櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘 (角川文庫)
- KADOKAWA (2013年9月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041010105
作品紹介・あらすじ
骨が大好きなお嬢様、櫻子さんが、僕、正太郎の高校の文化祭にやってきた! けれど理科室でなんと人間の骨をみつけて……。ほか、呪われた犬との遭遇などバラエティ豊かに贈る第三弾!
感想・レビュー・書評
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櫻子さんシリーズを3作目まで読んできて、やっぱり、気になる。
しつこいようだが、正太郎クンのキャラだ。
繊細で傷つきやすく、やさしい性格だとは思うのだが、どうも、「ん?」と思わされる。
例えば、この作品の「託された骨」でも、櫻子さんの「飼い猫の死後、解剖して標本にした」という過去の話に、「かわいがっていた猫を標本にできるなんて」と涙を流したり、記念館に展示されている銃や刀が、血を浴びているかもと思っただけでいたたまれなくなったりと。
もう少し、大人の男に成長し、櫻子さんを精神的に支えられる存在になってほしいと、余計なお節介をつい。
ま、コンビ的に、櫻子さんが「硬」なら正太郎クンが「柔」ということでバランスは取れ、面白味を引き出しているのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
櫻子さんシリーズ3作目。短編集。
▼呪われた男
大切な人のために命をかける男と、大切な人の命を守りたいと願う女の物語。
短命の家系、呪われた犬、そして呪われた絵。
それらをつなぎあわせて、櫻子さんはオカルトなどではなく現実の問題として謎を解明していく。
けれど、謎解きのもう一歩先には、隠されていたもうひとつの謎が待ち受けていた。
この世でもっとも難しい謎とは、人の心のありようなのかもしれない。
▼お祖母ちゃんのプリン
亡き祖母と僕こと正太郎の優しくも切ないあたたかな思い出。
入院した祖母を見舞うたびに持って行った祖母がリクエストしていた大好きなプリン。
とろけるような味わいのプリンは、そのまま優しい笑顔の祖母の思い出に結びついている。
切なく、けれど愛に満ちた謎は、僕にとっては辛いものだっただろう。
大切に思うからこその嘘。
僕の中にはこの先も、きっとかけがえのない大切な思い出として残っていくのだと思う。
そして、櫻子さんがばあやにかけた「私には、正直に言うんだ」という言葉。
大切に思うからこそ、大切に思われていると知っているからこそ、不安がわいてくる。
矜持という言葉は、きっとばあやのような人のためにあるのだろうと妙な納得をしてしまった。
▼託された骨
旭川を舞台にした櫻子さんシリーズだけれど、北鎮記念館や春光台などご当地ならではの場所も登場している。
櫻子さんが標本士への一歩を踏み出したエピソードが語られている。
ごく普通の感覚しか持ち合わせていない僕には、櫻子さんの考え方がときに理解の範疇を超えてしまう。
ざらりと内面をなでられるような苛立ちに見舞われる僕。
櫻子さんには櫻子さんなりの思いもあるのだけれど、きちんと口に出してくれなければわからないことだってある。
ラストで櫻子さんが僕に出禁を告げる場面で、ようやく本心を知ることができる。
櫻子さんにとって佐々木先生が特別な人であるように、僕もまた違う意味で櫻子さんにとっては特別な存在になっているのが伝わってくる。 -
図書館で。
登録忘れ。理科室の標本の話。
正太郎君がホネを持っていった櫻子さんを何故そんなに怒っているのかが理解できない。学校の公共物を横領したのは勿論罪だけど彼が個人的に櫻子さんの人格を否定するほど櫻子さんに対して憤る理由がわからない。
ちゃんと話し合って解決すれば良いだけのことなのに。(実際そうなったし)
正太郎君の変な正義感は時々鼻につきます。 -
櫻子さんのクールビューティなキャラが自分の中でいまいち定まらなかったんだけど、この巻のエピローグで何となく把握できた気がする。正太郎はちょっとしたことですぐ心を痛めてて、躁鬱手前な気がする。助手として成長しているのは読んでいて面白いけど、どちらかというとグルメレポーターとしての役割を期待している身としては(ry
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話の進むスピードが遅いから読むのけっこう体力いるんだよな。正太郎の性格はあまり好きじゃない。次巻あたり大きく進展してくれればいいけど。櫻子さんは相変わらず素敵。
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良い
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友達思いな内海巡査は素晴らしい警察官。近所にいてほしいお巡りさん。ヘクターにもふもふしたい。
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ヘクター、現る。
第7師団についていろいろ。ちょっと旭川に行ってみたくなる。