死者のための音楽 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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  • レビュー :25
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010761

作品紹介・あらすじ

教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。生き物を黄金に変えてしまう廃液をたれ流す工場。仏師に弟子入りした身元不明の少女。人々を食い荒らす巨大な鬼と、村に暮らす姉弟。父を亡くした少女と巨鳥の奇妙な生活。耳の悪い母が魅せられた、死の間際に聞こえてくる美しい音楽。人との絆を描いた、怪しくも切ない7篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • なんか物足りない短編集だったな。
    設定は面白いけれど、終わり方の印象が薄くて。
    新しいスタイルの怪談らしい。
    そして「愛をめぐる物語」。

    ***以下ネタバレ***
    長い旅のはじまり
    お宮は父親を殺され、自分も腹を刺された。
    助けられた先で妊娠が発覚。
    お宮の子どもは教えたわけでもないのに様々なことを知っていた。
    それは犯人の顔まで。
    子どもはお宮に犯人について話してしまう。
    お宮は復讐を遂げたあと川に飛び込む。
    それを追って子どもも。
    二人は遠い果ての地を目指している。

    ***
    井戸を下りる
    金貸しで怖い父親に支配される幸太郎。
    偶然にも井戸で生活する雪と出会う。
    雪の父親は幸太郎の父親に金を借り返さなかった。
    結果、両親は首を吊り、雪は井戸の中へ。

    ***
    黄金工場
    工場の廃液に生命を沈めると金になる。
    しかし容易く手に入った黄金が永遠であり続けるわけがない。

    ***
    未完の像
    自分を鬼だという少女。
    旅人を襲って殺した。
    その少女が仏像を彫りたいという。

    ***
    鬼物語
    残酷な鬼が出る山。
    時間軸や視点が変えながら鬼との接点が書かれている。

    ***
    鳥とファフロッキーズ現象について
    鳥は望んだものを運んでくれる。
    望めば殺人まで。
    ある日父が射殺される。
    相続について税理士と話していると、鳥が税理士を襲う。
    主人公の少女は異性が苦手だったが税理士には気を許していた。
    そのため、鳥が税理士を狙わないよう片方の翼を傷つける。
    しかし気がつく。
    父を殺したのが税理士で、だからこそ鳥は暴れたのだと。
    この話しは胸が苦しくなる。

    ***
    死者のための音楽
    娘と、ほとんど耳の聞こえない母が書いた手紙とのやりとり。
    川で溺れ死にそうになったとき聞こえてきた音楽に心を奪われた母親。
    夫と娘を愛していたが、そこに行くことを決めた。

  • 趣味は焚火のOさんの別名義。
    Oさんの作品は巧みだが青臭い。
    本作品集は巧みさが前面に出て、スマートだ。

    @@@@@

    長い旅のはじまり ※時代物。
    父を殺された娘が、処女にして懐妊。(略……あとは読書メモに。)

    井戸を下りる
    私は若いころ、井戸の底の畳の部屋で暮らす雪と知り合った。(略……あとは読書メモに。)

    黄金工場
    ぼくは工場廃液のそばで黄金のコガネムシを拾う。生き物が黄金に変化するらしい。(略……あとは読書メモに。)

    未完の像 ※時代物。
    仏師修行中の私のもとに、人を殺した償いに仏像作成を教えてくれと少女が来る。(略……あとは読書メモに。)

    鬼物語 ※時代物。
    少女と弟は父なし子。気の触れた母、祖父と暮らし、村から疎まれている。熊のごとき鬼の言い伝え。(略……あとは読書メモに。)

    鳥とファフロッキーズ現象について
    父と私は怪我した鳥を屋根裏で飼う。(略……あとは読書メモに。)

    死者のための音楽
    手首を切った母と駆けつけた美沙とが互いに語り合う。と思いきや、(略……あとは読書メモに。)

  • 美しく切ない幻想短編。「黄金工場」、「鳥とファフロッキーズ現象について」、「死者のための音楽」が好き。
    「黄金工場」お母さん怖い。
    「鳥とファフロッキーズ現象」鳥の行動が不穏でいつか何かを引き起こすんじゃないかと心配しながら読んでました。こんな感動させてくるとは。
    「死者のための音楽」優しい、しっとりとした情緒があってよかった。

  • 2016/5/19(木曜日)

  • もの悲しいストーリーですね。「平面いぬ」のブルー等に似ているアニマル系もあったり・・・乙一氏の別バージョン誕生の話もありそこそこ満足。

  • タイトルになっている「死者のための音楽」それに魅入られてしまった、悲しいラストが一番印象に残った。
    どの短編も、途中まではいいんだけど、構成やら何やらで読ませておきながら、ぽつっと終わってしまう感があった。
    それが味っていえば味なんでしょうけど

  • 乙一の別名義だそうだが、乙一の作品を1作(短編)しか読んだことないから先入観無く楽しんで読めた。

    『鳥とファフロッキーズ現象』が凄い好き。鳥は、私に対しては親鳥として接し、父に対しては雛鳥だったのだな。
    しかし、ほんと毎回どこから私が欲しがる物を調達し、どこから降らせてたのか(笑)
    でも、あれだけ至れり尽せりだと羨ましい。
    だが、伯父を殺めてしまう程とは…叶える上限が無いのか?
    あれには狂気を感じたが、私の願いをそこまで叶えてくれるという点はやはり良いなぁと思ってしまう。
    税理士が犯人だと知っていたのに、私のために我慢してたのかと思うと胸に来るものがある。本当は直ぐ様殺してしまいたかっただろうに、それを抑えて私の感情を、願いを優先させた。
    最期は父の部屋に行ったシーンはうるっときた。
    ファフロッキーズ現象について興味が出たから調べてみたい、本当にあるのならば。

    『鬼物語』は、まさか弟が最後の最後で勇気を振り絞って鬼を引きつけるなんてな…。あの鬼はそれでも、その後も山に住み着いていたのかな。もしそうであれば弟は…。

    ホラーだから、不思議な話が多かったが、こういう世界観は好みだからまた出れば読みたい。

  • 2015/2/8

  • 乙一さんだったのか!知らずに手にとっていたよ…なんか縁を感じた。

  • 怖いほど美しい。怖いからこそ美しいというべきか。7篇の短編、どれも印象的でしたが、ひとつ上げるなら「未完の像」かな。いやいや、「鬼物語」もすごかったし…。
    筆名がまた、美しいですよね。山白朝子、って、夢と現の境のような雰囲気が立ち上ります。

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