通りゃんせ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.36
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本棚登録 : 205
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011409

作品紹介・あらすじ

25歳のサラリーマン・大森連は小仏峠の滝で気を失い、天明6年の武蔵国青畑村にタイムスリップ。驚きつつも懸命に生き抜こうとする連と村人たちを飢饉が襲い……時代を超えた感動の歴史長編!

感想・レビュー・書評

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  • 連が江戸時代の人間らしくなっていくのをみてなんだかしみじみとした気持ちになった
    個人的に時次郎がかっこいい。

  • タイムスリップもあるが江戸時代の農家の生活が描かれる。歴史に名を残さぬ人々の生活を感じることができる。

  • とても読みやすい物語ですが、いきなり現れた状態の主人公に対して村人がとても親切だったり、飢饉が起きる状態の時に上手い事主人公は不在だったりして、大変さや辛さの描写がほとんどないせいか、物語が薄っぺらく見える。ラストも自分勝手に思えました。

  • 2023.11.03

  • マウンテンバイクで旅をしていたら、ある時ワームホールにぶつかって江戸時代の農村に飛んできてしまう主人公のお話。飢えや理不尽な取り立てに苦しむ農民の生活を経験しながら、周りの人たちと絆を深めていく。後半の展開が多少好みではないけど、どんどん読み進めたくなる面白さがありました。

  •  一気に読了。宇江佐真理「通りゃんせ」、2010.10刊行、2013.12文庫。25歳の会社員、大森連は小仏峠でタイムスリップ、天明6年(1786年)の青畑村に。時次郎27歳に助けられ、妹さな16歳と3人で百姓暮らしを。天明の飢饉の時代、1年半を、連は現代の智恵を駆使することなく誠実に生きる。さなと所帯を持ってくれればと思いながら読み進める。さなが一緒になれないと絶望し自害したときは、ただ茫然。でも、再びタイムスリップした時、江戸での時間はゼロ。山手線で隣に座った青畑早苗との出会い、宇江佐さん粋な計らいです。

  • 会社員が江戸時代にタイムスリップする小説。ライトノベルにありそうな展開であるが、タイムスリップ先が天明期の農村という点が地味であり、小説の奥深さがある。ラノベは転生先の人生に切り替えるが、『通りゃんせ』の主人公は自分がいなくなった元の世界について思い悩む。ラノベは転生先の生活に容易に適応するが、『通りゃんせ』は文明生活と異なる不便さを直視する。風呂やトイレに慣れるのに苦労した(52頁)。

    「マックのハンバーガーや分厚いステーキが無性に食べたくなった」(61頁)。感染症の流行で人々が死に絶えた世界で生き残った登場人物も「ハンバーガー食いてえ」と言う(リン・マー著、藤井光訳『断絶 (エクス・リブリス)』白水社、2021年、140頁)。文明生活を懐かしむとしたら、やはりハンバーガーを食べたくなるだろう。ハンバーガーは文明の凄さを体現するものではないが、無性に食べたくなる。消費生活の便利さを象徴するものと言える。

    江戸時代の人々は元号よりも干支を使っていた(63頁)。江戸時代の人々は元号の欠点を理解していた。元号は数年でリセットされるため、単位として欠点がある。頻繁にリセットされる単位としては不便なものである。この不便さは、大正という短い元号を経験した近代日本も認識していた。そのために戦前は皇紀が多用される傾向にあった。

    元号の欠点に戦後の日本人が気付かなかった理由は、たまたま昭和が長かったからである。単に特殊な昭和の事情を伝統と勘違いしてはならない。昭和レジームに固執するならば、皇紀を利用した戦前の日本人の方が賢いことになる。

    江戸時代の農民は虐げられるだけの存在ではなかった。「理不尽なことには徹底して異議を唱え、自分達の暮らしを守ろうとする。そのためには闘うことも恐れない」(136頁)。お上に従順な奴隷根性の日本人は明治以降の国家主義が作ったものと言えるだろう。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    平凡な25歳のサラリーマン、大森連はツーリングに出かけた先で道に迷い、滝の裏に落ちてしまう。目覚めると、そこはなんと天明6年の武蔵国中郡青畑村―!?時次郎とさな兄妹の許に身を寄せ、川の氾濫や重い年貢が招く貧困等、江戸の過酷な現実を目の当りにしていく連。天明の大飢饉のさなか、村の庄屋が殺害される事件が起こり、連は思い悩みながらも自らの運命を切り拓いてゆく―。感動の長編時代小説!

    令和2年5月12日~14日

  • 面白いけど、なんか残念なところもたくさん。
    出来過ぎな面と最後がドタバタ急ぎすぎなのと…。
    あと、「何だろう」を「何んだろう」っていう表現なのが違和感を感じで気持ち悪かった。
    その辺に目を瞑れば、面白い話だと思う。

  • 20170319読

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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