西荻窪キネマ銀光座 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2014年1月25日発売)
2.88
  • (3)
  • (7)
  • (9)
  • (9)
  • (4)
本棚登録 : 132
感想 : 18
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784041009192

作品紹介・あらすじ

ちっぽけな町の古びた映画館。私は逃亡するみたいに座席のシートに潜り込んで、大きなスクリーンに映し出される物語に夢中になる――名作映画に寄せた想いを三好銀の漫画とともに綴る極上映画エッセイ!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読もうかどうしようか、長年気になりながらも手にしなかった映画エッセイ。ようやく読んでみようかと思ったのは、タイトルに入っている「西荻窪」の空気を感じたかったことと、本書の単行本が発売された2000年頃の角田さんの文章を読みたかったから。読まず嫌いしていた理由のひとつ、三好銀さんのマンガも、自分が歳を重ねたからなのか、程よい浮世離れ感とシュールさが妙にツボにハマった。
    西荻窪にありそうな、架空の名画座。取り上げられる映画は、「ローマの休日」「キャリー」「明日に向かって撃て!」「キッズ・リターン」「風の谷のナウシカ」「マグノリア」などなど、邦画洋画の名作からカルト作まで様々な23作品。映画の内容に絡んで思い起こされるエピソードは、2000年前後の角田作品を彷彿とさせる。自由なようで不自由で、やるせなく、空回り気味な若かりし日々。この空気感、懐かしい~!「ここではないどこか」感というのか、妙な心細さ。昔よく感じていた心許なさを私も追体験し、ノスタルジーに浸るのだった。
    寂れた名画座でタラタラと時間を重ねているような気持ちになり、それが何だか心地よい。それぞれの映画の魅力を余すことなく伝えてくれる…というほどみっちり語られてるわけでは決してないのに、いくつかの作品は「観てみたいなぁ」という気にさせられる。何だか不思議な手触りの一冊だ。

  • そうです!映画も本も、私にとっては「逃亡」!

  • 西荻窪、わたしも大好きです。ノスタルジックで、楽しそうなお店が多くて。
    ーー繁華街からほんの少し離れた、なんの変哲もないちいさな町、あくまでたとえばの話、東京の西荻窪あたりに、古い映画館がある。

    観たことある映画が23本中7本程度しかなかったので、共感することは少なかったのですが、興味深く読ませて頂きました。三好銀さんのコミックを目にしたことがなかったのですが、今作ではちょっと違った角度からの視点が面白いなぁと。感想コミックではない、違った視点。
    昔の映画をとても観たくなります。そしてわたしが昔観て好きだったキャリー、ブルーベルベット、17歳のカルテあたりをまた観たくなった。

  • ナウシカ、わたしも同感だよ、、、

  • 好きな作家のコラボ。垂涎もの。電子書籍じゃなくてこの表紙の文庫のやつを読みました。ハードカバーのも欲しい。

  • 角田光代がきっかけで読んだが、三好銀の漫画も好きになった。名画座に行きたい。

  • 観てない映画が多くて、観たくなった。
    マンガの不思議な世界観も面白い。

  • 自由すぎる映画評とちょっと難解な漫画。

  • 2014 9/10

  • 角田さんの映画評に惹かれて購入。漫画はちょっと読みづらかった。

  • 映画23作品にまつわる角田光代さんのエッセイめいた少なめの文章の後に、対になるように映画の内容にかる~くかするかかすらないかぐらいの雰囲気の三好銀さんのマンガが掲載。

    純然たる映画レビュー、という感じではなく、この世代の女性が今まで観て来た映画の話をポツリポツリと昏い喫茶店の片隅で聞かされているような感じ。
    映画の内容などにはあまり詳しく触れずに描かれているので、23の映画のエピソードを読んでも、あまり
    「この映画が観たい!!」
    と思うものはさほどなかったです。だから自分の中ではこの本は映画レビュー本とは違った位置づけにあります。

    どちらかというと、映画というものに対する思いなどを23作品のの薄めのレビューを通して語っている感じ。

    悪くはないのですが、サラサラっと読めてそれで終わり。再読はしないかなと思います。
    でも、映画エッセイとマンガのコラボ、というのは、読んでいてなかなか新鮮でした。
    あまり濃いものを求めなければ面白く読めると思います。

  • マンガは読まなくてもいいかな。

  • 角田光代による映画評。面白く読む。
    (漫画はとばして読む。ごめんなさい。)
    そーか、太陽がいっぱいのトム・リプリー(A・ドロン)は殺してしまうフィリップに恋をしていたのか。彼自身になりたかったのか…、と妙に納得。
    藤竜也に会いたい一心で、ションベン・ライダーのオーディションに応募していたとは驚きだった。

  • 角田さんのエッセイと三好さんのコミックがコラボレーションした古今東西の名作シネマ案内。
    作品のチョイスに味がある。「ローマの休日」と「仁義なき戦い 広島死闘篇」が同列に並んでいるのが凄い!この2作品以外も、死ぬまでに観ておきたい作品ばかりである。
    エッセイの中では、「キャリー」に対する語りが面白い。不条理の恐怖論。

  • いろんなジャンル、年代の映画について書かれた角田さんのエッセイと三好銀さん(という方)の漫画集。

    残念ながら漫画の面白さがわからず…。
    知っている映画もわずかで、イマイチ楽しめませんでした。

  • 映画エッセイとは知らず、手に取ったが映画をほぼ見ない人間からすると映画の魅力というのを教えていただいた感じ。しかし、マンガの方は成人になったあたりから苦手になったのと三好銀のイラストが苦手というのもあり、軽く流し読みをした。これを機に少しずつでも映画に触れてみるというのもありかもしれない。

  • 角田さんの映画エッセイと三好さんの漫画の極上コラボ。親しい友に「読んで読んで」と押し付けたくなる一冊。
    懐かしい感じの「漫画」&角田さんの個人的映画の想い出のこの本を読んでニヤリニヤリとするにはビールが合うような。
    ガッツリ系映画評を期待する人には向かないかもね。

  • 祝文庫化

    角川書店のPR
    http://www.kadokawa.co.jp/product/321212000067/
    実業之日本社のPR(単行本)
    http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-61230-0

全18件中 1 - 18件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×