キリン (角川文庫)

  • 角川書店 (2013年6月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784041008768

作品紹介・あらすじ

天才精子バンクで生まれた兄弟――兄は天才数学者の道を歩むが、弟の麒麟は「失敗作」として母と兄から見捨てられてしまう。孤島に幽閉されても家族の絆を信じる麒麟の前に、運命が残酷に立ちはだかる!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

親の期待や欲望に振り回される子供たちの運命を描いた物語で、近未来的な設定が現実の問題と重なり合います。天才精子バンクから生まれた兄弟は、兄が優秀な数学者としての道を歩む一方、弟は「失敗作」として母から...

感想・レビュー・書評

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  • 天才精子バンクを起業し、パーフェクトベイビーを望む女性たちに、オークション形式で人工授精を施す。
    近未来的な設定ながら、現実にもそうした事例が話題になった記憶があります。

    かつて『素直な戦士たち』(城山三郎)でも、優秀な子供を求めて結婚・妊娠・出産を逆算する母親が描かれていました。(昭和ですよね)
    親たちの欲望に振り回される子供たちという構図は、時代を超えて繰り返されるテーマなのかもしれません。

    今作では、優秀な長男と、勉強はできないが心優しい次男との対比が印象的です。
    優秀な遺伝子は確かに魅力的ですが、思いやりや他者を大切にできることもまた、人間の大切な能力のひとつだと思います。

    時代ごと、親たちは子供に「より良い未来」を与えようとしてきました。そして、より良い未来さえ変化しているように思います。
    子供が望む方向を大切にしたいですね。

    • 土瓶さん
      俺のように立ち読みすべきでしたね~、クマさん。
      たぶんこの作者さんは設定はユニークなものを思いつくけど、致命的に文章が……、ってタイプだと...
      俺のように立ち読みすべきでしたね~、クマさん。
      たぶんこの作者さんは設定はユニークなものを思いつくけど、致命的に文章が……、ってタイプだと思われ。
      だから意外と他の媒体、例えばドラマや映画にすると当たるのかも。
      2025/10/18
    • おびのりさん
      皆さん「リアル鬼ごっこ」に拒否感がー
      この方 中学生くらいに人気があったんじゃないかな?うちの本棚にあるという事は、子供が買ったから捨てると...
      皆さん「リアル鬼ごっこ」に拒否感がー
      この方 中学生くらいに人気があったんじゃないかな?うちの本棚にあるという事は、子供が買ったから捨てると怒られそうで まだ置いておるのだと思います
      2025/10/18
    • kuma0504さん
      土瓶さん、おびのりさん、
      そうそう、中学生に何故か人気があるんですよ。
      その事を思い出したのが、今年2月に公開された映画「遺書、公開。」です...
      土瓶さん、おびのりさん、
      そうそう、中学生に何故か人気があるんですよ。
      その事を思い出したのが、今年2月に公開された映画「遺書、公開。」です。(おびのりさん、ごめんなさい。関係ない事つらつら書いて!)この映画も、中学生や高校生だけが観客だったんです。しかも1番広い部屋をとっていた。彼らが映画館に通うのは嬉しい事なんですが、作品自体は、私から見たら完全B級なんです。しかも、エロもグロもない。設定は、自殺した女生徒がクラスのひとりひとりに遺書を書いていて、それをホームルームで公開するという内容です。サスペンスとしては「鬼ごっこ」よりも秀逸なんですが、演出がやたらオーバーになっていて、矛盾を押し切った脚本。若者よ、もっと良い作品観ようよ、とおじさんは思ってしまった。なんか、「鬼ごっこ」のことも思い出したりして、もやもやしたんです。なんか、彼らのことを理解しきれていないだけなんかもしれないって。
      すみません。ちょっと愚痴らせて貰いました。
      2025/10/18
  • 『子供を親の道具として扱った末路』

    学力、性格、容姿など、全ての要素において完璧な人間を“作り出す”ことは可能だと思ったことはあるだろうか?
    即ち、優秀な父親がおり、周囲が驚く(寧ろ引いてしまう)程の英才教育を施せば、自分が望んだ通りの完璧な子供を作り出すことはできるのかということである。
    本作は、そのような子供を望む親の子の運命を描く。

