ウール 上 (角川文庫)

制作 : 雨海 弘美 
  • 角川書店
3.82
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本棚登録 : 583
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010150

作品紹介・あらすじ

地下144階建てのサイロ。カフェテリアのスクリーンに映る、荒涼とした外の世界。出られるのは、レンズを磨く「清掃」の時のみ。だが、「清掃」に出た者は、生きて戻ってくることはなかった。

感想・レビュー・書評

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  • WOOL(ウール)(上)(角川文庫)
    著作者:ヒュー・ハウイー
    発行者:角川書店
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    語ることさえ許されない地上の世界には・・・

  • 何かおかしいと感じながらも、今の状況を壊したくないから、そこから目を逸らしてしまうことがある。
    身近な所でいうと職場や学校生活、人間関係でそういうことはあると思う。
    おかしい事に対して違うのではと言える勇気、事実を確かめるために行動を起こせる人を尊敬する。
    この物語では、迷いながらもおかしな状況に異議を唱え、真実を伝えることに挑む人達の姿勢が印象的だった。意志は受け継がれて、無駄にはならないということもこの物語から感じた。

  • 上下一括感想
    下巻にて

    すごい設定!

  • 冒頭一行目から何?どういうこと?と興味を引かれ、どういう世界観の話なのか薄っすらわかってくる頃にはすっかり夢中に。
    ディストピア小説はあまり読んだことがなく、これがよくある設定なのかわからないけど、まず設定が面白い。予想を次々と裏切る展開と魅力的なキャラクター、人間ドラマとしても読み応えがある。
    説明過多じゃないところも気に入った。まだまだ謎だらけなので早く下巻が読みたい。

    どうやら下巻で終わるわけではなく、『ウール』『シフト』『ダスト』でサイロ三部作となっているらしい。
    何年も前に気になってマークしていた作品で、ふと読む気になったのでとりあえずどんな感じかと今回読んでみたわけだけど…放置しすぎた…。サイロ三部作、ネットで探せる範囲ではどこも在庫切れのよう。
    とりあえず図書館で続きは読めそうでホッとしたけど、なんとか重版もしくはKindleで翻訳出してほしいな。

  • 地下144階立てのサイロが物語の舞台。外には出られない。外に出るのは「清掃」の刑を言い渡された者のみ。そして清掃に出て帰ってきた者はいない。おもしろそうな設定だ。

    序盤はなんとな~く読み進めるが、ジュリエットが登場してからおもしろくなる。サイロの外を知ろうとした者は、残らず清掃の刑を言い渡されたり死んでいったりするので、どうやら外には何かがありそうだが...
    いよいよこれからというイイところで上巻が終わる。下巻が気になる!
    IT部門が闇の権力者で黒幕っぽく描かれているのは珍しい?IT部門って虐げられているイメージ。
    発電機のおもりをする機械屋さんの活躍が頼もしい。機械モノのメンテナンスに光が当てっているのは嬉しい。

  • 「ヒュー・ハウイー」のSF作品『ウール(原題:Wool:Parts 1-5)』を読みました。

    先日、『猿の惑星』を読んで、SFもイイなぁ… と思い、買っちゃったんですよね。

    -----story-------------
    全米大ベストセラー。
    ネット発の超新星、空前の話題作!

    〈上〉
    世界が終末を迎え、人類は地下144階建てのサイロで、限りある資源を再利用しながら暮らしていた。
    カフェテリアのスクリーンに映る、荒涼とした外の世界。
    出られるのは、レンズを磨く「清掃」の時のみ。
    だが「清掃」に出された者が、生きて戻ることはなかった。
    機械工の「ジュリエット」が、外の世界に足を踏み出すまでは―。
    世界を熱狂させたネット発の超大作、崩壊後の世界を生き抜く闘いをヴィヴィッドに描く!

    〈下〉
    地表は有毒ガスに覆われ、人類は地下144階建てのサイロに暮らしていた。
    このサイロに何か途方もない秘密がある―。
    機械工から保安官へと任命された直後、陰謀にはめられた「ジュリエット」。
    「清掃」の刑を科され、外に出た彼女が見たのは、思いもかけない世界の真の姿だった!
    彼女を慕う「ルーカス」は、サイロの秘密の核心に迫るが、同時に反乱が勃発。
    極限の環境を生き延びることはできるのか!?
    ノンストップ巨編!
    Kindle Bookレビューズ・ベスト・インディーズ・ブック・オブ2012受賞。
    -----------------------

    2011年に『第一部 ホルストン』が電子書籍として出版され、その評判がフェイスブックやツイッター、カスタマレビュー等のインターネットの口コミを通じて広まり、相次いで続篇が電子書籍化された作品らしいですね。

    本書は、2012年に電子書籍化された『第五部 縒り合わせる』までの5篇を収録した作品です。

     ■第一部 ホルストン
     ■第二部 編み目を決める
     ■第三部 編みはじめる
     ■第四部 ほころび
     ■第五部 縒り合わせる
     ■解説 大森望


    久しぶりに面白いなぁ… と心をときめかせながら読むことのできたSF作品でしたね。

    場面の切り替えが多いのですが、それが独特のリズム感を生んでいるし、読み進むにつれて新しい事実が徐々に判明して行き、どんどん先を読みたくなる展開… 映画化が意識されているんじゃないかと感じるくらい、スピード感に溢れ、愉しく読める作品でした。


