怖い絵 (角川文庫)

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  • 角川書店 (2013年7月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041009123

作品紹介・あらすじ

残酷、非情で甘美……名画の“怖さ”をいかに味わうか、そんな新しい鑑賞法を案内する大ヒットシリーズの第1弾、待望の文庫化。ラ・トゥール『いかさま師』、ドガ『踊り子』など20点の隠れた魅力を堪能!

感想・レビュー・書評

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  • 描き手の悪意をひりひり感じさせる絵。
    憎悪を隠さず、悪意に歪んだ目にうつったそのままを、現実をありのままに切り取ったかに見えるように描いた絵。

    絵が描かれた時代背景から描いた画家の心情も読み取ることで、みるからに怖い絵がゾッとするほど怖くなります。

    20点の名画の中で私が一番怖かったのは、ホルバイン「ヘンリー八世像」

    ホルバインの天才的な筆力で、肖像画が気にいってもらえて良かったです。
    6人の妻のうち2人を断頭台へ送ったヘンリー八世は肖像画が気に入らなければ、宮廷画家ホルバインを間違いなく処刑したと思います。
    ヘンリー八世の目が怖くて直視できないです。

    他の作品も絵画という形でしかうったえることができなかった時代背景のある作品はやはり凄みのある怖さです。

    暑い夏に「怖い絵」はいかがですか?
    私は肖像画が少し怖くなりました。

    • きたごやたろうさん
      ミユキさんへ

      映画のノベライズだから、図書館には入りにくいかもです。
      ミユキさんへ

      映画のノベライズだから、図書館には入りにくいかもです。
      2025/08/10
    • ミユキさん
      きたごやたろうさん
      ソフトなホラー作品を、この夏1冊は読みたいのですが…今探しています(^^)
      きたごやたろうさん
      ソフトなホラー作品を、この夏1冊は読みたいのですが…今探しています(^^)
      2025/08/10
    • きたごやたろうさん
      ミユキさんへ

      オイラ、ホラー分野は今回のドールハウスで初くらいだからなぁ。
      みなさんの本棚渡り歩いてみて!
      ミユキさんへ

      オイラ、ホラー分野は今回のドールハウスで初くらいだからなぁ。
      みなさんの本棚渡り歩いてみて!
      2025/08/10
  • 著者、中野京子さんの作品、ブクログ登録は2冊目。


    で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての文庫化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の魅力。

    ---引用終了


    本作を登録した理由は、産経新聞のコラムに興味深いことが書かれていたため。

    以下、詳細。

    2025年5月8日の産経抄によると、16世紀のイングランド王・ヘンリー8世は、上背が190センチを超えたとか。
    実生活では、妻や側近らを容赦なく断頭台に送るなど、怖い人だった。
    そして、本作・『怖い絵』では、ヘンリー8世を、「人間の皮をかぶった冷血動物もかくやという恐ろしさ」と評している。

  • ブクログの他の方々の評価でずーと気になっていました。

    紹介された絵画が16〜20世紀という事でその頃の時代背景が丁寧に説明されており、怖い絵以上にヨーロッパの闇が見えたのが一番良かったです。

    中野さんの他の作品も興味がありますね。

    • コルベットさん
      みたらしだんごさん、こんばんは。いつもありがとうございます。その時代のヨーロッパの闇といえば、一番印象的なのは魔女狩りです。数万人が犠牲にな...
      みたらしだんごさん、こんばんは。いつもありがとうございます。その時代のヨーロッパの闇といえば、一番印象的なのは魔女狩りです。数万人が犠牲になったとか。現代の社会問題にも通じる部分がある気がするんですよね・・・(´・ω・`)
      2024/08/18
  • 西洋美術について興味はあるものの知識は殆どないので、良い刺激になった。踊り子などは私でも知っている超有名な絵だが、この画面は劇場のどの座席からみたステージか、後ろの黒いスーツの男は何者か?などの推察が面白かった。
    中にはこじつけというか、人の嫌な面を見ようとすれば誰でもそう思うだろうという、その絵としての説明から離れすぎた部分も感じられた。
    しかし、紹介される絵の数も多く、超有名どころだけではないところに好感が持て、総じて絵画への興味が増した。

