つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語 (角川文庫)

著者 :
制作 : 平沼 正樹 
  • KADOKAWA/角川書店
3.45
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本棚登録 : 369
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011232

作品紹介・あらすじ

大学生ユキが出会ったのは、演劇サークルに所属する大野さんと、シーンごとにバラバラとなった脚本に憑く幽霊の噂。「解決しちゃいませんか?」とユキは持ちか けるが、駆り出されるのはもちろんあの2人で……。

感想・レビュー・書評

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  • 「なんだ!この萌えるコンビ!!」第二弾。
    一作目の依頼者が入学した大学の演劇サークル“ラバーグラス”の伝説の脚本家が遺したバラバラの脚本。その脚本の謎を解いて欲しいと、元編集長で探偵の佐々波と小説家雨坂続に依頼が入る。
    二人がその脚本を演じる事になり、雨坂に合わせて演じながら正しい道へと導くストーリーは意外で驚いた。信頼し合ってないと続かないストーリー。こういう所が萌えるコンビと言われる所以か。うん、嫌いじゃない。
    佐々波と雨坂の関係性も少しずつ明らかにされてきて、ますます続きが気になる。

  • シリーズ二冊目。
    主人公らしき立ち位置の少女が大学生になってた。出しゃばられると結構ジャマそうな存在を上手に使っているなぁという印象。でもやっぱりパスティーシュさんがイイ。

    ようやく主要人物の人物像と過去が明らかにされ、さあ次の巻で本格的に動き出すのか?という所。
    それにしても雨坂先生は結構メンドクサイファンが多いんだな… まあ本人もそんな感じだから類は友を呼んでいるのか?

    脚本家は京都で芝居を書いているのだろうか、と期待させる終わり方。それにしても誰もコテコテの関西弁を使わないので地名が出てこないと関西が舞台という気がしない作品だな、このシリーズ。

  • シリーズ二作目です。
    ユキは大学生になっていて、前作以降もずっと「徒然珈琲」に通っています。
    当作の舞台は、ユキの通う大学です。
    佐々波や雨坂にとっては、因縁深い場所とも言えます。

    ◆プロローグ
    ユキが今回の事件の関係者と知り合う経緯がメインです。
    積極的に幽霊絡みの事件に首を突っ込んでいますね。

    ◆バッド・クォートに憑く幽霊
    ユキは佐々波に、サークル勧誘から救ってくれた大野嬢を紹介する。
    大野嬢は「ラバーグラス」という名の劇団サークルに所属していた。
    サークルを立ち上げたのは、マニアックなファンを持つ脚本家・宵野ランである。

    宵野は亡くなっていた。
    死に至る経緯や死因は不明である。

    宵野の未完作が「ラバーグラス」にあった。
    それを新入生歓迎祭で上演することが決定したが、練習をすると幽霊が出現していた。
    赤いマフラーを手にした若い男の姿で、何人も目撃している。
    「ラバーグラス」は幽霊をネタに客寄せしようとしていた。

    佐々波と雨坂は、「紫の指先」の謎に近付く為、「ラバーグラス」の調査を開始する。
    劇団メンバーは、全員、宵野ランのファンだった。
    しかも、鍵谷と小林は雨坂のファンでもある。
    彼等はマニアックな趣味の持ち主なのね。

    幽霊の正体は、宵野だと思われていた。
    しかし、目撃談は鍵谷に誘導されたものだった。
    何故、鍵谷がそんなことをしたのかというと、広告目的ではなくて赤いマフラーの幽霊に会いたいからだった。
    その幽霊は、佐々波や雨坂とも関連があった。

    ◆海を眺める少女の視点1
    ノゾミ視点。
    ノゾミは六歳で亡くなっていたが、幽霊になっても同じ場所から離れられない。
    姿や声をキャッチ出来るのは佐々波だけだった。

    このコは六歳ですが、知識が豊富です。
    霊になって十年以上とはいえ、賢過ぎるわ。

    ◆TO MY SISTER
    鍵谷が会いたがっていた霊は、レイニーと名乗っている。
    佐々波は高校生の頃、親しくしている大学教授がいたので、ユキの通う大学に入り浸っていた。

    レイニーは文学的な才能を持つ。
    レイニーの未練は、その辺が絡んでいた。

    教授の妻の弟が雨坂で、ノゾミは教授の娘。
    佐々波が雨坂と会ったのも大学だった。
    キッカケは、途中までは印象的な文章なのに、オチがやっつけだった短編の作者が雨坂だと知ったこと。
    レイニーは雨坂を気に入っていたが、雨坂はレイニーが見えなかった。
    「才能があれば姿が見える筈なのに」と、レイニーは大いに不満を持つ。

