人間臨終図巻 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
制作 : 田島 昭宇 
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 89
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011294

作品紹介・あらすじ

武将、町民、政治家、歌人、文豪、音楽家など……下は15歳から上は120歳まで、歴史上のあらゆる人物の臨終の様子を蒐集した稀代のノンフィクション! 第一巻目は15?55歳で死んだ人物を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 誰もが平等に迎える死という避けられない瞬間に、ある人は自ら選択し(自殺)、ある人は罰せられ(死罪)、ある人はもがき苦しみ(病気や事故)、ある人は達観して死を受け入れる。

    「神は賢愚において不平等に生み、善悪において不公平に殺す」山田風太郎
    しかし、あと10年、いや5年生かしておけば大きく日本を変えたであろう傑物が上巻だけで何名かいますが、佳人薄命、こればかりはどうしようもありません。

    「生が終わって死が始まるのではない。生が終われば死もまた終わってしまうのである」寺山修司
    この死生観は輪廻転生でも極楽浄土でもありません、今の自分だけが全てです、今を精いっぱい生きるという信念なのでしょうね。

    私が注目した点は、歴史に名を遺す有名人にもかかわらず、多くの芸術家が生きている間にはまったく評価されずに生計自体が大変だったことです。

    例えば画家では、モディリアーニ(32)、ゴッホ(37)、音楽家では、シューベルト(31)、ショパン(39)、作家では、エドガー・アラン・ポー(40)などが海外の代表ですが、中には莫大な遺産をもらいながら経済観念の欠如で貧困に苦しんだ人も多いようです。(数字は死亡年齢)

    しかし、30代で名を遺した芸術家の多いこと。
    上記以外にも、音楽家では滝廉太郎(24)、モーツァルト(35)、ビゼー(37)、メンデルスゾーン(38)など、画家では、青木繁(29)、佐伯祐三(30)、菱田春草(37)、岸田劉生(38)、ラファエロ(37)、ロートレック(37)など、作家・詩人では、樋口一葉(24)、北村透谷(26)、石川啄木(26)、小林多喜二(拷問で30)、中原中也(30)、高山樗牛(31)、織田作之助(34)、正岡子規(35)、芥川龍之介(35自殺)、尾崎紅葉(36)、長塚節(36)、国木田独歩(37)、宮沢賢治(37)、太宰治(37心中)、高橋和巳(40)、エミリー・ブロンテ(30)、バイロン(36)、パスカル(39)などは早くに無念の内に亡くなりました。

    とにかく死亡年齢で図鑑を作るという発想がすごいですね。

  • 様々な著名人の臨終の様子をやや上から目線で記した作品。

    『図巻』とあっても図解や写真はありません。
    時代背景等で少しわかりにくい表現や、また不明なためかことの経緯をまったく記さず「?」な箇所が多々ありましたが、大ボリュームで読み応えはありました。

    政治家、作家、俳優、犯罪人などいろいろでしたね。
    死因に結核がダントツで多かった印象。
    スマホ片手に本人写真など、その人にちなんだことを検索しながら読むのも今ならではの楽しみ方かなぁ、と思いました。
    非業の死を遂げる人や、不摂生がたたっての人、自死の人といろいろで、生き方すなわち死に方だと。
    その人を表すもの、それが死に方だなぁと。

  • 図巻というだけあって、大ボリューム。選ばれてる人物にだいぶ偏りはあるけど(軍人とか政治家が多い気がします。)、人の死に際だけで、これだけ集めると圧巻。中・下巻もぼちぼち読みます。羅列に慣れるまでにちょっとかかったのと、人物によってまとめが長かったり短かったりがあるので、一人一人の話に興味がわけば、その人物の伝記とか読めばよいのかなと思います。

  • たくさんの人の死に様、生き様には、生きるうえでのヒントが隠されている気がする。そういう意味で宝箱のような本。小林多喜二の死に方が結構衝撃で、石田吉蔵の幸せ?な死に方も印象的だった。

  • 【P464】
    中江兆民
    「霊魂なるものは火なり。肉体は薪なり。薪尽きて火滅す。かくのごときのみ」

  • 読んでみて感じたのはある種のガイドというか、入口だなと。
    臨終に至るまでの詳細を知りたいがために
    他の文献を繰ってみたくなる本だった。

    10代から55歳までと
    死ぬにはまだ若い人たちの記録だったのだが
    5ページくらい延々と語られる人もいれば
    半ページほど、しかもワンセンテンスで終わってる人もいて
    思い入れの差なのか、ボリュームがまちまちなのが面白い。
    そして、基本的には事実を淡々と述べる筆致なのだが
    たまに挟まれる山田風太郎氏個人の感想が
    意外と毒舌でユーモラスなのがまた面白かった。

  • マニアックな本。死に方は生きざまを現している。所々表現がわかりにくかったりもあるが、よくこれだけ調べたなと思う。意外と好き。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2018年 『忍法双頭の鷲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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