本をめぐる物語 一冊の扉 (角川文庫)

  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 764
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012581

感想・レビュー・書評

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  • 本にまつわる短編集。
    中田永一、宮下奈都、原田マハ、小手鞠るい
    朱野帰子、沢木まひろ、小路幸也、宮木あや子。

    短編集を読んでいていつも思うのは
    結局好きな作家さんのが一番好きだな、と
    再認識するなぁ~ということ…
    文章の好みってあるんでしょうね。

    「メアリー・スーを殺して」(中田永一)
    創作における作者の願望が不快なほどに投影された
    キャタクター、メアリー・スー。
    愛する作品の二次創作に燃える私はもっと
    小説がうまくなりたい…!とメアリー・スーを
    殺すことにしたのだ。

    「旅立ちの日に」(宮下奈都)
    一人暮らしをすることになった愛に、父は一冊の
    本を手渡した。ただの普通の女の子が生活するだけの
    平凡な本…しかし、一日少しずつ読み進めている
    うちにその本が、家で待ってくれているような
    温かな気分になったのだ。

    「砂に埋もれたル・コルビュジエ」(原田マハ)
    認知症の父を介護する眞砂子。徘徊する父を
    探しに出る間、父の大切にしていた
    建築書の話を思い出していた…

    「ページの角の折れた本」(小手鞠るい)
    その作家の本をあなたは読んだことがなかった。
    その女性作家は長編小説を書き上げたあと
    作家が事前におこなうべきすべての作業を終え
    自宅の仕事部屋で首をくくって死んだ。
    この作品の装幀家はあなたしかいない、と
    生前言い残していたという。

    「初めて本をつくるあなたがすべきこと」(朱野帰子)
    「本を執筆することになった」面倒そうに言う夫に
    私は「断ればいいじゃん」と言った。
    「…もっと喜んでくれると思ったのにな」
    読み違えた…!そっちだったか…!
    “察してちゃん”である夫の相手は大変なのだ。

    「時田風音の受難」(沢木まひろ)
    女性向け官能小説の賞を受賞した42歳無職
    十人並みの容姿の風音。実家が資産家なので
    実家の離れに居候。やる気のない風音のプロットに
    ボツを出しまくっていた担当編集が突然
    家にやってきた…

    「ラバーズブック」(小路幸也)
    アメリカの荒野の中にポツンとあるカフェレスト
    「メイリー」の席のひとつには読みかけの本が
    置いたままにしてある。読んでいた人が今にも
    戻ってきそうでもあり、しかし、本はそのままの
    形で日に焼け色あせていた…

    「校閲ガール」(宮木あや子)
    学生時代から景凡社の雑誌で育った来た悦子は
    採用面接で面接官が引くほど熱く語り
    念願かなって景凡社に採用されるが
    配属されたのは校閲部だった…

    やはり好きだな~と思ったのは中田さん。
    うわぁ、こんな旦那さん嫌だなぁ…とすごく
    リアルに感じたのは朱野さん。
    他の作品も読んでみたいな~と思ったのが宮木さん。
    短編集で新しい作家さんを発掘できるのも
    楽しみのひとつですよね…!

  • 本にまつわる8名の作家さんの短編集。
    中田永一目当てだったけど、原田マハの「砂に埋もれたル・コルビュジエ」が秀逸だった。1冊の本に対する父親の思い。そして、この話が実話をもとに書かれたという作者のあとがきを読んで、私も人生でこんな一冊に出会いたいと思った。本を読むためにフランス語を習得しようとするこの熱意。読み手をも熱くさせる素晴らしいエピソードだった。

  • 中田さん、宮木さんが特に好き。

  • 2014/5/9〔金曜日〕

  • 【最終レビュー】

    予約著書。図書館貸出。

    タイトル

    〈本をめぐる物語―一冊の扉〉

    何だか、しんみりと感じてしまうのは私だけでしょうか…

    原田マハさん&小路幸也さんの短編の各作品ごとのレビュー、まとめていきます。

    *原田マハさん作 

    「砂に埋もれた ル・コルビュジェ」

    マハさんの美術館勤務時代、当時の社長と、工業デザイナー・柳氏。2人の

    「ル・コルビュジェの絵画コレクション」の「会合」

    に、マハさんがたまたま立ち会えたエピソード。柳氏が実際に体験された、ル・コルビュジェへの想いを元に、フィクション的に書かれています。

    『フランス・天才建築家「ル・コルビュジェ著~輝く都市」』

    〈たった、一冊、されど、手放せなかった、思い入れの強い、一冊〉

    著書の内容はフィクションですが

    「インターネットのなかった時代」の中で生きてきた「地方都市」での環境

    自身も、こういう環境下で過ごしていたのと、合致する所がありました。時折、登場人物の女性と想いを重ね合わせて読んでいました。

    戦時中の中で生きてきた人達が

    「なぜ、ちょっとしたことでは動じないのか」

    この作品から、改めて考えさせられたこととして…

    *小路幸也さん作

    「ラバーズブック」

    これは、アメリカへの旅行記にて。

    途中、ドライブインに立ち寄った時、机の上に、置きっぱなしになったままの本

    リチャード・ブローティガン著

    「アメリカの鱒釣り(原本)」翻訳本も有

    小路さん自身が実際に体験されたことを書かれているなと、率直に伝わってきました。

    今まで、作品のみを通じてのみで、こういう、体験談を読むこと自体初めてで、むしろ、まっさらな感じで新鮮でした。

    小路さんが持っている、小説のスタイルそのもの、こういった内容であっても

    「ぶれず、全く変えていない」

    そこが、小路さんの魅力なんですね。シンプルながらも、じんわりと溶け込んでいくのが…

    『旅はいい。「まだまだ知らないことが、たくさん、ある」と、教えてくれる。「この身に積もる、何か」は「意外と、そこらに転がっていること」を伝えてくれる』

    小路さんの、この内容を引用しながら終わることにします。




























     





























     

  • ダヴィンチ編集部の「本をめぐる物語」読了。表題の通り、作風異なる8名の作家が紡ぐ本にまつわる短編集。小説の中に理想像を描く少女、アメリカの荒野を旅する男、出版社の校閲部で働く女性など、どの作品も本が重要な役割を持って描かれる。個人的には中田永一さん「メアリー・スーを殺して」、沢木まひろさん「時田風音の受難」、小路幸也さん「ラバーズブック」が好き。他にも初読み作家さんの作風が感じられたのも今後の本選びに役立ちそうで良かった。読後、あとがきにある「新しい一歩を踏み出すとき、そばにはきっと本がある」が、じんわり響きました。興味のある方は是非♪

  • 初めて読む作家さんが多かったけれど、どの作品も好み。
    中でも、メアリー・スーを殺しては良かった。

  • 本を出すって大変なんだね。作者の物語と読者の物語は全然違うみたい

  • 良かったのは中田永一だけ。

  • どの作品も読後感はいいです。本に纏わる話ばかりなので本好きにはおすすめです。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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