マリアビートル (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.06
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本棚登録 : 9482
レビュー : 815
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041009772

作品紹介・あらすじ

酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。

感想・レビュー・書評

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  • そろそろ伊坂幸太郎さんの作品にも
    飽きてきたかな?と言うより合わない作品が
    増えてきて(多分実験的な作品が増えてきてた?)
    そんななかグラスホッパーの続編

    読んでみて、頭を殴られたような感じ
    「弩級のエンタメやなあ!!」
    しかもラッシュライフに通じる新幹線内
    なのがグッと来る…

  • 東京発、盛岡行き。東北新幹線の車中だけで展開する殺し屋シリーズ第二作。
    新幹線の疾走感に負けず劣らずのストーリー展開。散りばめられた伏線、後半での回収。お見事です。
    「てんとう虫はマリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。」
    明らかにされていない王子の生死について。峰岸息子、狼、スズメバチ、檸檬、蜜柑、白衣の男、峰岸を含めて死体は七つ。ただ、個人的には木村夫妻はきっとやっていると思う。白衣の男はカウントしないのかな。ここに関しては深読みしすぎ?
    天道虫こと七尾はもちろん、蜜柑と檸檬、好きだったから残念だったけれど、「ほらな、復活したろ」のラストで気分が晴れた。

  • 伊坂さんの物語の魅力は何といっても登場人物の造形にある。
    独特の世界観に加え、登場するひとりひとりが本当に活かされてる。
    「グラスホッパー」の続編ということで、顔見知りの人物が出てくるのも嬉しかった。
    いったい何人の殺し屋が出てくるのか。
    早々に姿を消す狼。
    トーマス大好き人間の檸檬と相棒の蜜柑。
    あの「お前の捜し物は、鍵は、盛岡のコインロッカーにある」はよかった。
    何というかグッときた。
    小狡くて冷酷で俺様で頭でっかちの王子。
    世界中の運のなさを一手に引き受けているような天道虫。
    こっそりと背中を押し続けている槿。
    誰にも知られずに一刺しで相手を葬る蜂。
    そして伝説の寝起きの悪い最悪な殺し屋。
    鈴木に引き続き登場していて、彼特有の雰囲気が物語を転換していくきっかけにもなっていた。
    それにしても、本物を怒らしちゃダメだろ…と。
    どんなに優秀だろうと、頭の回転が速かろうと、王子は所詮子供だ。
    多くの経験を積み、あらゆる修羅場を生き抜いてきた者には叶わないのは当たり前だ。
    運の良さだけである程度のところまで来れたとしても、それは王子の実力ではない。
    殺し屋なんだけれど、ずっと前に引退した老兵なんだけれど、木村のおじいちゃんとおばあちゃん。
    半端なくカッコ良かった。

    閉ざされた空間でのやりとり。
    タイムリミットが迫る中、それぞれの事情を抱えた殺し屋たちが動き回るストーリーはスピード感もあって少しも飽きさせない。
    次にこの殺し屋たちに会えるのはいつになるだろうか。
    次回作でまた鈴木に会えるだろうか。それを楽しみに続編を待ちたいと思う。

  • 好きなセリフ。

    ・人はね、お金に限らず、いろんな欲望と計算で動いてるんだ。梃子の原理と同じで、そういう欲求のボタンをうまく押せば、中学生でも人間は動かせるんだよ。知らなかった?性欲は比較的、その梃子が働きやすいんだ。

    ・校長の名前を覚えていることと、「ドラえもん」の道具の登場場面を覚えていることと、どちらが重要であるのかは明らかだ。

    ・人は生れながらに善くも悪くもないと僕は思うんです。善いとか悪いとかって見方によると思いますから。

    ・人の個性や考え方なんて、なんだかんだ言っても、結局はいくつかのパターンに分類できるんだ。

    ・本を読むことは、人の感情や抽象的な概念を言語化する力に繋がり、複雑な、客観的な思考を可能にした。

    ・人は同調する生き物なのだ。その判断がとても重要で、しかも、正解がはっきりしない、答えにくいものの場合、人は、他人の意見に同調しやすくなる。そして、「それが正しい」と確信するのではないか。

    ・情報を鵜呑みにすると馬鹿を見るぞ。

    ・人間というのは論理的に動くんじゃない。根底にあるのは、動物的な仕組みだ。

    ・共有した時間がいくらあろうと、消える時はそれぞれ、一人ずつだ。

    グラスホッパーから6年後の話。何故、人を殺してはいけないのか。その答えの一つが書いてある。だけどそれは答えの一つで、別の答えは読者それぞれにある。「こうあるべき」という思考回路だと、王子に洗脳されてしまう。
    グラスホッパーが面白かったなら、必読!


