魔女の宅急便 5魔法のとまり木 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.83
  • (33)
  • (52)
  • (51)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 635
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010938

作品紹介・あらすじ

19歳になったキキ。あいかわらずそばには、相棒の黒猫ジジ。そんなジジにもヌヌとの素敵な出会いがありました。そして…長かったとんぼさんとの関係も大きく動き…。キキの新たな旅立ちの物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • キキ、19歳。
    独り立ちしたての後輩魔女にアドバイスが出来るお姉さん魔女になりました。
    でも、何歳になっても悩みはあるし、イライラもしてしまう。
    今回も不安定な感情を持て余しているキキにどうしようもなく共感してしまった。
    理由は前とは違う。
    はっきりした理由なんてなくて、本当のとこなんて自分にだって分からない。
    私はキキよりも長く生きているけれど、いつだってぐるぐる、あたふたしている。
    その時その時にちゃんと自分の気持ちに耳を傾けることが大切なのかなと思う。
    あとは焦らないこと…なのかな。
    すぐにどうにかしようとか、答えを出そうとか考えない方がいいことも多い気がする。

    魔法が思うように使えなくなったキキに寄せられる言葉の数々が本当に素敵。
    全部本当のことだと思う。

    とんぼさんとの恋も素敵に育ってうらやましいかぎり。
    20歳の誕生日をお祝いする手紙の文章がとても優しくてドキドキ。
    「わたしのこと、すき?」
    「愛してる?」
    「どのくらい?」
    このちょっと困る質問に、キキにとっての1番嬉しい答えを返すとんぼさんに拍手。
    ただ、同じ答えを他の女性にしてもダメ。
    要するに全部そういうことなんだなぁ…。

    最終巻が早く読みたいな。
    15年後、35歳のキキはどんな女性になっているんだろう?

  • 「19歳になったキキ。あいかわらずそばには、相棒の黒猫ジジ。そんなジジにもヌヌとの素敵な出会いがありました。そして…長かったとんぼさんとの関係も大きく動き…。キキの新たな旅立ちの物語」

  • " でも、キキ、さ、ん。魔女なんだから、ボーイフレンドなんか、三ダースぐらい、もたなくちゃ、魔法がよわくなっちゃいますよ "

    本巻では、サヤオくんという、出会い頭にナンパしてくるイケ好かない男の子が出てきます。ちょっと80年代的な軽い雰囲気もあるイケイケな若い男の子... と、私もキキと同じく彼を毛嫌いしてしまっていました。しかし、彼が自称「イケイケ派」として生きるのは、彼が、今の社会に対してある違和感を抱いているからでした。彼は、心にグサッと刺さる名言を吐きます。

    " ぼくはこのごろぼくたち若者のなかから、そういう冒険の心が少なくなってきてると思うんだ。
    キキがね、この町に来たときは、みんなすごくおどろいたと思うよ。でも、今はキキのこと、みんな、あたりまえに思ってるじゃないの。この町でも魔女ってそのぐらいの物になっちゃってるんだよ。ぼく残念でしょうがないよ。
    キキはそれでいいの? 魔女の役割はそんなものじゃないでしょ。もっとどんどん世界をひろげて、もっとどんどんドキドキさせなくちゃ。魔法っていう不思議を感じる心まで失ってしまうよ。ドキドキしないなんて、死んでるのとおなじじゃないか。ねえ、魔女さん、ここで一つ、揺さぶって、またおどろきの存在にならなくちゃ、ぼくたち、ふたりで!” (p.161-2)

    ドキドキしないのは、死んでるのとおなじ...

    なんでも「当たり前」になってしまう世の中。単にドキドキを求めるだけでなく、ドキドキをみんなのために創り出そうと生きるサヤオくんの志に、ハッとさせられました。(イケイケ派の人たちに対する印象も変わりました笑)私もドキドキしたい!!❤︎ (8. 24. 2020 レビュー)

  • 自分が自分でなくなるような、そんな感じだったのかもしれません。ほうきが高く飛んでくれなくなり、そのせいで頼まれたことも失敗してしまいます。でも失敗と思っているのはキキだけで、依頼主は大満足。キキは自分が魔女であることにこだわりすぎていたのかも、と思いました。序盤に別の、一人立ちしたばかりの魔女が登場し、魔女として歩み始めたころのことを思い出していたせいかもしれません。あるいは、四巻で母親のコキリさんが病気をしたせいかもしれません。自分という存在について、あらためて考えさせられました。

  • 一巻から一気に読みました。

    最初は、児童書のようで陽気で明るいワクワクする物語だったのですが、途中からキキの人間らしさがにじみ出ていて、作品に対する印象がごろりと変わりました。

    なにげないことに、嫉妬してしまったり、弱気になったり、悩んでしまうキキはジブリの映画のキキよりも自分に近く感じられ、アニメよりも感情移入して作品を楽しめました( ^ω^ )

  • 「魔女の宅急便」、シリーズ5作目です。
    親元をはなれて悪戦苦闘していた女の子が、
    もう20歳になります。

    魔女猫のジジは、白い猫の恋人ができて、おとなの猫言葉を話そうとします。
    そのせいで、ときどきジジの言っていることがわからなくなってしまうキキは
    さびしい気持ちになってしまいます。

    ちょっとだけ魔法にスランプを感じたり、
    仕事で少しだけ嫌な思いをしたりするけれど、
    キキはやっぱり元気です。

    大好きなトンボとの仲も気になるところ。



    素敵なエピソードがいくつもあってホッコリしているところで
    驚きのラスト。

    キキが大人の女性になるところをもう少しじっくり読みたいなぁ、とも思いますが、
    それは読者への宿題ですかね。

    優しい文章に、癒されますよ~。

  • 猫語と魔女猫言葉は。
    帰ってくる日を心待ちにしていたのに、自分語りばかりされると嫌になりそうだよな。
    好かれるために必要な事だったとしても、今まで育んできた絆を否定されているようで悲しくなりそうだな。

  • キキはお姉さんになっても相変わらず。
    ジジに恋人ができた!
    でも魔女ネコ語を馬鹿にされて(?)ネコ語を喋るようになり…
    そして、迎えた二十歳の誕生日。
    成人おめでとう。
    結婚おめでとう。

  • 最後あっさり書かれてしまってびっくり……。えぇー……! 15年後から再開ということは、子供が出てくるってことでしょうか??

  • 20歳にしては少し幼過ぎる気もするが、幸せで何より。次巻のその後の話も楽しみ。

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1935(昭和10)年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、出版社に勤務する。25歳の時からブラジルに2年間滞在し、その体験をもとにしたノンフィクション『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。著書に『ズボン船長さんの話』『小さなおばけ』シリーズ、『魔女の宅急便』『ぼくびょうきじゃないよ』『おだんごスープ』『ラストラン』など数多くの絵本・児童文学作品がある。産経児童出版文化賞大賞、路傍の石文学賞、旺文社児童文学賞、野間児童文学賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など受賞作品多数。

「2017年 『いろはにほほほ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

角野栄子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×