    “怖い絵“というタイトルは本当は恐ろしいグリム童話のような印象だったが、本書はもっと現実的な人間の嫌な面を取り上げている。
    怖い絵というからには、もっとホラーやグロテスクを期待してしまう。
    我が子を喰らうサトゥルヌス、ベラスケスによる習作、ホロフェルネスの首を斬るユーディト、の3作などは見るからにグロテスクで印象通りだったが、確かにこうゆう絵ばかりが続くのも疲れるかもしれない。が、見たい笑

    文庫本の構成上、難しいのかもしれない(絵がカラーであるだけ有難いのかもしれない)が、絵の後に解説ページが続くので、絵のこの部分は〜と言われる度にページを戻って確認しなければいけない手間が少し煩わしかった。

    西洋絵画に興味を持つきっかけとして、良い本だと思った。

    本作では、老婆の肖像が一番印象に残った。

  • 美術作品の持つミステリアスな雰囲気は好きだったけど、その作品にどういった時代背景があって、何を目的として描かれたのか?という深い所までは考えたことなかったのでものすごく興味深い作品だった^ᴗ ̫ ᴗ^♡倫理の授業で習ったこともちらほら出てきて、そのたびに「ふふふこれ知ってる〜!」と興奮

  • 本書で紹介される絵画は22点。
    『我が子を喰らうサトゥルヌス』のように、見た瞬間に単純に「うわっ…」と思う絵だけでなく、一見特に怖そうに見えないけれど、なんだか不穏な気配が漂う絵も多数紹介されています。
    これらの絵について、歴史的背景や寓意を紐解くことで、1枚1枚ベールがはがれ落ち、表面からは見えなかった"怖さ"が少しずつ見えてくる過程にぞくぞくしました。
    知的好奇心と怖いもの見たさで、ぐいぐい読み進めたのでした。

    個人的に一番印象に残ったのは、ルドンの『キュクロプス』です。
    淡い色彩で描かれたキャンバスで存在感を放つ一つ目の巨人。
    著者の解説を読んだあとに見返してみると、恋する女性を見つめるねっとりとした視線にぞわっとしました。
    偏執的で報われない愛…怖いけど、少し切なくもある。

  • 美術館は好きだけれど、絵の背景やさまざまな解釈について深く考えたことはなかった。
    感覚的に一目で恐ろしく感じるものもあれば、説明を読んでゾワっとするものもあり、後者の方が恐ろしく感じた。
    本や映画では自分なりの解釈や感想を持つようにしていたけど、たった1枚の絵から色々と読み解くことは情報量が少ない分さらに難しいと感じた。それでも今後はもっと絵の背景を知ったり、絵の隅々まで見て自分なりの解釈を持ちたいと思った。

  • 絵画の話で盛り上がった同僚に借りた本です。

    「怖い」絵と言ってしまうと感じ方は人によるので言い過ぎな気もしますが。

    絵よりもすぐに気に入らない人を死刑にする時代が怖いです。あと、ギリシャ神話。神様が気に入った子をすぐ誘拐。

    一見、写実的で柔らかな絵画もよく考えると不自然という箇所がよく分かりました。

    惜しいのは見開きの絵の綴じられてる箇所が見にくい!コストかかりそうですが、絵の左端を綴じてくれたらなぁと思いました。

  • 目は口ほどにものを言う……をまさに体現したようなこの表紙。芯からぞぞぞっとします。怪奇ものやホラー系が苦手なので、この何とも背筋が凍るような女性の目と「怖い」なんてタイトルがついた本を自ら手に取るとは思ってませんでしたが、ブク友さんのレビューを読んで文庫の方で挑戦してみました。その結果、中野京子さんの語り口が面白く、興味を持って読む、絵を鑑賞する事ができました。ブク友さんは、絵を見返さないように気をつけておられましたが、わたしは一文読むごとに、「え、そうなってたっけ?」と記憶力がなくてあやふやなので、何度も絵を見返さなくっちゃダメでしたが……^_^;
    この表紙のラ・トゥール『いかさま師』のように怪しさと人間の奥底に潜む悪の部分が、絵画鑑賞したことのないわたしでさえも見るからに伺い知れるような絵画から、何故この絵が怖いの?と不思議に思えるものまであります。そちらの方が実は怖かった……
    絵の中にひっそりと植え付けられた悪や狂気の種。「悪」は疎まれ拒絶されるばかりかと言えば実はそんなこともないでしょう。なぜか人々は悪に魅力を感じ、恐怖を楽しみたいという感情もあります。「悪」の種はそんな人々の恐怖への欲求を肥料として魅惑的な花を咲かすのでしょうか。

