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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041012185
作品紹介・あらすじ
12万部の大ヒット、NEWS加藤シゲアキ衝撃のデビュー作がついに文庫化!ジャニーズ初の作家が、芸能界を舞台に描く二人の青年の狂おしいほどの愛と孤独。各界著名人も絶賛した青春小説の金字塔。
感想・レビュー・書評
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アイドルが作った小説ってどんな?って感じで読んだら、普通に小説だし、普通に面白かった。デビュー作でこんな文章を描ける加藤シゲアキさんの才能にビックリでした!
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最近気になっている加藤シゲアキさん。
デビュー作を手に取った。
幼なじみの大貴と真吾。2人はスカウトされたことがきっかけで芸能界に足を踏み入れる。しかし、真吾だけが売れていき、2人の間には溝ができる。
現在と過去が交互に語られる。
子ども時代や青春時代の無邪気な描写もあるのに、終始不穏さが漂っていた。
売れた真吾の気持ちも、売れなかった大貴の気持ちも共感できるが故に、2人の間に溝ができていくのは切なかった。
芸能界についての描写はリアリティがあり、芸能活動をされている加藤シゲアキさんだからこその作品だなぁと感じた。
そして、中盤のあるシーンからの衝撃のラスト。
途中で出てきた、あるエピソードが頭をよぎる。
彼の望みは叶ったのだろうか。
✎︎____________
私は私の色を受け入れるしかないのよ。そしてその色をしっかりと見せるの。これが私の色なのよって(p.120)
やらないなんてないから。(p.135)
嬉しかった思いは絶対にある。なのに、あとから身体の奥の一ヶ所が潰されそうになった。(p.135)
魅力的になろうとすればするほどそういうものは損なわれていくのかもしれない(p.190)
僕を作っているのは僕だけじゃないからさ(p.191)
やれることの全てをなるべくやりなさい。やりたいことじゃないよ、やれること。(p.261)
世界はときどき一時停止をしてくれる。
でも芸能界は違う。再生か、停止か、それしかない。(p.274) -
おもしろくて引き込まれてしまった!
芸能界で生き延びる作者だからこそ描ける世界観
足跡は振り返ると消えていて後戻りできない
ラストに二人が見た映像が私にも見えた気がした -
りば(河田大貴)とごっち(鈴木真吾)の物語。
序盤の流れから明るい青春物かと思えば、思わぬショッキングな展開に息をのんだ。
最初の方は、ゆっくり時間が流れ、ひとつひとつが伸ばされてると感じ、頭に入ってゆかなかった。
ことの真相(真意)を求め、徐々に読みにのめり込んでいった。各章に年齢が書かれわかりやすく、この時系がとぶ構成は分かりやすかった。
タイトルの意味もよく考えられていると思った。
第4章でりばがギターで「in my life」を弾く。(私は)聞いてみた、随分久しぶりに。この曲のハイライトともいえる間奏のメロディが鳴り響き頭から離れない(この本を読んでからずっと)。
正直、ストーリーにはどう感想をいっていいかわからない。展開よりも雰囲気、空気、文章の厚み重さ(秀逸な表現)が凄いと思った。
先日、加藤シゲアキさんのドラマを見た。加藤さんの目力の凄さに読んでみたいと思った。ジャニーズで活躍しておられる姿はわからないですが、気になる(興味ある)存在となりました。加藤さんの「言葉」として伝わってきてすごく良かったです。 -
デビュー作。私の中では、小説家:加藤シゲアキ!
なかなか凝った複雑なプロットと、エネルギーに満ちていた。
文庫化に際し、わかりやすい文章に改稿した(あとがきより) そうだが、会話の主を時々確かめたり、遠回しな描写がちょっとキザ(笑)
著者自身も『片肘を張っていた』と回顧されていた。
【以下、ネタバレ】
幼馴染のごっち、りばちゃん、サリー。芸能界で変わってしまった色。元の色彩は飲み込まれ戻らない。
どうしても、三浦春馬を重ねてしまった(T-T)
りばちゃんは、ごっちを演じることで彼の内部に近づけた。でも飲み込まれず大貴として戻ってきたと信じたい! -
著者だからこそ描ける、芸能界の華やかさと危うさ。本当に特殊な世界なんだなぁ、と感じた。
二人のすれ違いの描写が大変繊細に描かれており、かつ最後のシーンは衝撃を受けました。 -
熱量がすごい。
もう最後の方は、ごっちなのかりばちゃんなのか、
演技なのかリアルなのか、境界がわからなくなった。
作者も対談で言っていたが、芸能界の描写がとても丁寧で細かい。フィクションではあるけど、自分の知らない世界が少し垣間見えた気がして、面白く読めた。
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俗にいうタレント本とは違ってた!
