ホーンテッド・キャンパス 死者の花嫁 (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA (2013年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041010518
作品紹介・あらすじ
霊が見える(だけ)の草食男子大学生・森司。片想いの美少女・こよみとの輝ける夏休みのため、図書室で勉強していた彼が出会った怪しい学生とは……。ほか、初めてのサークル合宿でのお話も収録の第4弾!
感想・レビュー・書評
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読みやすいので、他の本と本の合間の休息として読む。
改めて、青春を感じる1冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
背ラベル:913.6-ク-4
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シリーズ第4弾。
5話からなる短編集。
部長と泉水の子供時代のお話と灘の家族も登場。
いよいよ部員の過去へと話が進みだした。
特別ハラハラ盛り上がるタイプのシリーズではないが、落ち着いて読み進められる。
この先のシリーズもしばらくおもしろくなりそう。 -
#読了
オカルト研究会、初めての?夏合宿!という事で、合宿行ってオカルトと遭遇(笑)
こよみちゃんの大叔母様の話は、なんかなんとも言えない気持ちになったなぁ
他に考え事しながら読んだからなんか重たかった( ´ ཫ ` ) -
読書録「ホーンテッド・キャンパス死者の花
嫁」4
著者 櫛木理宇
出版 角川ホラー文庫
p69より引用
“「もちろん、すべて一次審査落ちでした。
小柳は『既定の賞なんかではおれの才能は推
しはかれない』と主張し、各出版社の編集者
宛に抜き打ちで送りつけたようですが、当然
返事が来るわけもなく」”
目次より抜粋引用
“さいなむ記憶
追想へつづく川のほとり
ファイアワークス
うつろな来訪者
死者の花嫁”
見たくないのに幽霊が見えてしまう大学生
を主人公とした、短編連作青春オカルトミス
テリ。シリーズ第四弾。
部室もカビる梅雨の長雨、いきなり大声を
出したオカルト研究会部員・三田村藍。大学
生活最後の夏を楽しむために、海での合宿を
提案するのだった…。
上記の引用は、困ったちゃんな義理の弟を
持つ文芸サークル部長の台詞。
ネットの発達していなかった時代は、編集者
の目にかなわなければ、日の目を見ることが
出来ない作品が沢山あったのでしょうね。
そう思うと、読者やファンがいなくても、作
品を手軽に発表することだけはしやすい世の
中になっています。ただ読む側としては、自
分に合う作品や良い作品に出会うまでの苦行
は増えているのかもしれません。
主人公・森司と意中の相手との仲も少しず
つ進展し、良い感じになりつつあります。
部長と従妹の過去話や、主人公の想い人の少
しずれている理由など、登場人物の人間像に
深みを持たせるエピソードのある巻となって
います。
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相変わらずじれったい森司とこよみ。
あれだけこよみの事を助けていれば、もう普通の彼氏以上だと思うけど。
オカ研は安定の5人のままがいいな。 -
友達の紹介
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シリーズ4作品目。森司とこよみの恋が夏合宿と2つの怪異のおかげでぐっと近づく。イベントサークルの発火現象の話しは動きもあり面白くラストのどんでん返しもあり秀作だが、やはり、表題作の死者の花嫁の話しが飛び抜けて優秀だった。民俗学がベースにあるので湿気がある時代錯誤した雰囲気があるのだが、死人の花嫁になったことで生じる怪異現象の正体が人災だったというオチはびっくりだった。ラストでこよみに死者の花嫁こと大叔母が憑依するところが良い。
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「さいなむ記憶」
彼が見た夢の光景は。
自分の想像した物語だったからこそ鮮明にその状況を思い出す事が出来たのだろうが、何故二人の記憶の中でそれが選ばれたのだろう。
いざこざがあり相手に怪我を負わせてしまったのなら、悪意があり意図的に起こした事故でない限り自らが通報などを行うのは当たり前ではないだろうか。
「追想へつづく川のほとり」
彼らが相談を受け始めた訳。
幼い頃から本家や分家などの扱いで普通ならあり得ない事も沢山あったろうに、彼らは互いに互いの事を知り普通に接していたからこそ今があるのだろうな。
家柄を大々的に使用し滅茶苦茶な事をしてきた彼女は、いつか悔い改める日が来るのか気になるが止めようともしなかった旦那も変わる時がくるのだろうか。
「ファイアワークス」
突然発火した人。
本人はよかれとやっている事であり、その後どうなったのかなど気にせず自分の功績しか見ないのは偽善を通り越してただの迷惑ではないだろうか。
婚約や結婚をする前に彼との考え方の違いや価値観の違いに気付けた彼女は良かったが、知らずに戻れない所までいっていたらと思うとゾッとするな。
「うつろな来訪者」
自分の中に感じる者。
彼の話が本当だったとしたら歪んだ思想を持つようになってしまったのは両親のせいであると同時に、それを止めなかった周りのせいでもあるだろうな。
元々憑かれやすいのなら分かるが、少し気が触れているだけで数日間の間にあれだけの量の子供の霊を引き連れることが出来るなんて凄いとしかいえないな。
「死者の花嫁」
長男のしに取り憑かれた家。
いくらなんでも生きて帰ってきた家族が居るのであれば、それを喜び死者に対しては弔いをあげ今居る家族で生きるべきでないのだろうか。
知らぬ間に死者の元へ嫁がされていた彼女も気の毒ではあるが、両親からの扱いを考えると実家にいるよりも何処かに嫁いでいた間の方が幸せだったのかもしれないな。