リケジョ! (角川文庫)

  • KADOKAWA (2014年2月25日発売)
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本 ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041012208

作品紹介・あらすじ

貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!

感想・レビュー・書評

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  • 理系大学院生と家庭教師の生徒(ともに女子)を中心に、ささやかな日常の「事件」を、科学の用語を出しつつも結局は現場・現物と人間的機転で解決していくストーリー。

  • 「リケジョ」という題より単行本のときの「プチ・プロフェスール」という題のほうがいい。「プチ・プランス」(星の王子さま)だからね。物理学を専攻する大学院生の律と小学生の理緒が身の回りに起こる事件を解決する連続短編。二人が物理学の話をするうちに、ふっと律の頭に真相が浮かぶのだ。最後の短編は、律の小さい頃の謎を解決するちょっと感動的なお話だ。普通に考えると律は無茶苦茶頭いいというか、推理力ありすぎかな。設定も無理っぽいところもあるけど、まあいいか。

    • やまさん
      goya626さん
      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代...
      goya626さん
      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代小説はよく読んでいますが、中には字が小さくて読めない本もあります。
      風烈廻り与力・青柳剣一郎は、2016.12.11に1巻目を、字が小さいですが最初なので無理して読みました。
      次は、何とか読める最小の字の大きさの12巻から読んで行きました。
      すごく面白いですよ。
      やま
      2019/12/08
  • 大きな教授の律(理系大学院生)と小さな教授の理緒(小学生)、2人の「リケジョ」のバディもの。

    墓地でカツアゲをする中学生、電波を送るストーカー、野良猫事件、大学内の殺人事件、をカガク的な立場から解決していく。電波を送るとか、気持ち悪かった・・。

    ハンダゴテ、FMラジオの電波、ペットボトルのロケット、色覚の話、虹が見える条件など、興味深いエピソードもあって良かった。

    個人的には主人公の理緒とビッグママ、ロケットをつくる才田くんのキャラが良いな、と思いました。あとは理緒の家の運転手の恵人。
    特に才田くんは、理屈っぽい感じですが、自分の興味にまっすぐなところが良いなと思いました。そこは理緒と同じですね。
    恵人と律のささやかなふれ合いの描写も良かった。これからこの2人はどうなるんだろ?って気になった。
    あと、理緒の家の住み込みのトキノさんは、理緒のことを「いとはん」と呼んでいましたが、なんでかな?とずっと気になっていました。結局、その理由の描写はなく、今もちょっとモヤモヤしてます(笑)。

    最後の章の「四○二号室のプロスフェール」はとても良かった。律が理緒の家庭教師になったいきさつがステキなストーリーで描かれていました。そんな接点があったから、律は家庭教師になったんですねぇ。ご都合主義的ではありますが。

    律は、無事に留学に行けることになったのは良かったけど、理緒は寂しそうでした。出会いと別れですね。

    この「リケジョ!」のストーリーには、「星の王子さま」と「不思議の国のトムキンス」という本が重要な存在。「星の王子さま」は読んだことがあるのですが、「不思議の国のトムキンス」は知りません。どんな本なのか、とても気になりました。

    ハンダゴテを握りしめた理緒は誰よりも勇敢なヒーロー。そしてその理緒を見守る律。2人ともカッコいい「リケジョ」でした。

    律が留学から帰ってきて、理緒が成長して本当の意味でのリケジョになったくらいのタイミングでの続編が読みたいな、と思いました。

    伊予原作品は初めて読みましたが、面白かったです。別の作品も読んでみようと思いました。

  • 伊与原新「リケジョ」読了。伊与原さんの著作には良質な科学ネタが溢れているから好きだ。今回は、はんだごて片手に奮闘する小学生の女の子と家庭教師の先生のコンビの短篇集だった。SETI@homeが出てくる恋するマクスウェルが良かった。最終話でこれまでの伏線を見事に回収し素晴らしい大団円だった。

  • 面白いのだけれど、ミステリーとしても、ドラマとしても少し物足りなさを感じた。
    登場人物たちにもっと動いて欲しかったし、関係性を深めて欲しかったのかもしれない…

    好きな作家さんなので、他の作品も読み進めたい。

  • 表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
    来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
    留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
    理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。

    通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
    大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
    近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
    大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
    律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。

    人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温かい。
    理緒が繰り返し言う「リケジョだからね!」最初は皮肉まじりに苦笑していたのに、だんだんと胸を張っていくような。
    理系あるあるなのかも、というカタカナの難しい説明もあるけれど、言い伝えの昔話、アリス、オズの魔法使い、星の王子さまに絡めて進むので、読みやすく楽しい。

    「悲しくて寂しくてどうしようもないきもちがあっても、毎日ちょっとずつ近くに寄っていって、飼いならすの。そしたら、いつかきっと、そんな気持ちとも仲よくなれる」

    「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね」

    「リケジョを磨いときなよ!」

  •  10年程前にリケジョなる言葉がちらほら聞こえてきたが、その頃に刊行された作品。旬の時期に読んでいたかった。捻くれた少年が猫殺しの犯人と疑われる話が面白かった。文系人間にとっては感心してしまう雑学が満載で、それだけでも結構楽しめる。キャラクターがしっかり作られているので、鼻につくような言動もなく好感が持てたのも高ポイント。難しくてついていけないテーマも正直あったが、ほとんどが興味を持てる日常の謎を解説してくれている。殺人事件の動機が陳腐過ぎる点だけが残念。

  • リケジョ 楽しそうな題名に惹かれます。
    感動もありました

  • 素直に、楽しいストーリーで、理科の説明もわかりやすくて、好き。
    最近海外の裏切りのひどいドラマばかり観てたせいか、心が洗われる気がした。よい。

  • 平成ラブコメって感じでよかった。

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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