夢違 (角川文庫)

著者 : 恩田陸
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年2月25日発売)
3.37
  • (30)
  • (78)
  • (116)
  • (29)
  • (7)
  • 本棚登録 :996
  • レビュー :90
  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012239

作品紹介

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。夢が記録されデータ化される時代、「夢判断」を手がける浩章のもとに、夢の解析依頼が入る。こどもたちの悪夢は現実化するのか?

夢違 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 夢を記録する事のできる未来。夢判断という職業の主人公が、かつて予知夢を見ていると認められた女性の「幽霊」に翻弄される。
    この話の世界観は結構好みで、一気に引き込まれたのだが、最後の方はやや無理やり感が否めなかった。集団ヒステリーや神隠しなどの結局の理由がいまいち分かりにくかったり。実は最後のシーンは主人公の夢なのでは?という気もするし…なんだかちょっとモヤモヤが残る読了感。

  • 10合目まであるつもりで登ってたら8合目が頂上だった、みたいなところがある恩田陸。

  • みなさんレビューしている通り、途中からわけがわからなくなりました(笑。でもそのわけのわからなさを「恩田さんの作品」として受け入れているファン(?)のみなさん。私は正直ダメでした…『六番目~』『Q&A』『MAZE』は面白かったのに。序盤のわけがわからないながらも不気味で引き込まれる感じは『MAZE』同様、期待が盛り上がったんですけど…結局ラブストーリーになっていったような。
    浩章、奥さんいるくせに、存在が途中からどっか行っちゃってる(笑。最後の章の意味がわからないってみなさんも言ってたけど、私も不満。二人、夢の世界で会ったにしろ、現実で会ったにしろ…奥さんはどうしたの?(←瑣末なことをいつまでも突っ込むなって?)

    ドラマ『悪夢ちゃん』が面白かったので読んでみたんですけど…そういえばこちらが先に書かれていた。なので「夢札」「獏」「古籐結衣子」の設定を借りてきたのみとわかった。
    ドラマファンの人が読むと肩透かし食らうかも。

  • 「夢札」「夢判断」。
    何となくドラマ「悪夢ちゃん」に似ているなとは思った。
    けれど内容的にはまったく違う設定や展開だし、まさかと思っていたので原案と知って驚いた。
    別物と考えてどちらも楽しんだほうがいいようだ。
    「夢判断」を長年やっていると現実と夢の境があやふやになっていくという言葉。
    怖いなと思うと同時に、もしも現実に「夢札」を引けるようになっても私は絶対に引かないなと。
    自分自身が気付いていない自分を突きつけられるような気もするし、予想とかけ離れた「夢判断」がされたらショックを受けそうだからだ。
    知らないで済むものは知らなくていい…そんな気がする。
    「予知」とはだいたいにおいて不吉なものを指す。
    災害であったり大惨事であったり。
    そして、的中率があまりに高いと不安感から人は「予知」をした人間が不吉なものを呼び寄せていると思うようになる。
    とくに日本では「言霊」という考え方もあり、土壌的にそういう考えが受け入れられやすいのだろう。
    結衣子の特殊な能力。
    良い方向へ活かそうとした結衣子の思いは結局叶わない。
    いつか現実となりそうな部分を含みながら、不気味さと切なさが同居しているような物語だった。

  • 何処か郷愁をそそる恩田陸特有のノスタルジックな作風。とってもきれいなラブストーリーなんだけど、何か物足りない。結末も事件が結局解決されないせいか、どうもしっくりこない。

  • 初めのうちは、幽霊が出てきているのかと思って怖かったけれど、読み進めていくうちに、悲しみ・・・というか、切なさがこみあげてくる感じでした。
    何のための出来事かわからない部分もあったけれど、読み始めたら止まらなくなって、一気に読破。

