かぐや姫の物語 (角川文庫)

制作 : 「竹取物語」  高畑 勲  坂口 理子 
  • 角川書店 (2013年10月25日発売)
3.68
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  • 37レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010549

作品紹介

なぜかぐや姫はこの地へ来たのか、そしてなぜ月へ帰らなければならなかったのか――。高畑勲監督の映画『かぐや姫の物語』の壮大なストーリーを高畑監督とともに脚本を担当した坂口理子が渾身のノベライズ!

かぐや姫の物語 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • (No.13-56) 本ではなく映画のレビューです。映画館で鑑賞。映画のことだけではなく原作の「竹取物語」についても書きます。

    絵が素晴らしかった。最近のやたらはっきりした色使いのアニメと全く違い、淡く優しいタッチで水彩画のようです。風景はそのまま一幅の絵にして飾っておきたいくらいでした。音楽も心に染み入ってくるようで、この映画を見れて良かった~と幸せに感じました。

    かぐや姫の誕生シーン。これはちょっと原作と変えてると思う。見たときにはかなり違和感があったのですが、姫が月に帰るラストシーンで、ああこれで監督が思い描いているこの世界のイメージがつながるんだと納得しました。

    丸ごと創作して付け加えているのが、姫が育っていく過程で木地師の一家と交流。
    このことで原作にはなかった、かぐや姫にとっての「もしかしたらありえたかもしれない幸せ」を、切なく描くことが出来ました。
    でもこの地にとどまって幸せになったら、それはもう「かぐや姫の物語」じゃなくなりますからね。やはり姫は月の世界に帰っていかなくてはなりません。

    この映画を見て、原作がとても読みたくなりました。
    自分では「竹取物語」は知ってると思ってましたが、元々のものを読んだかどうかはっきりしなかったので。

    選んだのは小学館の「新編 日本古典文学全集 12」に収録されている「竹取物語」です。
    原文は流し読みで、ちゃんと読んだのは翻訳文と解説。
    映画を見た後だったせいか、解説も含めすごく面白かった!

    成立の年代は諸説あるけど、平安時代の始め頃らしい。「昔の話なんですよ」と語りだし、途中で壬申の乱で名前を知られている人を出してるので、絵を見ながらお話を聞いている平安時代のお姫様は、時代背景を思い浮かべることが出来たことでしょう。
    ファンタジーなんだけど世界をリアルに感じさせる、今でも使われている手法。すごいわ!
    名前が出た人の子孫はすでに絶えたり権力の座から落ちてたり、と問題にならない人を選んでることにも驚き。気を使ってるのね。

    いろいろな箇所で「3」という数が繰り返し出てくるのも興味深かったです。3でなければ5。
    「更級日記」で、やはり3などの数にとてもこだわった表現が何度もあったのを思い出しました。
    私はあまりぴんと来ないのですが、当時の人だったらなぜそうなのかしっくり分かったのだろうなと思います。

    映画を見て感動し、原作も楽しめたし良かったです。

  • 映画の備忘録にお邪魔しますねー。

    十二単をバッサバッサ脱ぎ捨てながら大路を駆け荒野を駆けるという驚愕の予告に心奪われ離れられなかった。
    鑑賞後、

    ・罪が地上に憧れたことなら罰が地上に送り込まれたこととは矛盾しているのではないか?
    ・ストーリーラインはおおむね同じではないのか?
    ともやもやするものが残ったが。

    数日置いてみればふたつとも解決している。
    ・いったん憧れの生活をさせておいて都の鳥籠に送り込まれた(月の者の差し金で)のだから、えぐい話。
    ・捨丸=男の存在や、帝が原作とは異なりただの嫌悪の対象でしかないことなど、絶妙な改変が効いている。

    合わせて、
    ・日本最古の物語を現代人の心情に合わせて解釈。
    ・「命を吹き込む」にまさにふさわしい映像表現。(アニメ/アニマ/アニミズム)
    ・罪と罰は表裏一体で、生きていることこそが喜びと苦しみをもたらす。
    世界はあるだけでこんなに豊かだ。(生きている実感を持てれば……なんて現代的なセリフも。)
    など、ぎりぎりのラインを突いた、大変なスケールの作品。驚嘆するしかない。

    しかし、この作品にせよ「風立ちぬ」にせよ、そんなに生きろ生きろ言われなければいけないほど、現代人はニューロティックか?
    むしろ生きろ生きろと脅迫的に言われるからこそニューロティックになってしまうのでは?
    という感想ももった。これは別の話だが。

  • 映画見ました。
    竹取物語の筋に余計な変更を加えていないところが良い。
    子供時代の「たけのこ」が天真爛漫で愛らしく、いつの間にか物語に引き込まれていく。

    本当は、鳥、虫、けもの、草、木、花に囲まれた暮らしを営みたかったのに。突然の都への生活は意に反するもので、帝の求愛ににより、自ら月からの使者を呼んでしまう。本当は、地球で生きたかったのに。

