高野聖 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 253
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010020

感想・レビュー・書評

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  • 数年前急に、学生の頃の文学史の教科書に載ってる本を読みたくて購入。ここ最近の坂東玉三郎への傾倒で、本棚から出して読んだ。
    『義血侠血』『夜行巡査』『外科室』『高野聖』『眉かくしの霊』
    解説を読むと、泉鏡花は、金沢で、加賀象嵌細工師(父)と、能楽師の娘(母)との間に生まれたとのこと。
    その生まれを知っただけで、美的感覚、言語感覚、素養に納得してしまった。
    加えて、ただ美しいとか幻想的というだけでなく、たとえば『夜行巡査』などを読むと、権力に抵抗したり、『外科室』を読むと因習に反抗したりしている傾向が読み取れるので、読んでいて面白かった。
    100年前の文章なので、多々読みにくいところもあるが、全体的に言葉の運びがリズミカルで(西洋のワルツの三拍子ではないが、農耕民族の単純な二拍子でもない)、その言葉とリズムによって、読む側はどんどん鏡花の世界に引き込まれるのだと思う。
    とても芸術性豊かな世界で、引き込まれる甲斐のある本だった。

  • 旅の僧は迷い込んだ山奥で美女と出会う。しかし女は男を誘惑し獣に変えてしまう妖女なのであった…。

    お色気とユーモアに満ちたホラー&幻想文学。
    若い僧とエロティックな美女、という設定だけでも禁断の香りが漂い心惹かれる。
    どの場面の文章も美しいが、特に女の描写が怪しく幻想的。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「特に女の描写が怪しく幻想的。」
      人じゃないから、人を超えた妖しさが漂ってますね。。。
      「特に女の描写が怪しく幻想的。」
      人じゃないから、人を超えた妖しさが漂ってますね。。。
      2013/03/13
  • 泉鏡花の短編集。前半3作「義血侠血」「夜行巡査」「外科室」と後半2作「高野聖」「眉かくしの霊」は結構違うなぁと思っていたら解説でその謎が解けた。だがどれも構成はシンプルだが古典等から色々な言い回しを引用しながらいいテンポで話が進み、オチがあるという点では共通していると思う。前半3作はより現実的というか人間同士の人情だとか感情・情愛がメインで後半2作はそれがファンタジーに寄っているといったところか。

    個人的には「義血侠血」の話の進み方が好きで、ひょんな縁から二人が出会い、売れっ子の白糸が不憫な村越に学費の援助をし、後に法廷で悲しい立場で二人が相まみえる、そして・・・といったシンプルな構成だがその一つ一つの行程に人情情愛その他諸々を味わえてよいと思った。
    他の作品もそうだが、古典やら何やら引用が多いのもあり読み解くのが少し大変だが、このテンポに慣れてしまえば話自体は重い気持ちを抱えることなくすっと読めて味わえる。あとは個人的に嫌と思う女が出てこなかったのもポイント高し。他の作品も読んでみたくなった。

  • 2018/07/15

  • 高野聖
    美しい文章。幻想的な世界。オカルトでもなく、怪奇という言葉でまとめることもできない。そこは人間が足を踏み入れてはいけない禁断で幽幻な世界なのだとおもいます。

  • 泉鏡花のロマン主義代表作。
    旅僧が語る不思議体験。山奥に住まう女の描写がいやらしくなくエロティックで実にロマン主義。色々な意味で怖いもの見たさなドキドキ感。

  • 義血狭血のハッピーエンドバージョンがあったらぜひ読んでみたいものだ。
    追記:外科室、夜行巡査も似たような雰囲気だった。

    眉隠しの霊が一番好き。最初はおもしろ旅行記風だけど、最後一気に内容が「霊」の方に寄っていく。

  • ああ…読み終わってしまった……ずうーっと読んでいたい…

  • この物語の世界は、近そうで遠い世界。日本のようであるが、そうでない不思議さがある。この世界観はどこか似たものがあったなぁ、と思いだしたのは、蟲師。現代とも江戸時代とも違い、そしてまだ不可思議が共存していた。蟲師の原作者も参考にしたのかな。安房峠などわたしも行ったことのある地名が出てくるので訪れたくなる。

  • 幻想的だけど少しゾクっとするお話。
    綺麗な雰囲気。

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著者プロフィール

泉鏡花(いずみ きょうか)
1873年11月4日 - 1939年9月7日)
石川県金沢市生まれの小説家。本名は「泉鏡太郎」。明治後期から昭和初期にかけて活躍。尾崎紅葉『二人比丘尼 色懺悔』を読んで文学を志し、上京し本人に入門、尾崎家で書生生活を始める。師弟の絆は終生切れることがなかった。
1893年、京都日出新聞に真土事件を素材とした処女作「冠弥左衛門」を連載。以降、『夜行巡査』、『外科室』、『照葉狂言』、『高野聖』、『婦系図』、『歌行燈』などの作品を残す。1939年に癌性肺腫瘍のため逝去、雑司が谷霊園に眠る。その後1973年に「泉鏡花文学賞」が制定され、1999年金沢に「泉鏡花記念館」が開館。

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