- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041011775
作品紹介・あらすじ
「残された人生でやっておきたいこと」 74歳のイコさんの場合は、五歳で死別してしまった岡山にある母の生家まで、バイクツーリングをすることだった。そこで出会ったのは、不思議な少女で……。
感想・レビュー・書評
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ファッションデザイナーだった74歳のイコさん。人生の「ラストラン」と銘打って、赤いバイクを買い、ライダーススーツに身を包み、幼い頃亡くなった母の故郷・岡山を目指す。母の生家である古い家屋で会ったのは、12歳の少女のゆうれい…。
角野栄子さんの自伝的小説「トンネルの森1945」を読み終えた後で本書の存在を知った。「トンネル…」では幼い少女だったイコ。またイコが登場する作品を読みたいと思ったのがきっかけである。
思いがけず、幽霊の少女ふーちゃんと旅することになるイコさん。屈託ない、実にマイペースなふーちゃん。道中、他のゆうれいと会い、思い残していることを探っては心置きなく旅立つための手伝いをする。ファンタジーではあるが、あちらとこちらの壁は存外薄いものかもと思い知らされる。
何より、バイクを颯爽と乗りこなすイコさんのカッコよいこと!すごくいい意味でエイジレス。歳を重ねることで自ら限界を決めちゃうのはナンセンスだなと思わされる。
ちょっと風変わりなロードノベル、読者もイコさんのバイクの後ろに乗せられた気分で、物語がどこにいくのか想像が付きそうで付かない。その振り回され感もまた楽しいというか。ある「ねじれ」現象により、振り回されるイコさんが年相応に見えない、むしろ失われた「娘」ポジションを旅の過程で取り戻していくように見える。
角野さんの分身「イコ」登場作品、シリーズというわけではないから設定に若干の違いはあるものの、自伝的作品ということで共通する部分はある。角野さんの歩みの点と点を結んでいくようなつもりで、またイコ登場を楽しみに待ちたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全身革のライダーススーツに身を包み、バイクを乗りまわすこんな74歳がいたらカッコいいけど、角野栄子さんのどこが自伝的なんだろ?
角野栄子さんのファッションが好きで読んでみたけれど。 -
何歳になっても平凡な毎日から抜け出したくなるのだろう。
いつもと変わりない風景も何か毎日変化している。だから平凡の毎日などないのかもしれない。
そんな事を感じました -
年をとっても、楽しいことはたくさんある!
人生楽しまなきゃ!と、思える本です。
角野栄子さん、好き。 -
思っていたものと違いました。
バイクに乗って颯爽と旅に出るなんてカッコいいですよね。
早くに亡くなった母親との思い出をと旅に出るんだけど、最後はなんだかよくわからなくなりました。 -
ふーちゃんにあってみたいなあ。
バイクはカッコいいと思っているので、物語の中の幽霊みたいに憧れながら読みました✨
バイクでもなんでも、前に進んでいく。おばあちゃんでも、幽霊でも。 -
伝えられなかった気持ち、解けなかった問題、素直になれなかった自分。過去はどうあれ今ならきっと向き合えるはず。角野センセイが描くおばあちゃん・イコさんに、「自分も道半ば」と気付かせてもらいました。
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ムスメが面白いよと薦めてくれた一冊。
峰不二子ばりのスタイルでバイクを乗り回す74歳のイコさん。ラストランに選んだのは、幼い頃死に別れた母親の生家を訪ねる旅。
角野栄子さんの自伝的小説だそうで、作中のイコさんと同じく、エイコさんも実際に5歳で母親を失くしているそう。
お母さんに会いたいという思いを、こんなステキな形で実現させるとは、さすが『魔女の宅急便』の作者!