百舌鳥魔先生のアトリエ (角川ホラー文庫)

著者 :
制作 : 森山 由海 
  • KADOKAWA/角川書店
3.37
  • (5)
  • (24)
  • (32)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 190
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011904

作品紹介・あらすじ

「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。翌日、家に帰ると、妻がペットの熱帯魚を刺身にしてしまっていた。だが、魚は身を削がれたまま水槽の中を泳ぎ続けていたのだ!妻が崇める異様な"芸術"は、さらに過激になり…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 長らく絶版になっていた小林泰三の初期作品を含む傑作短編5編を再録、新たに2編の描き下ろしを加えたグロテスクホラー短編集は初球からいきなりストレート。
    南極での戦闘、地底に眠っていた生物、海百合っと読めば、≪その方面≫のファンならば、もうニヤリが止まらない第1話「ショグゴス」
    ファンサービスを兼ねた江戸川乱歩真っ青のエログロ描き下ろし短編の第2話「首なし」
    初期の短編で傑作の誉れ高い正統派ホラーの第3話「兆 KIZASI」
    大戦末期、京都が爆撃されなかった真の理由と、古都の守りを汚した事で祟りが現実になってしまった第4話「朱雀の池」
    小林ファンの為にあるエログロ&ブラックの極致!描き下ろし第5話「秘めやかな趣味」
    SFゴシックホラーの傑作。第6話「試作品三号」
    究極のスプラッターとグロテスクな描写で生理的な嫌悪感を抱かせ読者の感情を激しく揺さぶる表題作の第7話「百舌鳥魔先生のアトリエ」
    の収録は小林泰三ファンにとっては感涙もの。

  • ああ、気持ちが悪い!読んでいて吐き気を催しました(小林泰三に対する最大級の賛辞)
    特に「首なし」がお気に入りです。頭部のほとんどを失った男がそのままの状態で生きながらえているという怪奇小説。まるで見世物小屋の出し物みたいだなと思っていたら本当に見世物小屋の出し物にし始めたので笑った。

  • どの短編も完成度は高いが、グロテスクな描写が苦手な方には向かない小説。それにしても、「密やかな趣味」のオチが直ぐに分かってしまったのが残念…

  • 生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の七編。
    SF作品の評価も高いのだろうと思いますが、やっぱり狂気じみた作品が素晴らしいですね。
    こちらの頭もどうにかなりそうな狂った世界。だけど不思議なことにすっきりした読後感。
    小林泰三は短編がいいなと再認識しました。

  • ホラー。短編集。
    ホラーというのは共通だが、SF、オカルト、妖怪、ミステリ、サスペンスなど、多様なジャンルの要素があり、飽きない。
    「ショグゴス」のSF要素が非常に好き。

  • 短編集。クトゥルフなアレとかアレとか入ってて楽しい。SFからグロまでよりどりみどりで面白かった。

  • 最初の三編『ショグゴス』『首なし』『兆』がすごくよかったです。
    『ショグゴス』寓話的で皮肉の効いたSF短編。南極に現れた謎の海百合型生物と不定形生物。二種の偏った依存関係を否定しながらロボットの人類への奉仕を当たり前とする人類の矛盾。人類側指揮官の倫理感により話が予想外の方向に向かっていくのがすごく面白い。クトゥルフかじってればさらに楽しい。
    『首なし』あごから上を失っても生きている男。その世話をしながら愛を注ぐ女性の狂気に美しさすら感じる。
    『兆』自殺したはずのクラスメートに付きまとわれる女子中学生。自殺の理由を探るうちに深みにはまっていくフリーライター。日常から異界へと足を踏み外していく怖さを丹念に描く正統派ホラー。複雑な構成が上手いし何より怖い。
    『朱雀の池』は、何かのアンソロジーで既読。どうなるんだろうと展開に惹きつけられるものはあるが唐突で後味は悪い。『密やかな趣味』は、目の付け所は面白いけれどグロさ全開で悪趣味すぎてちょっと。『試作品三号』は、SFバトルもの。軽いノリで楽しい。『百舌鳥魔先生のアトリエ』は、これも悪趣味なんですけれど、主人公の驚きと気持ちの変化に同調できる丁寧さがある。当たり前が壊れていく怖さ。

  • SFからホラー(昭和、平成)、ダークファンタジーまで、1冊でいろいろな泰三ちゃんを堪能できる短編集。とくに傑作なのは皮肉もきかせた冒頭の『ショグゴス』。いまだかつてこんなに気持ち悪く、吐き気を催すようなロボットは見たことがない。ここらへんは泰三ちゃんの真骨頂。あとは、最後の『百舌鳥魔先生のアトリエ』は名作『玩具修理者』をほうふつとさせる秀作。逆に、『試作品三号』はちょっとね……好きなのはわかるけど、どうしても白けてしまうからやめた方がいいのではないか。とはいえ、泰三ちゃん入門書としてピッタリな一冊。

  • 「密やかな趣味」と「百舌鳥魔先生のアトリエ」は、いつもの?小林さんらしいグロっぽさで良かった。
    特に「密やかな~」は、完全にオチが分かりつつも、グロいのが書きたいだけなんじゃないかという、流れの不条理感が何とも言えなかった…

  • 2014年読了

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年京都府生まれ。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他の著書に『人獣細工』『肉食屋敷』『家に棲むもの』『脳髄工場』『忌憶』『臓物大博覧会』『人造救世主』など多数。

「2016年 『失われた過去と未来の犯罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

百舌鳥魔先生のアトリエ (角川ホラー文庫)のその他の作品

小林泰三の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェイムズ・P・...
有効な右矢印 無効な右矢印

百舌鳥魔先生のアトリエ (角川ホラー文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする