のような世界。しかし魔界がそばにあり、取り込まれると国を亡ぼすくらいの魔王が異界から出てくる。主人公・千樹は今は上東国にいるが、元々は上北国の下位の姫だった。父が魔王に飲まれ、国が滅びたのだ。一緒に逃げてきた姉の阿樹は上主の仮妻となり、千樹は絵師の弟子となった。魔界への入り口は成る絵と呼ばれる、生きた絵が入り口となることがあり、現世で描けるものはいない。しかし、過去の成る絵の封印が解けると魔王の素質のあるものが飲まれてしまう。
    魔王素質のある第一王子暁宮が千樹の隠された能力を見抜いて居抜きで側におこうとするあたりから話が始まる。展開は読めるものの主人公たちのまっすぐな思いがおもしろいのは三川みりの特徴が出ていた。挿絵が彩雲国物語の由羅カイリだった。なんか、引きずられます。あとは、平安王朝ものはやはりもっと制限(和歌とか身分とか)が本物に近いほうが楽しいので、もう少し似ているけど違う世界観で読みたかったかな。
    後宮ネタ混ざるので中学生からが無難。特に問題となる表現はなし。

  • 3巻目まで読了。
    生き生きとした強気主人公と俺様な皇子が魅力的。
    二人ともやることをきちんと分かって目標に毅然と立ち向かっているので清々しいです。
    自分を律する気持ちが強いので恋愛はゆっくりとしか進みませんが、抑えても漏れ出る心の描写が楽しい。

  • 画竜点睛の由縁かー
    でも龍のほうがやばそうなのになあ
    人だと入れ替わっちゃうとか?
    読みにくい気味だけど大丈夫

  • 千樹と刀火、雅近の会話が楽しかった。描かれた桜がはらはら散ってるのは見てみたいかも。

  • 積読をようやく読了。

    『シュガーアップル・フェアリーテイル』から入りました。

    実を言えば、次巻に『シュガーアップル』のペーパーが付いていたので新シリーズを買ってみました。

    由羅カイリさんのイラストで、ビーンズ文庫の別作品を思い出して違和感を感じちゃう
    と、知人が言っていたのですが
    …まあ表紙のイラストを見るとね☆

    読み進めていると、そんなの気にならなくなるけどね。

    まだまだ始まったばかりの物語。
    次巻の展開が楽しみです。

  • 絵には魔力が宿る。
    主人公は絵と対峙することで、自分を成長させていく。

    という話。
    最初に種明かしがくるので、設定を詰め込む余力はまだまだあった。
    これから増える登場人物と人間関係、絵師の禁忌、神話世界など、次巻期待。
    最後に由羅先生の挿絵は相変わらず麗しいです。

  • 屏風絵に一筆、一筆書き足していくシーンは、緊張感にあふれていてよかった

  • 国を滅ぼす鬼が出ようとしている絵を封印することを依頼される千樹が、魔を封じるために苦悩する物語。
    ストリーとしては王道なファンタジーで、この巻は伏線がいっぱいの続刊しだいな印象。
    努力型のアンと違い、才能のあるヒロインが記憶の底に鎮めた内面と向き合うお話。バトルシーン的な創作風景です。

    甘さは今のところ無し。
    でも、p113のアップした髪とあの瞳は、惚れるカモ。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3385.html

  • イラストが由羅カイリさんだったんで、なんとなく男性陣が「彩雲国」っぽいって思ってしまいましたが、おもしろかったと思います。

    描き手の気持ちによって、たまに絵が動いてしまうことがある世界のお話で、滅亡した国から逃亡していた絵師の千樹と隣国の第一皇子の刀火の掛けあいがよかったです。

    あの絵をどんな風に封じるのかと思ったら、あの方法。そうか!って納得できました。正直絵を封じるタイミングは、例のごとくギリギリで、そこまでギリギリじゃなくてもいいんじゃないかって思いましたけど。

    あと、敵として出てきた彼ですが、えー、この人が悪役になったら、サブキャラいなくなるやんって思ってたら、憑依されただけで、いい味出してる人がいきなりいなくなるのはちょっと寂しかったんで、安心しました。

    おもしろかったから次巻も買うと思います。

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著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。温かく優しい読後感が持ち味で、登場人物の繊細な心理描写も高く評価されている。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、『ここは神楽坂西洋館』『仙文閣の稀書目録』などがある。

「2021年 『転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三川みりの作品

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