つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語 (角川文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2013年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041011232
感想・レビュー・書評
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心理描写が足りてない~神戸北野の喫茶店に女子高生がやってきて,元編集者の心霊探偵に,小学校の図書室で読んでいた夕焼けをモチーフにした絵本の行方を訊ねてきたが,男女の双子の兄妹の話はしなかった。商店街で足を掬う少年の幽霊は満足に話をできない。どちらも8年前,死んだ少年の父親は,高校3年になった少女に絵を手ほどきしており,彼女の指導中に息子と妻を同時に失っていたのだ。高1で死んだ少女の幽霊は消えておらず,生きている少女に伝えたいことがあったのだ~ いや!!! なくて良い。文字を拾うのが大変だった。
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北野坂探偵舎シリーズ第2弾。
すっかり徒然珈琲の常連になった小暮井ユキは大学に進学し、
演劇サークル「ラバーグラス」の大野と知り合う。
大野曰く、とある劇の練習を始めてから
幽霊の目撃情報が多発しているらしいのだが…
前作で残されたままの謎が少しずつ見えてきたような、そうでもないようなお話。
話の全貌はまだまだ見えないが明らかになっていく情報が多いので、
前作よりはるかに楽しく本を読み進められた。続編にも期待。 -
過去がちょっとずつ語られ始めましたね。
推理の様式は相変わらず独特で面白いなぁ。 -
シリーズ2作目
大学生になったユキが運んできた依頼を、元編集者と作家のコンビが解き明かす。前回では描かれなかった事が色々わかります。
柔らかい文章と、細かい心理描写。ストーリーを紡ぐ作家と見守る編集者。読みやすいのに、なかなかどーして奥が深い。魅力的なキャラとこのラスト。
まんまと作者の罠にかかり、続編を購入。
会話の楽しさは前作同様。今回は、ピノにやられた。
可愛すぎる。 -
小暮井さんが大学生に
サークルで、演劇サークルの幽霊について調べることに -
SNEのコンベションでご本人を見かける機会があったので、どんな作品を書く人なのだろうと思って買ってみましたが、とても素敵な文章で驚きました。
ファンになったかも -
レイニーの登場により更に謎が増した二作目。河野さんのいつもの感じが戻ってきた気がする。三巻目にも期待。
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大学の演劇サークルに現れる幽霊から始まって、バラバラの脚本まで、今回の謎も難しいわ~(--;)と思っていたけれど、きれいに丸く収まりました(^^)佐々波さんと雨坂さんの過去や、雨坂ファミリーの事もだんだん明らかになってきた!すごく気になる終わり方だし、次の巻が楽しみ♪
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2014/6/21〔土曜日〕
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編集者&作家コンビの2作目。
前作よりずっと好き。ばらばらになった脚本の順序を探る、ということ自体が、コンビの職業に合っているからかもしれない。し、ネタ自体が自分の好みだからかもしれないけれど。
「著者には書けない」。なるほどね。切ないね。
探偵役ふたり(というかおもに小説家の方)の才能こそがテーマになっているシリーズにおいて、「才能」が謎の根幹になっているのも、すんなりと納得できる。才能って、すごいことなんだけど、随分とつらく悲しいことでもあるのかな。
ナルシストでいられる作家(に限らず芸術家、なのかな)というのは幸せなのかもしれないですね。
1作目で、「幽霊」ってなんだよ、と思う部分もあったんだけど、「幽霊の未練」、「未練をかなえるための心霊現象(という力)」というものが示すものが、少しずつ見えてきた感じ。「未練」に縛られ、未練をかなえることに特化した存在になってしまった「幽霊」。なるほど、人間だったら、一つの目的のためだけに存在することなんてできないもんね。何かにすべてを賭けていると言われる人だって、ごはんも食べれば、第三者と会話もするし、別のことで楽しんだり悲しんだり。そんなことをすべて排除して、ぎゅっと凝縮されたのが、幽霊なんだね。
そしてそんな「幽霊」にとらわれた人間というのもまた、一種の幽霊みたいな存在なんだ。幽霊は幽霊で切ないけれど、その他のことにもかかわっていかなくちゃいけない人間も悲しく見えてならないなぁ。
可哀想とかつらいとか哀れとか切ないとか。そんなのとは種類の違う、しかし哀感としか言いようのない余韻を醸し出すコンビだね。萌える、なんてのは違うなあ、と思います。