  • 常野物語シリーズかと思ったら集団的無意識の話で、オカルトかと思ったら恋愛小説だった。半分読む前に「これはアレだな!」と思った通りに恩田さん通常営業の風呂敷たたまなさで。あの恩田さん好きにとっては大好きな、恩田さん苦手な人にとっては苦手な要素になるいつもの雰囲気。もちろん好き。最後の一章の前までで、どんな結末にしてもどうでも良くなるくらい恩田さんワールド詰め込んであってすごくおもしろかった!余談だけど、日本サッカー協会のシンボルマークの鳥がやたがらすなのを初めて知った。

  • 20140427

    p74
    自分の書いた字をきちんと見て直し、上達するためには、冷静な事故客観性が必要なのである。

    p344
    どこかに出かけても、いつも電源の場所やちゃんと電化製品ごとのアダプターを持ってきているか気にしていなくてはならないことに、時々うんざりする。世界は本当に便利になっているのか。本当に以前よりも進んでいるのか。
    可視化されなければ考えたり悩んだりすることもなかったものをーー

  • 終盤までの、ゾクリとさせられる展開やその文章にページをめくる手が止まらなかった。


    --- 以下ネタバレと勝手な考察


    最後は現実?アレって何だったの?八咫烏は?早夜香が生まれ変わりというのはミスリード?えっ…妻の事は…?など、疑問が残る終わり方だった。

    もやもやしたので、もう一度パラパラと読み返して自分の中で無理やりだけど折り合いをつけてみようと思う。
    「外側の自分・内側の自分」や早夜香の言った「外側のみんな」というのは、外側=集団的無意識、つまり夢の中に登場する自分のことなんだろうか。夢札を引くことで、集団的無意識が可視化される・されやすくなる。可視化されるということは、夢から覚めた状態でもそれが視えてしまうということ、それが夢札酔いとか幽霊(人、物、場所の過去)が視えることなのか(なぜ過去が視えるのかはわからない、結衣子には未来も視える)。

    さらに結衣子は夢を見ている間、夢札を引いたことがある人を経由して集団的無意識として現実世界に可視化される(事件後に結衣子の姿を見た人)。またはその人の夢に出る場合もある?(夢を変える方法を探していると言った)。

    それとは別に、神隠しとは結衣子の夢に取り込まれることだとしたら、序盤の小学校での集団パニックの話(早夜香のクラス)は結衣子の視ている夢の未来の三月十四日にいたということになる。その結衣子の夢の世界は子供の頃から視ている夢とつながっていて(鳥の足を山に埋めている夢)、その顔が生えた生物が八咫烏で子供達が怖がっていたアレなのか。(「教室には外側のみんながいるから入りたくない」という意味はわからない)

    そして野田は結衣子が夢を視ている近くにいたからか、夢判断で自分の夢札も引いていたからか、結衣子の夢と同じ光景をちょくちょく視ていた(教室の光景や吉野の桜、水仙など)。夢札で結衣子の隣に野田のズボンと靴が映ってたり、出会う人が野田の顔を見てハッとするのは、結衣子が夢の中で野田と一緒にいるから。これは終盤で、野田が結衣子の夢に干渉できたと鎌田に言われていたが野田が自発的に何かしているわけではなさそうだけど、結衣子が望んでいたからなのか。

    ぜんぜん整理できない!
    とりあえずp256の結衣子の寝言は未来の展開、終盤のシーンのことかなと。「あっ」「あれ_」「あなた」「どうしてここに」は、後に野田がホテルで窓ガラス越しに背後の結衣子を視たシーンと繋がるんじゃないだろうか(「あっ」という形に結衣子の口が開く)。

    「どの春に?」「わかった 待ってる (「上で」の意味は不明)」と「あの春に」というのが、小料理屋で霧が消えた後、屏風の西行の歌にあった「春」「きさらぎの望月のころ(旧暦の二月十五日は現在の三月下旬〜四月初旬)」のことだとしたら、夢違観音で野田と結衣子が再開する三月十四日って日付はどうなの?!って思った。

