永遠の曠野 芙蓉千里IV (角川文庫)

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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041009666

作品紹介・あらすじ

大陸を取り巻く戦況が深刻になる中、愛する男とその仲間たちとともに、馬賊として生きる覚悟を決めたフミ。……そして運命の日、一発の弾丸が彼女の人生を決定的に変える……。慟哭と感動の完結編!

感想・レビュー・書評

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  • 生きたいように生きたフミがよかったです。二人目生んだことで、今までの何もかもが一瞬でいい思い出にされちゃったところが凄かったです(笑)。
    最後まで逞しいフミですから、これからの迎える激動の時代も、なんなくこなしていきそうな明るい感じが想像できる結末でよかったです。

  • 貧しい辻芸人の親に捨てられ、大陸一の女郎になるという野望を持ってハルビンに渡った娘。素晴らしい身体能力と舞の才能を持った彼女の波乱万丈の人生を描く。
    ロシア革命から逃れてきた白系ロシア人、ボリシェビキ、コサック、清朝が倒れたばかりの中国 漢人やモンゴル人、シベリアの覇権を争う日本人や欧米人が入り混じる世界大戦前夜のシベリアや満州が舞台になっていて、これまで全く知ることのなかった彼の地の歴史を知ることができたのが面白かった。
    前半は舞の才能を生かして伝説の芸妓となる姿、後半は運命の男のために馬賊になり、モンゴル独立をめぐる争いに駆り出される姿を描いている。前半はどちらかといえば少女漫画のようで、後半はまるで冒険活劇のような、少年漫画のような。前半と後半で全く様相が違うので、少し戸惑った。
    この不穏な時代の劣悪な環境の中で人々が逞しく生きているのに対し、少し後に生まれた私たちのなんと恵まれていることか。平和で自由でいられることのなんとありがたいことか。この時代を知って自らを戒めることは、本当に必要で大切なことだと思う。

  • 子どもの頃からの親友と、それぞれの子どもも成長した頃に再会し、おいしいお茶を飲みながら、あれこれ語り合うところで終わる物語。

    って、言ったら、全然波乱万丈に見えないけど。

    波乱万丈も波乱万丈、そして、これからも時代の波の中、彼女なら、たくましく、国境もものともせず、彼女らしく生き抜いていくのだろうな、と感じさせる幕切れでした。

  • 芙蓉千里#4

  • 大陸一の芸妓の名を捨て、馬賊となったフミ。
    馬賊の頭領、建明のモンゴル独立への思いや、亡き先妻
    サラントヤの
    影を見るが、サラントヤとの過去を丸ごと受け入れる決意をする。
    馬賊の一員として、建明、炎林やその他面々と、共に
    時代の荒波の中に自ら、飛び込む。

    しなやかに、強かに、美しくもあり時には泥臭く
    時代を駆け抜けいていく。
    物語の後半では、穏やかな生活を手に入れたように見えるフミは、
    これから先待っている、時代の荒波にも負けず
    獅子のように苛烈に生きていきそして、美しい芙蓉の花を咲かしていくのだろうと、勝手に推測してしまう。

    途中、政治やモンゴル独立の戦いのところは、
    飛ばしてしまったが、波瀾万丈すぎる(笑)フミの生き方は
    とても面白かった。
    死んでたと思っていた、バーストが生きていたのは
    うれしく思いました。

     目次

    第一章 黄塵
    第二章 嵐の前
    第三章 永遠の曠野
    第四章 再び
    終章

    あとがき
    解説 瀧井朝世

  • そうきたかー、と思わず繰り返す最終巻。炎林は確かに美味しいです。
    欲を言えば、7年後からエピローグまでのあれやこれやを詳しく!と言いたい。ばんばん時代が飛んで、振り返って思い出として語られてしまった。
    雰囲気のある手法だとは思うけども…。

    とりあえず、最終巻の黒谷さまは素敵でした。元々素敵だったけど、さらに男をあげました。最後のシーンがほのぼのしていていたので、不思議と穏やかな気持ちで読了。

  • 須賀先生の描く女性は少女小説の枠を超えてたくましく素敵で好きです。欲を言えば、「その後」が読みたいな。

  • 芙蓉千里最終巻。幸せの形って人それぞれだし、こういう幸せもフミらしいと納得。4巻があっという間。今作品も、大変面白かったです。

  • 友人から勧められて読み始めた、大河少女小説の完結刊。
    3巻から続けて読んだので、前2冊との色合いの違いに良い意味で驚いた。
    哈爾浜に売られてきた小さな少女が、気付いたら自分の意志で生きる場所を切り開いていって、馬に乗ってモンゴルの荒野を駆けまわり銃を手に戦に参加する。後半2冊は少女小説の枠から完全にはみ出した骨太歴史小説の面持ち。

    最終的には落ち着くところに落ち着いた、という感じ。伏兵やったし、きっかけは傷のなめ合いかも知れないけど、幸せそうな結末で何より。

  • フミがずっと欲しかった家族は今まで誰も彼も与えてくれなかったのに最後になって、まさかあの人が……。フミの半生どころか人生ぶんこのまま物語を続けてほしいくらいです。

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著者プロフィール

須賀しのぶ(すが・しのぶ)
1972年11月生まれ。埼玉県出身、上智大学文学部史学科卒。
1994年『惑星童話』」でコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞し1995年デビュー。2010年『神の棘』で第13回大藪春彦賞候補。2012年『芙蓉千里』三部作によって第12回センス・オブ・ジェンダー大賞受賞。2015年『革命前夜』第18回大藪春彦賞受賞、第37回吉川英治文学新人賞候補。2017年、『また、桜の国で』で第156回直木賞候補、第4回高校生直木賞受賞。同年、『夏の祈りは』で「本の雑誌が選ぶ2017年度文庫ベストテン」1位、「2017オリジナル文庫大賞」受賞。
第100回高校野球記念大会が開催されるメモリアルイヤーの2018年、『夏空白花』が刊行された。

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