忘れ扇 髪ゆい猫字屋繁盛記 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011362

作品紹介・あらすじ

日本橋北内神田の照降町の髪結床猫字屋。そこには仕舞た屋の住人や裏店に住む町人たちが日々集う。江戸の長屋に息づく情を、事件やサスペンスも交え情感豊かにうたいあげる書き下ろし時代文庫新シリーズ!

感想・レビュー・書評

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  • 「おたみが切り盛りする、髪ゆい猫字屋に、近所の住人たちが集まり、わいわいがやがややってます」って内容。
    シリーズ第一弾にしては、些か、登場人物が多く ??
    って、感じだったけど、
    「照降町自身番書役日誌」の派生作品だったとわかり、納得。

    読む順番を間違えたようだが、漸く、登場人物にも、馴染みが出てきたので、
    続きは、ほっこりしたい時に。

  • Tさんのお勧め。

    髪ゆい猫字屋繁盛記第一弾。
    江戸時代の口語表現が使われていて良かった。
    ついていけないほど盛りだくさんでもないし、
    とってつけたような少なさでもなく、適度な感じ。

    人々のそれぞれの思いや情けに対して、奉行所の裁きやおあしの心配といった浮世の厳しさのバランスも良い。

    しかし、どうも人間関係の説明がはしょられているというか、
    進みが速いなと思っていたら、
    読んだ後になって、
    「照降町自身番書役日誌」という話がこのシリーズの前にあったことが判明。
    一旦、このシリーズを離れて、そちらを先に読むことにする。

  • 『髪ゆい猫字屋繁盛記』 新シリーズと書かれてあり、連作短編4話である。

    今井絵美子氏の本を手にした人は、この本が、「照降町』シリーズからの延長だと、理解できるであろう。

    今回の髪結の女主人は、血のつながりのない子供3人を育て上げた。
    其の周りの江戸っ子たちの人情話であるが、、、、ふと、本を読みながら、他の本と違った感覚を覚えた。
    それは、漢字にルビがふってあることである。
    解って読んでいるつもりでも、地名や人の名など以外、昔の言い方に、ああ~、、、この字はこう読むのか?と、あらためて、思ってしまった。
    『びた一文』の「びた」なんて、変換も出来ない字だし、『蟠り』にしても、「わかだまり」と、読んでなかった。
    『燥ぎ声』も『はしゃぎ声』、、、、
    時代劇によく使われる『お端女』の「おはした」、『通旅籠町』の「とおりはたごちょう」なんて、ルビが無いと読めなかった。
    また、この本の面白さは、江戸っ子の言葉やりが、いい。
    合点承知の助なんて、鶴亀鶴亀、、、てんごうをいう、、、なんて、、、面白い言葉の数々が出てくる。
    小説の面白さも、言葉のやり取りも面白い本である。

  • 髪結床には、近所の人たちがやってきて
    本来の目的を果たしたり、喋り倒したり。

    そうして上る噂や近所話。
    4連続の短編で、非常に読みやすかったです。
    2~4話が連続していて、1話目は人物紹介のような。
    しっかり事件は起きてますが、ここだけで終了しています。

    やはり繋がった話の方が、残った謎がどうなったのか等
    非常に気になる事ばかり。
    結局2話目の事件の犯人はそこか、と思ったのですが
    その感情の貫きさがすごい。
    会心するわけでもなく、性のすごさが。

    しかし、それを言うならすべての人物の思考回路が
    まったくずれてなかったです。
    ここまで一直線になれるのもすごいです。
    うっかり流されそうになったりする様もなく。
    もちろん時代が時代、場所が場所なので
    人情が熱すぎるほど熱い。
    繋がりってすばらしい、と思えるものでした。
    最初の話があったから、よけいに、でしょうか?

  • 導入部に、いささか困惑してしまったのは、
    なぜか私だけが他人の様に、この小さな髪結床の部屋の中にはいなかったからだ。

    解説を読んで納得。
    これは、照降町自身番書役日誌シリーズの登場人物たちが、
    メインの場所を髪結床の「猫字屋」に移し替えて繰り広げられるスピンオフシリーズだったからだ。

    「照降町〜〜」をすでに読んだ方なら、そこは見知ったメンバーが続いて活躍するお話だったからだ。

    そんなわけで、最初は馴染みのない私の様な読者には、
    少しの疎外感を感じてしまうかもしれないが、読み進めていくうちに、愛情深いこの世界に没入することだろう。

  • 今井先生の人情物語です
    また以前読んだ作品化と思う世界
    別シリーズで登場人物になじんで
    いたからですね

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    おたみが切り盛りする髪結床の猫字屋は今日も大賑わい。近所の住人たちがそぞろ集まり、おしゃべりや噂話に花を咲かせる。そんな折、居職の箸師・得次郎が刺されたという。なぜか自身番には届け出ないでほしいと懇願する得次郎が今わの際につぶやいた「忘れ扇」とは一体何なのか?姿を消した女房のお阿木、遺された3人の子供…一筋縄ではいかない男女の情や、血は繋がらなくとも通いあう親子の情。涙をしぼる人情時代小説シリーズ、スタート!
    平成27年8月14日~27日

  • 「十六年待って」まで読了。
    お節介かつ親切な人々が集まって、色々な出来事を乗り越えていく、読みやすい江戸物。
    大人数が捲し立てるようにしゃべり、立て続けに事件が起きるので、何となく橋田壽賀子ドラマ的なイメージ。

  • シリーズ1。
    「照降町 自身番書役日誌シリーズ」とリンクしているのですね。

  • シリーズ第一弾
    照降町自身番書役日誌シリーズの姉妹篇?主人公であった元武士の喜三次とおゆきが夫婦であり、このシリーズの主人公おたみも登場済み、その他も同様?
    多分読んでいくうちに関係も分かると思われる。短編四話だが、一話と残りは続き、佐吉の嫁選びは?

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著者プロフィール

1945年広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業後、画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。2003年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞。主なシリーズに「立場茶屋おりき」シリーズ、「照降町自身番書役日誌」シリーズなどがある。15年「立場茶屋おりき」シリーズで第四回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。

「2017年 『残りの秋 髪ゆい猫字屋繁盛記 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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