人間臨終図巻 下 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011300

作品紹介・あらすじ

武将、町民、政治家、歌人、文豪、音楽家など……下は15歳から上は120歳まで、歴史上のあらゆる人物の臨終の様子を蒐集した稀代のノンフィクション! 第三巻目は73?120歳で死んだ人物を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 上中下にわたる死者の記録の完結編。

    私が下巻で目を引いたのは、石原莞爾の独立満州国構想を張作霖爆殺で葬った張本人・河本大作、7歳で盲目となりながら記憶力のみで国学者となった塙保己一、天才ピアニストでもありカサノヴァでもあったリスト、西武王国を築きながら女癖の悪さで結局西武を分裂させた堤康次郎、日本を代表する天才・北王路魯山人、クソ度胸の塊・犬養毅、大本教の教主・出口王仁三郎、からゆきさんの総元締めの極悪人・村岡伊平次、ニセモノ天皇・熊沢天皇、双葉山や呉清源などを信者に持つ新興宗教主・璽光尊、海軍の伝統を守った井上成美、ジャーナリストの鑑・宮武外骨、強直の自由人・石橋湛山、密林の聖者・シュバイツァー、貧しい昆虫学者・ファーブル、日本の聖者・鈴木大拙・・

    そして多くの偉い人に共通するのは・・
    葬式無用、弔問供物固辞、生者は死者のために煩わさるべからず、という考え方です。

    最後まで凡人の我々も、これくらいなら見習えます。

  • 世界各国の名士たちの、亡くなる頃の生活、行動、境遇などを生きた年数の順に紹介している。さすが名士たち。現役の人生をかけた目標に対して精一杯働いている。しかし、臨終を迎えるころには隙を見せることもあるし、あらぬ方向に転回することもあるのが面白い。

  • いよいよ最終巻は73歳〜の高齢になったゆえに亡くなり方は老衰が多く、前の二巻に比べると不慮の死が少なくなった。

    しかし死に関する本は一気に読もうとしてもなかなか進まず、途中体調を崩したこともありしんどかった。

  • 下巻ともなるとそれなりの年齢に突入してくるので
    ある程度覚悟をしていたり
    いくつになっても執着心を失わなかったり、というところが
    より個人差があって
    こういう書き方は不謹慎かもしれないが面白かった。

    最後の最後に泉重千代氏の年齢詐称疑惑(?)が
    ぶっこまれていたのには度肝を抜かれたが
    昭和から見て江戸はそう遠くない過去だったということと
    戸籍制度が如何に便利で重要なものであるかということに
    改めて気づかされたのが興味深かった。

    願わくばもっともっと人の臨終を語ってほしかったな。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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