  • 走行中の新幹線の中で起こる事件らしく最初から最後まで疾走感があって、特に後半はどんどん畳み掛けるように何かが起きるので、面白すぎて一気読みしました。
    「グラスホッパー」読んでからけっこう経ってるので記憶が曖昧ですが、途中あ!って人物がちらちら出てきて面白かったです。(グラスホッパー読んでなくても話はわかります)

    何人も、というかほぼ殺し屋しか出てこないのですが、また曲者ばっかりで。笑
    「どうして人を殺したらいけないの?」に対する問いがそれぞれぜんぜん違くて面白かったですね。
    どう決着がつくのか、だれが最後に笑うのか。
    エンターテイメント的にもさいこうだし、
    同時に"悪"について考えさせられる哲学書のようなかんじもあり。
    最後にその問いに答えた人物の回答になるほど、と思ったけどそれもまた人が言っていることに同調してしまう人間の単純さなのかもしれない。笑

  • 中盤あたり、それぞれの話が交錯しだしたあたりからどんどん面白くなり引き込まれました。
    殺し屋が何人も出てくる物騒な話なのですが、コメディ要素もかなりありました。
    ページ数は結構あるのですが文章の読み易さのせいか一気読みでした!

  • *酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲*

    再読。初読時は悪魔のような「王子」の残忍さに耐えられず、ささっと読み飛ばして終了してしまいましたが…改めてじっくり読み返してみると、登場人物も設定もセリフ回しも全てが魅力的で、面白過ぎる。文字通りの疾走感も抜群で、章ごとのハンコもお洒落で効いています。これぞ伊坂作品!なきらめきがぎっしり詰まった秀作。

  • この新幹線、降車できない――。

    東京発盛岡行きの東北新幹線〈はやて〉。それぞれの目的を持ち乗り込む(元殺し屋)木村、二人組みの殺し屋、檸檬と蜜柑の果物コンビ。そして背中に七つの星……ではなく七つ以上の不運や悪運を背負っているような、気弱な殺し屋天道虫。さらにほかの業者までもが入り込み、天使的容姿を持つ悪魔的少年、王子が首を突っ込み、中学生ながら大の大人であるはずの業者たちを向こうにまわして事態をひっかきまわす。
    しかもこの中学生、殺し屋相手に「どうして人を殺してはいけないの?」と問いかける。その問いは、決して正義感や善悪からくるものではないところが憎たらしい。

    最高時速300キロで北へと疾走する密室のなか、一般の乗客の気づかぬ間合いで、業者同士お互いの思惑と隙とを探り合う思惑と殺気がぶつかり合う。

    乗客のなかには、なんと『グラスホッパー』の主人公であった鈴木もいた。前作からはや数年、妻を喪った痛手から立ち直りつつある様子。しかし巻き込まれ体質は相変わらずで、周辺には殺し屋業の面々が集ってしまう。

    禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。幸運も不運も、人生でのトータルは±0。不運が続いても嘆くことなかれ。幸運が続いても、驕ることなかれ。
    駆け引き、取り引き、殺し合い、騙し合い、運を味方に、運に見放され――盛岡に到着するまで、息をつかせぬ怒涛の展開、そこにどこかほのぼのとした幕間をはさみつつ疾走する、『グラスホッパー』に続く殺し屋シリーズ第2弾。
    この小説、一気に読んだほうがいい。

  • グラスホッパーが面白かったので読んでみた一冊。
    グラスホッパーとつながっているということを知らずに読み始めたけど、知ってるキャラクターが登場して、さらに興味をひかれる。
    物語も新幹線という狭い空間でずっと展開するのに、テンポ良く飽きさせない流れで最後まで。少年があまりに"悪"すぎてもやもやした感覚をずっと抱えるけど、その流れからの終わり方も、いろいろ想像させて面白かった。

  • 前作グラスホッパーは読んでないのですが独立した話なので問題なく楽しめました。新幹線で乗り合わせたのは殺し屋、元殺し屋、極悪人だらけ。伏線の回収作業の楽しいこと!映画化されそうだな。もうされてるのかな?

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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