幽談 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2013年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (274ページ) / ISBN・EAN: 9784041011539

作品紹介・あらすじ

本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。真実の“こわいもの”を知るという屋敷の老人が、男に示したものとは。「こわいもの」ほか、妖しく美しい、幽き物語を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 京極氏の京極堂ではない短編8篇。
    タイトルに堂々と幽談とされれば、そんな言葉があったかと思ってしまう。
    解説では、“幽けき”(かそけき)記憶に棲むモノとされています。
    怖さ的には、 怪談 〉 奇談 〉 幽談
    こんな感じでしょうか

    「手首を拾う 」
    手首に拾われる感じ、幽けき存在感
    「ともだち 」
    幽けき友達
    「下の人 」
    家の中で下の方に潜む存在
    「成人 」
    実話風で奇妙。奇談寄り。
    「逃げよう 」
    怖さが直接的。怪談寄り。
    「十万年 」
    幻覚・幽玄の境界。幽談の極致。
    「知らないこと 」
    知らないことはない我が家
    「こわいもの 」
    京極さんには、結局怖いものがなのでは?

    京極的幽けき短編集でした。


    • おびのりさん
      ともちん
      怖くなくて、じっくりわかると ひやっとする感じ
      ともちん
      怖くなくて、じっくりわかると ひやっとする感じ
      2025/11/30
    • おびのりさん
      そうそう これもどれかで 誰そ彼出てきたと思います
      そうそう これもどれかで 誰そ彼出てきたと思います
      2025/11/30
    • ultraman719さん
      でも、角川ホラー文庫好きです…
      でも、角川ホラー文庫好きです…
      2025/11/30
  • おもしろい。
    ハッキリしないもの、曖昧な思い出、感情への違和感など、こわいものを追求する短編集。

    一話目「手首を拾う」を読んだあと、この感覚で読み進めて良い本なのかどうか正直迷った。『納得してから進むべきではないのか、何か重要な部分を理解できていないのではないだろうか』と、そんなことを考えてしまい、読むのを止めてしまったくらいだ(笑)
    結局は『ええい、このままいっちゃええ』ということで一気読み。

    読者として『え、わからん。どゆこと』 という感覚もあるが、それがおもしろいし、それで良いと思わせる何かがある作品集だった。

    「ともだち」「成人」「知らないこと」は特に印象に残った。最後の「こわいもの」もおもしろい。

    なんとも言えない読了感。それも読書の醍醐味。
    楽しかった。

  • 妖しくて不気味な雰囲気がジワジワとやってくる。一番「手首を拾う」の妖艶な感じが良かった。「逃げよう」もまた違った不思議な怖さだった。「下の人」ホントにいたら怖い!「成人」は実話っぽくてなんか不気味。「知らないこと」、最終的な視点がぐるりと変わりなにがなんだかわからなくなる。

  • 「手首を拾う」
    「ともだち」
    「下の人」
    「成人」
    「逃げよう」
    「十万年」
    「知らないこと」
    「こわいもの」
    の8編。
    このうち「成人」は東雅夫・編「平成怪奇小説傑作集〈3〉」で既読。
    初めて読む、非・京極堂の一冊。
    怪奇シーンド真ん中のリアリストが、実話怪談ブームに対してとった態度……実作でそれを表明しているあたりが、やはり一歩抜きんでている。
    黒沢清がどれだけホラーを撮っても、おそらく幽霊など毛ほども信じていないのと同じく。
    本作で幻想へ踏み込むのは、実際に幽霊が存在しているからではなく、文体芸。
    ある筋とある文体が両立すれば、向こう側への回路がキリキリっと開いて、いてはならぬ・見てはならぬものが存在し始めてもう後戻りできない……その気配を変奏した短編集。
    茫漠とした思弁が、カキっと異界チャンネルに合う、というか。(どうにも擬態語が多いね)
    でも上に書いたことって、上質な小説すべてにあてはまることなのかもしれない。
    要素の少ない「手首を拾う」「ともだち」「下の人」もいいし、一番具体的な「成人」もいいが、「逃げよう」のスラップスティック一歩手前なわちゃわちゃ具合も面白い。

  • がっつりホラー、というわけではなく、少し不気味な、ちょっとジメッとしたお話をいくつか集めた感じ。


    「逃げよう」「知らないこと」が気味悪すぎたわ。意志疎通出来てる相手の方が怖いね

  • ホラー映画のような直球な怖さではなく、ジメッとした気持ち悪さが残る作品。
    各短編の主人公たちは怪異に出くわしても、恐怖に慄くことなく淡々としてるのが印象的だった。
    どの話も基本的に全く解決に至らないまま終了するため、ちょっとモヤっとしたけど、そういう「よくわからないもの」を楽しむ作品なのではないかと思った。
    純文学のような趣がある「手首を拾う」「十万年」
    強烈な気持ち悪さが残る「成人」「逃げよう」
    哲学的な「こわいもの」
    不条理な雰囲気が漂う「ともだち」「知らないこと」
    一番直球なホラーだけど、なんかシュールでちょっと笑ってしまった「下の人」

