新訳 夏の夜の夢 (角川文庫)

制作 : 河合 祥一郎 
  • 角川書店 (2013年10月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010495

作品紹介

貴族の娘・ハーミアと恋人ライサンダー。そしてハーミアが好きなディミートリアスと彼に恋するヘレナ。妖精に惚れ薬を誤用された4人の若者の運命は?幻想的な月夜の晩に妖精と人間が織りなす傑作喜劇。

新訳 夏の夜の夢 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • シェイクスピア喜劇の代表作、1594-96頃の作とされる。原題は『A Midsummer Night's Dream』で、Midsummer は「真夏・盛夏」ではなく「夏至」ないし「ヴァルプルギスの夜」と解釈され、いづれも妖精が活動的になる祝祭的な夜だという。

    「左右の目に違ったものが映っているみたい。何もかも二重に見えるわ」

    "夢から覚めた"ハーミアの科白。ここには、近代という時代精神がこれから陥ることになる自己意識の無限の二重化という機制が、垣間見える。

    「どこもかしこも、ぴったり収まる台詞はなく、どの役者もずれている」(フィロストレート)

    「最高級の芝居だって、影にすぎぬ」(テーセウス)

    「影にすぎない我らの舞台、お気に召さずば、こう思って頂きたい。皆様、ここで眠ってたのだと。おかしな夢を見たのだと。取るに足らない、つまらぬ話、夢のように、たわいもなし」(パック)

    シェイクスピア作品には、<内面/仮面>・<内実/虚影>・<実人生/芝居>の対比が、一貫して底流を為しているように思われる。そしてこの対比自体が実は無効だとするアイロニーが、遊戯的な調子を帯びながら、作品の後景にはっきりと見て取れる。400年前の恐るべき現代性。私が生きているのは、夢か芝居か人生か。それを問いかける芝居、その芝居の中の一場すらも芝居なのか一夜の夢なのか誰かの人生なのか、月の魔力に朧となる。



    河合祥一郎の訳は、古典の翻訳書とは思えないくらいの破格の訳文であると云いたい。現代人の言葉の遣り取りになっている。見事と云うしかない。

  • シェイクスピアの喜劇。ここまで立て続けに悲劇ばかり10作近く読んでいたので、なんだか和みました。あらすじも何も知らずに読み始めたので、もちろん悲劇だと思いこんで読んでいました。4人の男女が愛憎のもつれで殺し合うんではないかと、ハラハラしながらページをめくっていましたが、なんか惚れ薬とか、プロレタリアートたちの愚かなシーンがさしはさまれだして、色が変わり、気づいたらニヤニヤしながら最後のページをめくっていました。言葉の掛け合いが、翻訳でありながらも面白い。訳者の腕もあるんでしょうが、シェイクスピア読み継がれる意味も納得します。段々惹かれ始めましたよ(笑)

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