    ルドン『キュクロプス』なんてストーカー事件のニュースを耳にする度に、これから思い出してしまいそうです。ルドンの描くキュクロプスのひとり、幼児的ポリュペモス。英雄の敵であるはずのの巨人が、なぜこんな悲しげな表情を浮かべているのか、その表情の奥に隠された不気味な怖さは何なのか。その源がルドンの生い立ちを知ることによって見えてきます。そして中野さんのお話はそこで終わることなく、最終的にこの絵を描くことで彼が何を客観視出来るようになり、何を克服したのかまでを教えてくださってます。
    どの絵にも怖さの向こう側に見えてくるものが必ずあることを知りました。

    • nejidonさん
      地球っこさん、こんばんは(^^♪
      丁寧なレビュー、とても楽しく読ませていただきました。
      中野先生のこのシリーズ、語り口が癖になって次の本...
      地球っこさん、こんばんは(^^♪
      丁寧なレビュー、とても楽しく読ませていただきました。
      中野先生のこのシリーズ、語り口が癖になって次の本を読みたくなりますよね。
      そうそう、絵のページを一度見ただけで記憶したわけじゃないんです・笑
      解説を読んで「え?どこに描いてあったの?」の繰り返しでした。
      でもね、戻れなかったの、恐怖の方が強くて。。。
      それで、ただただ『前へ進め!』で読み続けたというわけです。

      それにしても、このように一冊の本になっているから読めるものの、美術館にわざわざ「怖い絵」を観には行きませんよね。
      集めてまとめて、読み手の好奇心を呼び覚ます中野先生の筆力は、脱帽ものです。
      次の本を読まれることがあったら、またぜひご紹介くださいませ♪
      2018/06/26
    • 地球っこさん
      nejidonさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます(^^♪
      nejidonさんの、楽しいレビューのおかげで
      今まで手に取ら...
      nejidonさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます(^^♪
      nejidonさんの、楽しいレビューのおかげで
      今まで手に取らなかったジャンルにデビュー
      出来ました。
      ありがとうございました♪
      怖いながらも最後まで面白く読めましたよ。

      nejidonさんのおっしゃる通り。
      わざわざ「怖い絵」を美術館まで観に行く
      ことは・・・無理っぽいです 笑


      2018/06/27
  • 中野氏の提示する読み解き方を知って、印象が変わった作品多数。まさに「絵画の新しい楽しみ方を提案する」という謳い文句通りで、読んでいて楽しかった。
    特に印象的だったのはドガの『エトワール、または舞台の踊り子』の解釈。
    ドガの美しい絵の何がどう怖いのか?この部分を読むためだけにでも本書を買う価値あり。
    文庫サイズの悲しさで掲載作品が小さいことだけが難点。

  • 一枚の歴史的絵画から物語を紡ぎ、22の作品が語られている。著者【中野京子】女史の博学多才で鋭い洞察力によって、作品の歴史的背景とその時代に生きた人々の息遣いまでも伝わってくる価値ある研究書。巻末の【逢坂剛】氏の解説も素晴らしい。

  • 絵画作成当時どんな時代だったのかという歴史的背景から絵を鑑賞しており面白かった。解説を読むと絵の見方が変わる。大変良かった。

  • 絵画に込めた社会的風刺、自分の中の醜い嫉妬や欺瞞、無意識な虚飾、思春期の不安、老いに対する批判的感情、、、
    作者が隠した意味を絵画になぞらえている、それを1つ1つ紐解いていく。
    中には絵そのものが恐ろしく、びくっとなるものも多かったけど、それよりも普段自分が何気なく見ている有名な絵画に、暗く重い恐怖が隠されていたことにゾッとした。
    マリーアントワネット最後の肖像。
    見捨てられた街。
    我が子を食らうサトゥルヌス。
    思春期。
    キュクロプス。
    印象的なのは上の5つかな、、、
    マリーアントワネットの逸話。作者の悪意をすごく感じ取れた。
    見捨てられた街は絵がすごく印象的。思い出に囚われ、滅びていく街、、すごく夢に出てきそう。
    思春期は議論が面白かった。思春期の多感で不安に満ち満ちた時期が伝わるね。
    キュクロプスは怖い。サトゥルヌスも、、

