ピンクとグレー (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 1772
レビュー : 185
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012185

作品紹介・あらすじ

12万部の大ヒット、NEWS加藤シゲアキ衝撃のデビュー作がついに文庫化!ジャニーズ初の作家が、芸能界を舞台に描く二人の青年の狂おしいほどの愛と孤独。各界著名人も絶賛した青春小説の金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • 芸能界を舞台にした2人の青年の物語。

    めだかと色素の話と、オニアンコウの伏線がとても印象に残っています。
    スターダムを駆け上がるごっちも、堕ちていくりばちゃんもどんどん痛々しくてなっていって見ていられなくなります…

    りばちゃんがごっちを演じ出すところから引き込まれていきました。かなり切なくて悲しくて、恐ろしくもきれい(と私は感じた)最後…がよかったです。きっとこうするしかなかった、と腑に落ちた感じです。

    全然違うけれど、夏目漱石の「こころ」のKと先生の関係を思い出しました。

    文章は読みやすいけど読みにくいという感じでした。
    ちょっとかっこつけている?と感じたのは作者を色眼鏡で見ちゃっているからなのかもしれません。

    あと、タイトルが秀逸だなと!

    インタビューの堂々とした受け答えに好感を持ちました。
    他の作品も気になります。

  • 現役アイドルが書いた小説、という先入観なり偏見なりを、良くも悪くも持たずに読むことは不可能でしたが、それでもなおかつ、なかなかの良作だと思いました。文章が上手いのは知っていたので、彼が小説を書く、ということ自体に違和感は感じなかったし、比べるのもあれだけど、以前読んだ水嶋●ロの小説よりはセンスも実力も格段に上。

    芸能界を舞台にしたことも、経験のないことを知ったかぶりで書くよりは、本人がリアルに体験している業界をリアリティをもって描けるわけで、正しいチョイスだったと思うし、ところどころ、すごく頑張って考えたんだろうなあという「ヒネリ」的なものや、技巧をこらしたり、計算が透けて見える部分もあるのだけれど、アイドルだからってバカにされたくないという彼なりの必死さの表れだと思えばまあ微笑ましい範囲で。

    個人的には前半のスタンドバイミーな時代のエピソードが好きだったなあ。伏線の張り方やエピソードの重ね方も上手で、「ごっち」と「りばちゃん」そして「サリー」、どの登場人物もとても愛おしかった。

    後半で、ある事件が起こってがらりと作品自体が転換するのですが、この後半部分がキモであると同時に、賛否が分かれる部分でもあるような気がする。主人公にとっては必要な作業だったのかもしれないけれど、読者にとってはちょっとくどかったかな。でもラストはきちんとカタルシスがあったし、オニアンコウのエピソードがじわじわ効いてくるのは良かったです。

  • 本業じゃないひとが執筆したとなると、少し斜めに見てしまう。あまり良くないのかも。アイドルグループNEWSの加藤くんの処女作。幼なじみの2人が互いに、自分に無いものを投影し、心が交差し重なりあう青春物語。
    冒頭から比喩表現が目につき、たかが300頁弱の物語だか、そうそうに胸焼け気味となった。「馬鹿にされないように表現の豊富さを訴えたいのかな」って感じた。
    しかし読み進むにつれ、交錯する感情のやり取りがはじまったあたりから、一気に引き込まれた。ストーリーが良いのかな、なんだろ?

  • はじめはもっと綺麗な文章を並べたようなものを想像していたので、パンチのある言葉選びと仄暗い世界観に驚かされました。話も面白く、文章全体から伝わってくる熱量がすごい。アイドル仕事の片手間、という感覚で書いたわけでは決してないんだろうなという感じがしました。
    映画ではどんでん返しものとして作られていたようですが、原作にはそういう要素はあまりなく、割と素直に読めます。タイトルはピンクとグレーですが、どことなくビビッドな読後感

  • 友達が貸してくれた。
    NEWSの人のデビュー作と言うことですが、色眼鏡で見るなかれ。読みやすくて面白かったし、最後の混沌とした感じは結構好き。
    後書きが素直で謙虚で好感触。今まで顔も名前も知らなかったんですがTVにでてたら注目しちゃいそう。

  • 公開時に映画を観て、その構成の妙に衝撃を受けましたが、小説は時系列どおりに物語が進むのですね。
    しかしその分、主人公リばちゃんの心の内が丁寧に描かれていて、ごっちに対する友情、嫉妬などが素直に読み手に伝わってくる。

    多分、先に小説を読んでいたら「ひねりが無いなー」と思ったと思うけど、ひねりが無い=駄作というわけではなくて、芸能界という特殊な世界を素直に書くということは、結構大変なことなんではないかと思う。
    それというのも、時おり「背伸びして書いた?」って思われる描写がみられるのだけど、それはもしかしたら芸能界の常識なのかもしれない。
    自分が所属する特殊な世界を一般化して書くというのは、想像以上に大変なんだろうな。

