臨床犯罪学者・火村英生の推理 IV スウェーデン館の謎 (角川ビーンズ文庫)

  • KADOKAWA (2014年10月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041010709

作品紹介・あらすじ

取材で会津・裏磐梯を訪れた有栖は、湖に身を投げんとする美しい金髪の女性を助ける。それは勘違いだったが、その縁で、彼女の住む「スウェーデン館」と呼ばれるログハウスに招かれることになり……。

感想・レビュー・書評

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  • 第4巻を読破。

    って、「~の研究」はナンバリングついてなかったんで、?ってなってたけど、なるほど。

    なんとなく把握できたような気がします。

    ひさしぶりの長編ミステリー。

    手に取って思わず「分厚っ!?」ってなりましたwww

    なんというか……ビーンズ文庫でここまで分厚い小説って珍しいんじゃないかな?

    ああ、ダリの繭が上下巻構成だった理由がわかったような気がする。

    苦笑

    今回の舞台は会津・裏磐梯。

    取材に来ていたアリスはとある沼で美しい女性と出会って。

    彼女は宿泊先のペンションの隣家「スウェーデン館」の奥さんで。

    お客さん好きということでお茶会に誘われるアリスは、そうこうして隣家住民とも親交を深めるのでした。

    えっと……相変わらず推理モノの感想は難しいですね(;^-^)

    どこまで書いていいのかが。

    最初から最後まで書いてしまったら、登場人物紹介で「こいつ犯人」と書かれてるようなものだし。

    そうだなあ――

    事件はアリスがスウェーデン館を訪れたその日、深夜に起こって。

    お茶会に参加していた挿絵家さんが離れで撲殺されていたのでした。

    巻き込まれる前に事情に飛び込んだアリス。

    事情聴取され、事件の謎を追うも、なっかなか糸口がつかめない。

    そうして朝早くから引っ張りだされたのが臨床犯罪学者・火村英生助教授で。

    「風のように」ペンションまでやってくる火村と、俄然やる気を出すアリスのやり取りがいいですね。

    気心知れた仲だから遠慮もないし、アリスの素の口調も出てくるし。

    作中に出てくるクイズは私も思いつかなかったなあ。

    ヒントは効率、かな?

    感想垢でふっと思ったことをつぶやいたりしていたんですが、全然関係ないことばかり気にしていた(;^-^)

    あれだなあ。

    見ているサスペンスドラマが法医学とか多かったから、ついつい死亡推定時刻のズレとか考えちゃうんだよなあ。

    やられたー!!

    苦笑

    今回もとってもおもしろかったです。

    次はどんなお話がくるのかな?

    wktkです(*´▽`*)

    本屋さんで他レーベルで出ているシリーズを見かけると、買いたい衝動に……。

    ビーンズ文庫でもばりばり出してほしいですね!

  • 【あり】有栖川有栖『臨床犯罪学者・火村英生の推理④スウェーデン館の謎』角川ビーンズ文庫[図]2024年6月17日[C]北欧ふう山荘での殺人、妖精のような美女、過去の事故、雪上に存在しない犯人の足跡、折れた煙突、親指の傷、性フェロモンを放っているらしい童話作家。テンプレ的舞台装置のどこでテンプレでないひねりを入れてくれるか……うーん、ひねりは、あんまりなかった。でもまあ、全体の雰囲気は悪くなかったのでOKかな。