    それから、「紫の指先」を追う原因になった事故が起こります。
    事故によって、ノゾミと両親は亡くなり、雨坂も六年間眠っていたようです。
    長く眠っていたから雨坂の成長が止まったのかしら。

    ◆海を眺める少女の視点2
    ノゾミと佐々波の会話です。
    優しいなあ、佐々波さん。
    それなのに、何故、女っ気がないんだろう。

    ◆アナグラム・プログラム
    冒頭は和やかです。
    「徒然珈琲」のスタッフ達と雨坂がトランプ遊びをしています。
    しかも、罰ゲームが佐々波さんお手製のケーキです。
    皆、酷いわ。

    宵野ランの正体は、レイニーと大野という名の学生の合作だった。
    正確には、レイニーのアイデアを大野が形にしていた。

    ユキを助け大野嬢は、大野の妹である。
    未完成の脚本は、大野が一人で作成していた。

    脚本には問題が二つある。
    四つのパートで構成されているが、バラバラになっていること。
    そして、未完のシーンがあること。
    小林が組み立てたものは、絶望を感じさせるストーリーだった。
    完全な間違いではないが、雨坂は五十点、もしくは零点と評価する。

    佐々波からヘルプ要請されたユキは、宵野ランからのメッセージを探す。
    宵野のファンサイトにある掲示板に書き込みをすると、トカゲと名乗る人物から返信が来た。
    トカゲは「そっとしておくべきではないか」と書き込んでくる。
    そして、トカゲ(妹)からもメールが来た。

    トカゲが大野嬢ではないかと思っていました。
    でも、それならば、(妹)と書かなくてもいいよね。
    ミスリードかい。
    妙に携帯を弄っているから、大野嬢が全部書き込んだのかと思っていたよ。
    妹からマメにコンタクトを取っていたのか。

    ◆海を眺める少女の視点3
    今度はノゾミの元に、雨坂が来た。
    雨坂には幽霊の姿が見えなくて、声も聞こえない。
    それでも、会話は一応、噛み合ってはいる。
    二人のやり取りは恋人同士みたいだな。

    ◆著者には書けない物語
    劇を演じる羽目になった、佐々波と雨坂。
    鍵谷やパスティーシュはウハウハしています。

    鍵谷さんは同性に好かれないタイプだよね。
    ユキも苦手そうにしているし。

    どんな順番になっても対応出来るように練習していた佐々波。
    上演直前になって、鍵谷は「小林が作ったものとは違う順序でやる」と言い出す。
    これが雨坂にとっては正しい順序だと考えているらしい。
    未定のシーンはアドリブになります。
    佐々波さん、大変だわ。

    宵野が作った脚本には、二パターンの結末がある。
    宵野はどちらが正しいか分からなかった。
    結末を決めるのは宵野のファンしかいない。

    小林が組み立てたシナリオは、絶望の物語。
    鍵谷が組み立てたのは、希望の物語。
    佐々波と雨坂が演じた未定のシーンは、宵野ランという架空のシナリオライターを殺して、別の名前で一からやり直す内容だった。

    実際に大野は生きていて、別名義で脚本を書いているようです。
    死因は不明だし、宵野の本名を知っている人はいない感じだもんね。
    写真は検索すれば出るけど、マニアックな人気なので自ら明かさない限りバレないのかな。

    レイニーは大野が生きていることを知っているんだよね?
    この辺りは多く語っていないからなあ。

    上演したものはDVD化されて、パスティーシュは売る気満々です。
    ガメついわ。

    ◆エピローグ
    ノゾミとレイニーのやり取りです。
    次作の冒頭と繋がります。

    どうしてノゾミは同じ場所に縛られているんだろう。
    自ら望んだ訳でも、思い入れのある場所でもないんだよね。

    今回の話は、創作をして公開する人間にとっては他人ごとではないと思います。
    それなりに人気や評判はあるけど、自分一人の力ではない。
    大野は、自分は必要ないのではないかと苦悩していた。
    レイニーと決別して新たな気持ちで話を作る大野は、随分と思い切ったことをしたものです。
    「自分を評価している僅かなファンを否定するな」と言われたら、作者冥利に尽きるんじゃないかな。
    鍵谷嬢に好感は持てませんでしたが、真の宵野ファンだと思いました。

