夢違 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.39
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本棚登録 : 1869
感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012239

感想・レビュー・書評

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  • 読みたくなるストーリー、語り口。デビュー作を読んだ時から自分は相性の良さを感じていました。

    ミステリー作家としてはどうなんだろう。兄の存在、消えた人たち、ヒロインとの関係性。これらに張られた伏線の数々。なんだか消化不良のまま本書を閉じることになりました。

  •  夢の話。夢札をひく世界。結衣子はいきているのかわからない。探しているあいだにも事件が起こる。夢札が正しいかどうか迫られる。綺麗なミステリー。少しの怪しさがある。その怪しさが僕を駆り立てた解説者が占い師。

  • 恩田さんらしい作品です。夢を映像で記録するとか、その解析を生業にした主人公とか、かつて事故で亡くなったはずの女性の幽霊とか、小学校で頻発する集団白昼夢に神隠し・・・。これでもかと言わんばかりのオカルト的な要素を盛り込みながら、ぎりぎりのところで破綻せず一定水準のエンタテイメントに仕上げているあたりはさすがだなあと感心しました。
    一方で、たくさんの事件や謎が印象的な仕掛けとともに現れはするのですが、例えば神隠しにあった子供たちの帰結とか、ラストシーンもですが、最終的にはやっぱりそうするしかないのねという感じで、導入部と比べてインパクトに欠けるように思えました。ある種の超常現象を扱っていながらも一面ではすごく理屈っぽかったりするところや、盛り上げてもよさそうなところでさらっと流されていたりするあたりも、意図的に王道から外しているのだと理解しつつもあまり乗り切れず。結衣子が主人公の兄の婚約者という設定も十分に生かされていないように感じますし、何よりサスペンスを標榜している割にほとんど悪意を感じないところが物足りなく思えました。
    総じて、読んでいる間のワクワク感はあんまり無かったかなあというのが読後の印象で、そういう意味では次の長編である『夜の底は柔らかな幻』のほうが個人的には好みであります。

  • 奈良に行きたくなった
    観音様みてみたい
    奥さんの元に戻ってほしかったと思うラストに私は思えたけど
    ほんとのところはどうなったんだ?とも思える

  • 2019.1.11(金)¥200+税。
    2019.1.15(火)。

  • 夢を可視化する機械が発明された近未来の話です。

    現実と非現実というか、実体と非実体というか、そういうものが入り混じって渾然一体となった世界の、こちら側から見える限界付近までを描いた話。

    もやもやしたものをもやもやしたまま受け入れられるのなら本書はおすすめですね。ユングの心理学とかででてくる、意識と無意識との境界あたりの話が好きな人にはいいかも(それって自分か?)
    20150430

  • 赤の書を読んでみたい

  • 「夢を可視化する」という、それこそ夢のような、でも、いつかは現実でもそうなるだろうと確信が持てるような、不思議なテーマ。
    靄がかかったように全体が見通せなくて、何だかわからないけど、何かが近づいて来るじわりとした恐怖を感じるお話でした。今こうしてレビューを書いている自分は本当に現実にいるのかな、となんだか心許ないです。不思議な読後感。

    同じようなテーマを扱っている作品というと、映画『パプリカ』を思い出します。
    「夢を目で見る」というのは、人間の大きな夢なのだろうな、と思います。その夢の先に、どんな現実が待ち構えているのか、恐ろしいような、わくわくするような、なんとも言えない心地です。

  • 【潜在的な能力と無意識なる意識の集合性】

    まぁ、他のレビューをちらっと拝見した感じで最後がどうなるのかはもう書かなくて良いように感じた。

    他で薄らと感想を書いてしまったので他に何か言いたいこともない。

    ただ、テーマとしてだけ見れば、見ることと見えること。見て理解し、見たままを記憶することは皆似ているようで全く異なっている。そもそも見えるものが全てでもない。私たちは見なくても良いものは見ないように出来ているのだから。

    さて、まぁ。読者というものは常に置いて行かれるものだからね。答えは自分の中に見つけよう。

  • 風呂敷のたたみ方<読んでる最中の夢中になる感じ。読後感想は結局おもしろいであった。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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