    ■簡単な単語集

    【有栖川有栖】語り手の「私」。推理小説作家にしてワトソン。三十代なかば。
    【小山内】福島県警の刑事。
    【乙川育子/おつかわ・いくこ】リュウの実母。スウェーデン館住人。
    【乙川ヴェロニカ/おつかわ・ゔぇろにか】リュウの妻。スウェーデン出身。スウェーデン館の主人夫妻の一人。まだ事件が起こりもしていない最初の出会いの段階で、この人が犯人でなかったらびっくりやなという感じ。そうでなくても彼女を中心に事件が起こるに違いないと思わせるキャラクタ。でないと登場させた甲斐がないというもの。
    【乙川リュウ/おつかわ・りゅう】童話作家。二年ほど前になんとかという賞を取ったらしい。もうすぐ四十歳のでっぷりした巨漢。有栖川の第一印象は「海豹」。スウェーデン館の主人夫妻の一人。性フェロモンを発していてモテるらしい。
    【乙川流音/おつかわ・るね】乙川夫婦の息子。四年前の八月十三日に七歳で亡くなった。
    【迫水大地/さこみず・だいち】ペンションのオーナー夫婦の息子。おどおどしている。
    【迫水春彦/さこみず・はるひこ】ペンションのオーナー夫婦の一人。
    【迫水倫代/さこみず・みちよ】ペンションのオーナー夫婦の一人。
    【ザリガニ】ルネが好きだったらしい。そういえばリンドグレーンの『やかまし村シリーズ』でもザリガニ漁が解禁になってみんなで獲りに行く話があった。オマールガニのことだとか。日本のザリガニも元々は食用として輸入したようやけどまた別物みたいです。
    【島野】福島県警の刑事。
    【スウェーデン館】有栖川が泊まったペンションの隣に建つログハウス。ログハウスとは言っても規模は「館」とか「屋敷」と言えるレベル。
    【綱木輝美/つなき・てるみ】画家。淑美の妹。乙川夫妻の友人。フリーハンドのふるえた線に温かみがあるとぼけた味。
    【綱木淑美/つなき・よしみ】画家。輝美の姉。乙川夫妻の友人。大きな眼鏡。うっとりするほど繊細でシャープな線。
    【等々力末臣/とどろき・すえおみ】建設会社社長。乙川夫妻の友人。スウェーデン館は等々力の会社で建てたらしい。クイズ好きらしい。
    【バイカル海豹】目がとっても大きいアザラシ。あの無表情な目が怖く感じられるときもあるけど、基本的に人間がカワイイと思ってしまう動物です。乙川リュウが書いた『ルンネの不思議な旅』で主人公ルンネの相棒として登場する。
    【葉山悠介/はやま・ゆうすけ】リュウの従弟。スウェーデン館の住人。綱木輝美と抱き合っているシーンを有栖川とヴェロニカが目撃した。
    【ハンス・ヨハンソン】ヴェロニカの実父。スウェーデン館住人。退役軍人といった厳格な感じ。
    【磐梯】舞台は磐梯高原にある館と呼べるサイズのログハウス。個人的には磐梯山といえばその山頂で見たものが人生で最も高速で飛ぶ雲でした。驚くほど濃く碧い空に白い雲がびゅんびゅん飛んでいた。別の日に五色沼へ行ったときはどんよりしていて沼の色の違いがまったくわからなかった。いつかちゃんと見に行きたい。
    【火村英生/ひむら・ひでお】有栖川有栖の友人。英都大学社会学部助教授。臨床犯罪学者とやら。探偵能力あり。過去に何か悲惨なことがあったようだ。そして現在守るべき何かがあるようでもある。
    【物書き】あれやこれやが器用にできる人間がもの書きになってはいけない。(p.77)

  • 2023/05/02

  • 作家アリスシリーズ5作目で、
    国名シリーズ2作目となる本作。
    1995年の作品。

    取材で訪れた裏磐梯のログハウスで起きた
    殺人事件の真相を解こうと奮闘するアリス。
    しかし雪山の犯行現場に遺っているはずの
    犯人の足跡がなく--。

    作者はこういった足跡ものの謎が好きとのことで、
    本作はその"足跡の謎"を大きなテーマにした
    内容となっています。
    ミステリーの王道をいくトリックとストーリーで
    読みやすさも抜群。

    作中、火村から出るとは思えない台詞が出てきて、
    アリス同様驚かされました。
    シリーズも5作目になりますが、
    まだまだ火村の中には隠されたものがありそうです。

  • 旅行先でお近づきになったスウェーデン館のにひとびと。童話作家の夫とスウェーデン出身の妻、数年前のこどもの死。
    ノスタルジック。


    C0193

  • やだー!一生懸命書いたのに消えたー::

    今回のトリックも意外性を逆手に取ったトリックでしたね。ヒントをいろいろ散りばめられながらも、常識的なことをことごとくひっくり返していくストーリー。
    裏磐梯のログハウスを舞台に、仲良しグループのはずが、その中で殺人事件が起きて、犯人はこの中にいる、パターン。本来は探偵役であろうまき込まれアリスは笑、急遽火村を呼び出して、風のように登場した先生が風のようなスピードで謎を解明していく、という。
    今回の犯行動機は、嫉妬と、子供を見殺しにされたのかもしれない、という突発的な怒り。そういう人に見えないところが、人間の裏と表についてちょっと考えてしまう…。童話作家という職業をストーリーに絡ませてくるのがまたなかなか…。
    最後は物悲しく終わるんですけど、いつもの火村先生っぽくない感じがあったんですよね。自分が同じ立場だったら、同じことをしたかもしれない、っていう話が出てきたのが意外だったのかな。元々、犯罪者を追いかける動機は、自分も人を殺したいと思ったことがあるから、っていうことだったはずですけど、その話が出てくるときって、割とこう、怒りが強い印象だったんですけど、今回の話の最後は、ちょっと違ったので。

