本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041010396
感想・レビュー・書評
-
2013/11/27読了。
那覇の水辺で繰り広げられる、まさに夢のように美しく優しくちょっと哀しくそして明るい短編集。『テンペスト』でも感じたが、一見荒削りで拙くも見えるこの作者の文章は、本当に琉球王朝ファンタジーにピッタリだと思う。
木村伊兵衛という伝説的な写真家が戦前の那覇の市場や港や葬列や超絶美人な芸者(ジュリ)を撮った写真があって、もちろんモノクロ写真なのだけど、本書を読んだ後でそれらの写真を見なおすと、そこに強烈な色彩が秘められていたことに気づかされて印象が変わった。それくらい本書の描写は色鮮やか。
あと、各話に必ず出てくる料理も楽しい。ジーマミー豆腐、アダンの芽、ターンム、ヒラヤーチー、ポーポー、月桃の葉に包まれたムーチー、クーブイリチー、ラフテー、サーターアンダギー、中身汁、フーチバージューシー……那覇と石垣に旅行した時に食べまくった沖縄料理八重山料理を思い出してお腹が減った。週末は沖縄料理屋に行きたくなること請け合い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最高のファンタジー。