  • 短編集。「手首を拾う」「ともだち」「下の人」「成人」「逃げよう」「十万年」「知らないこと」「こわいもの」。
    明確なホラーじゃなくて「こわいもの」に書かれて伊rうように『わからないものが怖い』話なんだなーと思った。ともだちのAくんちは何があったんだ…下の人の主人公めっちゃ強くない??ベッドの下に人がいるとか私ならベッド捨てるか引っ越しちゃう…。

  • 『それは何だったのか』が分からないからこそ怖い。
    それが何か分からないのに、当たり前に受け入れていく人間(登場人物)が怖い。

  • 物語のラストが全て不明瞭で曖昧模糊とした短編が詰まった一冊。個人的には「下の人」がストーリーも主人公のなんとも言えない着物座った感じも好きだった。話によっては、なんとも言えない後味の悪さが残るような、じわりじわりと来るような怖さのある話が多かった。面白かった。

  • コワイと言うよりキミガワルイ

  • 京極さんらしいと言うか、ぞくぞく薄気味悪く読後もその感覚が抜けない。
    恐怖を感じてたもののネタばらしをしないから、どんより気持ち悪い厭な気分がずっと残る。

  • 短編八つ。

    「手首を拾う」
    最近読まない文体だったので慣れるのに時間が掛かった。
    恐ろしそうな雰囲気がある。
    手首の正体は分からず仕舞い。
    だから何とも思う。

    「ともだち」
    これも硬い文体。
    主人公が同じようなことを延々と悩んでいるのに飽きる。
    毎日決まった場所場所へ行き同じことをしない自分は死んでいるのと同じである。
    幽霊もいつも同じ場所に現れるものいる。
    人と幽霊の違いは何か、考えさせられる。

    「下の人」
    いきなり文体が軽くなりとても読みやすかった。
    マシュマロのような人のようなものが憐れで滑稽。

    「成人」
    都市伝説などネットの怖い話にありそう。
    禁忌的な意味で怖い話。

    「逃げよう」
    緑色のものの得体の知れなさが怖い。
    結末が知りたくて読み進めるタイプ。
    しかし、主人公もおかしいので意味がよく分らない。
    後半はミステリー小説のどんでん返しのよう。

    「十万年」
    今見えている世界は本当にそうなのか。
    そう見えているだけなのではないか、というテーマのSF的な話にも取れる。
    最後の魚はファンタジック。

    「知らないこと」
    中盤以降結末が知りたくて読み進めるが結末はよく分らない。
    よく分らない怖さ。
    距離で考えれば隣人と近いと考えると気持ちの悪いものがある。

    「こわいもの」
    真に怖いものとは何かを延々と考える。
    本当に怖いものとは何だろう。
    箱の中に入っていたものは何なのだろう…。
    小松左京の怖い話というようなタイトルの話の中身を誰も知らないという短編を思い出す。

    テーマとしては目新しさはなく、同じようなことをくだくだと反芻する語り手が多くて飽き気味にはなったけれど、いろいろなタイプの話が詰まっていて楽しめた。
    怖い話とは、怖いとは、幽霊とは、死とは、生とは、について考えさせられる。

  • 2025/02/10 読了。
    よくわからなかった。そういう本というのが怖い。

  • 幽談

    京極先生のショートミステリーを期待したのですが、いずれの短編も存在の不確かさを主題とした不思議な話集でした。手首を拾う、ともだち、下の人、成人、逃げよう、十万年、知らないこと、こわいものの全8編の短編集です。ベッドの下に”いる”「下の人」や生きた手首を拾う「手首を拾う」など、奇想を元にしたものや、アイデンティティの崩壊の様子を淡々と綴った「知らないこと」や「ともだち」、禅問答を思わせる「こわいもの」などいろいろなアプローチで壊れてしまうことを追求しています。
    一風変わった怖い話を味わいたい方にはお勧めしますが、京極堂や又市シリーズのような爽快感はありませんので、ご注意下さい。

    竹蔵

  • 薄墨を溶かしたような、枯淡の怖気。どこか座りの悪い怪奇が上品な短篇集。曖昧になる常識の輪郭。幽く漂う狂気。そして自分の見ている世界すらも信じられなくなる。どこか美しくプラトニックが希な『十万年』が群を抜いて良い。

  • やはり1番好きなのは"手首を拾う"。つげ義春作品のような侘しさ/寂しさに、艶かしい手首を拾うという幽玄の妖しさが混じりあった極上の短編。これはかなり好きでしょっちゅう読んでる。汽船で行くのですよ。

  • 「ともだち」と「下の人」が好みでした。
    吉田悠軌の本に「成人」が紹介されていてそれ目的で読みましたが、この話は消化不良!気味が悪いだけにもう少し答えが欲しかった。

  • 幽霊を軸とした怪談の短編集。
    「十万年」は恐怖よりもジュブナイルのような読後感がある。

  • 再読。今作はよくわからない不安や恐怖などの形のない恐れがそこかしこに散りばめられた短編集。現実的な恐怖から一気によくわからない恐怖に陥る話もあれば、最初からよくわからない恐怖まみれの話もある。幽霊譚とも違うなんとも言えないゾクゾク感が味わえる一冊。一番好きなのは「十万年」かな。

  • すらすら文章

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ):一九六三年北海道生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。同作を含む〈百鬼夜行〉シリーズで人気を博す。九六年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。その後も泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木三十五賞、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞を受賞。〈巷説百物語〉シリーズ、〈豆腐小僧〉シリーズなど著書多数。

「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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