ピンクとグレー (角川文庫 か 66-1)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012185

感想・レビュー・書評

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  • 大阪から引っ越してきた河田大貴(りばちゃん)と鈴木真吾(ごっち)、二人は出会ってからずっと仲良し。そしてそれが永遠に続くと思っていた。

    リアルな都会に暮らすイケメン男子の物語。1mmのズレのない等身大のイケメンをリアルに描くってわりと難しい、と思うけど、さすがジャニーズトップアイドル。私小説なのかってぐらいにリアル。高校生がさらっと雑誌社の人に声をかけられてさらっと読者モデルをこなしてしまう。そこからトントン拍子で一人は芸能界のトップの道へ、もう一人は…。

    NEWS加藤君の初小説。ハードカバーで読み切れなかったので文庫でチャレンジ。文庫化にあたり改稿されたということで読了できました。『オルタネート』の評価といい若い人を描くのがうまいのかな。

  • 文庫版を読んだけど、最後のあとがきが良かったなぁ。

  • 青春というか葛藤というか
    時代がコロコロ変わるので
    把握するのに時間がかかりました
    最後の方は、りばちゃんの視点なのか
    ごっちの視点なのか
    でも全体を通して綺麗なお話だと思う
    「やらないなんてない。」
    この言葉はこれからも心に残りそう

  • 伏線がどんどん回収されていき、物語が進むにつれ引き込まれていきました。後半はあっという間だったように感じます。
    終盤はきっとこういう結末を迎えるんだろうな、と思いながら、やめてくれと心を痛めながら読みました。
    切なく、胸が苦しくなるお話でした。

  • 著者がアイドルだからと敬遠していましたが、新作が直木賞候補にノミネートされたのということで読んでみました。文句なく本当にいい作品でした。芸能界での光と影、前半はりばちゃんの思いが、後半はごっちの思いが繊細に描かれていて、それぞれに共感ができ一気に読了。それぞれが別の道を進み始めるまでの描き方が平凡だけど緻密で情景が頭に思い描きやすい。生死は別として、こんな友情、誰でもいいなと思えるんじゃないかな。

  • 公開時に映画を観て、その構成の妙に衝撃を受けましたが、小説は時系列どおりに物語が進むのですね。
    しかしその分、主人公リばちゃんの心の内が丁寧に描かれていて、ごっちに対する友情、嫉妬などが素直に読み手に伝わってくる。

    多分、先に小説を読んでいたら「ひねりが無いなー」と思ったと思うけど、ひねりが無い=駄作というわけではなくて、芸能界という特殊な世界を素直に書くということは、結構大変なことなんではないかと思う。
    それというのも、時おり「背伸びして書いた?」って思われる描写がみられるのだけど、それはもしかしたら芸能界の常識なのかもしれない。
    自分が所属する特殊な世界を一般化して書くというのは、想像以上に大変なんだろうな。

    映画と小説は、設定が同じでも描いたものは全然別なもので、映画では菅田将暉の狂気を感じて怖くなったけど、小説ではごっちに近付いていくりばちゃんの狂気が恐ろしい。

    なかなかの力作と思います。

  • 加藤シゲアキはジャニーズ事務所所属のアイドルである。
    2003年にNEWSとしてCDデビュー。
    だが当初9名いたメンバーは徐々に減り、2011年についにNEWSは4名だけになる。
    グループ存続か解散か。
    結論が出ないまま過ぎていく時間の中で執筆された物語が「ピンクとグレー」らしい。

    作家志望の無名の青年が書いた物語としてどこかに公募していたら、もしかしたら入選は難しかったかもしれない。
    けれど、作家自身の経歴を知ったうえで物語を読むと違ったものが見えてくる。
    彼の孤独や叫び、出口を求めて彷徨う魂、そして表舞台で活躍する友人への複雑な思い。
    物語の登場人物と作家の姿や考え方がどこかシンクロして見えてくる。
    どんな世界にいようと自分を見失わないこと。
    簡単なようでとても難しいことなのかもしれない。
    本当に安らげる、自分を解放できる場所があったならと思う。
    ラストは思いがけないもので衝撃的だった。
    生きて、ごっちの分まで生きて、本当の答えを見つけて欲しかった。

    加藤くんはアイドル誌などでエッセイをずっと書いてきた。
    小説という形ではなかったけれど、何をどう伝えたらいいのか。
    この媒体で自分は何を求められているのか。
    よく理解している人、という印象だった。
    他の物語も読んでみたい。そんなふうに思わせる物語だった。

  • ピンクとグレーというタイトルを深読みすると納得する内容
    文章中の言葉選びや巧みな表現は少ないものの、自身が実際に身を置いている世界を舞台にした少しダークなストーリーは読者を引き込む
    色覚異常の話かと思ったが全くそんなことはなかった。しかしピンクとグレーの共通点としてあげられる中間色をうまく扱った2人の主人公に魅せられ読了
    主人公に重ねるようにアイドルとしての自分と作家としての自分を自身の中にしっかりと確立してこれからも作品を書き続けていって欲しいと思った

  • 大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが…。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。

    映画の構成がすごく良かったから期待しすぎたー笑

  • 前半の幼少期~高校くらいまでが長く、読むのにだいぶ時間がかかってしまった。だが、そこの部分がしっかり描かれているからこそ、主人公に対する解像度が高くなりどんどん物語にのめり込んだ。率直に面白かった。
    舞台に魅せられたごっちのお姉さんも、ごっちも、主人公も、後を追うように自ら命を絶つところにゾワッとした。(主人公が命を絶ったという直接的な描写はないけれど、最後の数ページで主人公の死を感じた。)

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2022年 『1と0と加藤シゲアキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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