恋する「小倉百人一首」 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 103
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011379

作品紹介・あらすじ

百人一首には、恋の歌と秋の歌が多い。平安時代の歌風を現代に伝え、切々と身に迫る。ただのかるたと思うなかれ。人間関係、花鳥風月、世の不条理と、歌は深い世界を内蔵している。ゆかいに学ぶ、百人一首の極意。

感想・レビュー・書評

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  • 2011年に出版された、阿刀田高さんの本です。
    阿刀田さん、1935年生まれですから、出版当時76歳。
    軽く淡々と、でも面白く、小倉百人一首の解説、紹介、というエッセイ本です。

    他の、「古典解説エッセイシリーズ」(と言って良いのか判りませんが)もそうなんですが。
    肩の力の抜け具合が素晴らしいですね。

    「学術的な野心や興味で読んでもらう本ではありません。
    フツーに暮らしている人が、興味、知的好奇心で読む本です。
    それから、もともと詳しい人が読む本でもありません。
    良く知らないんだよなあ、という人が読んで、読み易い本です。
    卑下する訳でもないけれど、それ以上でもそれ以下でもないですよ。
    ただ、お子様が読む本でもないですよ。いい歳をした大人が読む本です。
    そのつもりで、大人が楽しめるように書いてますからね」

    という確信があるんですよね。
    だから、とにかく、これを読んで、「良く判らなかった」ということは、ありえない!…というくらい判りやすく書いてらっしゃいます。
    でも、子供向けじゃありません。
    大人向けの雑学とか、どうでもいいような脱線話を、落語で言えば、まくらのように振りながら、一首一首、解説してのおしゃべりです。

    愉しく軽く、読めました。
    電子書籍で読んだんですが、表紙が可愛くて素敵ですね。
    (電子書籍だと、何かのときに、スマホで簡単に部分読み返しが出来る、というのも、この手の本の場合はちょっと良い感じがします)

    #######

    備忘録、というのも空しいような本なんです。つまりは100の短歌の説明してる本ですから。

    なんですけど、軽く書いておきますと。

    ●「古今和歌集」みたいな、「天皇家、朝廷が、その時々で選んだ、その時代のベスト和歌集」というのが、10個くらいあります。
    その10個の中から、「ベスト・オブ・ベスト」みたいな感じで、藤原定家さんが、鎌倉時代に入ったくらいの頃に選んだのが、百人一首。

    ●だから、百人一首は万葉集からのものもあれば、鎌倉に入ってからの時代のモノもある。
    作者や和歌の内容、そこから推定される物事を味わっていくと、天智天武の頃から、奈良時代平安時代から源平時代まで俯瞰出来て面白い。

    ●阿刀田さんが、正岡子規などの和歌論なども引きながら、「これはつまらない和歌だよね」などと、結構手厳しい(笑)。
    無論、「これは良い歌だよねー」というのもあって、そのあたり、教科書的ではなくて面白い。

    ●大人向け、なので。政治闘争が匂う歌、恋の歌なども多数ありますが、若干下ネタになるところも含めて、
    キレイゴトではない解釈や味わいもあるよね、という視点。なんだけど、阿刀田さんなので、ほんとにお下劣にはならないところが、好ましかった。
    恋の歌に関していうと、平安時代などの貴族の恋愛風俗みたいなものは、ちょうど、マンガ「あさきゆめみし」も含めて、源氏物語を愉しんだところだったので、
    なんとなく推察がついて読み易く楽しかった。

    ●阿刀田さんが数度言及しているのは。
     下手をすると1400年くらいまえに作られた文学が、モノによっては、今すっと読んでも愉しめる。
     こういう言語って、世界史的に物凄く稀だ、ということ。
     それは確かに、考えようによっては、日本語っていうのが長年の経年の熟成を経た、興味深いコトバだよねえ、
     それは素晴らしいのじゃなかろうか、という視点。

    ●それは確かに、日本語で暮らす僕たちが、「歴史の連続性」みたいなことを意識しやすいことにはなりますね。
     それは、素敵なことだと思います。今後の指針は必ず過去に転がっていますからね。

  • 名前と中の歌のいくつかは知ってるけど、内容をそんなに深くは知らない人??つまるところ私なのだが??向けに、『小倉百人一首』を読み解き、その内容を語る書。小さいころから百人一首に親しんでいたという著者だけにその語り口は、まさしく立て板に水といった感じで、実に軽やか。そうそう、当時の詠み手にとってはゲームの類であったわけだから、現代の私達が読み解くにあたっても、軽く遊びの感覚で触れればよいのだ。難しいことなぞ、なんにもない。

  • 【「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    貞許礼子 先生の推薦図書です。

    <推薦理由>
    それぞれの和歌を現代的な感想を交えてユーモアたっぷりに紹介しています。
    専門外の読者にわかりやすく解説する阿刀田氏の著作では、他に「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」「コーランを知っていますか」「シェイクスピアを楽しむために」もお薦めです(「シェイクスピア~」は本学図書館にもあります)。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00357906

  • 阿刀田高氏が「小倉百人一首」を解説した一冊。
    下ネタもあったものの、結構楽しく読めました。
    解釈が楽しく、肩肘張らずに入れたのでコレクションに
    したいですね。

  • 百人一首の本というと、秋の田の〜ももしきやの順に並べたものがほとんどですが、この本は恋や旅、季節などのテーマ別に分けてあります。
    最初から順番に読んでいってもいいですが、興味をひいたテーマから読んでいってもいいと思います。

  • ごくごく普通の内容
    軽く訳とか背景とか小話を紹介するだけ。

  •  阿刀田さんの古典解説シリーズは大昔から愛読してきた。最初はギリシャ神話だったっけ? そして百人一首の解説本も、いろんな人のを読んだ。いわば、私の好きなジャンルの二乗ともいうべき一冊だが、内容的には可もなく不可もない印象。手法が酷似している田辺聖子女史のバージョンのほうがずっと楽しかった。
     阿刀田さん、言い回しがくどくなったと思う。お年を召されたせいだろうか。

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プロフィール

阿刀田 高(あとうだ たかし)
1935年東京生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科に入学し、結核を病む。大学卒業後は国立国会図書館に司書として勤務。『ころし文句』を長崎寛と著し、これがデビュー作となる。兼業しながら著作を刊行していたが、『ブラックユーモア入門』がベストセラーとなり、作家一本に。
1978年『冷蔵庫より愛をこめて』が直木賞候補。1979年『来訪者』で第32回日本推理作家協会賞、1979年『ナポレオン狂』で第81回直木賞、1995年『新トロイア物語』で第29回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。2003年紫綬褒章を受章。
古典に親しんでいたことから『ギリシア神話を知っていますか』などのエッセイも著名。
2007年から日本ペンクラブ会長。直木賞、新田次郎文学賞、小説すばる新人賞選考委員、講談社『小説現代』のショートショート・コンテスト選考をそれぞれ務める。

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