    結局、現実世界で結衣子の体は死んでしまったが、夢を視ている世界に存在していて、集団的無意識として現実世界にも干渉可能な存在になった。結衣子は予知夢じゃない幸せな夢を見続けることができて、野田は結衣子が幸せならオッケー!で、岩清水は結衣子がそんな超越した存在になったら社会がおかしくなると思い止めようと思っていたけどダメだったー!っていうことだろう。

    あとはっきりしないのは
    ・白い犬と鳥居の真ん中に佇んでいた物
    ・直接結衣子に祝詞を教えたという事実は書かれていないけれど、やはり夢を変えることはできなかったのか(昔の夢札を見ての「なんで変わってないんだろう」)、夢を変える=予知夢を見なくなることならその目的を達成したということなんだろうか。
    ・野田の妻が見たという、結衣子にコンコンと説得される野田の夢

    でしょうか。解説や考察がほしい…

  • よくもわるくも恩田作品。

    夢を映像化することができる世界。
    それを分析する主人公…

    なんてユニークな設定!
    あらすじを読むだけでわくわくしました。

    東京から岐阜、名古屋、奈良…と
    ストーリーの中で主人公たちが
    いろんなところへ行くので
    小旅行気分も味わえます。
    赴く理由や目的がヘビーなので
    観光どころじゃないですけどね。

    恐ろしい予知夢や悪夢、神隠しにタイムスリップ、
    不気味に蠢く怪しい影、監視カメラや窓に映る幽霊…
    ホラー要素が満載で、ぞっとなる場面がいくつもあります。

    登場人物たちは連日の悪夢や怪奇現象、
    そして職業病である“夢札酔い”に悩まされているのですが、
    この本を読んだ自分が今日から悪夢に魘されそうです。

    オチはなんとも言えない曖昧さ。
    解決されない謎が多すぎてもやもやが残ります。



    『終章 夢違』について。

    三月十四日、月曜日。あの春に。
    嫌な夢をよい夢に変えてくれる夢違観音。
    ふたたび出会い、触れ合う二人…。

    もしこれが現実世界での出来事なら
    不自然な点が多いうえ、バッドエンドな気がしてなりません。
    (特にハッピーエンドを求めているわけではないのですが)

    たとえばこれが現実ではなく夢の世界での出来事で、
    両者もしくは浩章か結衣子どちらかの夢に
    ふたりがアクセスしたとするなら…

    浩章の夢の場合
    既婚者なので、奥さんのことを考えると
    いくら初恋の人が相手とはいえちょっと嫌な終わり方。
    集団的無意識の一部となった結衣子に介入されたのか?
    そしてそのまま連れて行かれたのか?

    結衣子の夢の場合
    今まで悲惨な予知夢しか見てこなかった彼女の
    最後(晩年)に見ていた幸せな夢の内容が、
    このラストシーンであればいいなと思います。
    とは言っても、さすがに自分の夢の世界に
    他人を取り込んでしまうのは…うーん…。
    それが無意識だったとしても、怖いものは怖い。

    P256~257に書かれているエピソードが
    この夢の予知夢だったのかな、と。
    夢の予知夢ってのも不思議な話ですが。



    久しぶりに恩田さんの本を読んだのですが、
    「そうそう、恩田さんといえばこの感じ」
    …と再認識しました。笑

    近頃読んでいた他の作家さんの本はほとんど
    ラストまでに伏線をきっちり回収して
    すっきり終わるお話が多かったので、
    余計そう感じてしまったのかも。

    読んでいてなんとなく
    『球形の季節』を思い出しました。
    都市伝説や神隠しからの連想?

    あと『ネクロポリス』も。
    八咫烏が出てきたからかな。
    それにしても人面八咫烏って怖すぎる…。

    なんにせよ、とにかく恩田さんの作品は
    境界線があやふやで不透明な世界に行き着くお話が多く、
    オチもはっきりせずにもやもや終わるのがデフォルト
    …と言っても過言ではないので、
    そういったものが苦手な方にはおすすめできません。

    すこし癖のある、幻のような曖昧な世界に浸って、
    雰囲気をたのしむにはもってこいだと思います。

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