    ところで、殺人現場のログハウスの隣のペンションにアリスは宿泊しているわけですが、そこの少年が今回の物語の鍵を握ってたりするんですけど、その少年の心の重しをあっさりと取り除いてしまう火村先生。扱いがうますぎて、スペック高すぎですw 心理学にも精通しているというのが肩書きなので、いいんですけど、なんかこう…意外性がすごいw

    今回も色々興味のあることでてたなー。イングリッド・バーグマンが出演してる『オリエント急行殺人事件』、イングマール・ベルイマン監督の『処女の泉』『第七の封印』、ラーゲルケーヴ、リンドガレーン(『長くつしのピッピ』?)、マルティン・ベックシリーズ、パール・ラーゲルクヴィスト、アウグスト・ストリンドベリ、スウェーデンボリ『霊界日記』、バルザック『セラフィタ』。あれ?あってるかな…。

    冬が長いスウェーデンでは、物語が充実しているという話の流れがあって、ほおと思ったのでした。外に出られないから家の中でやれることね。
    あとザリガニ祭り。

  • 取材で裏磐梯のペンションに逗留していた有栖川は、地元でスウェーデン館と呼ばれている隣家で起きた殺人事件に巻き込まれる。
    応援に友人の火村を呼び、事件の真相解明をはかるが……


    作家アリスシリーズの、国名シリーズ第二弾。
    ミステリでは王道(?)の、足跡トリックです。それも、雪についた足跡です。
    これだけでちょっとワクワクしてしまうのですが、アリスシリーズでしばしば感じる事件の真相の切なさというものが、今回もやっぱりあって……
    火村先生の事件解明の早さに驚くとともに、何だかやりきれない寂しさを感じた読了後でした。

  • 雪の足跡の謎に挑戦。

  • 火村シリーズ、国名シリーズ。
    冬の会津・裏磐梯が舞台の長編。

    冒頭「フラッシュバック」が、舞台が福島だというのに外国文学のような無雰囲気だ。
    “神の恩寵のように美しい朝日”のような言葉の選び方以外に、自分がそう思える理由は分からないのですが。

    え?火村シリーズなのに、アリス一人なの?一人なの?
    と思っていたら、呼びつけてしまうアリス。

    足あとトリックは、素晴しかったです。
    例によって、なんとなくこの人が犯人だろうな~とは思うのですが、どうやったのかは分からない。
    最後まで、あれこれ考えるのが楽しかったです。

    この作品でも、ポロっと、火村先生の新しい一面がのぞきます。


    有栖川作品の、挿絵イラスト付きの物は初めて読みましたが、あ~アリスはこんな感じだなあ~と。
    火村先生は、もう少しだらしない感じでもじゃもじゃ(笑)でもいいのでは?

  • 読みきるまでに随分時間をかけてしまった、反省。
    久しぶりの作家アリスシリーズの長編を読みました。イラスト可愛い!
    スウェーデン館は読んでいなかったようで、犯人誰かなと推理しながら読みましたが、やっぱりトリックがわからなかった…。
    いつかまた読みたいな。というより、早く他の作品読まなきゃ!

  • memo: コミコミ特典イラストカード付

  • 火村のキザな台詞と、章をまたいでのアリスのツッコミに笑ってしまいました(笑)

  • 何年ぶりの再読か。強烈な火村先生の名言、犯人の動機やそのトリックは覚えていたが細部はまったく記憶になかった。「アリバイの研究」に載っていた予告の“旅情溢れる美しい作品世界”という文言を読んだとき、わたしがまずおもい浮かべたのは「海のない奈良に死す」だったのだが、すぐ下に「スウェーデン館の謎」とあったので意外におもったものである。さらに言えば本作の帯にも“シリーズ屈指の人気”とあるのも、やはり意外であった。おもいいれや好みで違いが出るのは当たり前なのだろうが。さて、同時発売された「怪しい店」を読み進めよう。

  • ビーンズ文庫で出ていたので再読。

  • 【読了】

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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