  • 美術館で絵画を鑑賞することが多くなると、その名画についての
    知識をもっともっととより深く知りたくなります。
    美術展で名画と向かい合うことが出来るのは、ほんの数分にも満たない
    下手すれば、数秒から数十秒でしかないごく僅かな時間なのですから
    なおさらです。

    そんな名画と向かい合った一瞬を、もう少し深く心に刻んでおきたい..。

    「怖い絵」は、とにかくどこの書店でもよく目に付いていました。
    "怖い.."というところには少し躊躇がありましたが
    気楽に向き合えるのかもしれないという思いで手に取りました。

    "怖い.."のは、その見た目から残虐であろうシーンを描いた絵である
    というのは当然ですが、中には見た目にはそれほどの怖さは感じられないのに
    実はその絵の影には暗黒の秘めたストーリーが隠されている...というような
    見た目だけではわかりようのない逸話なども解説されていました。


  • 中世の残虐さなどが絵から読み取れる、そんな面白さをありありと感じることができる本でした。

  • 図書館で何となく目に留まったので借りてきたら、結構有名な本だったようです。そういえば聞いたこともあるような気もする。
    20枚の絵画を順々に解説していくよくある?構成の作品だが、とにかく作者の読ませる文章が素晴らしかった。

    紹介されていた絵画の中で、最も気に入ったのはムンクの『思春期』。ムンクの壮絶な人生を知る前後で作品から感じるものがまるで違う。こういったストーリーはいわゆる"エモいもの"を味わうことができる。
    やはり美術品は前提知識や作者の人生を知って初めて楽しむことができるような気がする。私のような理屈っぽい人間には特にその傾向があると改めて感じた。今後はムンク推しでいこうと思う。

  • 残念ながら絵心は持ち合わせておらず、普段から美術館に通うタイプでもない。

    絵画と触れ合う機会もなく、人生を過ごしてきましたが、以前から読んでみたいと思っていた一冊を手にしてみました。

    私の解釈が正しいのか、間違えているのかわかりませんが、絵画を通じてその時代や、作品の背景、作者の人生等を知る(楽しむ)というのも絵画の楽しみ方なんですね。

    そう考えれば、本書は単なる解説書ではなく、一つの物語であり、歴史書でもあるような気がします。

    説明
    内容紹介
    残酷、非情で甘美……名画の“怖さ"をいかに味わうか、そんな新しい鑑賞法を案内する大ヒットシリーズの第1弾、待望の文庫化。ラ・トゥール『いかさま師』、ドガ『踊り子』など22点の隠れた魅力を堪能!
    内容(「BOOK」データベースより)
    「特に伝えたかったのは、これまで恐怖と全く無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮である」。絵の背景にある歴史を理解してこそ浮き彫りになる暗部。絵画の新しい楽しみ方を提案して大ヒットした「怖い絵」シリーズの原点が、満を持しての文庫化。ドガの『エトワール』、ラ・トゥールの『いかさま師』など全22作の魅力。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    中野/京子
    作家・ドイツ文学者。早稲田大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


  • 新書の「『怖い絵』で人間を読む」を最初に読んだので、こちらの方が内容が薄い気がした。
    人によって好みが分かれるし、こちらを先に読んでも面白くて満足できるとは思います。
    ボッティチェリの「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」は、興味深く見ました。現代人の視点からすると酷い話だけど。つくづく昔の女性は大変だ・・・。

  • 以前に怖い絵展に行ったので興味があって読んだ。

    これまで特に何も思わず普通に観ていた絵が、
    見え方が変わるかもしれない。

    いつかここに紹介された絵を見に行きたくなった。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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