    文明が滅んだ後の世界を描く作品ということで、個人的に興味を惹かれるジャンル(いわゆる、SFのサブジャンルにあたる終末もの、ポストアカリスプもの)だったこともありますが、現実感のある設定や魅力ある登場人物が物語の質を高めていますね、、、

    特に『第二部 編み目を決める』以降、ヒロインとなる「ジュリエット(ジュールス)・ニコルズ」はタフで技術力のある魅力的な女性として描かれていますね… 映画ウケしそうですね。


    さて本作ですが、、、

    ○時は数百年後の未来。
    ○地球は荒廃し、空気が汚染されているので人類は細々と地下(サイロ)で暮らしている。
    ○地上に出るのは、屋外を映し出すカメラのレンズを磨くときのみだ。
    ○その「清掃人」に選ばれるのは、地下世界の法律に背いた者。
    ○そういう犯罪者、反逆者が防護服を着て地上に出され、外に突き出ているレンズを磨くのである。
    ○そのとき持たされるのは毛織(ウール)の布で、これがタイトルの由来の一つになっている。
    ○問題は、その「清掃人」がいまだかつて一人も帰ってこない。

    という、この物語の大枠を知っただけでも、ワクワクしてきません?

    そして、

    ○サイロと呼ばれる地下世界は144階建てである。
    ○言論や思想が厳密に統制されている。
    ○資源が限られているので暮らしにくい日々にみんな耐えている。
    ○市長が絶大な権限を持っている。

    という、この社会(世界)のディテールが語られた後、

    ○保安官「ホルストン」と、その妻「アリソン」は、何を求めて地上へ出て、何を見たのか?
     (意図的に「清掃人」に選ばれる?)
    ○ヒロインの保安官「ジュリエット」が逮捕され、彼女が「清掃」の刑に処せられるが、地上に出た「ジュリエット」を待っていたものは何か?
    ○「ジュリエット」が丘を越えてたどり着いたサイロ17号に生存者はいるのか?彼女はサイロ18号に戻れるのか?
    ○「ジュリエット」が丘を越えたことがきっかけとなり、真実の一部を知った仲間達が反乱を起こそうとするが、その運命は?

    と物語が展開していきます。


    クライマックスでは、保安官「ピーター・ビリングス」の機転もあり、サイロ18号を実質的に支配していた「バーナード・ホランド」は抹殺されるけど、、、

    「ジュリエット」と恋人「ルーカス・カイル」の運命はどうなる?

    サイロ17号に残された「ソロ(ジミー)」たちはどうなる?

    中途半端な感じでエンディングを迎えたと思ったら… 本作品には続篇があるとのこと。

    『シフト』、『ダスト』と続く三部作のようですね。

    『シフト』では『ウール』の過去… 人類滅亡以前の2049年に始まる前日譚で、『ダスト』は本作『ウール』の直接の続篇として、本書の結末の直後から幕を明け、「ジュリエット」たちの、その後が描かれるとのこと、、、

    これは読みたいですねぇ… 愉しみです。




    以下、主な登場人物です。


    「ホルストン」
     サイロの保安官

    「アリソン」
     ホルストンの妻

    「マーンズ」
     副保安官

    「マリー・ジャンズ」
     市長

    「ジュリエット(ジュールス)・ニコルズ」
     機械部に所属、のち保安官に

    「ピーター・ニコルズ」
     ジュリエットの父

    「バーナード・ホランド」
     IT部責任者

    「ウィルソン」
     裁判官

    「ディーガン・ノックス」
     機械部のリーダー

    「ルーカス・カイル」
     IT部作業員

    「スコッティ」
     元機械部、IT部所属

    「シャーリー」
     機械部、ジュリエットの親友

    「マーク」
     機械部、シャーリーの夫

    「ウォーカー」
     機械部、電気技師

    「コートニー」
     機械部

    「マクレーン」
     資材部のリーダー

    「ソロ(ジミー)」
     サイロ17号の住人

    「ピーター・ビリングス」
     保安官

  • 絶対面白いはずなのに、文章が入り込めなかった…無念

  • 再読。人生で五指に入るほどハマったシリーズ。人類が一つのサイロで暮らすようになった経緯は謎だが、物語の背後に巨大な陰謀の影がちらついてゾクゾクする。自分の頭の上まで分厚い土に覆われているかのような閉塞感で息が詰まる。不穏な事件が立て続けに起こった後、第三部のラストで一気に引き込まれる。ビジュアルが鮮烈に浮かぶシーンが多いところも好き(小説というより映画を観ているかのようだ)。読み始めると止まらないのでこのまま次巻へ。

  • ちょっとディストピア感を読み進めていくうちに感じてくる。
    続きが気になるので、下も読み進める。

  • サイロのナゾにせまる。核戦争後のありうる未来。

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著者プロフィール

1975年生まれ。ヨットの船長を8年間勤めた後、結婚を機に陸に上がって小説執筆を開始。”Molly Fyde”シリーズで好評を博し、本作”Wool”シリーズではオムニバス版がアマゾンのSF小説部門でベストセラー1位を記録する快挙となった。フロリダ在住。

「2017年 『サンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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