    あまりアニメでは見られない、独特の画風。きっと、おそろしく手が込んでいるのだろう。それが、竹取物語という純和風な世界の描写に活きている。

  • ジブリ制作の映画のノベライズとのことです。
    概ねの話は同じですが、部分的に異なる箇所もあるとのこと。

    サラッと読めますが、映画は11/23公開とのことですので、
    もしかしたらそちらを見てからの方がいいのかな、とも。

    元ネタは日本における物語の祖とある『竹取物語』ですが、
    こちらではかぐや姫の心奥に深めにわけ入ってみた、との感じでしょうか。

    で、かぐやが月で犯した“罪”とは、結局何だったのかな、
    いまいちもやっとしていて伝わってきませんでした、残念。

    ん、原典の方をあたってみようかなぁ、、となんとなく。
    まさか『宇宙皇子』のような設定ではないとは思いますが。。

    ちなみに『竹取物語』の成立年代は9-10世紀ころ推定とのことですが、
    この時代にこういう物語を書けたってのは凄いなと思います、いろいろな意味で。

    個人的には、本書では、終盤の富士山の由来にもなった、
    「不死の薬」の由来がカットされてしまっているのが残念でした。

    このエピソードは古事記ともリンクして興味深かいのですが、、
    もしかしたら映画ではあるのかな、とか思ってみたり。

  • かぐや姫の感情が豊かに描かれている

  • この映画は現代人の生き方に対する強烈な批判である。私たち現代人は、罪を犯し、罰を背負って生きている。






    この映画の設定として、
    ①月には悩みや悲しみがない。
    ②地球では悩みや悲しみを感じることを強いられる。
    ③月の住人は、ある過ちを犯したかぐや姫に罰を与える目的で、かぐや姫を地球に送った。
    というものがある。
    当然私たちも、生きる上で、悩みや悲しみを抱えます。時には、その重みが、耐えがたく感じることもあります。悩みや悲しみがなければどんなにいいだろうと考えます。しかし、この問題について、この映画は別の視点を提示します。
    それは、「生きている手応えがあれば悩みや苦しみがあっても構わない」ということ。これは様々な経験を通してかぐや姫が出した答えでした。
    この映画が伝えたいこと。それは、
    月(悩みや苦しみがないがないが生きる手応えがない環境)で生きるのか
    地球(悩みや悲しみに耐えないが生きる手応えを感じられる環境)で生きるのか
    という問題提起なのではないかと思うのです。
    この問題提起は、私達の生き方に対してだと思うのです。安定した生活は得られるが生きている手応えを感じず生きるのか、不安定な暮らしの中、手応えを感じつつ挑戦して行くのか。どちらを選ぶのか、ということです。
    この映画を大学四回生の時に映画館で見ましたが、とても退屈に感じました。その時の私は生き方や働き方など考えていませんでした。自分はどう生きたいのか考えていなかったからですね。
    生き方とは、自分が何に幸せを感じるかを知りつつ生きるということだと思うのです。幸福論です。
    映画中、かぐや姫は「お前の幸せのために」と、幸せを押しつけられます。しかし、かぐや姫は幸せになるどころか、どんどん心が荒んで行く。
    これは、「他人の決めた幸せが、自分の幸せになるとは限らない」ということだと思います。例えば、仕事をして、車を買い、結婚をし、家を持つ、これが幸せだと疑いなく考えます。しかしこのことに幸せを感じる人と感じない人がきっといるのです。
    では、この事に幸せを感じない人が、それに気づかず、幸せを追い求めて、仕事をし、車を買い、結婚し、家を守ったとしたらどうでしょうか。沢山の犠牲を払い、見返りとしての幸せは返ってこない。しかしなぜ幸せが帰ってこないのかわからない。
    そんな人生は悲劇でしょう。しかし、そんなことに気づかず生きている人はきっと沢山いるはず。周りの多くの人と同じように生きればきっと幸せになれると信じて。でも、人によって幸せに感じることは違うはず。
    この映画を見て気づいたことは、
    ①苦しくても手応えのある人生を送りたい
    ②幸せに感じることは人によって違う
    ということです。当たり前のようで、なかなか意識的に考えることはありませんよね。

  • 映画は見てません。
    内容は面白かったです。
    王道?鉄板?なストーリーではあるものの
    やはり、感動せずにはいられない。

    しかし、映画の売り文句「姫の犯した罪と罰」
    ってのには、少々疑問も。

    確かに姫が望んではいけないものを望んだ
    ということはあるだろうけど、
    翁の姫を思うが故の行動や
    皇子たちの行動は至極当然のものだし。

    「幸せ」の感覚は人それぞれだから
    必ずしも誰が正しいとかはないし。
    それに捨丸の件は周囲のことを考えていない
    完全なるエゴな行動だし。

    そこまで、全て諮った上での月の人の行動
    (実は裏で全て牛耳ってるとか…)ならば
    また受け取り方も変わるが。。。

    そういう面は不完全燃焼さはあるが、
    概ね満足できた作品でした。

  • ジブリの映画の絵本版。このシリーズはこどもが好きでよく借りてくる。私もこの映画、宣伝で見て、「なぜ今竹取物語?」と思ったから読みたかった。

    感想は…、うーん。
    主人公(かぐや姫)が山里の素朴な暮らしが好きで悪くないのだけれど、でも、はっちゃけてないというか、まあ、原作から逸脱しないようにしているのだろうけれど、「楽しさ」「面白さ」が少ないというか…。
    なぜ今この話を? 感も拭えないし…。
    残念。

  • 映画のノベライズ本。

    かぐや姫の罪が具体的に知りたくて
    借りた一冊。

  • 最後が悲しくて、切ない!!
    でもこういうの好きです!!
    めっちゃよかった!

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