    映画と小説は、設定が同じでも描いたものは全然別なもので、映画では菅田将暉の狂気を感じて怖くなったけど、小説ではごっちに近付いていくりばちゃんの狂気が恐ろしい。

    なかなかの力作と思います。

  • AmazonのBEST小説100に入っていたから入手。ジャニーズに興味はないし、そうなると、作者がアイドルっていうことに関しては、自分にとって何のプラスもマイナスもないってこと。という訳で、ほぼニュートラルな目線で読めたと思うけど、これがなかなか良かったのです。前半は全然ピンとこず(一人称が変わるまで)、”まあこんなもんかな”と思ってたけど、後半の畳み掛けには結構惹き付けられました。死を絡めるあざとさを一瞬感じたけど、それはこの作品に限ったことではないし、むしろ物語のスパイスとして、かなり有効に作用していると思います。業界人ならではの視点もポイント高いですね。先だって読んだ又吉作品もそうだけど、やっぱり餅は餅屋ってところがあるんですね。

  • 加藤シゲアキはジャニーズ事務所所属のアイドルである。
    2003年にNEWSとしてCDデビュー。
    だが当初9名いたメンバーは徐々に減り、2011年についにNEWSは4名だけになる。
    グループ存続か解散か。
    結論が出ないまま過ぎていく時間の中で執筆された物語が「ピンクとグレー」らしい。

    作家志望の無名の青年が書いた物語としてどこかに公募していたら、もしかしたら入選は難しかったかもしれない。
    けれど、作家自身の経歴を知ったうえで物語を読むと違ったものが見えてくる。
    彼の孤独や叫び、出口を求めて彷徨う魂、そして表舞台で活躍する友人への複雑な思い。
    物語の登場人物と作家の姿や考え方がどこかシンクロして見えてくる。
    どんな世界にいようと自分を見失わないこと。
    簡単なようでとても難しいことなのかもしれない。
    本当に安らげる、自分を解放できる場所があったならと思う。
    ラストは思いがけないもので衝撃的だった。
    生きて、ごっちの分まで生きて、本当の答えを見つけて欲しかった。

    加藤くんはアイドル誌などでエッセイをずっと書いてきた。
    小説という形ではなかったけれど、何をどう伝えたらいいのか。
    この媒体で自分は何を求められているのか。
    よく理解している人、という印象だった。
    他の物語も読んでみたい。そんなふうに思わせる物語だった。

  • ピンクとグレーというタイトルを深読みすると納得する内容
    文章中の言葉選びや巧みな表現は少ないものの、自身が実際に身を置いている世界を舞台にした少しダークなストーリーは読者を引き込む
    色覚異常の話かと思ったが全くそんなことはなかった。しかしピンクとグレーの共通点としてあげられる中間色をうまく扱った2人の主人公に魅せられ読了
    主人公に重ねるようにアイドルとしての自分と作家としての自分を自身の中にしっかりと確立してこれからも作品を書き続けていって欲しいと思った

  • 美しいものには棘があるし、光には影がある。この世のほとんどのモノはそんな二面性を持っていると思うし、しかしその棘や影がスパイスとなりより一層オモテ(私たちの目)に見えるものを輝かせているのも事実だ。作者の言う<再生と停止しかない世界>も然りである。
    私はそんな世界を「美しくも残酷な世界」だと思うし、そこに身を投じた二人の青年の歩む道があまりにも悲惨で、読んでいる途中から現実と非現実の境を思わず見失いそうになった。
    作品全体を通して感じられる“声にならない叫び”は、じわじわとしかし確かに読み手である私の心を蝕んだ。自分が今までの人生を生きてきた中で、どんなにあがこうと、悩もうと、苦しもうと、全く答えの出ない壁にぶち当たったことは幾度となくある。自分が悪いわけではなく、タイミングが悪かっただけのようなこと。だからこそそこに感じる憤りは誰にも向けられず、ただ宙を彷徨ってしまう。そして行き着くのは自分へのバッシングなのだ。ただ最終的に、私には雲が晴れる瞬間が訪れる。「これで良かったのだ」、と区切りをつけられる時がある。そして、その時の感情を経験値にして立ち止まっていた歩みを進めることが出来る。
    しかし彼らは違う。何が正しくて何が悪いのか分からない。永遠と正解のない海を泳ぎ続け、「これで良かった」と評価するのは自己ではない他者。でも歩み続けなければいけないのは、立ち止まった時が自分の寿命、すなわち<停止>を意味するからなのだろう。
    こんな風に思わず投影をしてしまうくらい、この作品には引き込まれるものがあった。この作品のことを<リアリティを持ったフィクション>と作者も巻末に再収録されたインタビューで語っていた通り、触れそうで触れられない・知っているようで知らない世界を垣間見られるところにこの作品の面白味があると思った。
    これは余談であるかもしれないが、この作品を読んで、自分の経験を作品に反映させるという事象を除き、作者が世間的にどんな職業に就いていようが、立場にいようがそれは何ら作品の評価とは関係無いのかもしれないと思うことができた。この作品が色眼鏡で見られることは避けられないのだろうが、そんな斜に構えて読み始めた読者を良い意味で裏切ることができる作品であることも確かだ。

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著者プロフィール

加藤シゲアキ(かとう しげあき)
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。同作は16年に映画化され、大ヒットした。以降『閃光スクランブル』『Burn.-バーン-』(以上、渋谷サーガ3部作)と年1作のペースで執筆を続ける。最新刊は『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』。NEWSのメンバーとして芸能界でも活躍の場を広げ、近年はドラマやバラエティ、情報番組などに出演し、アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

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