    本作は、天才児を望む母・皆川厚子からの“歪んだ愛情”を受けて育つ兄弟の物語。
    厚子は保険会社で働く独身女性であり、天才的頭脳を持つ子供を産むため、世界的数学者やノーベル賞受賞者などの精子を扱う「ジーニアスバンク」から精子を競り落とし、秀才・麒麟の兄弟を産む。

    兄・秀才は、小学生にして大学数学を解いてしまう程の“天才的頭脳”の持ち主であり、厚子が望んだ通りの子供に育つ。
    一方、弟・麒麟は4歳にして小学6年生レベルの問題までマスターをするが、中学生1年生レベル以上の問題が解けないことを理由に、厚子から酷い扱いを受ける。

    本作において厚子などが信奉しているのが“優生学”という分野であり、優秀な遺伝子を残す為に、劣性の遺伝子を排除するという考えを持つ。
    ただし、果たして、『優秀さだけがこの世を救うのだろうか?』と読んでいて私は思った。
    「優秀な人は犯罪を犯さないし、起こるわけがない」だなんてそんなことはない。

    本作を読んでいると、『世の言う天才的な人とはどんな人物なのか?』『親の理想を子供にぶつけることが、親子にとって本当に幸せなのか』など色々と深く考えてしまう。(ただ、それらの疑問に正解・不正解をつけることは非常に難しいと感じる)
    まずは、自分が率直に感じたことを大切にしながら本作を読んで欲しい。

  • 友人のお子さん(20代半ば)から勧められて読んでみました。

    イライラするくらい感情移入できました!
    ストーリーは何となく先が読めちゃうけど、別に推理小説でもないし、世界観を楽しむのに最適。読みやすいし!

    ちょっと理由づけが何でもありな部分も散見するけど『活字を楽しんだ』と読了して感じたので良きです!

  • 優秀なDNAバンクを使った毒親の元に生まれ、その毒に気付いて離れていく兄と、その毒を信じられず母を求める弟の切ない物語。

    弟は壮絶な虐待を受けるが、リアル感が乏しい。
    その上、DNAバンクの創設の経緯に、人間の本性から来る違和感がハンパない。

    好き嫌いが分かれる1冊のような気がします。

  • 読みやすい文体で、切ないエンタメ小説でした。

  • H29.4.7 読了。

  • 復讐の為に、あるいは自分勝手な理由で、子供たちを生み育てる親たちが許せなかった。子供は親の道具ではない。ひたすら生まれてきた子供たちが可哀想な、胸糞悪い話だった。

  • 後半一気読みしました。遺伝子に翻弄される人達は悲しいです。確かに遺伝が容姿や病気に成りやすさに関係してくるとは思いますけど、環境や出会った人達や時代等でも人間は変わると思います。麒麟には幸せになってほしい。

  • 山田悠介初読。初っ端から優生学の不気味さにビビる。麒麟くんと仲間たち以外はトチ狂ってるので麒麟くんがほんとにいい子でもう悲しくなってくる。
    でも狂ってるのもちょっとクセになってくるのでこれが山田悠介かーと思った(?)
    天才とは?というテーマと結末に向かうにつれて『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせた。
    子どもを自分のための欲望と見栄と復讐の道具にしか考えてない大人に呆れるに似た感情が残った。

  • あっという間に読み終えた。
    私の親も子供を周りと比べるタイプで、幼い時はそれが当たり前、○○ちゃんより頭が良くないと親には褒めて貰えない、点数が1番って思ってたから、割と感情移入しやすかったかも。
    麒麟と同じように親が笑ってくれないのは自分が馬鹿だから。って本気で信じてたこともあったなぁ。
    今大学生になって、自分は自分、他人は他人って少しは思えるようになってきたけど、やっぱり点数だけじゃなくても、みんなお互いを比べながら生きてるんだなぁって実感する毎日、、、。

