リケジョ! (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012208

作品紹介・あらすじ

貧乏大学院生で人見知りの律は、不本意ながら成金令嬢・理緒の家庭教師をすることに。科学大好き小学生の理緒は彼女を「教授」と呼んで慕ってくる……無類に楽しい、理系乙女ミステリシリーズ誕生!!

感想・レビュー・書評

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  • 理論物理学を専攻する貧乏大学院生の仁科律、いわゆる「リケジョ」と、彼女を『教授』と慕う小学4年生・馬渕理緒が、五つの"事件"を解決してゆく連作短編集。第5章「四○二号室のプロフェスール」で、なぜ律が理緒の家庭教師として採用されたのかが分かり、ハッピーエンドで終わってとても良かった。

  • 「リケジョ」という題より単行本のときの「プチ・プロフェスール」という題のほうがいい。「プチ・プランス」(星の王子さま)だからね。物理学を専攻する大学院生の律と小学生の理緒が身の回りに起こる事件を解決する連続短編。二人が物理学の話をするうちに、ふっと律の頭に真相が浮かぶのだ。最後の短編は、律の小さい頃の謎を解決するちょっと感動的なお話だ。普通に考えると律は無茶苦茶頭いいというか、推理力ありすぎかな。設定も無理っぽいところもあるけど、まあいいか。

    • やまさん
      goya626さん
      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代...
      goya626さん
      こんにちは。
      『蜻蛉の理 風烈廻り与力・青柳剣一郎』への、いいね!有難う御座います。
      小杉健治さんの本は、時代小説はよく読んでいますが、中には字が小さくて読めない本もあります。
      風烈廻り与力・青柳剣一郎は、2016.12.11に1巻目を、字が小さいですが最初なので無理して読みました。
      次は、何とか読める最小の字の大きさの12巻から読んで行きました。
      すごく面白いですよ。
      やま
      2019/12/08
  • 面白いのだけれど、ミステリーとしても、ドラマとしても少し物足りなさを感じた。
    登場人物たちにもっと動いて欲しかったし、関係性を深めて欲しかったのかもしれない…

    好きな作家さんなので、他の作品も読み進めたい。

  • 表紙の印象とは違って、しっかりした?ミステリー。
    来年、コペンハーゲンに留学が決まった院生の律。
    留学費用に悩んだ律に、お金持ちの令嬢、理緒の家庭教師の話が。
    理緒は理科が大好きな小学生で、律を「教授」と呼んで次々と謎解きに律を誘う。

    通称「投げ出し墓」に出没する足の幽霊の正体は。
    大学の説明会にやってきた女子高生のストーカー事件。
    近所で続く猫の不審死と怪しげな行動の少年。
    大学の研究室で起きた殺人事件の犯人は。
    律が幼い頃に病院で出逢った少女の秘密。

    人と距離を置き、華やかな女子に疎外感を感じる律が、理緒や理緒の周りの人々との交流や、事件に巻き込まれて、だんだんと角がとれてくるのが温かい。
    理緒が繰り返し言う「リケジョだからね!」最初は皮肉まじりに苦笑していたのに、だんだんと胸を張っていくような。
    理系あるあるなのかも、というカタカナの難しい説明もあるけれど、言い伝えの昔話、アリス、オズの魔法使い、星の王子さまに絡めて進むので、読みやすく楽しい。

    「悲しくて寂しくてどうしようもないきもちがあっても、毎日ちょっとずつ近くに寄っていって、飼いならすの。そしたら、いつかきっと、そんな気持ちとも仲よくなれる」

    「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところだからね」

    「リケジョを磨いときなよ!」

  • 物理学の大学院生の律と理科好き小学生の理緒。謎を謎のままにしておけないリケジョ2人が、身近な事件の真理を追求。リケジョ愛にあふれる連作短編集。
    科学的な会話が多くても、事件が殺人でも、ハンダゴテ片手に謎解きに挑む理緒がかわいくて、全体的にほのぼの。

    個人的には「402号室のプロフェスール」はなくてもよかったかなあ。

    「不思議の国のトムキンス」
    「もしも月がなかったら ありえたかもしれない地球への10の旅」

  • 科学は全く詳しくないため少し難しく感じた部分もあったが、個々のキャラクターが魅力的で最後の手紙でグッと惹き付けられた。

    科学で日常の謎を解決!のイメージで読み始めたが
    人と人との繋がりもあって良かった。
    コペンハーゲンから帰ってきた話も読んでみたい。

  • 天体に関する大学院でコペンハーゲンに留学したい律は、個人塾のアルバイトをしながら生活費を稼ぐ。そんなある日、律のもとに驚くべき待遇のアルバイトが舞い込んだ。小学校4年の理緒の家に住み込んで、家庭教師を行うというものである。そんな中、塾でとある墓場に幽霊が出るとの噂を聞き、律と理緒は解決に乗り出す…。

    理系、研究絡みの小説はハズレばかりの法則があるが、これは割と読める作品であった。というのも、作者のバックグラウンドである天体の話だけでなく、物理や化学、生物といった、理系全般に渡る作品になっていたからだろう。だいたいこういうタイトルの作品は、作者のバックグラウンドから出ることができずに、何故か数学だけ、なんて言う話になりがちだ。

    短編4篇?5篇だっけ?
    というのは、各作品の印象の薄さが原因となっている。それぞれの作品はがんばって最初に思いつくトリックを打ち崩すようにトリックを考えてはいるものの、犯人等の人選びに難が多い。その人を犯人にしないほうがいいんじゃない?とか、その程度で殺す?など。

    また、盛り上がり部分のメリハリが少ないため、その解決で良いの?と思わせるものも少なくないし、最後は読者は皆途中で読めているのに、ダラダラと告白の手紙で引っ張ったのは、何だったんだろう?

    印象に残ったのはチシャ猫の話で、その他は事件をあまりあんが得なくて良いし、考えすぎると薄っぺらく感じてしまうものだ。

    でもまあ、理系モノにしては面白かった。ただ、タイトルは「リケジョ何とか」くらいの8文字くらいにしてほしかったな。

  • そそるね!
    理系脳の俺からすれば、フレーズから痺れたわー
    物語の回収作業もバッチリで余韻の残る感じでクールでした。

  • 良かったです。
    僕も理系です。

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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