まあ、他の人は読まないからわからないが。
手に取ることもないけど、一冊のみならず
何冊かだしているところに興味を惹かれた。
導入部分はなかなか文章に馴染めなかったが
鈴木真吾「ゴッチ」
河田大貴「リバァ」二人の24歳から
9〜11歳そして前後しながら
27歳139日と続いていくそして終わり
お洒落
別に加藤シゲアキだからということではなく
お洒落、都会的センスを感じた
うまい。
仲良し二人が同時に芸能界に入り
一人が上り詰めていくという設定からナイーブな嫉妬、さみしさ、誤解、疎外感
伝わってくる
真吾の姉の話など
絡ませながら肉付けもあり
ブラックコーヒー
シングルモルトとここにも充分オシャレ要素。
天は二物も三物も与える見本。
かろうじて一作は書けたとしても
何作というのは凄い、読んでみたい。
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(旧)ジャニーズ好きのわたしとして、なんで読んでなかったんだー!って後悔するくらい、魅力的な作品。
シゲちゃんの彫刻的な美しい顔から、この文が書かれていると思うと更にすごいなぁーと…語彙力ないけど感じた…
時折出てくる倒置法的な文の構成で、ん?と読み返すことはあったけど、すらすら読めたし、ごっちとの再開の後の急展開はショックでしばらく時間が止まった感じがした…ハッピーエンドに向かうのかと思ったのに…
後半、りばちゃんを通しての、ごっち目線も斬新な構成だったし、答え合わせじゃないけど、お互いの心情がわかり、どんどん話に引き込まれる。
他のも読んでみたい。
んでNEWSのライブも行きたい! -
2人の友情が芸能界という華やかで黒い世界で、どうやって変わってお互いのことを想っていくのかが描かれて、展開も驚いた。
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最初から最後まで一気に読んだ。
私はNEWSのカトシゲしか知らない。彼がこんな小説を書くなんて!!今まで読まずにいたことを後悔した。
りばちゃんとごっち。友情、信頼、執着、嫉妬…二人の間にあった激しい感情たち、それは確実に「愛」だろう。
素晴らしい小説に出会えたことに感謝!! -
改めて読むとこんなにも深い物語とは知りませんでした。加藤シゲアキさんスゴい。
売れっ子芸能人も大変なんだなって思いました。
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面白かった。
様々な側面から描写された、有名税とでも言うような、一般人では気づきにくい生きにくさ。作者の経験もあってか"リアリティ"があり、非常に納得させられながら読んだ。(もちろん、インタビューにあるように相当に悪い方に盛って表現しているのだろうが)
重たい話だから当然と言えば当然なのだが、それでも異様と思えるくらいに胃もたれがしたなという感想。どんよりとした読後感で、それがとにかく後に引いた。
序盤、せっかく時間軸ごとの細かい章立てにしていたのに、さらにフラッシュバックを挟み込んで時系列を崩す構成になっていたのはちょっと嫌気が差していたが、読ませる文章のおかげか自然と気にならなくなっていた。主人公を通して見える人間関係の拗れの描写が絶妙。
芸能人、とりわけアイドルが書いたと話題になる小説には大抵ガッカリしてしまうのだけど、この作者はしっかりと作品を味わえると、個人的に思っている。処女作からここまで良作とは。 -
青春的小説と思いながら読み始めた。が、
その中には成功と挫折 沢山の感情が入り混じり二人の感情が一人のものになっていく。青春というだけではない人間そのもののリアリティを感じられた。
生きること そうでないことの選択って何だろうなぁ どちらを美化するのも難しいしわからない。読後感がほんとにピンクとグレーな感じになった。 -
ラストの撮影のシーンにかけて、だんだんと二人の主人公たちがごっちゃになって融合していく感覚を強く感じた。
読了後、文庫本巻末のインタビューで
“ごっちとりばちゃんは同一人物だって言っても過言ではないくらいなので”
と言っていて答え合わせをしているようでした。 -
本を読んでいると、その世界に入り込んでしまい…まるで目の前で起こっているかのように見えることがある。この本もそうだった。
描写は綺麗なのに、ずっとグレーが続いて、衝撃の展開とともに燻んでいた世界に色があったことを知る。
ひとは扉が閉ざされていった時、その扉はまだ開くかもしれないのに確かめる勇気を持てず、目の前しか見えなくなって、戻るという選択肢も当然無く、ふと窓から飛び降りてしまうのかもしれない…などと思った。
何かひとつ違えば、2人は生きて共演を果たせていただろうか? -
読んでいて心が痛くなった、けれどあまりにも素敵な青春小説。
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現役アイドルが書いた小説、という先入観なり偏見なりを、良くも悪くも持たずに読むことは不可能でしたが、それでもなおかつ、なかなかの良作だと思いました。文章が上手いのは知っていたので、彼が小説を書く、ということ自体に違和感は感じなかったし、比べるのもあれだけど、以前読んだ水嶋●ロの小説よりはセンスも実力も格段に上。
芸能界を舞台にしたことも、経験のないことを知ったかぶりで書くよりは、本人がリアルに体験している業界をリアリティをもって描けるわけで、正しいチョイスだったと思うし、ところどころ、すごく頑張って考えたんだろうなあという「ヒネリ」的なものや、技巧をこらしたり、計算が透けて見える部分もあるのだけれど、アイドルだからってバカにされたくないという彼なりの必死さの表れだと思えばまあ微笑ましい範囲で。
個人的には前半のスタンドバイミーな時代のエピソードが好きだったなあ。伏線の張り方やエピソードの重ね方も上手で、「ごっち」と「りばちゃん」そして「サリー」、どの登場人物もとても愛おしかった。
後半で、ある事件が起こってがらりと作品自体が転換するのですが、この後半部分がキモであると同時に、賛否が分かれる部分でもあるような気がする。主人公にとっては必要な作業だったのかもしれないけれど、読者にとってはちょっとくどかったかな。でもラストはきちんとカタルシスがあったし、オニアンコウのエピソードがじわじわ効いてくるのは良かったです。 -
途中から急な展開があってびっくり。
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全体的に読みやすい。
アイドルとして生きていた彼だからこそ書ける物語だった。そこには彼自身のパトスがあった。
後半は正直驚いた。時系列崩し系文章構成によって騙されていたので、本筋の誘導に上手く乗ることが出来た。
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