  • 今回の幽霊はレイニー
    ノゾミも登場し、11年前の事件の一部が明らかに。

  • 探偵舎だけれど、あまり探偵な感じはない。
    2016/8/23

  • 今回は雨坂自身、雨坂と佐々波の過去、ノゾミちゃんが何者か、について色々と判明した巻だった。

    朽木続の方が、朽木が本当の苗字なんだよな、雨坂?
    雨坂という姓は、高校時代佐々波と親交のあった大学教授の助手をしていた雨坂の姉の姓。
    それも結婚したから、朽木から雨坂に変わってた。
    その結婚後の姓を何故弟である続が名乗っているのか、そこがまだ分からないとこだな。
    それに、恐らく本名である朽木続を存在しない者といい完全にペンネームと思っての作者は本の中だけに留まるべきという発言。
    教授と雨坂姉と雨坂とノゾミと佐々波を乗せた車が交通事故に遭って、雨坂と佐々波以外死亡した。
    雨坂に至っては6年間眠り続けて、奇跡的に目を覚ました。
    そして、雨坂の母親と思われし紫色の指先の霊。
    その過去の亡霊、過去に囚われ続けている自身と周りの者のストーリー、そこには過去に囚われているのはあくまでも朽木続であり、6年後に目覚めた自身は雨坂続と名乗って区切っているのかなと考察。
    ノゾミは雨坂姉の娘で、雨坂の姪っ子に当たる。
    これには納得した。
    あの聡明さと関係の深さを思わせる雰囲気、親族だよなやはり。

    それにしても、雨坂は高校の頃から天才だったんだな。
    五十音順からの逆五十音順で小説を書き上げてしまうなんて…。
    それも内容が深くまだ読書に造詣の無かった読み手であるレイニーと佐々波を引き込むほどの力。
    そして、結末はノゾミの読み物になるからとノゾミ向けのハッピーエンドにされた。
    雨坂、ほんと天才だったんだな元々。

    今回のキーとなるレイニーが、その頃の佐々波と雨坂にタイムリーで関わってたとはな。
    偶然にしては凄いな。
    レイニーと言えば、何故佐々波達を呼び出したのか気になるところ。
    もしも、あの呼び出しに応じていなければ事故に遭わなかったのでは?
    この部分、いつか分かるのかな。

    そのレイニーが今回もう一人のキーである、ユキの進学した大学にある劇団サークル、ラバーグラスの全盛期時の脚本家宵野ランだったとは。
    そのゴーストライターをしていたのは、依頼者大野の兄という(笑)
    この合せ具合は少しこじつけすぎかなと思ったけど、色々と噛み合う気持ち良さがこのシリーズの良い所なのかな。
    てっきり大野兄は亡くなったのかと思ったら、ちゃんと生きてた良かった。
    レイニーも、これで報われたかな。
    レイニーの心霊現象は自分の才能を継げる者に姿が見える、佐々波みたいな例外除く。
    だから、レイニーが見えた大野兄にはそれだけの才能がちゃんとあって、ただゴーストライターに留まるだけの存在ではないことをレイニーも理解してた。
    そして、本物になることを望んでもいた。
    けど、それは宵野ランには通じてなかったのかもな。通じていたら、違った未来があったのかも。
    宵野ランは彼なりにレイニーがより自由に才能を発揮出来る者とであってほしかったから、あの舞台と脚本をレイニーに捧げたんだな。

    レイニーが最後にノゾミになんて伝えたのか気になる。
    母に合う手段なんてあるんだな。
    ノゾミの心霊現象はどんな感じなのだろう。

    図書館で4巻まで借りたので読もう。

  • 【収録作品】バッド・クォートに憑く幽霊/TO MY SISTER/アナグラム・プロぐむ/著者には書けない物語

  • 天才小説家と、幽霊が見えるという元編集者が謎解きをする素人探偵シリーズの第二弾。流行りのキャラクター重視かと思いきやそこまで極端に誇張されておらず、かと言ってミステリーと呼ぶにはロジカルでもなく、輪郭がはっきりつかめないのに何故か続きが気になるシリーズです。

  • 二人の過去が前回よりもさらに深く見えてくる…

  • 心理描写が足りてない~神戸北野の喫茶店に女子高生がやってきて,元編集者の心霊探偵に,小学校の図書室で読んでいた夕焼けをモチーフにした絵本の行方を訊ねてきたが,男女の双子の兄妹の話はしなかった。商店街で足を掬う少年の幽霊は満足に話をできない。どちらも8年前,死んだ少年の父親は,高校3年になった少女に絵を手ほどきしており,彼女の指導中に息子と妻を同時に失っていたのだ。高1で死んだ少女の幽霊は消えておらず,生きている少女に伝えたいことがあったのだ~ いや!!! なくて良い。文字を拾うのが大変だった。

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著者プロフィール

徳島県出身。グループSNE所属。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)などがある。

「2017年 『ベイビー、グッドモーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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