  • 倫理観について考えさせられた本だった。「優秀な子どもに育てたい」ではなく「優秀な子どもを産みたい」から始まるこの物語は読んでてめちゃくちゃきつかった。そんな境遇の中に生まれてきたキリンは、人間性においてはるかに優れていたから最後の結末が迎えられたんだと思う。
    読んでいた当時、学校の黒板に家系図を書いて「?!?!?!」ってなったのはいい思い出

  • 麒麟の気持ちを考えるとすごく切なかったし、この家族狂ってるって思った。読んだ当初は自分とはかけ離れた世界すぎると思ったのに、現在の世の中では有り得なくもないかもと思ったり。最後も含め私には衝撃的なお話だった。

  • 精子提供を行う会社が立ち上がった未来の話。有能な精子を高額で売買し、世の女性はそれに群がっていく。そんな世界で、主人公となるのが保険会社で働くパッとしない人生を送る女性。有能な子供を産むことで、周りの馬鹿にしくてくる人たちを見返そうとする。秀才と麒麟、2人の子を産み、天才を育てようとするが…という話。
    なかなかにキツイ。自尊心とエゴの話。母親は自分の評価を上げるための道具のように子供達を使う。こんなことが出来るうちの子はすごいでしょう?この子を産んだ私もすごいでしょう?…怖い。なにより自分がこうならない保証がないことが怖い。見返したい相手はたくさんいるし、それは結婚や子供を産むことで叶えられる事もあるかもしれない。けれども私は他者を巻き込むのではなく、私自身で見返していきたいですね。旦那がイケメンとか、高収入とか、子供が天才とかクソ喰らえだよ。

  • 帯に、「絶対泣ける」って書いてあったんだけれど
    私は泣けなかったなあ。

    なんかどよーんと考えさせられちゃって
    逆に泣けなかった。

    こういう厚子みたいなお母さんは極端に描かれているのかもしれないけれど、
    現実にいっぱいいると思う。

    子供にだけ夢をたくして
    自分は全然学力もなくて、勉強に励まなかったのを棚に上げ、
    子供に押し付けるような…
    お受験ママがそうだよなあ、たぶん。

    学歴があるお母さんって
    モンスターペアレントみたいなお受験ママにはなりづらいと思う。

    自分に自信と余裕がないお母さんたちが
    躍起になる様子が
    よく描かれている作品でした。

  • 「パーフェクト」な子供を望む母親の狂気が恐ろしかったです。子供を完全に自分が他人を見返すための道具としか見ていなくて、読んでいて辛くなりました…。
    しかし、そんな母親でも恨んだりすることなく純粋な心のままに育った麒麟の「家族で一緒に暮らしたい」という想いには胸を打たれました。
    ただ単に難しい問題が解けたり、並外れた能力があるというだけでは不完全であり、心の優しさがあってこその「パーフェクト」なのではないかと思います。

  • 泣けました。

  • 小学生の頃に図書館で借りて好きやった本
    また読み直したくて本棚に入れときたくて買ってしまったやっぱりおもしろい

  • 中2のとき

  • 読むのは三回目くらいだけど面白かった。
    相変わらずつらい。
    登場人物の関係が複雑なので家系図書いてみたらめちゃくちゃに入り乱れて面白かった。昔の王家?

    秀才も家族のことをなんとも思ってなかったわけじゃなかったんだろうなと思える切ないラスト、大好き。

  • 遺伝子をめぐる麒麟と家族の物語。
    人の才能は、生まれ持ったものではなく、
    努力によって変わる!

    だが、まさか遺伝子が才能とは別のところで関係性を持っているとは、、、

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著者プロフィール

大東文化大学文学部日本文学科講師。1984年大阪府生まれ。専門は環境文学。著書に『反復のレトリック―梨木香歩と石牟礼道子と』(水声社、2018)、論文に「「声音」を読む―石牟礼道子『水はみどろの宮』とその周辺」(『石牟礼道子を読む2―世界と文学を問う』東京大学東アジア藝文書院、2022)など。

「2023年 『石牟礼道子と〈古典〉の水脈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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